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◆第1577号(2004年2月15日付)◆


イラクから自衛隊は今直ぐ撤退を
軍事占領に加担する派兵やめよ

 陸上自衛隊本隊の第1陣が2月9日、先遣隊に続いてイラクのサマワに到着しました。同日、イラク特措法にもとづく「自衛隊派遣承認案」が、反対の声を無視して参議院で可決され、国会の事後承認手続きは終了。今後、2月〜4月にかけて自衛隊が次々と派兵されていきます。

大量破壊兵器不在で戦争の大義崩れる
 米国によるイラクの大量破壊兵器捜索を指揮したデイビット・ケイ米中央情報局(CIA)特別顧問が辞任し、「大量破壊兵器の大量備蓄はなかった」と明言。米英が昨年3月20日、イラク戦争開戦にあたり掲げた「大量破壊兵器の武装解除」という大義は崩れました。それでもなお、小泉首相はブッシュ追随の姿勢を崩しません。

米英の軍事占領の支援が人道支援か
 イラク自衛隊派兵に賛成する人の中には「イラクの復興が必要だから」という理由を掲げる人が少なくありません。しかし、自衛隊派兵が本当に「復興支援」と言えるものなのでしょうか。イラクには少なくとも6月までは政府は存在しません。あるのは米英の占領当局(CPA)です。自衛隊は、米英の軍事占領のもとで働くのであって、国連のもとで働くのではありません。「自衛隊は武器・弾薬は輸送しないが、武器を携行した兵員は輸送できる」との政府答弁に矛盾とウソを感じませんか。自衛隊の任務が、憲法9条に違反する米英軍の支援に他ならない事実を見逃してはならないでしょう。

ウソの先遣隊調査報告で派兵命令
 イラクへの「自衛隊派遣承認案」の国会審議は、サマワが「非戦闘地域」であるかどうかが争点でもありました。政府は自衛隊先遣隊の調査報告書にもとづいて「サマワの治安は比較的安定」と答弁。が、この報告書は、防衛庁と外務省が現地調査前にまとめていたことを、共産党の赤嶺議員が暴露し(1月30日衆議院イラク復興支援特別委員会)、政府を追いつめました。しかし、ウソの先遣隊報告書にもとづいて、「イラク派遣承認案」は与党(自民・公明)により強行採決されてしまいました。

国連中心のイラク復興支援を
 戦争で街が破壊され、疲弊したイラクの人たちは心から平和を求めています。イラクの混乱は、外国の軍隊が存在することが原因です。一刻も早く外国軍が撤退し、イラク人への主権移譲を行うこと、そこに国連が直接的に関与することが求められます。国連主導のイラク復興へ、政府は外交努力をしなければなりません。自衛隊員が殺されないよう、そして、殺さないよう、一刻も早く撤退できるよう、私たちの声を政府へ、世界へ届けましょう。


防衛庁を包囲する1万人の平和の灯
 「イラクへの自衛隊派兵を中止し、撤回せよ」。キャンドルやペンライトなどの光の波が2月5日夜、東京都内の明治公園から市ヶ谷の防衛庁へと続きました。全厚生はOBを始め、本省・リハ・感染研・神奈川県の各支部と本部から20人が参加しました。


外国人による占領は終わりに

日本平和大会でイラクの医師が訴え

 日本平和大会in沖縄(1月29日〜2月1日)で、イラクの医師でガンセンター所長のジャワード・アル・アリさんが、スライドを交えながらイラク国内の惨状を訴えました。(写真上)「食料と薬が不足し栄養不足と伝染病により子どもの死亡率が増加、この12年間で500万人以上の子どもが死亡した。91年の湾岸戦争で劣化ウラン弾が使われ12年後、がんによる死亡率は88年の19倍、先天性奇形児の出生率は90年の7倍にも。今回のイラク戦争でも劣化ウラン弾が使われ、91年当時よりも上回って使われている」と悲惨な現状を紹介。「私は、イラク国民とすべての国の人が、核兵器も大量破壊兵器もない世界で、平和のうちに生きることを望んでいます。外国人による占領は終わりにしよう。国家の主権と自治を」と強く訴えました。


