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◆第1565号(2003年9月15・25日付)◆


憲法がいきる社会保障行政を

全厚生第67回定期大会を開催

年金大改悪阻止を意思統一

 「憲法25条が生きる社会保障行政と民主的な公務員制度を確立しよう!」をメインスローガンに全厚生労働組合は、第67回定期大会を9月12日から3日間、静岡県伊東市内で開催し、2003年度運動方針案、財政方針案、規約の一部改正案を採択するとともに、新役員を選出しました。
 大会には、全国の職場から代議員・傍聴者など142人が参加。討論では、史上最悪の年金改悪に対して、講師団活動に積極的に取り組み、大改悪を断固阻止する決意が述べられました。また、福祉の利用契約制度で障害者の切り捨て、国の責任放棄は許さない、研究機関の理念なき組織再編・独立行政法人化反対など、国民のための厚生労働行政確立へ、職場、地域で奮闘する決意を固め合いました。大会では、大会宣言と、「年金の大改悪を許さず、国民が安心して暮らせる社会保障の拡充をめざす」、「自衛隊のイラク派兵を阻止し、有事法制の具体化・発動を許さない」2つの特別決議を採択しました。


大 会 宣 言
 全厚生労働組合は、「憲法25条が生きる社会保障行政と民主的な公務員制度を確立しよう!」をメインスローガンに静岡県伊東市において第67回定期大会を開催し、職場を基礎に地域に根ざした2003年度の運動方針を確立した。
 2003年人事院勧告は、2年連続の月例給、5年連続の一時金引き下げとなった。昨年の月例給の引き下げは、公務員労働者のみならず、民間労働者の03春闘の相場形成や年金受給者の生活にも大きな影響を与え、地域では官民共同のたたかいへと発展した。不利益遡及の違法性を問う「国公権利裁判」には全厚生からも7名が原告団に加わり、国公労働者の労働基本権回復のたたかいとも連動して奮闘している。
 小泉内閣は、国際世論に逆行してアメリカ追従の立場を貫き、有事法制やイラク特別措置法を強行成立させ、「戦争をする国」づくりに突き進んでいる。また、 小泉「構造改革」は国民・労働者に耐え難い痛みを押しつけるとともに、国民生活に直結する厚生労働行政の分野へも及び、厚生科学研究分野の組織再編や独立行政法人化、福祉部門への市場原理の導入、医療や年金制度の改悪など、組織の縮小と定員の削減を強硬に進めている。こうしたもとでも全厚生の組合員は、攻撃にひるむことなく職場や地域で奮闘している。
 全厚生は、各分野での行政研究活動を旺盛に進め、国民の願いに応える厚生労働行政の確立をめざす方針を確認した。とりわけ、2004年の年金大改悪の課題に対しては、10月4日〜5日に実施する「年金講師団養成学習交流会」を出発点として、全厚生としての立場を明確にして講師団活動に積極的に取り組むことを確認した。
 全厚生は、職場を基礎に組織の強化と拡大を図り、すべての労働者・国民を視野に入れた運動を重視してたたかいを進め、医療、年金、社会福祉の切り捨てに反対し、国立病院・療養所の賃金職員の首切り阻止にむけて全力をあげるとともに、年金改悪問題では専門性を生かした政策提言など、まさに「全厚生の出番」であることを決意した。
 全厚生運動の歴史に確信を持ち、社会保障の発展にむけて、職場を基礎に勇気と志をもって全力でたたかうことを宣言する。
2003年9月14日
全厚生第67回定期大会


委員長挨拶
組合の大切さ自覚して  社会保障が全厚生の原点
 中央執行委員会を代表してあいさつに立った杉下委員長は、まず、この一年間について、賃金、公務員制度、定員、昇格をはじめ職場諸要求、そして、米英によるイラク戦争や日本を戦争する国にする有事法制に反対するたたかいなどを、全厚生は全労連、国公労連に結集して全力でたたかったと述べ、そして大会は、お互いが元気を分かち合う場。思いを寄せあい、生き生きと活動を進める方針を積極的な討論で作ろうと呼びかけました。
 次に杉下委員長は、労働者・国民の生活悪化の進行は深刻だが、その根源には小泉構造改革がある、小泉改革の本質は、企業論理やアメリカに不都合なものはすべてとりはらい変えてしまおうというものだ。平和の安心、労働と生活の安心のため、小泉改革に反対し、政治のありようを変える必要がある。目前に衆院選、参院選があるが、この機会をおおいに生かしたいと熱く語りました。
また、いま社会保障が攻撃の最大のターゲットとなっている、自分のことは自分で、というのが政府の立場だ。大銀行や大企業には惜しみなく何兆円という大金をつぎ込む一方、国民犠牲の政治を強行している。年金制度の大改悪に反対するたたかいを、人間として生きる権利にかけて、そして軍事費より社会保障が全厚生の原点であり、全力をつくそうと訴えました。
 さらに杉下委員長は、私たちは仕事を本筋としながらも、組合の大切さを自覚してがんばっている、並み大抵のことではないが、厳しい情勢だからこそ、労働組合に団結し、組織を拡大してがんばることが必要だ、全力をつくそうではないかと語りかけあいさつを結びました。 

第1号議案
頼りになる組合活動を  03年度たたかう運動方針提案
 杉浦書記長は「今年の大会は、少し先を見据えながら、憲法を生かし、職場と地域に根ざした労働組合を築くために議論しよう」と語り、2003年度運動方針案、秋季年末闘争方針案及び2004年統一要求案の提案を行いました。
 冒頭、労働組合にとって情勢を正確につかむことが大切であると強調。国民にがまんと犠牲を押しつける小泉「構造改革」を根本から問いただすことが重要であると述べました。その上で、「競争原理や効率性という物差しを絶対のものとせず、憲法にもとづき判断し、人間を大切にする社会のあり方を探求しよう」と新しい時代の労働組合の役割について強調しました。
 さらに、すべての労働者・国民を視野に入れてたたかうことや、全厚生運動の担い手をどれだけ多くつくれるかが運動を広げるカギを握っていると指摘。この方向に沿って実践を開始しようと提起しました。
 要求実現をめざす全厚生運動の目標は、(1)職場を基礎に、仲間たちの要求実現をめざす(2)県国公に結集し、国公産別運動で要求実現をめざす(3)この国のあり方を問い、根本的な要求実現をめざす3点を提起。とりわけ職場組織が常に変化しているもとで、職場の隅々を見渡し、団結を崩さず、組合員を主人公にして活動することを呼びかけました。
 運動方針の柱になっている「頼りになる組合活動をつくる」課題について杉浦書記長は、すべての支部・分会で、元気で笑い声のたえない組合活動をめざしたり、労働者が信頼しあい、団結を常に高めるにはどんな活動に心がければよいかと問いかけ、組合活動の改善を提起。具体的には、(1)職場での日常活動を粘り強く(2)学習・教育活動の重視、機関紙活動の前進(3)憲法の精神を生かし、行政研究活動を本格的に強化する(4)青年、女性、階層別のたたかいで幅を広げる(5)組織拡大・強化、非常勤職員の仲間とたたかう5つの観点を強調しました。
 また、労働組合のたたかいは要求前進の道筋を明らかにすることが大切であると述べ、賃金改善や働くルールの確立、民主的な公務員制度確立、憲法改悪を阻止し、有事法制の発動を許さない取り組みの強化などを提起。とりわけ重視する取り組みとして、憲法25条を守り、社会保障闘争での役割発揮をしようと提起。政府がねらう04年の年金大改悪をやめさせるために、「全厚生の出番であり、本番」の立場に立ち、年金闘争での講師活動を積極的に行うことを提起。この取り組みを通じて、「権利としての社会保障」に強い全厚生となるために奮闘しようと呼びかけました。

