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◆第1588号(2004年6月15日付)◆


参議院選挙で国民の審判を

許せない 年金改悪採決強行の暴挙

 国民の怒りうずまくなか、6月4日の参議院本会議(採決は5日午前)で、年金の歴史的な大改悪法案が、自民党、公明党により成立させられました。

政府のウソが明らかに

 参議院の審議の中で、「保険料負担には上限がある、給付はモデル世帯で5割を確保する」と説明してきたことがウソだったことが明らかになりました。これは、法案の根本にかかわる問題です。採決は、今国会では成立させるべきでないという国民世論を、全く無視して強行されました。
 さらに今回の採決強行は、法案の内容とも合わさって、次のことからも認められません。
 1つには、採決にいたるプロセスが前代未聞の異常なものであったことです。6月3日の参議院厚生労働委員会では、共産党、社民党、無所属議員の質疑がまだ残っているにもかかわらず採決を強行し、与党は、議会制民主主義の要である審議権を封殺しました。
 2つには、空洞化対策など、真に求められていた、核心の議論が全くといっていいほど行われず、国民生活の根底にかかわる重要な法案を、審議不十分のまま、採決ありきで扱ったことです。
 3つには、閣僚、国会議員の年金保険料の未納、未加入問題です。制度を決める権限をもっている閣僚や国会議員には特別の責任があります。
 4つには、国会の審議で、「マクロ経済スライド方式」について問われた小泉首相はまともに答えられませんでした。首相が答えられない複雑な仕組みで、保険料は引き上げられ大切な年金がどんどん減らされてはたまったものではありません。
 年金制度は、政権与党の党利党略で決めるべき性格のものではありません。私たちは今回の自民党、公明党による採決強行に心底から怒りと抗議の意思を表明するものです。

消費税の増税やめよ

 政府・与党は、年金問題を最大限利用して、年来の野望である消費税大増税に道筋をつけようとしており、民主党との3党合意でも、消費税増税の方向を打ちだしました。消費税は、逆累進制の最たる不公平税制であり、社会保障の財源にはふさわしくない税制です。
 また、国民が強く求めていた国庫負担2分の1への引き上げは、今回の改革で実現することを法律で規定していましたが、約束を反故にして先送りされました。当面措置されるわずかな額は、国民への課税強化で生みだすものです。

まず国民の信頼回復を

 国民批判にさらされたもとで、法案成立を強行したことは、年金制度への国民の信頼確保を一層深刻にしています。
 現在、国民年金の保険料を払っていない人が1,000万人を超えており、厚生年金でも、リストラ・人減らしとともに、事業主の保険料負担回避に拍車がかかり、一層の空洞化が予想されます。また、03年の出生率が1・29になるなど、将来見通しの前提も大きく崩れています。
 改革というなら、国の責任を明確にするとともに、制度が抱える問題に根本的なメスを加えることが必要です。
 今回の改悪は、国民に犠牲のみを押しつけるもので、「百年安心」どころか、早晩の破綻が避けられません。

国民本位の年金制度を

 全厚生は昨秋以降、全国で、年金講師団活動を旺盛に展開し、年金改悪に反対するたたかいに全力をあげてきました。全厚生の活躍は、いたるところで高く評価されています。
 全厚生は、無年金、低額年金を無くすための最低保障年金の創設等、国民の生存権に裏打ちされた、国民本位の年金制度を確立するために、政策論議を進めるとともに、新たなたたかいに決意を固めるものです。
 同時に政治が問われています。あまりにもひどい政治を変えるため、目前の参議院選挙は、国民の意思を示す絶好の機会です。年金改悪をはじめ、国民に痛みを押しつける自民、公明の悪政に審判を下そうではありませんか。


リレーずいそう
● 気が利きすぎて
 全厚生の組合員は相当数おられると思うのだが1年前に書いたばかりの私がまた執筆の機会をいただいた、たぶん暇だと思われているのだろう。そこで今回は、「やっぱりこの人暇なんだ」ということがわかるようなきわめて些細なことを取り上げたい。
 とあるドラッグストアチェーンでは、生理用品を買うと通常とは違う色の袋に入れてくれるという「サービス」をしてくれる。通常の袋は透明ではないがぴったりくっつけば中身がすけてみえるよくあるタイプのもので、違う色の方は中身は見えないようになっている。私はいつも店員さんが別の色の袋を出してくると、普通の袋に入れてくれるようわざわざお願いすることにしている。他人が持っている袋の中身がたとえ透けていても特に気に留めたことがないからである。
 同じ店で、値引きされた生理用品が店の外に山積みされている。これを買うにはまず、不特定多数の人に私は生理用品を買いますよということを見せた後、さらにいつもと違う色の袋に入れられて、家路につく間中、あの人は生理用品買ったんだなと思われながら歩くわけである。おかしくないだろうか?
 今、暇にあかせて見ているとこんな「気が利きすぎて間が抜ける」という状況が氾濫している。無駄なことをする代わりに消費者のための実質的な配慮をお願いしたいと思う。
(国衛研支部)


News
● 有事7法3協定案は廃案に ―国会ヤマ場の行動行う―
 有事関連7法3条約協定案の廃案を求め6月9日、参議院議員面会所集会と議員要請行動が行われました。(写真右)有事関連法案は中央公聴会も開かれないまま採決が強行されようとしています。集会では、小泉首相がサミットで自衛隊の多国籍軍参加を表明したことに、「憲法違反だ」「認められない」と怒りの発言が相次ぎました。


