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◆第1564号(2003年9月5日付)◆


守ろう!雇用・くらし・いのち・平和
いまこそ国民の中へ国民とともに

国公労連第49回定期大会を開催

 国公労連は8月27日から29日まで第49回定期大会を都内で開催。史上最悪の賃下げ勧告など生活悪化がいっそう進むもとで、公務の公共性破壊攻撃や公務員制度改悪と対決して民主的な公務員制度確立をめざす2003年度運動方針を採択しました。
 国公労連の堀口委員長は冒頭のあいさつで今大会を「日本の平和と国民の雇用・くらし・いのちを守る運動の発展にとって重要な節目」と位置づけ、「憲法を蹂躙してすすめられる軍事大国化と市場原理優先の社会・経済構造への改変を許すのか、それとも憲法を基本とした民主主義の発展と、労働者が人間らしく生き・働く社会をめざすのか、その歴史的な転換点に立っている」と指摘。「私たちの先輩が侵略戦争の惨禍と反省から、働く者の生活を守り、官庁を民主化し、日本と世界の平和をめざしてたたかうことを決意して、国公労働運動を立ち上げた」ことにふれ、「その原点に沿って職場の仲間1人ひとりが日本国憲法の平和原則、基本的人権擁護などの諸原則を学びあい、職場・くらし・行政に憲法を生かす運動の先頭に立つことが求められている」と強調しました。

「国民総決起運動」を構築しよう

 続いて小田川書記長が運動方針案を提案。(1)国民犠牲の小泉構造改革に反対する国民共同の一翼を担って奮闘する(2)公務の公共性破壊・公務員制度改悪などの公務リストラに反対し、民主的行財政・司法、医療・教育の確立をめざすたたかいを強める(3)春闘解体攻撃などの賃金破壊に反対し、格差是正・均等待遇実現、最低生活保障を求める取り組みを地域から強化する(4)チャレンジ30を着実に実践し、たたかう態勢を整備するーの4つの課題をあげました。さらに「雇用・くらし・いのち・平和」の危機を打破するため全労連運動の一翼を担い、国民的な共同を発展させ、「国民総決起運動」の構築をめざすことを提起。こうした運動をすすめるにあたって、職場学習を重視して全組合員の結集を追求、政府の使用者責任追及などの取り組みをねばり強く展開する。職場活動と運動を支える組織の整備、強化・拡大をめざして地域・職場で奮闘しようと訴えました。

年金改悪反対の運動に全力あげる

 全国から300人を超える仲間が参加した大会討論では「守ろう!雇用・くらし・いのち・平和〜いまこそ国民の中へ、国民とともに〜」のメインスローガン、さらにサブスローガンにある(1)年金改悪・大増税阻止、小泉構造改革を跳ね返そう(2)有事法制発動阻止、職場とくらしに憲法を生かそう(3)ILO勧告にそった民主的公務員制度を確立しよう(4)「賃下げサイクル」阻止、労働者の生活と権利を守ろう(5)「チャレンジ30」の前進で壮大な産別センターをつくろうーの5点を踏まえた豊かな討論で深め、意思統一を行いました。
 全厚生代議員も積極的に発言。杉下委員長は「来年4月に独立行政法人化される国立病院の賃金職員の雇用継続を勝ち取る取り組みと、04年に予定されている年金改悪に反対する運動に全力をあげる」と述べ、とりわけ社会保障拡充の立場から年金改悪反対のたたかいでは全厚生の役割を発揮し、地域で奮闘する決意を述べました。國枝中執は組織強化・拡大の課題で発言。労働運動の発展・強化にとって、とりわけ青年層の育成も含めた青年活動の活性化とそのための援助・指導の重要性を強調。魅力ある労働組合をつくる上で、平和運動や文化活動の重要な役割にふれました。また東海ブロック国公・副議長の磯貝さん(愛知県支部)が地域での運動の実践を報告しました。
 役員選挙では昨年に引き続き、清水美穂さん(業務センター支部)が中央執行委員として選出されました。


リレーずいそう
● ああ〜哀愁の井の頭線
 以前、このリレー随想で「乗り越し評論家」というお題で書きましたが、相変わらず乗り越しを繰り返しています。
 さて、今回は乗り越しのお話ではなく、私が通勤で使っている京王電鉄・井の頭線の駅名を織り込んだどどいつ風の小作をご紹介いたします。
 井の頭線は渋谷駅から始まって、学生の街、下北沢、明大前を経由して、業務センターのある高井戸を通って、井の頭公園、終点、吉祥寺駅につながる二五分程度の短い路線です。
 落語のお好きな方は、故・柳亭痴楽の「恋の山手線」をご存知かと思いますが、そんな言葉遊びのひとつです。
 ネクタイ背広で渋谷く決めて/きょうもゆくゆく通勤電車/神泉気分で駒場を通れば/小鳥がさえずる池ノ上/下北ざわつく女子高生についてゆくのは新代田/君にまかせりゃ明大前よと永福められて残業か/東へ西永/浜田山積み苦情処理/高井戸掘ってなげてみようか夢の中/きょうもゆくゆく通勤電車/そんなに富士見じゃないけれど/大酒久我山大好きで/三鷹にいっぺん呑んでます/公園アベック花盛り/情事タウンの吉祥寺/あーうらやましいかな/きょうもゆくゆく通勤電車
(お粗末さまでした)
(業務センター支部  支部長)



