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◆第1571号(2003年11月25日付)◆


働きがいある社会保険職場に

長官交渉 国民の期待に応える社会保険業務を

 全厚生は11月14日、社会保険庁と交渉をしました。交渉は杉下委員長以下本部役員及び、各県支部代表が出席し、社会保険庁は、真野長官、小林次長、十菱総務課長らが対応しました。

国民の願いに応える年金制度へ
 冒頭、杉下委員長は、社会保障制度は国民全体にとっての最大の関心事であり、総選挙では、年金問題が大きな争点になった。内閣府の世論調査では、老後の不安(50%)、健康の不安、収入の不安が上位を占めている。国民の生活と労働の実態を踏まえ、厚生労働省、社会保険庁は国民の願いに応える責任と役割があると主張。社会保険職員は、仕事に誇りを持ち、社会保険業務の信頼を失ってはならないと必死の思いで努力している。しかし、週刊誌報道の一連の事態は、制度不信に拍車をかけ、職員の働きがいにも関わる問題であり、幹部は猛省すべきだ。こうした事態は組織として歴史的に作られ、巣くっているのではないかと考えざるを得ない。長官は、国民の信頼に応え、期待に応える社会保険業務をどう確立するのか、と追及しました。年金法「改正」、政管健保の「財政運営」については、国の責任を明確にし実施するように要求。公務員制度改革については、社会保険職場にはなじまないことを強く主張し、一方的な制度改悪が行われないよう関係機関に働きかけるよう要求しました。
 これに対して、真野長官は、一連の記事掲載について、現場の第一線で一生懸命業務を行っている皆さんの努力に対して由々しき問題。反省すべきところは反省し、幹部に対し、節度ある振る舞いをするように一層の徹底をはかった。年金法「改正」、政管健保の運営については、実施機関の立場から必要な意見を述べている。公務員制度改革については、職員の処遇問題、社会保険の仕事自体にも関わってくる大きな問題であり今後も注視していく。現在、社会保険制度に対する国民の不安・不信などにより、事業運営は厳しい状況にある。国民の理解と信頼を得るよう、第一線の職員と一丸となって困難な諸課題に取り組みたい、と回答しました。

国民を恫喝する姿勢は改めよ
 引き続き、飯塚副委員長が、社会保険庁の広報、宣伝にふれ、社会保険庁の国民を恫喝するような姿勢、方針に問題があると主張。さらに、その延長に国民年金の強制徴収があることを指摘、職場の実態を無視した、一方的な体制づくりを行わないよう強く要求しました。
 これに対して、小林次長は、年金広報について必要性はますます高まっており、今後も、国民に対して不快な感情や誤解を与えないよう留意して広報に努めたい。広報は大変重要であり、表現に誹謗中傷や差別があってはならない。国民年金保険料の強制徴収については、納付率の低下は、制度に対する信頼感を維持していく観点からも、ゆるがせに出来ない問題と受け止めている。実施にあたっては、予期せぬ困難もあろうかと思われるが、各事務局と十分に連携・協議を行いながら実施していきたいと考えていると回答しました。
 この後、総務課長から平成16年度予算の概算要求について説明を受け、飯塚副委員長の進行で、課題別要求に対する見解を総務課長に求めました。

