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◆第1570号(2003年11月15日付)◆


人事院と昇格課題で交渉

職務を正当に評価せよ

 全厚生は10月27日、昇格改善を求めて人事院と交渉しました。交渉には杉下委員長をはじめ、鈴木・藤巻両副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、木立・田口・宮田中央執行委員の8人が参加。本省庁、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険の4部門の昇格改善の重点要求について人事院の誠意ある回答を求めました。人事院は、勤務条件局・給与第2課の安川専門官が対応しました。
 冒頭、杉下委員長から「昇格改善に関する要求書」を手渡し、要求趣旨を説明。職員が誇りをもって働くためには業務内容と経験の蓄積にみあう公平な処遇が不可欠であることを強調。職務実態を正当に評価した昇格改善を強く求めました。これに対し、安川専門官は、定数改定の作業は、「例年通りのペースで進んでいる。12月の予算、組織、定員の結果と合わせて査定結果を示したい。対外的な納得性や職責に応じた厳正な改定を行いたい」と現状を報告。その後、具体的なやりとりで昇格改善を迫りました。
 本省庁の課題では、本省係長7級を本定数で大幅に拡大することは、職場の現状からゆずれない基本要求と主張。これに対し人事院は、「標準職務表の改定の要求だが、係長6級、課長補佐7級という枠組みは変えることは考えていない。7級相当なら、ポスト的な対応で専門職の設置が筋になる」と回答。昇格における男女格差の是正の要求では、「男女平等の実現、性による差別がなくなるよう各省に働きかけていく。定数としては、男女別の色分けはなく、職務給の原則に則って評価していく」と回答しました。
 試験研究機関では、3級昇格について、技術・検定・検査・教育・指導等の業務について適正に評価した昇格改善を強く要求。これに対し、人事院は「各機関の能力審査会での評価の問題。論文は評価の目安だがそれだけではない。評価とみれるものがあれば、あげていただきたい」と回答。行政職(二)の昇格改善については、部下数制限の緩和では、非常勤職員や委託職員、短時間勤務の職員も部下数にカウントする。付加業務もみていく」と回答しました。
 社会福祉施設では、介護員長の福祉職3級への格付け、福祉職4・5級の上位定数の拡大、医療職(二)や行政職(二)など少人数職種の昇格改善を強く要求。介護員長の3級格付の要求は、「職務給の考え方からして厳しいが、強い要望であることは承る」と回答。4・5級の上位定数の拡大は、「個別の職務内容を検討していく」と回答しました。
 社会保険では、地方庁の職務と機関の評価を引き上げ、7級枠外を解消するため、8級以上の上位級定数の拡大を要求。業務をめぐる厳しい状況を説明し、改善を強く求めました。
 最後に杉下委員長は、「職場にある切実な要求から緊急かつ重要なものを課題にしている。要求を真正面から受けとめ、改善する立場に立ち、その姿勢を具体的に見せてもらいたい」と強調。人事院の引き続く努力を要求し、交渉を終えました。


年金統一宣伝行動スタート

年金大改悪は許さない

 国公労連・年金闘争本部は11月5日、「ストップ!年金大改悪・全国統一宣伝行動」の中央段階のスタートのとりくみとして霞が関一帯での早朝宣伝と昼休み厚生労働省前行動を実施しました。
 昼休み厚生労働省前行動には、100人の仲間が結集。決意表明した全厚生川名書記次長は、「40年かけても年金額が少なく、がっかりして帰る来訪者の背中を見るとつらい」という仲間の声も紹介しながら、「いま政府がすべきことは、改悪ではなく、国民が安心して暮らせる年金制度にすることだ。全厚生の“出番”まさに“本番”と受け止め、年金署名、年金講師団活動に奮闘する」と力強く発言しました。国公労連・年金闘争本部は、毎月第1・第3水曜日を「ストップ!年金大改悪・全国統一宣伝行動日」と位置づけ、全国での奮闘を呼びかけています。


リレーずいそう
● 子どもの将来のために
 今年の5月、我が家にもやっと長女が産まれました。きっとお子さんをお持ちの方、皆さんそうだろうと思いますが、やはり親バカです!かわいいですよー。
 私は仕事から帰って「かわいい!」を連発して、お風呂に入れればお仕事は終わりですが、お母さんの大変さ、改めて痛感しています。母親は、すべてが子ども中心、自分の楽しみや、自分の時間もなく、子どもの世話をしています。
 痛感だけでなく、もう少し子どもが大きくなったら、私もちゃんと育児の分担をしたいと思います。
 ちょっと悲しいことは、子どもが寝ているうちに出勤し、子どもが寝た後に帰宅、先日は、3日ぶりに子どもとお話しました。妻は案の定「このおじさん、誰?」・・・。
 子どもが生まれ、自分の生活も大きく変わりましたが、最近変わったこと、選挙の時、自分のための1票ではなく、選挙できない子どもたちに代わって、将来のための1票なんだと投票しています。
(統計支部)


