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◆第1575号(2004年1月25日付)◆


04春闘 知って、知らせて、行動しよう
イラク派兵、年金大改悪許さない

 いよいよ、2004年春闘の本番です。期待に応えてたたかうには、社会全体の状況を見据えることが大切です。今、憲法9条を踏みにじり、自衛隊のイラク派兵を強行する政府に対して、計画の中止・撤回を要求し、国連憲章にもとづく世界の平和に貢献するたたかいは、直面している最大の課題です。平和なくして社会保障の真の発展はありえません。全厚生は、この情勢の大局をとらえてたたかいます。庶民に激痛を押しつける小泉「構造改革」と対決して、平和、雇用と暮らし、年金・社会保障を守ることが04春闘の中心の課題です。

「構造改革」やめさせる共同を
 では、どのようにたたかいを前進させたらよいのでしょうか。小泉「構造改革」の激痛に耐えるのでなく、痛みをなくすためには、競争原理、市場原理が支配する弱肉強食の社会のあり方を根本的に問いただします。財界の構えは明確です。「労働組合が実力行使を背景に賃金水準の社会的横断化を意図して闘うという『春闘』はすでに終焉した。今後は、個別企業が生き残りをかけ、労使一体となって生産性向上に取り組むとともに、さまざまな改革を成し遂げなければならない」(経営労働政策委員会報告)と述べています。一層の痛みを労働者に押しつけ、賃金破壊、雇用破壊の攻撃を強めています。財界・大企業のこれ以上の勝手放題を許さないためには、労働者・国民の共同を広げ、「構造改革」をやめさせる力を大きく前進させることです。

年金講師団活動を広げよう
 ストップ!年金大改悪のたたかいは、04春闘の最大の国民的課題です。年金闘争は、待ったなしの課題であり、「全厚生の出番であり、本番」の立場で総力をあげてたたかいます。政府は2月中旬には、年金大改悪の法案を国会に提出する予定です。現在、最終調整に入っていますが、改悪の中心点を押さえることが大切です。何と言っても、将来にわたる保険料の大幅負担増と給付の自動削減装置をとりつけることです。基礎年金の国庫負担を増額するための財源を捻出するために、財界の強い意向をうけて、最悪の大衆課税である消費税大増税の道筋をつけたことは極めて危険です。
 昨年の秋季年末闘争は、年金大改悪のねらいや内容を知らせ、社会保障の立場から年金改革をすすめようと訴える年金講師団が大奮闘しました。若い講師も誕生し、講師団の裾野を広げ、年金闘争を前進させる重要な貢献を果たしています。情勢にふさわしく、旺盛な活動を展開するために、この間の豊かな取り組みを交流し、討議します。全労連は、年金改悪を阻止するために、「4・15年金ストライキ」を配置しました。全厚生は、この統一行動を広範な労働組合の取り組みとして、成功させるために全力をあげます。また当日は、国公労連に結集して、休暇行動に結集します。

社会保険行政研究集会の成功を
 さらに、行政研究活動をこの春闘で推進します。3月6〜7日に京都で開催する社会保険行政研究集会の準備を進め、力を結集して集会成功をめざします。また、試験研究機関交流集会の準備を始めます。厚社連(=全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)を軸に政策活動を積極的に進めます。
 春闘の取り組みを旺盛にすすめ、各支部・分会で日常活動を改善することも重視します。労働組合は、組合員が主人公の運営を貫くことぬきに、運動を前進させることはできません。(1)気軽に話せる雰囲気をつくる、(2)決めるプロセスを重視する、(3)みんなに参加を呼びかけることです。基本的であたり前のことですが、すべての支部で実践します。さらに、情勢や課題をよく学び、討議する場を常につくります。「知って・知らせて・行動しよう」の観点に立って取り組みます。

組織拡大で新しい活力を
 仲間たちの要求実現のたたかいを執念をもってすすめると共に、要求実現の最大の力となる組織強化・拡大を全支部が取り組みます。4月〜6月までを組織拡大特別期間に設定し、事前の準備を行います。労働組合に新しい息吹、新たな活力を生み出すために、職場のすべての仲間を対象に組合加入の運動をすすめます。春闘で要求実現のたたかいを前進させ、頼りになる労働組合を築くために奮闘しましょう。


宿舎・駐車場使用料の大幅値上げ反対
人事課・社会保険庁へ申し入れ

 財務省による宿舎使用料(平均25%)及び駐車場使用料(平均100%)の大幅引き上げ提案にたいし全厚生は、「5年連続の年収切り下げ、2年連続の本俸マイナスの状況下で、入居者・職員にさらなる負担を強いる宿舎料改定案は断じて認めることはできない。充分協議を尽くせ」と1月9日に大臣官房人事課、8日に社会保険庁へそれぞれ申し入れを行いました。


