見出し

◆第1568号(2003年10月25日付)◆


悪政を変える絶好の機会

11月9日、選挙に行こう

 10月10日に衆議院が解散し、21世紀最初の総選挙が、10月28日公示、11月9日投票で行われます。
 くらし、福祉、平和の問題など、あらゆる分野で自民党政治のゆきづまりが極限に達しています。ゆきづまった古い政治の枠組みを続けるのか、それとも政治と経済の弱点・欠陥にメスを入れ、国民が希望のもてる国づくりをすすめていくのか、21世紀の日本の進路が大きく問われる選挙です。
 各政党・候補者の政策をしっかり見極め、私たちの要求実現につなげていくことが重要となります。
 全厚生は、今回の総選挙で政治を身近に語りあい、国民が主人公の政治の実現をめざします。特に、(1)消費税大増税(2)憲法改悪(3)年金大改悪の3つのテーマが重要な争点になっています。各党の政策(マニフェスト)を浮き彫りにして、悪政をストップさせる確かな審判を下しましょう。


消費税大増税をやめさせよう
 いま、消費税の税率を2ケタに引き上げるという大合唱が、財界や政府・与党の間からわき起こり、大増税にむかっての暴走が始まろうとしています。
 消費税は、所得の少ない人にほど重くのしかかります。「上に厚く、下に薄い」、「生きていくために必要な生計費には税をかけない」という近代的な税の原則に反した「最悪の不公平税制」です。
 「消費税は社会保障の財源として必要」というのが、増税のための口実です。消費税導入のときも、5%への増税のときも、そういってきました。しかし、医療・年金などの社会保障制度は、拡充されるどころか改悪され続けてきました。
 導入以来15年間の消費税の総額は136兆円にもなりますが、同じ時期に、法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)が131兆円も減りました。景気悪化のために法人税収が減収になったうえに、大企業のための減税が繰り返されたためです。国民からしぼり取った消費税は、社会保障財源になるどころか、大企業減税と不況による法人税などの減収で消えてしまったのです。
 大型公共事業費のムダを削り、不公平税制の是正で、社会保障を充実させることが必要です。

重要法案に対する各党の態度注)○は賛成、●は反対
法律名自民公明自由保守民主社民共産
有事関連3法案(156国会、03.6成立)
イラク特措法(156国会、03.7成立)
給与法「改正」(157国会、03.10成立)



国民が主人公の政治に
憲法改悪反対イラク派兵ストップ
 小泉首相は、自民党の結党50周年にあたる2005年11月までに憲法「改正」案をまとめるよう指示し、それ以前にも、改憲のために必要な「国民投票法」を制定すると明言しました。
 自民党の改憲のねらいははっきりしています。これまで「戦争はしない、軍隊はもたない」と決めた9条の解釈をねじ曲げて、“自衛隊は海外に行くが、戦争行為はやらない”といいわけをしてきましたが、もう、それだけではアメリカの注文に応じきれなくなったからです。9条そのものを変えて、海外で気がねなしに戦争ができるようにすることにいちばんのねらいがあります。
 民主党もマニフェストで、憲法を「不磨の大典」とすることなく、またその時々に都合のよい憲法解釈を編み出すのではなく、憲法が国民と国の基本的規範であることをしっかりと踏まえ、国民的な憲法論議を起こし、国民合意のもとで「論憲」から「創憲」へと発展させると改憲の方向を示しています。
 また、年内にもイラクへの自衛隊派兵が行われようとしていますが、これを阻止するためにも、選挙結果が大きく影響してきます。

年金大改悪を許さない
 小泉内閣は、来年の年金見直しにあたって、これまでの年金制度上の約束ごとを反故にして、少子化や経済環境の変化にともなって年金額を自動的に減らしていく仕組みや保険料の段階的な引き上げなどの大改悪を行おうとしています。いま年金を受給している高齢者にたいしても、来年には、物価スライドのマイナス改定と年金課税強化の両面から、かつてない年金カットが実施されようとしています。
 こんな年金大改悪を許せば、くらしも経済もめちゃくちゃになってしまいます。
 いまや社会保障制度は、国民のくらしをささえるという本来の機能を大きく失いつつあります。不況のときだからこそ、社会保障に予算を重点的にふりむけ、国民のくらしを最優先させ、国民が安心できる制度の確立が求められます。