【秋田県】風雪の中9人が集会参加

イラク派兵反対訴え

 1月31日、イラク派兵反対県民大集会が秋田駅前アゴラ広場で開催され、秋田県支部から総勢9人が参加しました。この集会は秋田県労連を中心にした「有事法制の廃案を目指す共同行動事務局」の主催で開催されたもの。集会では、県内各労組や民主団体、さらにはラーメンで有名な自治体の元町長等がイラク派兵反対のメッセージを発していました。
 集会開始と同時に風雪が強まり、参加者にとって厳しい環境でありましたが、自衛官やその家族の心境を思えば、ここは我慢です。でも、本当に寒かったです。
 終了後はさらにデモ行進と、過酷な午後のひとときでしたが、新調した「のぼり旗」を持ち参加者一同、寒さに耐えながら平和への思いを新たにしました。
(秋田県支部書記長)



リレーずいそう
● 積立金を無駄に使うな
 マンションの管理組合の役員を引き受けているのだが、現在の焦点は地震対策だ。東南海・南海地震が近い将来起きることが発表されてから、住民の皆さんからは「大丈夫?」との心配が寄せられている。建築士に地震診断を受けるだけで何百万円もかかるというのを聞くと、診断だけで住民の大切な管理費や修繕積立金をそうたやすく使って良いのだろうか、住民は了解してくれるか、などなどと悩みは大きい。
 それにつけても、年金講師をやっていてつくづく思う。140兆円という膨大な年金積立金は、払ってきた労働者国民の大切なお金だが、歴代の政府はそう思って使ってきたのだろうか。年金の支払いはその年度で集めた保険料でまかない、積立金は年金とは無関係な公共事業費や「海外協力費」などに使い、大企業の儲けに「貢献」してきたのではないだろうか。
 坂口さんは、積立金を100年かけてとりくずし、年金に使うと言っているが、100年後に今の現役でだれが生きているのだろうか。まあ、それは別としても…、今回の“史上最悪”の年金改悪の保険料大幅アップと年金水準引き下げに何の影響もない。またも積立金を無駄に使ってしまうだけではないか。
 そうではなく、積立金は年金にだけ使うこととして、もっと短い期間で計画的に取り崩せば、保険料も年金水準も改悪しなくてすむ。そして全額国庫負担の最低保障年金創設を。この春熱くがんばりたい。
(愛知県支部)


社会保険行政研究集会

日 程2004年3月6日(土)13時〜7日(日)12時20分
会 場京都エミナース(JR長岡京駅より送迎バスで約20分)
メインテーマ国民本位の社会保険制度の実現を目指して
記念講演21世紀の社会保障のあるべき姿」(仮称)
芝田 英昭(立命館大学 産業社会学部教授)
内 容基調報告、テーマ別分散会・討論、集会のまとめ、行動提起
<研究テーマ>
(1)医療・健康保険のあり方(都道府県単位の財政運営)
(2)公的年金制度のあり方(制度改正、空洞化、年金講師団活動の取り組みなど)
(3)行政サービス(事務の合理化、効率化など)
各支部からの積極的な参加をよろしくお願いします。


【愛知県支部】ネットワーク結成し奮闘

年金闘争を幅広い市民と共に

 秋年闘争から始まった年金闘争、04年年金改革案が閣議決定され、いよいよ運動は本格的になってきました。
 年金改革与党案、財界の消費税引き上げ案や大増税の税制改革などが出てくるのに合わせるように学習会の講師依頼がどんどん増えてきました。しかし、学習会だけでは運動としては不充分です。
 愛知社会保障協議会と愛労連が中心になって労働組合の枠に留まらない運動を創り出すために共闘組織の立ち上げに、全厚生は県国公の枠とは別に準備会に参加して、街頭宣伝では積極的にマイクを持って年金改悪の内容を知ってもらう役割を果たしています。
 2月1日、労働組合だけでなく母親連絡会、消費生協など市民団体も参加して「年金改悪・大増税反対ネットワーク愛知」結成の運びとなりました。
 総会では公文昭夫先生から最新の情勢を交えて04年改革案をしっかり学びました。そして、年金制度の度重なる法律改正によって制度が複雑になりすぎ、年金相談に長時間かかる。窓口では来訪者があふれていること。さらに今度改革案によって制度改悪されればいっそう職場の労働条件が悪くなり、働き甲斐や仕事への誇りを持つことができなくなる。専門性を生かした学習会への講師派遣は当然として宣伝活動にも奮闘すると全厚生を代表して支部長が決意表明をしました。
 『ネットワーク愛知』は幅広い運動の発信元になり、4月4日に県民集会をまず成功させ、4月15日年金ストライキへと連帯をひろげて行くことになります。
 愛知も2月になって年金学習会の講師依頼も20回をこえています。労働組合だけではなく、婦人団体や消費生協の小グループの学習会も入ってきました。家庭にいる女性たちの少グループの学習会はお茶を飲みながら率直な意見を出し合っての議論が大変にぎやかで楽しい。
 時には公務員への厳しい意見をもらいながらの講師活動は自らを鍛える絶好の機会でもあります。
 愛知と岐阜では2回目の講師団会議を開き岐阜県支部の國枝書記長が講師活動の経験を発表し、それぞれに経験交流で知識を深め合いました。講師デビューする人も、街頭宣伝で初めてマイクを持つ人も出ています。年金闘争は国公のスローガン『国民の中へ、国民とともに』を実践する運動です。私たちの職場の現状を知ってもらうチャンスでもあります。そして今のような暮らしにくいこの国のありようを語り、政治のありようを問い掛けるチャンスでもあります。『今日も、あしたも資料いっぱいの重いカバン持ってランランラン…・!?』
(支部長)