メンタルヘルス対策の強化を
 各支部発言では、昇格問題に関わって、職場の第一線でがんばっている職員が、6級高位号俸、7級枠外に該当しており、希望を持って働けない(秋田県支部)。依然として、改善されない女性の昇格差別、全国で1人の4級高位号俸(大分県支部)。本省との昇格差別(業務センター支部)。それぞれ、早期の改善を強く要求しました。超過勤務問題では、納付率などの成績が追及される中、やむなく休日出勤している職場実態にふれ、ただ働き残業の改善を要望(愛知県支部)。定員問題では、増え続ける業務、年金相談が依然として改善されない事を示し、都市部問題で具体策を追及(神奈川県支部)。人事問題では、全厚生の組合員が一人も事務局に人事異動されていない実態などを示し、組合間差別人事(大阪支部)。事務所長の地元登用(神奈川県支部)。女性の登用、研修問題(女性部)。それぞれ追及し改善を求めました。メンタルヘルスの問題では、管理職の意識改革など、組織的な対応と、職場環境の改善を求めました(京都支部)。
 最後に杉下委員長は、4級17号俸を放置しておくことは許されない。また、組合所属による差別的扱いはあってはならないと厳しく改善要求すると共に、人事管理、メンタルヘルス、超過勤務実態について、再度、問題点を指摘し、聞きおくだけでなく、どう努力したらいいのか、しっかり受け止め改善するよう要求しました。 


リレーずいそう
● 過密活動の気分転換は
 10月10日、給与法「改正」が早々と成立し、秋年闘争の出鼻をくじかれた感がありますが、その分怒りを国公権利裁判にぶつけています。今秋年闘争は、04年年金制度改悪反対での年金講師団活動や第1・第3水曜日の宣伝行動、国立病院賃金職員の雇い止め阻止闘争、民主的公務員制度確立等の課題で、みなさん連日忙しく奮闘されていることと思います。
 専従として初めての秋年闘争は、厳しい課題と過密スケジュールに追いまくられて、最近は少々疲れぎみ状態です。健康にはそこそこ自信がありますが、それでも、年々疲れやすくなっているので注意はしています。
 そこで、疲れをとるのにいいと、ある時友人に薦められた沖縄のもろみ酢を効果があると信じて毎晩飲んでいます。また、体の疲れをとり、柔軟性を維持していくため、隔週でマッサージ院に通っています。これが結構効いています。ただ、これだけではストレス解消になりません。ストレス解消の一番手はゴルフです。私がいくコースは、従来からのキャディ付き、歩きプレーが主ですから、18ホールのラウンドは適度な、時にはやや過重なウオーキングとなり、日頃の運動不足の解消にもなる一石二鳥の効果になっています。
 これらで気分転換をはかり、あとは、頭を柔軟にして、自衛隊のイラクへの派兵を阻止し、平和憲法を守るたたかいや04春闘を展望した秋年闘争の後半戦に全力を上げていきます。
(中央執行副委員長)


News
● 年金大改悪・大増税反対 ―03秋年闘争第3次中央行動―
 11月19日、03秋年闘争第3次中央行動が行われ、官民労働者5,000人が結集。全厚生は社会保険支部をはじめ国リハ支部、秩父学園支部、在京支部など50人が行動に参加。全省庁一斉定時退庁日行動でもあったこの日は、早朝宣伝行動(写真上)から始まり、午前中は、18日から20日まで3日連続で取り組まれている「国立病院賃金職員雇い止め阻止」厚労省前座り込み行動に参加しました。午後からは、日比谷野外音楽堂で全労連主催の「国立病院賃金職員の雇用を守れ!年金大改悪・増税反対、秋闘勝利!11.19総決起集会」に参加した後、三手に分かれて、国会議員要請行動と総務省・財務省への要求行動に参加しました。国会議員要請行動で全厚生は、参議院議員23人に、「年金制度の拡充と大増税の中止」と「国立病院賃金職員の雇用継続」を求め要請。「秋期年末闘争勝利!労働基本権回復、民主的公務員制度確立11.19中央総決起集会」の後に「公務員制度改悪反対」「国立病院賃金職員の雇用を守れ」とアピールしながら国会請願デモを行いました。(写真上)


国立施設管理室長と交渉

国立施設での充実強化を

 全厚生は11月10日、国立施設管理室長と施設の拡充・強化、職員の処遇改善をめざし交渉を行いました。全厚生からは杉下委員長をはじめ本部役員と函館、塩原、国立リハ、秩父、神戸、福岡、別府の各支部代表が出席。管理室からは片石室長、阿部補佐らが対応しました。