要求実現へ投票に行こう
 5年連続の賃金切り下げ、定員削減による長時間労働・ただ働き残業、行政サービスの低下など私たちのくらし、仕事を悪化させている今の政治の枠組みを「国民が主人公」の政治に切り換える絶好のチャンスです。
 組合員とその家族が、けっして今の政治にあきらめを持つことなく切実な要求を実現するため、11月9日は、棄権をせずに投票にいくことをよびかけます。


国立病院・療養所の賃金職員の雇用継承を

厚生労働省包囲行動に3000人

 10月16日昼休み、国立病院・療養所の賃金職員の独立行政法人移行後も引き続き雇用継承を求め、厚生労働省包囲行動を実施。「国立病院の賃金職員の首切りはさせない」と3千人が厚生労働省前を埋め尽くしました。「国立病院に働くすべての職員の雇用継続を求める署名」35万5千筆を厚生労働省に提出しました。


リレーずいそう
● ロードバイクに憧れて
 岐阜に戻って1ヶ月になる。「浦島太郎」と言えばそれまでだが、国民年金の事務の見直し、総報酬制の導入などこの間の社会保険の仕事の変わりようといったらホントにすごい。いまだに社会復帰に向け奮闘中であるが、幸い心優しい仲間に囲まれ助かっている。
 さて、東京にいた頃、環境問題や健康ブームに影響されてか、自転車通勤が流行っていた。霞ヶ関でも道路脇のフェンスにくくりつけられた自転車が目につきはじめていた。すし詰めの中央線から外を眺め、ロードバイク、MTBにまたがって颯爽とペダルを回すスーツ姿やカジュアルなスタイルに憧れた。どうせなら、気持ちいい汗をかきたいなと思った。
 自転車雑誌を買い込み数ヶ月後、私はMTBのオーナーになった。敷居の高い専門店で手に入れたそれは10万円もする買い物だったが、問題はお金より通勤そのもの。
 中野から霞ヶ関まで10キロ弱。「身も心も大きくなった」運動不足の私にとって、かがんだ格好になるスポーツタイプのバイクでいきなりの完走はとても無理。中野坂上や四ッ谷など少しずつ距離を伸ばし、ようやく霞ヶ関まで到着したのは本部大会の直前だった。
 岐阜に戻って県労連など組合の会議や打ち合わせではもっぱら自転車を活用しているが、まだ通勤では使っていない。朝晩の冷え込みは厳しくなったが、自転車通勤にふさわしい季節を逃す手はない。週1回から再開してみようかと思う。
(岐阜県支部)


News
● 年金大改悪を阻止しよう ―国公労連年金闘争本部立ち上げ―
 国公労連は、10月17日、第1回年金闘争本部の会議を50人の参加で開催し、史上最悪の年金大改悪を阻止するたたかいへ本格的なスタートを切りました。冒頭、闘争本部長の国公労連堀口委員長は、年金闘争は、この国の主人公である国民の権利の問題であり、労働組合がこの国の現状を変えていく闘いと軌を一にすると述べあいさつ。専修大学の唐鎌直義教授が、「年金制度、いま何が問題か」と題して講演し、全労連の石川常任幹事が、全労連の年金闘争のとりくみについて報告。
 闘争本部では、当面する行動について(1)2004年3月末までに組合員1人10名分の個人署名目標の早期達成(2)団体署名を各級機関はもちろんのこと、他労組・団体へ広げる(3)各単組・ブロック・県国公は、学習会・オルグ養成講座を開催し、1000名を目標に年金オルグ登録運動を進める(4)国公労連として、オルグ用の参考レジュメを作成。そのレジュメにもとづき中央での「年金オルグ養成講座」を10月30日に開催する(於・全労連会館2F)(5)11月以降、第1・第3水曜日を「全国統一年金宣伝日」と位置づけ、職場周辺や駅頭・ターミナルでの宣伝行動を県国公が調整しながら、単組主軸のとりくみとして具体化する(6)中央段階で12月6日に「年金110番」を実施。各県段階でも「行政相談」の具体化とあわせて、年金相談にとりくむ(7)総選挙予定候補者を含めて地元国会議員への要請行動、自治体要請行動を展開。以上の提起を確認して本格的な年金闘争がスタートしました。