第2号議案
財政方針を決定  本部組合費は前年度と同じ
 大会初日、「2002年度決算期における超過執行に伴う予備費の支出について」、第2号議案である2002年度決算報告と2003年度財政方針・予算(案)を川名書記次長が提案。決算報告では、はじめに人件費科目の超過執行に伴う予備費の支出についての承認を求め、支部オルグの実施による旅費行動費、中央行動をはじめとして闘争組織費を有効に活用し、可能な限り節約に努めてきたことを報告。
 財政方針・予算(案)については、社保行研集会、青年交流集会等の開催が予定されており、運動と組織の発展を支えられるように、闘争組織費を厚めの配分としたことと、安定的な財政を確保するための、財政安定運営基金に600万円を繰り入れることなどを提案しました。
 澤田会計監事が会計監査報告を行い、会計処理が適正に行われていること、独自の学習会を開催するなどの努力を求める、との監査結果を述べました。
 大会2日目の議事終了後、財政小委員会を開催しました。委員会では京都支部の川口代議員を委員長に選出し、質疑・討論を行いました。
 討論では多くの委員から、平和の取り組み、ブロック国公の強化など、全厚生運動を前進させる観点での積極的な意見が出されました。合わせて説明した「全労連拡大推進基金」については、大会3日目の冒頭、執行部が再度提案する事を確認しました。財政小委員会では、討論を経て提案された第2号議案を賛成多数で採択しました。
 大会最終日冒頭に、財政小委員会の議論と採決の結果について財政小委員長報告を行い、全体の採決で、2002年度決算報告及び会計監査報告を承認し、2003年度財政方針・予算(案)を賛成多数で採択しました。
 本年度の本部組合費は、一般会計について昨年同様、本俸×1.1%+420円、特別会計についても昨年同様、全額を専従役員保障特別会計に繰り入れることとし120円(月額)となりました。なお、本年度も臨時徴収はありません。

第3号議案
規約を一部改正  大会代議員選出基準を変更
 第3号議案「全厚生労働組合規約の一部改正(案)」については藤巻副委員長が提案しました。「改正案」は、規約第19条の(3)、大会代議員選出基準について、現行の「代議員の選出基準は、各支部ごとに、定期大会開催日の属する月の前々月における本部納入人員を基礎に、組合員50名に1名とし、端数が生じたときは、これを1名とする。ただし、組合員が50名に満たない支部は、代議員2名とする」を「ただし、組合員が10名以上50名までの支部は、代議員2名、組合員が9名までの支部は、代議員1名とする」とするもの。大会最終日、代議員の無記名投票により、賛成78、反対2、無効2で改正案が採択されました。

来賓あいさつ
ともにたたかいましょう
 大会では次の各氏が来賓として挨拶しました。
○日本共産党 小沢和秋衆議院議員
 賃下げ、人減らし、リストラの嵐が民間から公務まで日本中で吹き荒れている。小泉内閣の米国追随は世界の流れに逆行。イラクへの自衛隊派兵を阻止しよう。自民党総裁選後の総選挙で日本の政治を変えるために奮闘しよう。
○国公労連 阿部春枝中央執行委員
 国公権利裁判は、公務労働者の労働基本権を認めさせていくたたかい。史上最悪の人事院勧告の民間に及ぼす影響は大きく、民間労組もともに闘っている。年金講師団活動は、全厚生の出番。年金のあり方を指し示すような活動を期待する。
○全医労 保木井秀雄委員長
 04年4月に154の国立病院が独立行政法人となる。当局は全医労の組合活動を封じ込めようと躍起になっている。7500人の賃金職員の首切り許さず雇用継続を勝ち取るために全力をあげる。署名にご協力を。
○全労働 高木博文副委員長
 全労働は、職安の公設・民営化、労働保険の民営化問題など重要な局面を迎えている。非常勤職員の組織化も検討している。全厚生、全医労とも共闘し国公運動の前進にむけて奮闘したい。
○国公共済会 松渕秀美常務理事
 国公共済会は、全国の組合員の信頼も得て加入者ものびている。事務手数料が支部に還るので財政活動の一環として団結の力になる国公共済会をぜひ活用して欲しい。



年金の大改悪を許さず、国民が安心して暮らせる社会保障の拡充をめざす決議(要旨)
 政府、厚生労働省は、2004年の通常国会で、国民にさらなる負担増と給付減を押しつける年金大改悪法案を提出しようとしています。9月5日、坂口厚生労働大臣は年金改悪の先導役を果たす「年金改革における給付と負担の見直しについて」(試案)を発表しました。 主な内容では、厚生年金保険料を段階的に20%まで引き上げて固定し、その後は、保険料収入の範囲内に給付を抑える「保険料固定方式」の導入を打ち出しています。国民年金保険料は月1万8千円台まで引き上げるとしています。給付水準は、経済状況や少子化の進行などに応じて、自動的な削減方式の導入をもくろんでいます。一方、基礎年金の国庫負担1/2への引き上げは、実施を先延ばしにしようとしています。まさに、04年金改悪は、制度部分の見直しといった単純なものでなく、将来にわたり年金改悪を自動的に進める、最悪の改悪がねらわれています。
 日本の年金制度は、1985年の大改悪以来、4度にわたって改悪が強行され、年金制度に対する国民の現在と将来の不安を増大させています。高齢化社会になるなか、病気、老齢、失業など、国民が困難にぶつかったときに、国民の命と暮らしの支えになるのが社会保障制度の本来の姿です。今、必要なのは、国民が安心して暮らせる年金制度、とりわけ、憲法25条に基づく最低保障年金制度を国民合意のもとで確立することです。
 度重なる法律改正による社会保障制度の改悪を許せば、職員の生きがい・働きがいにも大きく影響してきます。年金制度をはじめとした社会保障制度は、憲法25条に基づく生存権を保障する制度として労働者・国民のたたかいを通じて、国民の権利として発展させなければなりません。
 全厚生は、社会保障行政に携わる労働者としての責務と役割を自覚し、人間の尊厳を守るため全力を尽くします。04年の年金大改悪を阻止するため、職場、地域から本格的な共同を広げ、広範な労働者・国民と力を合わせて奮闘することを決意します。以上決議する。