福祉職場に成績主義はなじまない
 冒頭、委員長は(1)施設の組織再編(2)公務員制度改革(3)再任用制度(4)昇格改善の4点について、室長の見解をただすとともに、課題解決に向けての最大の努力を求めました。施設の組織再編については「職員に不安や憶測が広がっている、管理室としての立場を明確にして、周辺の動きにも注意を払いながら、国民の立場に立った国立施設として存置すべき」と主張。公務員制度改革では、改めて「福祉職場には成績主義・評価制度がなじまない」ことを強調しました。再任用制度では実効性のある制度とするため「管理室自身が再任用実現の立場に立って、対象者の意向把握などの手続きを早く示し、いっそう努力して欲しい」と強く要求。昇格改善では、「上位定数確保が困難な事は周知の事だが、人事院に要求が届いていない現実もある。1つでも2つでも胸を張って話が出来るよう最大の努力を」と述べました。
 委員長の発言を受け、片石室長は、組織再編では、国立での施設運営を前提とし、国立リハや秩父学園が行っている高次脳機能障害、自閉症などの事業を自己評価しながらも情勢報告に終始し、独立行政法人化の流れに逆らえないと消極的な発言が続きました。 公務員制度改革では福祉の第一線の職場は一つのチームで仕事をしているとの認識を示しながらも、公務員制度改革を全面的に否定するものではないと回答。再任用制度では「運営に支障を来さないよう検討していく」、昇格改善では「最大限努力する」と回答しました。
 杉下委員長は管理室長の第三者的な発言を厳しく批判し、現場をあずかる管理者として基本的な立場を明確にした上で回答するよう求めました。

15年度増員分直ちに配置を
 平成16年度概算要求については、事前折衝で示された概算要求、組織・定員要求と、その実現に向けての決意を確認しました。また、平成15年度増員分である伊東のPT、福岡の情報指導主事については、先の交渉で「重度センターは医療面の強化、視力センターは情報面の強化を具体化したもの」と回答したにもかかわらず未配置となっていることは、施設のあり方や交渉の回答主旨からも容認することは出来ません。早期に配置するよう求めましたが、「調整中・・」との回答にとどまりました。
 宿日直課題では現行制度の廃止と、これに変わる入所者の生命保全や快適な生活保障のための宿舎体制確立を求めました。室長は、施設により状況が違うので一律では無理としながら「職員負担軽減と入所者ニーズに対応して、塩原で日直業務廃止について試行を開始している。各施設も試行する予定なので、報告を待って検討する」としました。これまでは休日や夜間も指導訓練が継続しているとしていたことについて、「休日や夜間には訓練は行われていないので、現状行っている業務を基に、問題点を整理しながら、施設ごとに個別に協議、試行していきたい」と回答しました。

教育職(四)表の存続を強調
 昇格の要求では各施設が抱える重点課題について各支部代表からも発言、早期昇格実現を迫りました。とくに介護員長3級、行(二)・医(二)の処遇改善、福祉職の上位定数の確保などを強調しました。塩原、神戸からは調理師長の昇格について、地方人事院交渉では、「どうしてこんな高い号俸におかれているのか分からない」との話も出ている、と追及。その他の上位定数確保の状況については、16年度人事院要求の概要が示されました。また、交渉の中で、教育職(四)表について、昇格課題に加えて、教育職俸給表の存続問題に触れ、組合側からは「俸給表は職務とその専門性をあらわすもの」とし、専門職俸給表の必要意義について強調し存続させるよう求めました。窓口折衝、本交渉とすすめてきていますが、はっきりとした回答がとれない問題もあり、引き続き書記局で対応することとしました。
 職員研修の課題については、指導課生活支援員の採用要件と、採用後の業務遂行上必要な資格取得について、幾つかの施設で問題が出ていることを指摘、管理室の考えを問いただしました。これに対し、来年度から生活支援員の採用要件は「社会福祉士の受験資格を有する者」とし、生活訓練に必要な歩行訓練資格については、国立リハへの異動で対応したいと回答しました。
(中央執行委員)