健やかに生きよう 女性として人として
第28回全厚生女性交流集会in湯河原
日時6月26日(土)13:30〜27日(日)12:00
会場ウェルシティ湯河原(厚生年金会館)
記念講演産婦人科医 堀口雅子さん
群馬大学医学部卒 虎ノ門病院産婦人科医長を経て嘱託医
性と健康を考える女性専門家の会会長、2003エイボン女性功労賞受賞
 ゆったりと温泉につかって、楽しく夕食交流、部門別交流で語り明かしましょう。子どもたちにも楽しい企画を用意していますので、お子さま連れで参加して下さい。2日目の分科会テーマは次の3つです。
  (1)あなたの ハート は元気? 〜働く女性のメンタルヘルス
  (2)子供の未来は? 〜学校教育はどこに向かっているか
  (3)女性から見た年金 〜制度や仕事を語ろう

 みなさんの参加をお待ちしています。



【大分県】街頭で年金相談会を実施

ウソつく政府に批判

 国民に負担ばっかり押しつける今回の年金改悪法案の中味を、一人でも多くの人に知らせようと県労連主催の「街頭なんでも相談会」が、5月22日大分市中心部の竹町・ガリレア広場で午後1時から3時まで行われました。
 全厚生大分県支部からは、相談者3人・ビラ配布者3人が参加し、街ゆく人々に訴えました。相談件数は短時間の中、10件程度でしたが、大半が法案に対する批判でした。
 その主な内容は、「100年安心どころか100年不安で仕方がない」とウソつく政府を強く批判し、国民年金は強制徴収すると聞いているが、まず、国会議員から強制徴収すべきではないかとの意見が聞かれました。また、年金は物価スライドすると聞いていたのに何故下がるのか、これでは生活が出来ないではないかと言った相談も寄せられました。
 改悪法案は成立しましたが、参議院選挙に向けて粘り強く、改悪内容を伝えていこうと思います。
(大分県支部)



【秋田県】秋田県総行動に参加

寒冷地手当改悪阻止

 「寒冷地手当改悪阻止」をスローガンに5月27日に秋田県総行動が行われました。
 この行動は県労連傘下の単産、単組で組織する「寒冷地手当改悪阻止秋田県連絡会」が主催したものです。行動は県人事委員会交渉、昼休み集会、デモ行進、学習会の順に行われ、当支部からは9人が昼休みの行動に結集しました。
 人事院は、今夏の勧告において寒冷地手当の削減、廃止を伴う改悪を行おうとしています。私たち組合員や家族はもちろんのこと、住民生活へ大きな影響が波及することは必死であり、何としても阻止しなければなりません。
 当日は好天にも恵まれ、当支部の参加者は秋田県庁周辺をデモ行進し、寒冷地改悪阻止を訴えました。
(秋田県支部 秋田分会書記長)



【統 計】国公共済会の学習会開催

「ささえ愛」広めよう

 統計情報支部では、組織拡大の一環として国公共済会加入促進活動に取り組みました。
 組合に加入していることのメリットとして国公共済会の「ささえ愛」が非常に大きな位置付けとなっています。しかしながら、支部役員も本人は加入しているものの、共済会の優位性を十分理解できていないため、共済会のパンフレットを配るだけで、直接、組合員に加入のお勧めができていなかったなどの反省点がありました。
 そこで、6月3日、9日、10日の昼休み、国公共済会から全厚生出身の松渕常務理事、全厚生本部の西田書記を講師に、支部役員向け勉強会、組合員向け説明会を開催しました。統計支部には高年齢の組合員も多く、10日は、退職後の生活設計を考えている方向けに80歳まで対象の「シニア共済」について集中的に説明しました。また、現在加入している民間の保険について「保険診断」を実施していただき、民間の保障が、共済会では半額以下で保障されることが判明し、組合員は、「組合費と共済会の掛け金を合わせても民間より安い!」と痛感したようです。 国公共済の優位性、メリットを生かし加入促進、組織拡大に積極的に取り組んでいきたいと思います。
(統計支部支部長)



年金学習会、8カ月で608件

5月の年金講師活動は54件  年金改悪法案反対、国民のための年金制度確立の運動をリードしてきた全厚生年金講師団は、昨年10月1日から5月31日までの8カ月間、608件の学習会で講師活動を行いました。講師活動をした人は15支部と本部で79人、総講義時間は828時間、学習会参加者は延べ21,942人でした。
 全厚生年金講師団5月の活躍ぶりをカレンダーにしました。桜の上の数字が各地で行われた講師活動の件数です。
5月
<5月の合計>
●講師活動 54件 
●総講義時間 78時間20分
●参加者総数1,747人



「年金改革」 私も言わせて(2)

国民無視の政府与党に鉄槌を

 年金制度は複雑すぎてよくわからないという国会議員たち。さて、年金改革法案は400ページ以上の膨大な内容です。どれだけの国会議員がそのすべてを読んで採決に臨んだか?ひとり一人の議員に問い質したいと思う。
 小泉総理は野党から「マクロ経済スライド」の説明を求められて「そんなことは専門家に聞け」と薄笑いを浮かべて応答していた。こんな総理が国のトップとは惨めというしかない。
 「その国民の民度以上の政治はありえない」という名言があるが、政府与党は国民が政治に無関心で、選挙も50%以上が棄権する実態を読みきって悪法を次ぎ次ぎと成立させている。高をくくっているのだろう。
 公的年金制度は憲法で定められた基本的人権、生存権にかかわる重要な課題だ。まともな審議もしない。国民への説明もしない。数の暴力だけ。これでは政治不信が増幅するばかりだ。
 改革法案に反対といった国民の70%が、こんどの参議院選挙で自公両党に鉄槌を打つ勇気を出してほしい。私たちはさらに年金講師活動で悪法の中身を知らせ広げる運動をすすめましょう。
(愛知県支部支部長)


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