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◆第1561号(2003年8月5日付)◆


悪魔の賃下げサイクルを断ち切ろう

マイナス勧告行うな

夏期統一要求で人事課長と交渉

 全厚生は7月25日、大臣官房人事課長と夏期統一要求に基づく交渉を実施。交渉には全厚生から杉下委員長、鈴木・藤巻各副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、木立・國枝各中執が出席。人事課からは、金子人事課長、宮島参事官、篠原人事調査官らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長が要求趣旨を説明したのに対し、金子人事課長が一括して回答。人事院勧告を前にした賃金改善の課題では、マイナス勧告を行わないよう要求。これに対し、「公務員が安心して職務に精励できるよう適切な措置を講ずることも必要であると認識している」と述べ、「厚生労働省として関係機関に働きかけを行いたい」と回答。公務員制度改革の課題では、労働条件に関わる問題であり、労働組合と十分な協議を行うよう要求。これに対し、今国会の法案提出は見送られているもとで、「引き続き、節目節目において、必要な情報提供を行うと共に、意見を聞き、省として必要な意見、要望を行革事務局に申し入れたい」と回答。
 定員確保の要求では、定員削減の厳しい現状を述べた上で、新規増員については、「種々困難な面も多いが、業務の重要性、特殊性等を踏まえ、必要な増員の確保に最大限の努力をしたい」と回答。超過勤務を縮減し、サービス残業を根絶する課題では、本省の恒常的な残業実態で回答。「国会、予算といった他律的側面もあり難しい面もあるが、管理者の意識を高め、定着させていくことが大切」と述べ、「今後とも十分認識をもって積極的に取り組んでいきたい」と回答しました。
 この後、各課題で更に追及。杉下委員長は、賃金改善では生計費重視のもとで使用者責任を果たすことを要求。杉浦書記長は、能力等級制度は、勤務条件にあたり、その認識に立ち対応することを要求。鈴木副委員長は、福祉施設の入所者サービスの観点から増員と体制の確保を要求。藤巻副委員長は、超勤の原因は、定員不足にあり、自主点検にとどまらない指導を要求しました。


諸手当改悪やめよ

夏期統一要求で社会保険庁交渉

 全厚生は、7月28日、社会保険庁総務課長と夏期統一要求で交渉を行いました。交渉には、杉下委員長、藤巻・飯塚各副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、国枝中執が出席。社会保険庁からは、薄井総務課長、柳楽職員課長らが対応。冒頭、杉下委員長は要求趣旨を説明し、薄井総務課長が一括回答しました。
 諸手当見直しのうち、調整手当については「元々、必要があって出来た制度であることも十分ふまえて議論してほしいと、人事院当局にも伝えていきたい」と回答。
 公務員制度改革については、「推進事務局の予定では、18年度に新しい制度に移行となっておりまだ時間はある、また、ILO勧告もある。関係機関には必要なことは伝えていきたい」と回答。
 定員問題では、「加給金の過払については、ミスがわかれば早くにフォローしてやっていく事が必要。東京の健保組合の不祥事は非常に残念。このようなことが繰り返されると、国民の信頼を損ねる。2度と起こしてはいけない。国民年金の収納率は収納月数自体は落ち込んでいないことは、各地域ががんばってきた成果。ただし、納付率が62.8%に低下した事にはいろいろな要因があるが、今後、総合的な対応を厚生労働省あげて取り組んでいかなければならない。厳しい定員コントロールのもと、必要な体制の確保に向けて最大限の努力する」と回答。
この後、課題別に追及し、飯塚副委員長は総報酬制や届書の外注化の過渡期の中で、混乱する職場実態を示し、繁忙措置の教訓が生きていない事を指摘。依然、改善されない社会保険庁、業務センターのただ働き残業をなくす体制整備するよう求めました。



リレーずいそう
● 疑問・怒りを行動に
 国連決議もなく、大量破壊兵器も見つからず、アメリカが攻撃もされてもいないのに一方的に世界最大の大量破壊兵器保有国アメリカのイラク攻撃により多数の市民が死傷しました。特に劣化ウラン弾の使用で小児がんが多発していると報告されています。まさに独立国に対する侵略行為です。その一方で日米政府はイスラエルの核兵器保有疑惑、パレスチナ侵略とパレスチナ人への攻撃を黙認しています。
 また政府・与党は、平和憲法を蹂躙し、国民を戦争に強制動員する有事法制に続きイラク特措法を強行採決しました。米英軍が占領しているイラクに武装した自衛隊を派兵しようとしています。平和憲法を持つ日本がやるべきことは国連中心の人道支援です。
 しかし世界を見ますと好戦・好核勢力は少数派で、国際的に孤立しています。好戦・好核勢力を追い詰めるには、世論と運動を高める以外にありません。核保有国に核不拡散条約再検討会議での「自国の核兵器の完全廃絶」の約束を実行させ、非核・平和の世界を実現するため、アピール署名や原爆展の開催など草の根から多様な運動を前進させましょう。この力を結集し8月の原水爆禁止世界大会を大きく成功させましょう。
─私もこの大会に参加します─
(ハンセン病研究センター支部 儀同政一)