厚社連会議を開催

支部活動の現状を意見交換

 全厚生は11月9日、東京・茜荘で厚社連(社会福祉)支部代表者会議を開きました。会議には函館、塩原、国リハ、秩父、神戸、福岡、別府の各支部代表が出席しました。「厚社連はひとつ」をスローガンに、仲間の連帯を背景に、翌日の交渉に望む予定でしたが、伊東支部の欠席は残念でした。交渉にむけた打ち合わせでは、各支部の抱えている課題の報告をうけ、翌日の交渉に反映できるように整理、ポイントについて意思統一しました。
 支部活動についての意見交換では、多くの支部で定期大会が終了し、新しい役員で活動が始まっていることが報告されました。施設長交渉を実施した支部、メールによる広報活動に取り組む支部、愛知で開催される青年交流集会に参加者を出す支部、数年ぶりに組織拡大を実現した支部、介護員の専門性確立のため組織再編に取り組む支部など、多彩な報告がされました。宿日直制度について視力センターでの試行のとりくみが提起されていますが、これまでの宿舎体制を踏まえ、今年4月からの支援費制度に対応する新たな宿舎体制等の検討が必要との認識が深まる有意義な会議となりました。


愛媛県/女性部が交流会を開く

秋晴れのいも掘り

 10月18日、毎年恒例の女性部交流集会を20人の参加で行いました。
 11時大洲市、道の駅「あさもや」に現地集合、内部のレストランでわりと豪華な昼食をとりました。いろいろなおかずが少しずつ楽しめて、好評でした。
 その後、車で20分ほど離れた「観光いも園」にてメインのさつまいも掘りを行いました。
 掘る場所が一人分ずつ竹の棒で区切られており、掘りだしたいもは無料で持ち帰れるというとてもお得なものでした。
 早く、きれいに掘りだす人、お子さんと一緒に楽しむ人、最大限掘りだすと意気込む人、悪戦苦闘する人、好天にも恵まれさわやかな秋晴れの下、皆さんそれぞれに楽しまれたようです。
 その後は自由参加の大洲市内観光で、無事終了の運びとなりました。
 そして今私は、職場でかなりひきとってもらっても、なお、余った傷だらけのいもと格闘の日々が続いています。
(愛媛県支部女性部長)



私の年金講師団活動

年金改悪反対の大きな運動へ ひとりでも多く人に話したい

 制度の見直しのたびに、「給付と負担のバランス」を口実にどんどん改悪されていくのには、もうガマンも限界。これ以上の「給付の削減と負担の増」はやめてほしい、ストップさせねばと日増しに怒りは高まってくるばかり、黙っていては改善もされないし、改悪を許してしまうことになるだけ。外へ打って出る活動がどうしても必要なんですね。
 支部からの要請で出かけた「年金学習会」。新婦人の10人ほどの地域班でしたが、40才〜60才ぐらい層が参加。班長さんから、「みんな年金のことあまり詳しく知らないのでわかりやすく話してほしい」と注文。準備していたレジメと要望とピッタリだったし「いいですよ!」。
 当日は、年金制度のしくみと現状に30分、年金改悪の内容と改悪阻止、制度の改善・充実要求の運動参加に30分の説明。質問の時間では、「私の場合は年金はもらえますか」、「いくらもらえますか」など、いつも通りの年金相談の展開。でも最後には「だから今の年金制度をつぶしてはならないし、老後を安心して暮らせる、国民から信頼される制度にみんなでしていくために、運動の輪を広げていくことが大事なんですよ」と結ぶ。
 私自身も、これからも年金改悪反対の大きな運動に一人でも多くの人に参加していただくのには、学習会などで、丁寧に分かりやすく話すことと、理解してもらうことを頭の片隅に置いて、訴えていくのが大事なんだと思っています。
(京都支部)


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