News
● 雇い止め一方的発表許さない ―国立病院の賃金職員雇用問題で抗議―
 厚生労働省は11月10日、来年4月に独立行政法人に移行する国立病院の賃金職員の雇用問題についての方策を一方的に発表。賃金職員全員を一旦雇い止めした上で、病棟勤務を希望する看護師については定数の範囲内で常勤職員として優先採用することを打ち出す一方、看護助手など行(二)等の職員については、業務委託や非常勤職員化を検討するとしています。全医労と全労連闘争本部は、「賃金職員の雇い止め方策に抗議し、撤回を求める声明」を出すとともに、11日昼休み、厚生労働省前で抗議行動を実施。全厚生も参加しました。

● 被爆実態にあった認定を ―原爆症認定訴訟原告が座り込み―
 原爆症の認定を求めて裁判に訴えた原爆症認定集団訴訟の原告や支援の人達150人が11月12日、厚生労働省前で座り込みを行いました。被爆者健康手帳の交付を受けている人は、全国に28万人いますが、「原爆による疾病」である「原爆症」と国に認定されている人は、たった2,000人余、全被爆者の0.8%弱という実態。これは、国・厚生労働省が「直接被爆は爆心地から2.5km以上、爆心地に入った場合でも72時間後には、放射線はゼロになった」という「原因確率」を基準にした審査によるもの。この被爆の実態を無視した冷たい原爆症認定審査に抗議し、全国で111人の被爆者が提訴しています。行動では、支援の人が次々に激励。反核医師の会の代表は、「原爆症認定をしないという原爆被害の過小評価は、核兵器の開発や劣化ウラン弾の使用を許すことにつながる」と支援を表明。全厚生も参加し、宮田中執が激励挨拶しました。(写真上)

● イラクに自衛隊派遣するな ―閣議決定に反対する要請書を送付―
 政府は、イラクに自衛隊を年内に派遣するために、11月19日の特別国会招集後にも、任務などを盛り込んだ基本計画を閣議決定しようとしています。また、民間技術者・医療関係者などの文民も首都バグダッドに派遣する方針を固めたとされています。イラクでは、米軍等への攻撃が日増しに激しくなっており、いまだに戦闘状態が続いています。全厚生は11月14日、小泉総理大臣宛に「自衛隊イラク派遣の基本計画閣議決定に反対する要請書」を送付しました。 


国公権利裁判第5回口頭弁論

原告側ー憲法28条で主張

 「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」の第5回口頭弁論が11月6日、東京地方裁判所第705号法廷で開かれました。裁判所前での宣伝行動に続き、法廷傍聴には、原告席14名(原告9名と弁護団5名)、傍聴席39名で全体で52名が参加。全厚生からは杉浦書記長、西田書記が傍聴しました。この日は被告国側が「準備書面(2)」を、原告側が「第4準備書面」をそれぞれ陳述しました。(陳述といっても、書面は事前に送られ、法廷で裁判長が確認するだけです)
 被告国側の「準備書面」は、前回の原告側の「求釈明申立書」に対するものですが、原告側の根本的な追及に一切答えていません。それに続く原告側の「準備書面」では、本件特例措置が憲法28条の保障する団体交渉権を侵害する違憲・違法な行為であることを主張。原告側の主張を聞いた裁判長からは、「原告側の主張が明確になってきた」との認識が示されました。
 次回第6回弁論期日は12月18日で、原告側はILO87・98号条約違反や不利益不遡及原則違反を中心にして、主張の総まとめを行う予定です。その後、年明け2月12日の第7回弁論期日では、被告国側が反論の総まとめの陳述を行います。第8回弁論以降は、いよいよ証人尋問が行われ、重要な場面に入っていくことになります。


函館/支部定期大会を開催

学習活動の強化を

 函館支部年間活動のスタートとなる2003年度第1回定期大会を10月24日、開催しました。今回は杉下中央執行委員長も出席。大会は泉徹支部長の挨拶に始まり、「運動方針案」「支部独自要求書案」について佐藤書記長が提案。「まず職場・職員を取り巻く現状や組合の活動状況を知ってもらいたい。交渉後報告会や年金制度等に関するオルグも充実させる」と学習活動の強化を訴えました。
 さらに函館支部結成30周年記念レセプションの開催もあわせて提案。採決により「運動方針案」「支部独自要求書案」は承認。続いて「支部予算案」を佐藤書記長が提案。30周年記念事業資金の余剰金からの支出、イカ労新聞編集委員への会議費の適用等を含む予算案についても採決により承認となりました。
 議事終了後は杉下委員長からのオルグ。特に国立更生援護施設の独立行政法人化については活発な質疑応答となりました。
 大会は閉会の言葉に続いて、滝川副支部長による「団結ガンバロウ!」で終了しました。
(函館支部書記長)