要求実現の先頭に2003年度執行体制
仲間とともにがんばります。
中央執行委員長(再)
【書記局】
杉下 茂雄
(すぎした しげお)
中央執行副委員長(新)
【感染研】
網  康至
(あみ やすし)
中央執行副委員長(再)
【神奈川県】
飯塚  勇
(いいづか いさむ)
中央執行副委員長(再)
【リハ】
鈴木  徹
(すずき とおる)
中央執行副委員長(再)
【統計】
藤巻 一世
(ふじまき かずよ)
書記長(再)
【書記局】
杉浦 公一
(すぎうら こういち)
書記次長(再)
【神奈川県】
川名  健
(かわな たつる)
中央執行委員(再)
【神戸】
今井  進
(いまい すすむ)
中央執行委員(再)
【京都】
尾崎 直人
(おざき なおと)
中央執行委員(新)
【国立衛研】
川原 信夫
(かわはら のぶお)
中央執行委員(再)
【大阪】
北川 健二
(きたがわ けんじ)
中央執行委員(再)
【業務センター】
木立 圭子
(きだち けいこ)
中央執行委員(再)
【秋田県】
仙葉 拓史
(せんば たくふみ)
中央執行委員(新)
【本省】
田口 雅之
(たぐち まさゆき)
中央執行委員(再)
【愛知県】
深沢 英二
(ふかざわ えいじ)
中央執行委員(新)
【愛知県】
宮田 健一
(みやた けんいち)
中央執行委員(新)
【香川県】
森  芳清
(もり よしきよ)
特別中央執行委員(再)
【業務センター】
清水 美穂
(しみず みほ)
会計監事(再)
【神奈川県】
澤田 泰介
(さわだ たいすけ)
会計監事(新)
【業務センター】
森  晴仁
(もり はるひと)
書記
近藤 浩美
(こんどう ひろみ)
書記
西田 志緒
(にしだ しお)


メッセージに感謝
 第67回定期大会にメッセージをいただいた労働組合、団体は次のとおりです。
 全国労働組合総連合、公務労組連絡会、日本医療労働組合連合会、健康保険病院労働組合、全国労災病院労働組合、総理府労働組合連合会、全法務省労働組合、全税関労働組合、全国税労働組合、全経済産業労働組合、全運輸労働組合、全運輸省港湾建設労働組合、全情報通信労働組合、全司法労働組合
 国公共済会、中央社会保障推進協議会、国民医療研究所、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協)、全日本民主医療機関連合会、原水爆禁止日本協議会、安保破棄中央実行委員会、日本国民救援会中央本部、行財政総合研究所、新日本婦人の会中央本部、全国保険医団体連合会、日本共産党参議院議員宮本たけし、中央労働金庫霞が関支店

長い間おつかれさまでした。
退任されたみなさん
 今大会で、中央執行副委員長の山本三郎さん、中央執行委員の神山正さん、國枝英樹さん、佐藤道夫さん、浜田亮さん、会計監事の梅原一豊さんが退任されました。
 大会であいさつした神山さんは、本省庁の担当としての1年だったが、今後は本省支部長として、引き続き組織強化に頑張りたい。佐藤さんは、研究機関担当として、短い間だったが、執行委員会は厳しい時もなごやかな時もあり、よい経験だった。浜田さんは、3年間務めた経験を生かし今後は支部でがんばりたい。山本さんは、1年間だけだったが、職場から霞ヶ関に通うのが新鮮で楽しみだった。今後は研究に励みたい。
 本部専従で中央執行委員を3年務めた國枝さんは、みなさんに、身も心も大きくなったと言われ、うれしい。専従期間は、全厚生だけでなく、全医労や民間労組の人たちと交流できたことは貴重な経験。岐阜に帰って、年金闘争の先頭にたって頑張りたいとあいさつしました。

派遣役員等
 大会で承認された2003年度派遣役員及び専門委員の構成は次のとおりです。
1 派遣役員
(省略)

大会役職員
 全厚生第67回定期大会の議長及び各種役職員は次のとおりです。
(省略)

30年組合員表彰
 全厚生30年組合員表彰の方は次のとおりです。
(省略)



自衛隊のイラク派兵を阻止し、有事法制の具体化・発動を許さない決議(要旨)
 国連憲章は先制攻撃を厳しく禁じています。にもかかわらず米英は、イラクに対して一方的な軍事攻撃をおこないました。多くの国民の反対を押し切って、日本を「戦争する国」へと変える有事関連法を強行した小泉「自公保」政権は、自衛隊の海外派兵を目的とする憲法違反の「イラク特措法」も成立させ、さらに今後は自衛隊の派兵恒久化法案や、国民に戦争への協力を強制し、基本的人権を蹂躙する「国民保護法制(国民総動員法)」などの具体化法案もねらっています。
 いま、イラクでは占領への批判と抵抗が高まり、米英国内でも戦争と占領への批判が高まっています。こうしたなかで、アメリカに追従して米英の軍事占領支援のために自衛隊をイラクに派兵することは「イラク軍事占領への加担」であり、国際法上も憲法上も許されません。
 世界の平和の流れも大きく変わりつつあります。アメリカの横暴を許すな、平和の国際秩序を守れと、米英の無法なイラク攻撃をくい止めるために、世界各地で人類史上空前の反戦運動が湧き起こりました。日本でも青年、労働者・市民や労働組合・民主団体が幅広く連帯した多くの大集会が開催されました。平和の巨大な流れは脈々と息づいています。イラク派兵を阻止することは自衛隊の海外派兵体制づくりの策動に打撃を与え、有事法制の具体化と発動、憲法改悪を阻止していく大きな条件をつくるものです。
 私たちは日本国憲法を尊重し擁護する義務を負う公務員労働者として、社会保障の拡充をめざす労働組合として、国民の幸せとは相容れない「戦争する国」への策動に反対します。国民を戦争に動員する「戦争する国」づくりを担う公務員労働者になることを断固拒否し、日本国憲法の精神を学び、職場・くらし・行政に憲法を生かす運動の先頭に立ってたたかいます。平和原則、戦争放棄と恒久平和、基本的人権尊重など憲法の諸原則を擁護し、発展させるため、国民的なたたかいの一翼を担って奮闘していくことを決意します。
 以上決議します。