リレーずいそう
● 大男の焼くケーキ
 初めてクッキーを焼いたのは、10年近く前の高校2年生の時だった。
 菓子作りへの興味は、ひょんなことから沸いてきた。高2の時に、同級生(今でもお菓子の先生)からもらった手作りクッキーが、クッキーの味になっており、どうしたらできるのか、ただただ不思議だった。とりあえず作ってみるかと適当に作り始めたら、見事にはまり、今や立派な趣味になってしまった。
 菓子を作るようになったきっかけは、クッキーだったが、実際によく焼くのはパウンドケーキやアップルパイといった、ケーキらしい形をした焼菓子が多い。小麦粉、バター、砂糖、卵は、分量と混ぜ方を変えることで、パイ生地に、スポンジ生地に、と姿を変える。生地の出来によっては、焼いても全く膨らまないこともあり、材料の混ぜ合わせが一番難しい。オーブンの中で、生地がケーキに変わっていく様は、何回焼いても不思議で、それを見ているときが一番面白い。ただし、ケーキを作るのと、おいしいケーキを作るのとは別の話。おいしいケーキを焼き上げるのは、本当に難しい。レシピを見て、テレビの料理番組を見て、先生が作るのを手伝い、実際に自分で作り、という試行錯誤の繰り返しだ。ただ、それもまた面白いと思ってしまう。
 悩みといえば、作ったものは自分で食べなくてはいけないということ。身長180センチの大男の焼くケーキ、一口いかがでしょうか?
(愛知県支部執行委員)


News
● 宿舎費大幅値上げ反対 ―財務省前要求行動を実施―
 1月21日国公労連は、公務員宿舎・駐車場使用料の大幅引き上げに反対し、職員・労働組合との十分な交渉・協議を求めて財務省前で要求行動を実施。全厚生も参加しました。財務省要求行動で主催者あいさつに立った堀口委員長は、「今回の提案は手続き、内容の両面できわめて不当。退去時負担や老朽・狭隘な宿舎の改善問題なども検討するべきだし、何より5年連続の年収切り下げという厳しい生活状況のもとでの大幅引き上げは断じて許せない」さらに、「ただ働き残業の解消や労働条件関連予算の拡充など、働きやすい環境づくりこそ財務省はやるべき」と当局の姿勢を糾弾。小田川書記長が、税制上の建物償却期間の短縮等を口実とした宿舎と駐車場使用料の大幅引き上げ提案(昨年12月15日)の内容と問題点を指摘し、全国で展開している署名の推進や当局追及・上申闘争の強化、財務省・財務局交渉など、「1月下旬にも公布したい」とする当局の一方的な押しつけをはね返すとりくみの強化について闘争報告。全厚生の宮田中執はじめ参加各単組と国公労連青年協の代表が、それぞれ財務省の不当な提案に反対し、たたかう決意を表明しました。