News
● 国立病院職員の雇い止め阻止 ―全労連が闘争本部を結成―
 全労連は8月20日、「国立病院職員の雇い止め阻止 全労連闘争本部」の結成総会を開催。全厚生も参加しました。これは、国立病院・療養所が来年4月に独立行政法人に移行するのに伴って、多数の賃金職員(定員外職員)が雇い止め(解雇)される可能性があるためです。現在国立病院には約5万人の職員が働いており、このうち国際医療センターなどのセンター病院とハンセン病療養所などを除き、来年4月に独立行政法人に移行する154の国立病院で働く約7500人の賃金職員の雇用承継が未確定となっています。厚生労働省は「10月1日任命の独立行政法人の理事長が判断すること」と雇用継続を明言せず、国の責任を放棄しています。闘争本部は当面100万人署名を進めるほか、10月1日の全国一斉宣伝、11月には厚生労働省前座り込みなどに取り組み、「労働行政をつかさどる厚労省が労働者の首をきるのか」という世論を早急に確立し、厚生労働省を社会的に包囲していくたたかいを進めて行きます。闘争本部長は全労連熊谷議長、闘争本部事務局長は全労連岩田事務局次長が、全厚生から藤巻副委員長が闘争本部委員に就いています。

● 全職員の雇用確保へ全力 ―全医労第57回定期大会を開催―
 全日本国立医療労働組合(全医労)は、7月10日から12日の3日間、静岡県熱海市で第57回定期全国大会を開催しました。大会には代議員225人の他、構成員、傍聴など総勢395人が参加。あいさつした保木井委員長は、「全医労結成55年、2004年4月の独法化を目前にした歴史的な大会であり、全職員の雇用確保を勝ち取るため、過半数組織の確保、首切りを許さない院内外の世論構築に向け、積極的な討論を」と呼びかけました。討論では、「再編成」強行とのたたかいや独立行政法人化問題、人減らし「合理化」反対、二交替制中止などでの意見が出されました。大会では、署名と大宣伝で世論を味方につけ、全職員の雇用確保へ全力をあげることを確認。「第1号議案 2003年度運動方針」「第2号議案 規約・規定の改正」「第3号議案 2003年度予算」他を決定するとともに、次の新役員を選出しました。▽中央執行委員長 保木井秀雄、▽副委員長 渡辺伸仁、淀房子、▽書記長 北川寿博、▽書記次長 香月直之


仕事に組合に女性の意見を反映させよう

社会保険支部女性部長会議を開催

 全厚生女性部は、8月22日に裁判所共済組合東京宿泊所みやこ荘において社会保険支部女性部長会議を開催。8支部15人が参加しました。女性部から北島部長、金子副部長、木立事務局長、本部から藤巻副委員長と川名書記次長が参加しました。
 冒頭、北島女性部長が、「10月に予定している社会保険庁との懇談を実のあるものとするため、要求を出し合い、意思統一を図りたい」と、この会議の目的について話し、「おおいに交流しましょう」と挨拶しました。続いて、藤巻副委員長が「情勢は厳しいが女性がこれからどう闘うかが問われている。全厚生定期大会や来年3月に予定されている行政研究集会に女性の声を反映していただきたい」と挨拶しました。
 午前中は、各支部ごとに、どんな活動を行っているか、どのように役員を決めているかなどや女性の採用・登用状況についての交流を行いました。「役員は順番制」「分会持ちまわりでニュースを定期発行」などの経験や「組合員が増えない」「役員のなり手がいない」との悩みまで、ざっくばらんに意見交換を行いました。
 午後には、要求書の提案を木立事務局長が行い、これに対する質問や意見、各支部の重点要求についての発言を元に「懇談申し入れ書」の内容を確認しました。
 討論では、「賃下げ勧告に怒り、賃金課題を基本要求に入れて欲しい」「職員の意見を十分踏まえた国民本位の業務運営を」「8級ポストへの女性の登用拡大を」「メンタルヘルス対策の強化を」「子の看護休暇の改善を」などの意見が出されました。また、議論の間には、川名書記次長が謝金職員数、定削や増員の情報などを紹介し、議論がさらに深まりました。討論を通じて、それぞれの支部の活動が、参考になったり、刺激になったり、共通の問題意識になったりと、とても充実した1日になりました。
 最後に、要求実現のためには、支部・女性部・本部のそれぞれで声を出していくことが大事であること、また、全厚生全体の運動や支部活動、行政研究集会など、広く大きな運動にも女性の視点での意見を反映させることの重要性を確認しました。
 それぞれの支部がこの会議での意見を参考にさらに活動を高めていくきっかけになれたら、うれしいです。また、そのために資料として提出のあった、各支部の「総会議案書」「女性の要求書」「女性部ニュース」「現員現給表」「要求アンケート」「採用・登用状況」などが、参考となれば幸いです。
(女性部事務局長)