年金大改悪阻止へ全厚生の出番

国民の立場にたった行政の確立へ熱心な討論

 大会の討論は、13日と14日に行われ、49人の代議員・傍聴者が発言しました。
 発言は、史上最悪の年金改悪を阻止するために全厚生はどう取り組むかという問題をはじめ、業務改善や労働条件改善の課題、定員削減やただ働き残業の問題、研究機関の組織再編や独立行政法人化の問題、福祉施設の支援費制度導入などの課題。賃金闘争や地域国公運動、平和活動、青年や女性など階層別のたたかい、機関紙活動や組織拡大・強化の取り組みなど、いずれも大会議案を豊かに補強する内容でした。討論の特徴をリポートします。


◎討論その1
 2004年の通常国会に政府が提出を狙っている史上最悪の年金改悪法案をめぐって、全厚生はどうたたかうのか、積極的な討論が行われました。

年金講師団活動に全力  社会保障としての最低保障年金を

神奈川県支部の代議員は、年金大改悪阻止へ、講演を様々な場所で行ってきた。議案書では、最低保障年金制度について全厚生としてどう考え、年金大改悪法案とどう闘うか明確になっていない。国民が安心して暮らせる老後のために、最低保障年金制度は必要。全厚生としてしっかり運動をしていこう、と発言。
愛知県支部の代議員は、母親連絡会などいろいろな組織に年金講師として話をしている。職場の中では最低保障年金のことは話題にならない。忙しすぎて、職場の若い人に制度に対する夢や希望はない。悪い制度の中で大変なストレスもある。国民の中に国民とともにと言う国公労連のスローガンに国民年金の強制徴収は反する。全厚生は全労連の提起する最低保障年金を積極的に支持すべきだ。
函館支部の代議員は、年金改悪だけでなく、生活保護費への切り込みも検討されていると聞いている。「国民皆年金、皆保険」は昭和36年に社会保障がそろったが、その後の差別的扱いがある。年金闘争はスローガンで終わっては困る。労働運動は自分たちを守るとともに市民を守ると言う点で発展してきた。全厚生運動も度量の大きな運動として発展させて欲しい。
岐阜県支部の代議員は、今回の年金闘争は期間が短い。全厚生の出番だと他の組織にも期待されている。私も含めてタレント的講師団活動を続けてきた。行政にもこんな活動をしている労働組合がある事をわかってもらいながら、住民との共闘を続けてきた。今後は福祉職場や、研究所職場もふくめ、誰でもできる年金講師団作りをしたい、と決意を語りました。
 今年初めて年金講師団活動に加わった青年からも発言がありました。
大阪支部の代議員は、年金講師団活動に取り組んで、自分が仕事で得た知識で誰かの役に立つことは、良いことだと思った。これからも年金講師団活動に参加したい。勇気をもって、1歩を外に踏み出して行きましょう、と呼びかけました。
京都支部の代議員は、年金闘争は、広く国民と共同できる課題。スローガンだけにならないよう、意思統一し、方針を固め、具体的に行動することが必要。一生に1度、人生をかけて政治を変えるために闘うときがあるとしたら、自分にとって、それは今だ、と決意を語りました。
岐阜県支部の代議員は、最低保障年金についての学習を重ねていく必要がある。国民の権利を守るのか、職場を守っていくのか等、もっと議論が必要ではないか。
京都支部の代議員は、失業者の増、免除制度基準の改正、若年層の不信感や不安感等が国民年金保険料の徴収率低下の原因。今の人員や政策では、とうてい無理。展望のもてる方針を示して欲しい、と発言。
 それらに対し、再度、討論に立った廣部正義代議員(神奈川県支部)は、最低保障年金とは、全額国庫負担に移行することであって、制度を守るのか職場を守るのかという議論ではない。「社会保障なくして職場なし」と強調しました。
京都支部の代議員は、年金の仕事をしていると、世の中の状況が見えて、経済的に苦しい人が多くいるのがわかる。年金相談窓口で、年金額を聞いてがっくりするお客さんが多い。全厚生のみんなが年金講師という運動が必要。来年3月に京都で全厚生社会保険行政研究集会を開くが、支部を盛り上げて頑張っていきたい。
大阪支部の傍聴は、大阪は、年金講師団の活動を20年続けている。年金制度が複雑な為に、改悪の内容が社会保険の職場でもわかりにくい。だからこそ、学習をして、国民の中へ訴えていく必要がある。最低保障年金についても、国民が安心して暮らせるようにすることが、私達の職場に働きがい、生きがいをもたらすことになる。全厚生も前向きな考えでこの最低保障年金制度確立に取り組んで欲しい。

◎討論その2
 業務改善、労働条件改善、メンタルヘルス対策についても、意見が出されました。

国民本位の仕事がしたい  メンタルヘルス対策を強化して

業務センター支部の代議員は、職場が忙しく病気(メンタルヘルス)になる人が増えている。何のために働いているのか、国民のためか。みんなから喜ばれる仕事がしたいのに、そうなっていない現実に病気になっていく。メンタルヘルス対策を重視した職場づくりが必要。国民も全厚生の仲間も健康で働きつづけられる世の中にしたい。
静岡県支部の代議員は、社会保険の業務改善で発言。外部委託業務で、余剰人員を他の業務へ回すという方針が宙に浮いている。FD導入後、ますます違った意味での残業が増えてきた。メンタルヘルスの問題や女性にとって働き続けられる条件がなくなってきている。全厚生組合員どうしの事務協議・業務改善の話し合いをもっと計画してもらいたいと述べました。
香川県支部の代議員は、年金の掛け金が払えない人達には無職、フリーター等、今日・明日の生活に困っている人達も多く、生活全般が良くならなければ、解決しない。
岐阜県支部の代議員は、外部委託や磁気媒体は、効率化・合理化というしろものではなく、逆に残業が増えていく実態にある。将来像が見えないまま、突き進んでいると批判しました。