04春闘要求アンケート結果

生活苦しく賃上げ要求切実

 昨年秋に取り組んだ「生活と労働の実態に関わる要求アンケート」は、12支部・分会1389名分を集約しました。(約40・8%)全厚生は、アンケートは誰でも参加できるとともに、一人ひとりの切実な要求を運動に反映させるため、全員参加を重視して取り組んできました。目標に対して集約状況は十分とは言えませんが、暮らし、賃金要求、残業実態など、職場の現状を知る貴重なデータです。このアンケート集約結果をもとに職場で大いに要求議論しましょう。
 全体の構成は男性約7割女性約3割、収入構造は図1のとおり。
 生活実感については(図2)、「かなり苦しい」「やや苦しい」をあわせて64・1%となっており昨年(62%)と比べ約2ポイント増加しています。依然として組合員が苦しい生活実態であることを表しています。
 節約項目については(図3)、「衣料費」、「旅行・レジャー」、「自動車や家電製品、家具購入費」の順となっています。厳しい生活状況を反映して生活必需品の支出を極力抑えようとする傾向となっています。
 公務員賃金の決定要素については(図4)、「職務内容・責任」が最も多く、「生計費重視」「年齢・勤続年数」と続いています。
 賃金闘争前進のためには、「人事院との交渉強化」(41%)、「官民統一のたたかい」(31・1%)「使用者責任の追及」(28・7%)「公務員賃金への国民的理解」(27・4%)となっています。春闘をはじめとした、官民一体となった共同行動を展開し、広範な国民に公務員賃金についての理解を広げ、「悪魔のサイクル」を断ち切ることが必要です。さらに、3年連続本俸引き下げを許さない、労働基本権回復、権利闘争を強化し、国、政府の使用者責任を追及していくことが重要です。
 賃上げ要求では(図5)、昨年に引き続き「1万円」の要求が最も多く、賃上げ要求は低額傾向にあります。主たる原因は、賃上げをめぐる環境が悪化しているという認識が組合員の中に広がってきていることにあると思われます。しかし、それだけに要求は切実度が増しているとみるべきです。
 健康状態については、「やや不安を感じる」(31・4%)、「不安がある」(14・9%)と合わせて、46・3%と半数近くの回答者が健康に不安を感じています。
 制度要求は図6のとおり。圧倒的に「年金改悪阻止と最低保障年金確立」が多く、国民に負担を押しつける政府の悪政をやめさせるとともに、厚生労働省の職員として、働きがいにも直結する制度要求に集中しました。続いて、「リストラや解雇の規制」「失業者の生活保障と雇用創出」となっており、政府の進める失業・雇用対策の実効性がないことを表しています。
 こうしたアンケート結果から、全体的に生活が苦しく、健康状態に不安を持ちながら仕事に追われている職場実態が浮かび上がってきます。
 賃金の決定要素の問からは、経験や職務が正しく評価されていない実態が明らかになっており、成績主義、評価制度を基本にした「公務員制度改革」は、到底受け入れられないことを示しています。 賃金要求では、賃上げ要求の切実度がより増していることがあらわれています。「意見欄」にも「04春闘でマイナス勧告を取り戻す運動を」「連続しての賃下げは、仕事をやる意欲をなくす」「国民にもっと公務員の実態を伝えよう」などの意見が寄せられています。
 04年春闘で全労連は、すべての労働者の賃金底上げの課題を重視して取り組みます。私たちは、生活の中から出てきた要求をしっかりと掲げ、すべての労働者・国民の生活改善をめざして闘うことが重要です。  


【大分県】第4回定期大会を開催
年金講師団の強化を

支部長本田 博幸
副支部長波田野京子
書記長秦 由美子
書記次長浜川 久美
 〔大分県支部発〕大分県支部は、12月20日、第4回定期大会を開催しました。大会は、大分県国公から八川議長、本部からは宮田中執の激励を受け運動方針案の討議に入りました。小規模組合の利点と議長の粋なはからいで全組合員が発言しました。
 めまぐるしく変わる業務変更や医療保険・年金制度改悪に対する意見が多く出されました。こうした状況下で、社会保険の専門家の組合運動として、特に、年金講師団の活動強化等も議論されました。また、小泉内閣がイラクへの「自衛隊派遣計画を決めた」直後だけに、平和に関する意見も多く出されました。
 「新再任用・再雇用」を含む働くルールの確立・健康で働ける職場づくりや組織強化についても討論が行われました。  
 運動方針は、全会一致で採択され閉会しました。
 新役員は右のとおり。


私の年金講師団活動

社会保障全体や政治のあり方を語ることも重要

 岐阜県支部もようやく年金講師「団」としての取り組みをスタートしました。いままでは委員長の澤村さんに任せきりだった年金学習会の講師活動でしたがこのままでいけないと、全厚生年金講師団養成講座や全厚生東海ブロック連絡協議会の打合わせ会議に参加してきました。活発な講師活動の経験を聞き、私もやってみたい、やらなければという気持ちが起きる一方で、「年金、苦手だしなぁ」(社会保険労働者が情けない…)という思いは簡単に消えるものではありません。04年金改悪の中身を知らせていく必要性や、「全厚生の出番であり、本番」というかけ声に押され、「とにかくやってみよう」と支部四役会議などで意思統一をし、学習をしてきました。
 支部が「団」としての活動を本格的にスタートさせたのは、岐阜県国公が県内8カ所で開催する地域討論集会に年金学習会をセットしてからです。全厚生として講師の協力要請にこたえるには講師を増やさねばならないというわけです。
 講師活動をしてあらためて日常業務に追われて、改悪案の理解もままならないでいることを反省しました。学習会を重ねると、単に年金だけでなく、社会保障全体の考え方や政治のあり方についてもっと語ることが重要だと感じます。自分自身の学習の必要性も大いに実感しています。
 いま岐阜県支部の講師団は4人ですが、「誰もが講師に!」を実践するべく今春闘で奮闘したいと思います。
(岐阜県支部)


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