第2のスーパーパワーで戦争も核兵器もない平和な世界を

原水爆禁止世界大会で新しい署名運動を提起

 世界に広がった反戦運動について「ニューヨークタイムズ」紙は次のように報じました。「いまや世界には2つの超大国が存在する。第1は米国、第2のスーパーパワーは世界世論」。全米平和と正義のための連合のジュディス・ルブランさんは確信を持って言い切ります。「戦争も核兵器もない平和な世界は可能です」。平和を求める国際的な世論と行動が、世界を動かす最大の力に成長しつつあります。
 このような情勢の中で、被爆60周年にあたる05年を核兵器廃絶への転機とするため、新しい署名運動が提起されました。この署名「いま、核兵器の廃絶をーヒロシマ・ナガサキをくりかえさないために」は、核保有国が00年に合意した「核兵器廃絶の明確な約束」を実行させ、国際条約の締結により核廃絶を実現するという、はっきりとした目標を持ちます。わずか2年間の短期決戦で、核兵器廃絶を世界の圧倒的な世論につくりあげようという壮大な取り組みです。
 核兵器廃絶の他に、人間が生きる道はありません。被爆者は大会参加者を前に訴えます。カザフスタンのレナータ・イズマイロワさんは、旧ソ連の核実験場に近い町で生まれました。「核兵器の改良のために、私は大きな代償を支払わされています。私の生活、私の家族の運命という、とても残酷な代償」と話します。
 49年前、米国が水爆実験を行ったビキニ環礁から参加したヒロコ・ランギンベリックさんは、被爆当時12歳。「甲状腺癌や流産、他の病気にも苦しみました。私が受けた不正義の傷跡は生涯消えません」。また日本にも原爆症認定を求める集団訴訟など、平均年齢70歳を超えてなお闘い続ける被爆者がいます。核兵器の結末を背負う被爆者の苦しみに触れ、「核と人類は絶対に共存できない」という何度も聞いた言葉を改めて認識しました。
 国際会議宣言起草委員長の安斎育郎さんは「平和に向け、各々が自分の役割を演じきらなければならない」と言います。被爆国に暮らす私たちの役割は、被爆者の体験を学び、さらに周囲に広げていくことだろうと思います。
 9日の閉会総会で原水協事務局長の高草木博さんが行動提起しました。「この新しい署名が、人類に真に核兵器も戦争もない世界を約束することを確信して、いまから行動を開始しましょう」
(本部書記)



問題意識と情熱を持って帰った  滋賀県支部 組合員
 今回、長崎の大会に参加することができました。初めての参加とあって、多くの期待を持って、参加したのですが、結果は期待を大きく上回り、核廃絶への問題意識と熱い情熱を持って帰ることができました。
 総会や分科会では、国内外から参加された方々の原水爆への怒りと、核廃絶への熱い想いに圧倒されるばかりでした。
 そして、核廃絶への闘いが、いかに困難で険しいものであることを多くの参加者の体験や報告から知るとともに、そんな厳しい情勢の中でも勇気と情熱を忘れず、工夫を持って、闘いを前進させていこうとする姿に感銘を受けました。
 広島、長崎の原爆投下から58年が経ち、被爆者に残された時間は僅かしかなく、多くの人たちが広島、長崎の悲劇が風化し、核廃絶実現が遠のくのを危惧されていました。しかし、今回、高校生や学生など、多くの青年が結集し、核廃絶の闘いが若い世代にも確実に引き継がれていることを目のあたりにしました。
 核廃絶実現には、遠い道のりが待っているかもしれません。しかし、唯一の被爆国の住人として、なんとしても核廃絶を成し遂げなければと自覚した今回の世界大会でした。

勇気とやる気をもらった大会  大阪支部 組合員
 個人的にも、大阪支部としても久しぶりの大会参加ができて何よりもうれしかったです。短い期間に平和を取り巻く情勢は本当にひどい方向に変わってしまいました。それとは反対に平和を願う世界の人々の願いの大きさを実感するこのごろです。世界中の人々がこの原水禁大会を中心に一年間平和に対する取り組みを行っている。そして、その成果と喜び、そして、悔しさ、悲しみを共感している。私たちの平和に対する行動もこの大会を中心にもっともっと拡大していきたいなあと思います。
 世界中から、いろいろな年齢・立場の人が集まって真摯に平和について語り合う、そんな場はここにしかない。しかも、みんな手作りでここまで盛大に行えるってすごいなあって思います。本当に一生懸命平和活動をしている尊敬すべき人がたくさんいる。ちょっとでもそんなまねごとができたらなあと心から思いました。もっともっと原水禁運動を盛り上げて核を戦争を廃絶するのに邪魔な奴らに思い知らせてやりたいと思いました。いっぱい勇気とやる気をもらったいい大会でした。


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