理念無き組織再編と闘う  独法化で労働条件後退許さない

 研究機関支部の代表からも、組織再編や独立行政法人の問題などの発言がありました。
栄研支部の代議員は、栄研が独立行政法人になり2年が経過し、職場は変わった。給与は人勧完全準拠が続いている。当局が新たな職階制を提案してきたが、撤回させた。ホームページ作成や機関紙発行といった国民向け広報まで研究員が行い、その上、業績を要求される。理事長との直接面談や数値による評価の中で、公平性や客観性の確保が課題になっている。事務部が力を持つようになり、研究費の支出チェツクが厳しくなっている。任期付研究員は、3年か5年契約。研究は継続性が重要。本人の意向を尊重し、雇用の継続の道を開くために奮闘したい。
感染研支部の代議員は、再任用制度、基盤研、危険ウイルス対応について当局に交渉を求め、8月に総務部と懇談をもった。再任用は、昨年度末退職者8名中3名が希望したが、再任用されず、今年度末退職予定者15名中1名希望するが認められなかった。厚生労働省が再任用を推進しているにもかかわらず、行われない。引き続き追及したい。
 基盤研の新組織では、交渉母体もない状況の上、労働条件の提示もいまだにない。本部と協力して、形が見えるよう運動したい。
 危険感染症を取り扱う研究者の安全対策については、予防についてはいろいろな研修を行っているが、いざ、感染した場合などの対応を追及している。
国衛研支部の代議員は、支部活動の主題は基盤研問題。基盤研は2005年4月発足決定。紆余曲折があり、今年2月に当初計画が変更となり、4月には国衛研薬用植物栽培試験場が基盤研に移ることとなった。支部は反対声明を出したが、次期国会での法案提出が決まっている状況。基盤研に行く人の処遇について、感染研支部と一緒に活動してきた。また、国衛研大阪支所が2004年4月に廃止となるが、全員が納得のいく形での異動先が見つかるように運動していきたい。任期付研究員についても、長期的な研究が重要で、恒久的な雇用を行うよう求めていきたい。
ハ病研支部の代議員は、研究機関の組織再編等きびしい状況になっている。研究機関交流集会の開催が力になった。今後も展望がもてるような集会を開催したい。他部門からの参加を。
国衛研支部大阪支所分会の傍聴は、04年4月に廃止となる国衛研大阪支所は現在、研究者4名、臨時職員2名の行き先が決まっていない。昨年の闘争の成果として、室長2名が東京へ異動、研究員3名外部へ、研究員1名、事務職1名東京へ、臨時職員1名外郭団体へ、事務職3名は基盤研への異動が決まった。行き先が決まらなければ、研究に集中できず、矛盾をかかえている。
科学院支部の代議員は、昨年、保健医療科学院ができ、埼玉県和光市に移転。一部が東京・白金台に残っており、支部も2箇所体制で運営している。現在はそれぞれでの活動だが、来年一緒になる。内部評価の院長私案がでているが、扱いがどうなるか分からない。院内の内科診察室が撤廃されたが、研修生にも具合の悪くなる人も多く、診察室復活の要求が強い。支部で要求していく、と決意を語りました。

全厚生を強く大きくしよう

健康で働き続けるためにがんばろう

◎討論その3
競争原理を持ち込むな  障害者のための宿舎体制確立を

 福祉部門からは、施設のあり方や宿舎体制で意見が出されました。
神戸支部の代議員は、4月から利用契約制度が始まり、不安のつのる日々を送っている。5年、10年後、福祉の施設は一体どうなるのか。生命・財産を守るべき福祉施設として本当にそれが出来るのか。宿舎体制の確立を。また、必要な資格取得を自費で休暇を取って行っている人がいる。当局が保障すべきではないか。
塩原支部の代議員 塩原センターで、11月に日直制度廃止を試行する。今までは、日直者とガードマンだったが、ガードマンのみとなる。入所者の対応や服薬の問題もある。支部としてキャンプとかレク開催によって、組合員拡大運動をやっていきたい、と決意を述べました。
国リハ支部の代議員は、支部執行委員会や支部活動の困難さ、自由にものが言える職場環境を。業務が細分化し、専門化され、共有部分がない。患者側からの要望をどう受けいれていくか。医者の質の問題やすぐ替わる問題もある。患者を大切にしない病院側の姿勢が患者数の減少に繋がっている。当局側も組合側も実際は議論になっていない。投書箱の設置により、広く声を聞く作業をはじめた。地域にも打って出たい。

民主的な公務員制度を  史上最悪の人勧・賃下げ許さない

愛知県支部の代議員は、民主的な公務員制度改革を求める運動では、キャラバン行動への参加、民間労組への呼びかけ等を行っている。公務員賃金について、年金者組合や民間労組等と連帯しながら、ビラ配布等の運動を行った。
愛知県支部の代議員は、9月11日に国公権利裁判の傍聴に参加してきた。労働基本権の代償機関である人事院が、労使交渉を持たずに賃金を決定しているところが問題だ。公務員にも不利益不遡及の原則はあるはず。
愛媛県支部の代議員は、年間16・3万円もの賃金引き下げで生活は大変だ。一方、職場では労働条件が厳しくなっている。人事院の官民比較方法は適正なのか。賃金闘争について、もっと力を注いでいきたい。非常勤職員の組織化と処遇改善についても取り組みを強化する必要があると述べました。

定員削減やめよ  ただ働き残業を根絶しよう

 定員問題やただ働き残業の問題などの意見も出されました。
統計支部の代議員は、行政管理局から、従来の定削とは別に、業務見直しについての再配置として、現在270名の定員を5年間で50人削減するよう査定を受けた。そのため、当局は、場当たり的に仕事の見直しの検討をはじめた。統計部門の合理化の余剰部分を情報部門へ回すというものだが、統計支部として、運動を再構築して行く必要がある。
神奈川県支部の代議員は、年金相談業務における定員の確保、定員増要求について、このままの運動でいいのか、と問題提起。今後、今の数倍の来客があることは十分予想できる。制度の複雑化による相談時間の延びもある。住民サービスに地域格差があっていいのか。全国での定員再配分を強く主張すると述べました。
本省支部の代議員は、厚生労働省3組合の連携強化に先駆け本省共闘で連携強化してきた。今春闘では、構成員の2割に相当する90人の参加で、職場集会を成功させた。人事課長交渉も定期的に、昨年2回、今年も1回行った。本省支部の1番の問題は超勤問題。上限360時間を守るよう交渉の場でも言っているが、国会対策で夜中も待機する中、超勤縮減がなかなか進まない。官房長官が談話でうつ病が増えていると言ってたが、自分の局でも5月に自殺者がでた。ただ働き残業に対し当局は、業務に必要な勉強をするのには残業手当を出さないという言い方をするが、業務の範囲内だと認めさせたい、と決意を語りました。残業代未払い問題では、福士広志代議員(神奈川県支部)からも、ただ働きを減らせ減らせというだけでなく、残業しちゃった場合は、未払い分の支払いを求めるなどの追及があってもよいのではないか、との発言がありました。
業務センター支部の代議員は、当局は超勤実態を把握していない。交渉で調査結果を組合に示すとの回答を得た。超勤縮減が出来ない原因の1つに人事異動サイクルの速さがあり、庁の人事政策をあらためさせる必要がある。横森君の過労自殺をめぐって、労災認定されたが過労自殺を引き起こすような職場環境が改善されていないとして、両親が裁判提訴をした。それを契機にして、健康管理対策委員会の設置の提案が当局からあった。賃金職員の3年雇用のルールをめぐっては力いっぱい頑張りたいと決意を語りました。