年金講師団活躍カレンダー

 年金大改悪反対、国民のための年金制度について熱く語る全厚生年金講師団の活躍ぶりを昨年に続き1月分をカレンダーにしました。桜の上の数字が各地で行われた講師活動の件数です。日々の活躍ぶりをご覧下さい。 

全厚生年金講師団活動データブック
2003年10月1日から2004年1月31日までの123日間
●229件の学習会で講師活動
●講師活動をした人は15支部と本部で68人
●今年になって新たに14人が年金講師デビュー
●総講義時間は296時間20分
●学習会参加者は延べ8,184人
1月
<1月の合計>
●講師活動 77件 
●総講義時間 87時間50分
●参加者総数3,430人



日本平和大会in沖縄を開催
基地も核もない世界を自衛隊のイラク派兵反対

 1月29日〜2月1日(国際シンポジウムは29・30日)、日本平和大会in沖縄が開催されました。全厚生からは、愛知県支部と本部から3人が参加しました。
 30日は糸満市の西崎体育館で開会総会が開かれ、アメリカ・イラク・韓国・フランスの海外代表も含め1700人が参加しました。来賓挨拶では、普天間基地の全面返還を求める宜野湾市の伊波洋一市長が「米軍基地の撤去なくして沖縄の平和はあり得ない。平和は最大の福祉という立場で、基地撤去に奮闘する」と決意表明しました。イラク人医師ジャワード・アル・アリさんはイラクの実態について特別報告。湾岸戦争・イラク戦争で使用された劣化ウラン弾の被害で苦しむ人々の写真を示しながら、「これらの写真が、このとんでもない犯罪の証拠となる」と、大儀なき戦争で多くの一般市民が犠牲となっている現状を切実に訴えました。日本平和委員会事務局長の千坂純さんは基調報告に立ち、「イラク派兵阻止の運動や平和の為の闘いを交流し、さらに大きく発展させる方向と展望をつかもう」と呼びかけました。
 大会2日目は、4つの動く分科会「南部戦跡めぐり」「中北部基地調査」「名護市・辺野古の海体感」「やんばる自然探索」の各コースに分かれて行動。南部戦跡以外のコース参加者は、米軍の新基地建設に反対する名護市民と合流、建設予定地である辺野古の浜辺で「この美しい海に基地はいらない!」と交流集会を開きました。夕方には糸満市西崎体育館で「沖縄文化の夕べ」を開催。同時に開催された青年の集会「ピースシャウト」では、「人間の盾」としてイラク戦争を体験した相澤恭行さんの生々しい報告、平和を創る青年の各地での取り組みなど、平和への思いを交流しました。
 最終日午前中は8つの分科会と2つのシンポジウムが開催されました。午後からの閉会総会には1700人が参加。全労連副議長の西川征矢さんは討論のまとめと行動提起の中で、アル・アリさんをイラク側の窓口として「私たち市民が、イラク国民を人道支援する行動を」と、労働者は1時間分の賃金、学生はコーヒー1杯分の募金活動を広げることを呼びかけました。また3月20日の国際共同行動にも触れ、イラク占領を許さない大きな世論をつくること、従来の枠を越えた国民的な共同の輪を広げることなどを訴えました。会場は大きな拍手に包まれ、平和に向けた闘いの展望を新たに、閉幕しました。
(本部書記)


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