● 賃下げ給与法「改正」糾弾 ―03秋年闘争第2次中央行動を実施―
 10月16日、2003年秋季年末闘争の第2次中央行動が行われ、3000人が参加。全厚生は、本省・統計支部16人が参加しました。行動では、5年連続年収マイナスの給与法「改正」糾弾・不利益遡及は許さない、国立病院・療養所の賃金職員の雇用継承実現、民主的公務員制度実現、昇格の抜本改善、雇用確保・働くルール確立など国民的諸要求の実現などを求め、厚生労働省前、人事院前、総務省前、行革推進事務局前でそれぞれ要求行動を行い、総決起集会ののち、銀座をデモ行進し、アピールしました。


あつまれ青年 !! いっしょに語り ちからにしよう !!
全厚生青年交流集会 in 愛知

11月22日(土)〜 24日(月)
「21世紀は組合だ」

桂 福車師匠の爆笑落語
フィールドワーク、ものづくり体験など
1日目会場愛知県勤労会館小ホール
宿泊KKRホテル名古屋

お申し込みは、各支部青年部、支部執行委員会へ


私の年金講師団活動

仕事で得た知識が誰かの役に立っている

 正直ほんまに嫌やったんです。人前で話すの。大阪支部では昔から講師団活動が活発に行われていましたが、自分には出来ないというか、それ以外の活動ならがんばりますという感じで今まで過ごしてきました。
 そんな僕がなぜ講師に行く決意をしたかというと、仕事や組合の取り組みを通じて、年金制度がいかに国民の中に浸透していなくて、そのことによって不利益を被っている人がいかに多いかということを実感したからです。そんな人を1人でも減らすために自分に何が出来るかと考えた時に、やはりもっと積極的に外に出て行く必要があると思いました。
 「講師に行って行政の肩代わりしか出来ない時があってもいいねんで。私たち個人が、もし本当に行政の肩代わりを出来るなら、それはそれで素晴らしいことなんやから」という加納前支部長の言葉にも励まされ、初めての講師活動に臨みました。そりゃもう緊張しましたが、仕事で得た知識が誰かの役に立っていることが実感でき、行ってよかったと思いました。
 社会保障論や年金財源論といった大きな話はすぐに出来なくても、制度のことを1人でも多くの人に理解してもらう、そこから年金講師を始めてもいいのではないでしょうか。まず現在の制度を知らないと改悪の内容もわからないのですから。
 みなさん勇気を出して、職場から足を一歩踏み出してみて下さい。いろんないい経験が出来ると思いますよ。
(大阪支部)



新副委員長紹介 中央執行副委員長 網 康至さん
ヒゲのよく似合う獣医さん
 網康至さんは武蔵村山市にある感染研村山分室で生物学的製剤などの国家検定や研究に使われるマウス・モルモット・ウサギ・サルなどの実験動物・飼育施設の管理業務に携わっています。
 ワクチンを動物に注射しても、その動物がウイルスや細菌に汚染していては何を見ているかわからなくなりますから動物も施設もクリーンに保つ努力が絶対に必要です。また生き物が相手なので日曜日でも、それこそ雨槍が降っても、えさをやりに自宅のある横浜から出て来なければならないことも、傍目には一向気にしていない風に見えます。
 一方、何事もなくて、無事があたりまえという業務の性質から、ストレスも強いのでしょうか、タバコを吸いに渡り廊下にたたずんでいる姿を見かけることがあります。
 ひとに頼まれたら断れないという特技(?)の持ち主でしたが、最近は、セールスは断れるようになったとか。副委員長をひき受けてくださったのは、その特技のせいではないと信じています。
 さて、いきなり本部役員になってたいへんだと思いますが、どうか暖かく見守ってあげてください。ヒゲのよく似合う獣医さんです。
(感染研支部)


Back  to HOME