平和あってこそ社会保障  民間労組とも共同を進めて

 地区国公などの運動や平和活動についての発言も続きました。
愛知県支部の代議員は、県労連・県国公での活動を紹介。憲法9条を守る実行委員会を作り、3000人以上の平和集会を開催し、「NO WAR」の人文字を作った。官民、公務同士の運動も広がっており、民間労組も含め19組合が人事院勧告に対する賃下げ反対アピールを出した。キーワードは対話と共同。その立場で運動を進めている。
函館支部の代議員は、地区国公と支部活動の両立は個人的にはしんどいがやりがいがある。若い人に、地域に出て、民間と交流しエネルギーをたくわえて欲しい。
香川県支部の代議員は、戦争体験者の話を聞けば、苦しみや悲しみが伝わって来る。戦争反対で奮闘したい。
ハ病研支部の代議員は、原水爆禁止世界大会に参加した。イラク攻撃に多くの批判の発言があった。核兵器廃絶へ新しい署名の提起があった。全厚生も署名に協力を。
神奈川県支部の代議員は、平和が崩れると、社会保障も壊れるのは、イラクの例を見ても明らかであり、日本でも、平和運動を強める必要がある。今年の原水爆禁止世界大会に7名の代表を支部からおくった。本部からの派遣補助金を増額して欲しいと述べました。

◎討論その4
 青年は元気一杯に、女性は、豊かでしなやかな女性部活動について発言しました。

男女共同参画すすめて  全厚生青年交流集会の成功を

愛知県支部の代議員は、11月22〜24日に愛知県で開催する全厚生青年交流集会への参加を呼びかけました。青年も活躍して行かねばならない。盛り上げるために支部のご支援をお願いしたい。
 また、青年交流集会については、再び愛知の青年部の3人(國枝孝幸、外村英之、金丸博代議員)が発言。「クニビアの泉」無駄知識をあなたに、と青年交流集会を人気テレビ番組「トレビアの泉」風に披露。愛知県青年交流集会の模様を語り、会場の笑いを誘いつつ、多くの参加を呼びかけました。
京都支部の代議員は、女性部の活動について報告。3月にカニツアーを企画。日帰りでたいへんだったが、この様なツアーは女性部初めてで、学習会等に参加していなかった人も、子連れで参加してくれた。女性部の独自アンケートも行い、要求書を作成した。昼休みに窓口を開けることによって昼休みの確保ができなくなり、来客者から待ち時間がかえって長くなったという苦情もでてきた。 育休のアンケートでは、3年間とれるが経済的理由で1年間の希望が多かった。全事務所に給茶器が導入された。
統計支部の女性部長は、本部女性部の活動について報告。8月1日に行った人事課との懇談では、それぞれの部門の要求について前向きな回答を得ることができた。継続した運動が牛の歩みのようではあるが、着実に前へ進んでいる。8月22日に社会保険支部女性部長会議を開催し、各支部の活動報告や意見交換と要求書についての重点要求の確認を行った。各支部に組合役員の共同参画をすすめるために、会議の持ち方を工夫するなどお願いしたい。
愛知県支部の代議員は、支部女性部はずっと女性の職域拡大を要求してきた。事務局の主要ポストに7名いるほどに前進している。今年、女性の所長が誕生したが、長年の組合の要求が前進して得た結果だ。女性も含め男性も働きやすい職場づくりを目指してがんばりたい。
神奈川県支部の代議員は、今年2月22〜23日、全厚生女性交流集会を神奈川で開催し、14支部96人が参加した。神奈川県支部からも35名が参加した。活発な活動はできていなかったが、やればできる自信がついた。神奈川には女性の8級昇格は出ていない。声を出し続けて実現したい。支部女性部の再建へ、来年2月までには総会を開きたい。また私自身、支部執行委員として支部活動に女性の声をつなぐパイプ役として活動したい。
大阪支部の傍聴は、支部の女性部活動について報告。年4回、旗びらきや学習会などの取り組みを行っている。今年は、土日で、広島・大久野島への平和学習の旅を実施、15名が参加した。青年部と合同で当局交渉も実施。今年、定年前でやめていく人がいた。女性差別や退職手当の改悪が影響している。少人数だが、活動を続けていきたい。
大分県支部の代議員は、4級16号のままの女性が一人存在する。その解消に向け努力したい。また、秦さんは、大会運営について言及。選出された代議員は責任もってきちんと出席してもらいたい、と指摘しました。

組織の拡大・強化に全力を  議案書を支部活動に活かしたい

 組織拡大・強化の取り組みや機関紙発行の決意なども語られました。
業務センター支部の代議員は、組織拡大、非常勤職員の組織化について発言。国公共済会への説明などをおりまぜ、新採に組合説明会を行った。日を変えてチームに分かれて加入の勧誘をしているがなかなかうまくいかない。頼りになる組合でなければならないし、組合の特徴を話しながら勧誘をしている。来年4月の国立病院賃金職員の7500名の首切り問題で、大臣が責任放棄発言をしているのは問題。正規職員と全く同じ仕事をしているのに雇い止めをしようとしている。支部としても100万署名を成功させたい。
福岡支部の代議員は、今後の決意を表明したい。組織活動が停滞している。未組合員への聞き取りを実施。納得出来れば加入する旨の記載もあった。支部でも、機関紙を10月から発行する。メールマガジン形式で、実施していきたい。行(二)職員の処遇改善を。厳しいがあきらめず活動を進めたい。
滋賀県支部の代議員は、機関紙フェスティバルに参加出来ず残念。来年は金賞をめざしたい。近畿ブロックでの街頭宣伝を石山駅前で行った。新たに行動に参加してくれた人もおり、楽しい行動となった。大会で元気をもらって、支部活動の糧としたい。
大分県支部の代議員は、競合組織のため組織拡大は大きな課題となっている。再任用制度は抜本的改革を。今のままでは手を挙げにくい。年金支給開始年齢と再任用をリンクできるように運動したい。ただ、社会保険では60歳前で辞めている現実もある。しかし、全厚生の頑張りで60歳まで働く人も増えてきている。安心して働ける職場を作っていきたい。
大分県支部の傍聴は、平成12年に新しい組合ができて、何かの力になれば、と加入した。御用組合は当局の権益を守る道具になっている。みんなが定年までつとめて、その後、年金がもらえるよう運動したい。全厚生は、まだまだ全県にないので、全県に広げ、組織を拡大し、発展してほしい。
秋田県支部の代議員 例年7月末の定期大会が遅延している。現在、準備に向けて取り組んでいるところ。支部の方では、分会活動を重視して取り組んできたが、今後も力を入れ頑張って行きたい。
京都支部の代議員は、議案書を読んで、組織を固めて運動をしようという気になった。支部の活動に生かしていきたいと思うポイントとなる項目が随所に見受けられるので参考にしたい。全厚生が外へ出ていって活動していく時期だ、と決意を語りました。