秋田県/第36回定期大会で確認

健康で働ける職場を

 秋田県支部は10月31日、第36回定期大会を開催しました。
 本部からは、杉下委員長が出席し、年金改悪等の情勢を中心に語り、挨拶しました。
 討議では人員再配分の問題や、事務の外部委託がかえって業務量増大をもたらした事例などが発言され、人員の確保と事務の効率化、省力化の重要性を再認識するとともに、健康で生き生きと働ける職場を目指すことを確認しました。
 議案採択後の役員改選では、圧倒的多数で新執行部が信任されました。
 新役員は次のとおり。
支部長小林利幸
副支部長小畑 浩
佐藤一浩
小川久夫
仙葉拓史
遠田俊治
書記長佐々木聡
書記次長高橋由博
(秋田県支部書記長)



本省/第44回定期大会を開催

ただ働き残業改善を

 10月29日、本省支部は「第44回定期大会」並びに「2003年度全厚生互助組合定期総会」を省内会議室で開催しました。昼休みの限られた時間の中ではありましたが、議長選出後、田口支部長の挨拶に続き、市川書記長が本省支部の2002年度経過報告と2003年度運動方針を提案しました。
 経過報告として、5年連続のマイナス勧告と事実上の不利益遡及は絶対に許されないことや、未だ改善されないただ働き残業について中心に提案し、引き続き本省共闘とともに改善を図っていきたいと述べました。
 支部大会終了後には、引き続き互助組合総会が開催され、橋爪理事長代理が議事進行し、菊池専務理事が2002年度事業報告と2003年度事業計画等が提案し、承認され終了しました。
 全厚生本部から杉浦書記長が挨拶し、統計支部の菅沼支部長(本省共闘議長)、全労働本省支部の岡野支部長が出席しました。
 新役員は次のとおり。
支部長神山 正
副支部長田口雅之
光家眞由美
書記長市川 茂
書記次長山田千尋
(本省支部書記次長)



神奈川県/第10回定期大会で討論

労働条件など幅広く

 10月29日神奈川県支部は、第10回支部定期大会を開催し、総勢70人の代議員が参加し、運動方針を採択しました。
 平丸支部長は、「今大会は、支部規約改正、県内定員再配分、適用書類の外注化など多くの課題が残されているが、職場の疑問、意見、不満をおおいにぶつけてほしい」とあいさつ。各分会から支部役員選挙方法改正に伴う支部規約改正、昼休み窓口体制など職場環境問題、労働条件、社会保障問題など幅広い発言で白熱した討論を展開。全議案とも圧倒的多数で可決成立しました。また、「ザ・ニュースペーパー公演」では、「総理」も飛び入り参加し、会場を爆笑の渦に巻き込み、大好評を博しました。
 新役員は次のとおり。
支部長平丸寿博
副支部長梅田忠明
籠尾 信
金子菊枝
下田雅之
書記長福士広志
書記次長澤田泰介
(神奈川県支部書記長)



静岡県/支部定期大会で確認

年金闘争は“出番”

 10月25日、全厚生静岡県支部定期大会を開催。当日は、杉浦本部書記長による年金闘争が全厚生の出番であることを中心とした記念講演を行いました。支部の活動方針として県国公への正式加盟の推進、年金闘争への取り組みを確認しました。
 新役員は次のとおり。
支部長飯塚 豊
副支部長杉山智昭
書記長高橋一夫
書記次長望月昭吾
(支部長)



私の年金講師団活動

安心して暮らせる年金制度をみんなで考えよう

 「定刻になりましたが講師の方がまだお見えになってません。職場に電話したら午後から休みとのことです。多分こちらに向かわれていると思いますのでもう少し待ってみましょう」・・女性だけのある年金学習会の司会者の冒頭の言葉である。30分前には会場に入っていた私は思わず“えっ!?”受付と責任者の連絡が不十分だったようだが、会場には年金者組合の70歳過ぎと思われる男性も参加していたのでひょっとして同一視されたのでは。それにしても頭の薄さを痛感させられた一コマだった。
 さて、数次にわたる改悪の総仕上げとして、政府・厚労省が狙う年金大改悪。全労連や連合も改悪阻止を目指し当面する最大の課題として取組みを開始した。 全厚生も年金行政の当事者として、国民が安心して暮らせる年金制度の確立に向けて広範な労組や民主団体等の年金学習会の講師を担うべく、各地で奮闘している。私も専門的な知識には縁遠いが一歩足を踏み出したところである。
 思い起こせば支部役員に成り立ての20年前、基礎年金が導入され、給付は3分の1、保険料は3倍にという第1ラウンドの改悪のとき、そして定額部分が段階的に廃止された第2ラウンド、さらに報酬比例部分も段階的に廃止された第3ラウンドのときとそれぞれ深く関わってきたことを思い出す。
 毎日新聞の衆院選全候補者アンケートでは、自民党の候補者でも47%が基礎年金の税方式化を回答していた。真の国民皆年金と同時に安心して暮らせる年金制度をみんなで考えよう。
(中央執行副委員長)


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