顧問あいさつ
国民生活守るために奮闘
 大会最終日、今大会で顧問の任期を終える大倉修二顧問があいさつしました。1958年に組合員になり、今年で45年になる。私が全厚生に入ったときは、本省と試験研究機関のみの小さなものだった。昭和36年の大会で、まだ全厚生に入っていない組合があり、全国の仲間を組織しようと決議した。塩原支部を最初に取り組んだ。今、那須に住んでいるが地域は大変な状況である。7月末にNPOを結成した。医療、介護、障害者などの問題に取り組む。自公政権の国民いじめを何とか止めさせたい。今、労組の力のなさが政府の横暴を許していることになる。国民の生活を守るために奮闘したい。全厚生が年金などで力を発揮し、なんとしても悪政をくい止めるという闘いの先頭に立ってほしい。私も地域で力一杯奮闘したい。皆さん、頑張りましょう。

総括答弁
賃金職員雇用継続から年金闘争まで
 のべ49人の討論を受け、杉下委員長が総括答弁を行いました。その要旨は次のとおりです。
▽大会討論全体について
 積極的な討論で、大会方針がより豊かになり、補強され確信を深め、今後のたたかいの方向とその決意を固めることができた。このことを全員で確認したい。
▽国立病院の賃金職員の雇用を守るたたかい
 来年4月に国病は独法になるが、7500人もの賃金職員の雇用継続が約束されていない。全厚生はこのたたかいに全力をあげる。当面、提起している署名に全力を。
▽職場の労働と健康問題について
 忙しく、周りと話すこともなく、人間関係も希薄になっており、病気で休む人も多くなっている。厳しい定員削減は、職員から夢や希望さえも奪っている。悲痛な発言を受け、状態改善のため、組合の役割が求められている、力をつくして奮闘しようと、本部の決意とともに全体の奮起を呼びかけました。
▽福祉施設について
 支援費制度の導入など、新しい制度が十分な対応なしでスタートしていること、宿舎体制の確立、資格取得へ施設の保障、再任用、福祉の現場への競争原理導入による問題等、関係支部の発言一つひとつは本部として正面から受け止め、厚社連での協議を踏まえ、改善・解決に努力したい。
▽研究機関について
 独法の国栄研の研究・労働条件問題は、公務員制度改悪の先取りであり、今後も支部と連携・協議し対応していく。
 基盤研については、労働条件など情報開示と組合との協議前提を求めていく。大阪衛研については、最後の一人まで雇用を守るために努力したい。
▽青年運動について
 青年が職場、社会、組合運動において主人公でなければならない。11月の愛知での交流集会、現地での奮闘とともに各支部での取り組みをお願いしたい。組織問題は青年の問題でもあり、旺盛な活動で組合加入をめざそう。
▽女性運動について
 女性部が元気で活動しているかどうかが、組合民主主義の鏡といえる。
 本部として努力するが、各支部で女性部の発展のため力をつくしてもらいたい。女性のねばり強さで組織拡大に努力をお願いしたい。
▽賃金闘争について
 労使の関係は重視する。しかしそれだけでは要求の前進は期待できない。国公労連、全労連に結集し、国民春闘の前進をめざして奮闘したい。
▽年金闘争について
 攻撃は財界の意向にそったもので、国民の年金制度を破壊するものだ。制度の改悪を許さない、ここが基本。先送りでなく国庫負担2分の1の早期実現を。積立金運用で6兆円以上損失し、責任をとらないことは許されない。全労連の最低保障年金制度についての学習・討議を深めよう。
 全厚生は国民的な運動の構築のため、講師養成講座を開催し、国民の中へ国民とともにを実践する立場で、講師活動などを旺盛に展開したい。 ▽最後に、小泉構造改革について、このままでは日本がおかしくなってしまう。気がついたらそうなっていたでは済まされない。団結をいっそう固め全力で奮闘しようと呼びかけ総括答弁を締めくくりました。


◇◆大会に参加して◆◇
・議案書読んで元気だして 秋田県支部 組合員
Q 「最近、仕事に自信を持って取り組めないんです。どうしたらいいんでしょうか」
A 「議案書を差し上げますから、よく読んで実践してみましょう。きっと元気がでますよ」
といった定期大会でした。

・発言に熱意を感じた 神奈川県支部 組合員
 初めて参加して思うことは、各支部の代議員が各支部の代表として多くを発言したいと言う熱意を感じたこと。時間に制約があるため皆さん苦労されていました。スムーズな運営の為、あらかじめ大会本部に発言予約してはいかがでしょう。

・最低保障年金制度を 静岡県支部 組合員
 社会保障としての「最低保障年金制度」に終始した大会だったなぁ。人の生きる権利を守り発展させていくことが自分たちの職場環境を良くし、生活を良くしていくこと。そんな思いでがんばろう。

・国病賃金職員の雇用継続を 栄研支部 組合員
 大会参加は4回目です。今回は前回参加した65回にも増して、年金・医療・福祉など全厚生を取り巻く課題の厳しさを感じました。また国立病院の独法化に伴う賃金職員の雇用継承問題(全医労)はひどいですね。厚生労働大臣は雇用を保障するべきです。

・仲間からたくさん学んだ 愛知県支部 組合員
 採用されてから半年弱、組合活動についてまだよくわからなかった私。今回の定期大会に参加させていただき、熱い討論では闘いの姿勢を、そして交流会では他県の仲間達から様々な情報を学ばせていただきました。ありがとうございます!

・福祉行政ふさわしい仕事を 岐阜県支部 組合員
 研究機関の独法化問題、賃金カット、業務の多忙化など様々な方面で職場環境が厳しくなっている現実を痛感しました。公務の合理化や国民に不安を与える法改正には歯止めをかけ、福祉行政の名にふさわしい仕事をしてゆきたいと思いました。

・厳しい時代をみんなの力で 滋賀県支部 組合員
 この1年機関紙も出せず支部活動が出来ていない状況ですが、この大会で他の支部の活動報告等を聞き、元気をもらってこれからの支部活動にいかしたいです。この厳しい時代をあらゆる手段でみんなの力でガンバリましょう。

・行政研究で学習深めて 神戸支部 組合員
 社会保障・社会福祉が大きく転換する今、全厚生に結集する私たち1人1人の力量アップが求められています。行政研究等を通して学習を深めながら、現場からの声を結集し要求実現に向けた取り組みに微力ながら頑張っていきたいと思います。

・熱気を支部に持ち帰って 福岡支部 組合員
 今回、初めて定期大会に参加させて頂きました。各支部の方が問題点等を熱く語るのを聞いて思う事は、ここにある熱意が組合員一人一人にあると、現在の全厚生がもっと活性化し、力のあるものになるであろうと思われることでした。今回、この熱気を中心に支部へ持ち帰り、少しでも多くの人に伝えたいと思います。

・年金闘争頑張りたい 京都支部 組合員
 各発言から、民主的な討論による団結の力の発揮が、要求前進に何よりも重要であることを再認識しました。とりわけ年金闘争にたいする熱い思いがビンビン伝わり、年金の専門家として、また組織された労働者として頑張りたいと思います。

・非常に充実した3日間 香川県支部 組合員
 皆さん、第67回定期大会、お疲れ様でした。今大会においては日頃の業務に対する皆さんの熱い思いが率直かつ活発な議論に反映され、非常に充実した3日間となりました。次回大会へと繋がる力強い航跡を残すことが出来たと思います。

・みんなの熱弁に感心 愛媛県支部 組合員
 10年ぶり位の久々の大会参加でしたが、発言をされる方皆さん全てが、演説をするかのように、堂々と熱弁をふるわれているのにたいへん感心しました。昼間は熱く語り、夜は飲んで語る。お疲れのせいか風呂で全裸で寝ている人がいて大変驚きました。

・全医労の署名にがんばる 函館支部 組合員
 今回は仕事の都合で最終日のみの出席となりましたが、委員長の総括答弁を聞いてどの職場も大変だということと組合も大変だということがわかりました。全医労の闘争についても地区国公議長として10月1日の申し入れと署名強化に努めたいと思います。 

・出席して、よい経験をした 塩原支部 組合員
 塩原支部では、定期大会出席と言われると、出席する人員を選ぶだけで、ひと苦労です。しかし、いざ出席して見ると、演壇でどう笑いを取るかガンバッテいる人、楽しい思い出を話す人、職場の仕事の苦労話など、良い経験をさせていただきました。ありがとうございました!

・メンタルヘルス対策強化を 国リハ支部 組合員
 今大会は残業・過密労働・賃下げ問題に加え、独立行政法人化による労働条件の低下が明らかとなった。また、年金「改正」による改悪のさまざまな問題が取り上げられた。そして、メンタルヘルスの悪化は各職場において広まっていると感じ、今後大きな問題と思われた。

・新しい展開感じ、頑張る 秩父学園支部 組合員
 12日の部門別会議から大会終了まで出席しました。最初から最後まで、きつい大会でした。休憩もなく討論が続き、財政小委員会の時は、少々ダウンしていました。しかし、討論内容に全厚生運動の新しい展開を感じました。対話と共同でガンバロー!

・みんなの元気もらった 統計支部 組合員
 ため息ばかりの職場・社会の状況、それをなんとか変えよう、その一歩を全厚生の仲間から踏み出そう、という趣旨の発言が多かったと思います。みんなの元気をもらって明日から頑張ります。

・全労働、全医労と協力して 業務センター支部 組合員
 2日目の討論では各支部の方々からの切実な訴えを拝聴することができて、とても参考になりました。当支部もメンタルヘルスの問題や非常勤職員の雇用を守る取り組みについて発言をしました。今後も各支部・全労働・全医労等と協力してやっていきたいと思います。 

・交流を積極的に持ちたい 国立衛研支部 組合員
 本大会で、全国の全厚生の多くの職種の方々との交流ができ、有意義な一時を持つことが出来ました。今、私達研究所では、組織再編などで、大きな問題をかかえていますが、他の研究所との交流を積極的に持ってゆきたいと考えます。


第16回機関紙フェスティバル

組合員の目線で対話をつくろう

 大会初日、恒例となった第16回全厚生機関紙フェスティバルの表彰を行いました。藤巻副委員長が結果報告と講評を行いました。
 今年は、13支部35機関紙の参加でした。昨年は15支部34機関紙でしたので、支部数は減りましたが応募はここ数年で最多です。内訳は支部19、分会3、壮年部1、青年部3、女性部9で、今年は、女性部が大健闘しました。女性部ニュースの応募では過去最多です。それぞれの機関紙の優れたところをみんなのものとして、機関紙活動の質的向上をめざす目的で、機関紙ごとに講評を行い、冊子にし、大会参加者に配布しました。講評を読めば、お互いの参考となり、高め合えるよう工夫してあります。各機関紙の発行形態、編集体制、編集委員会の開催、機関紙発行物語など、おおいに参考にしながら、喜びをみんなと共有できる、素晴らしい機関紙発行を目指しましょう。機関紙中心の組合活動づくりの追求は、上意下達ではなく組合員の目線でどう対話を作るかということにも関係します。機関紙をおおいに活用すれば、みんなが参加していると実感できる運動をつくることができるのではないでしょうか。
 機関紙を発行し続けることは、たいへんな作業です。機関紙には、編集者や執筆者の喜びも感動も苦しみもいろんなことが詰まっています。同時に、機関紙活動は組織活動であり、組合活動の鏡ですから、機関紙に登場する人物、運動や行事を組み立てた人達、その参加者、組合員や職員、みんなの思いが詰まっています。この機関紙フェステイバルにおいて、みなさんの奮闘をたたえあい、これだけたくさんの機関紙が発行できたことを、みんなで喜びあいたいと講評の報告を行いました。

機関紙フェスティバル参加紙
<クリスタル賞>
業務センター支部「支部ニュース」
「組合員のみなさんへ」
函館支部「イカ労かわら版」
国立衛研支部「衛研支部ニュース」
大阪支部「全厚生大阪支部ニュース」
「全厚生大阪支部ニュース号外」
秋田県支部青年部「とらい」
愛媛県支部女性部「ふじん」
<金賞>
本省支部「夜明け」
統計支部「執行委員会ニュース」
国立リハ支部「組合員通信メール版」
「かるがも」
秋田県支部「こだま」
神奈川県支部「週刊保険」
「書記長情報」
愛知県支部「こぶし」
「支部だより」
京都支部「社保ニュース」
香川県支部「支部ニュース」
「情報」
愛媛県支部「焦点」
本省支部社会援護分会「日刊SHAEN」
愛媛県支部松山西分会「ひびき」
愛媛県支部宇和島分会「よあけ」
業務センター支部壮年部「燦燦」
神奈川県支部青年部「青年部ニュース」
愛知県支部青年部「いずみ」
統計支部女性対策部「かがやき」
業務センター支部女性部「女性部にゅーす」
秋田県支部女性部「Olive通信」
神奈川県支部女性部「コスモス」
愛知県支部女性部「レディス・エコー」
京都支部女性部「たんぽぽ」
大阪支部女性部「かざぐるま」
香川県支部女性部「なかま」


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