全厚生第67回定期大会告示
 全厚生規約第17条の規定に基づき、全厚生第67回定期大会を下記の通り招集いたします。
1.日時
 2003年 9月12日(金) 午後1時から
  9月14日(日) 正午まで
2.場所
 伊東『ホテル聚楽』
 〒414-0055 静岡県伊東市岡281
 TEL 0557−37−3161
3.議題
(1)第1号議案
 2003年度運動方針(案)
(2)第2号議案
 2003年度財政方針と予算(案)
(3)第3号議案
 全厚生労働組合規約の一部改正(案)
2003年7月24日
 全厚生労働組合
  中央執行委員長 杉下茂雄
2003年度 全厚生本部役員選挙公示
 全厚生規約第36条および同選挙規則第3条第1項の規定により、2003年度全厚生本部役員選出のための「選挙公示」を下記のとおり行います。
1.投票日
 2003年 9月14日(日)
2.投票場所
 伊東『ホテル聚楽』
(全厚生第67回定期大会会場)
3.立候補届出期間
 2003年8月18日(月)〜9月8日(月)
 立候補届に必要事項を記入のうえ、選挙管理委員会事務局 (全厚生本部書記局内)まで提出して下さい。
4.被選出役員名および定数
(1)中央執行委員長1名
(2)中央執行副委員長若干名
(3)書記長1名
(4)書記次長1名
(5)中央執行委員若干名
(6)特別中央執行委員若干名
(7)会計監事2名
2003年7月24日
 全厚生労働組合
  選挙管理委員会委員長


独法と国研の研究環境・体制を検証

全厚生試験研究機関交流集会開く

 全厚生は7月18日、試験研究機関交流集会を東京目黒・みやこ荘で開催しました。「独立行政法人と国立試験研究機関の研究環境・研究体制を検証する」をテーマにして、2年続けての実施。集会は、(1)政府の科学技術政策の動向や独立行政法人化などの情勢を把握する、(2)厚生科学研究の位置や各研究所の役割について国民の立場で検証する、(3)労働条件・研究環境を相互に交流し、要求討議を深める、(4)職場での日常活動を前進させ、団結強化のために交流するの4点の目的を持って準備しました。
 杉下委員長の開会あいさつについで、杉浦書記長が基調報告。競争的環境が強まり、研究者の流動化政策がすすめられる科学技術政策の流れを追って説明。国民本位の厚生科学研究をめざす運動を重視し、職場で頼りになる組合活動をめざすことを呼びかけました。
 産業技術総合研究所労働組合本部副委員長の船橋正弘氏が「労働組合から見た独立行政法人・産業技術総合研究所の研究環境・研究体制の現状と問題点」と題して特別報告。独立行政法人の研究環境や研究予算、評価制度の現状や課題、労働組合の取り組みについて、質疑応答を交えながら詳細に報告。後半の討論の時間では、(1)栄研支部の報告を交えた独立行政法人の課題での討議、(2)研究所の職員構成表や研究費(予算)の分析結果にもとづき討議、(3)組織再編等にかかわる課題での討議を行いました。
 参加者は、感染研支部、国衛研支部及び大阪分会、栄研支部、ハ病研支部、本部合わせて24人が参加し、集会に続く懇親会も和やかに行われました。


産総研の現状と問題点

産総研労組船橋氏が記念講演

 産業技術総合研究所(産総研)の労組本部副委員長船橋正弘さんが「労働組合から見た(独)産業技術総合研究所の研究環境・研究体制の現状と問題点」と題し講演しました。
 産総研は、つくばなど全国7センターからなる巨大研究所で、ライフサイエンス・情報通信・環境エネルギーなどの分野に研究職員、行政職員のほか臨時職員、受入研究員等が、研究部に相当する約50の「研究ユニット」と約15の行政支援部門に属す。独立行政法人の準備段階でも時間的に変更不可能なかたちでの説明会開催など独断的であったが、法人化後はそれがさらに著しくなり、理事会に決定権がないなど基本的に理事長のトップダウン型の中央集権体制となった。また組織の巨大化、肥大化と縦割りによる弊害が著しい。勤勉手当の7%分をカットして評価により再配分するため、職員は1年ごとの目標設定とそれに基づいた評価を受け、結果は即ボーナスに反映される。また昇給(昇格)のための長期評価は、有資格者が自己申告し、論文のほか外部の研究資金も評価対象としている。評価結果に対する不服申し立て制度として組合からの委員が同数参加する苦情処理委員会はあるが、申し立てそのものは本人の申告のみで組合の関与は認めない。一般職員の処遇は、労働3法準拠と言いながら過渡期を理由に完全実施をさぼり、一方、国家公務員型であるから人勧準拠はあたりまえというご都合主義に蹂躙されつつも、組合による中労委闘争の成果なども見られるという。
 独立行政法人の問題点も含め広範な話題をわかりやすくまた興味深く話していただき時間のたつのを忘れる程でした。
(山本三郎中央執行副委員長)




職員構成や研究費分析

「報告と討論」で課題を深める

 「報告と討論」においては、独立行政法人の課題で、健康・栄養研究所より、独法化されたことによる変化について報告がありました。
 内容は、労働者代表の選出、就業規則の設定、任期付き研究員の増加とその任期切れ時の処遇、経常研究費の欠落、部→プロジェクト制への移行、企業会計の導入、評価制度(内外部の評価委員による点数制、面談・論文・業務貢献・本省貢献評価)、給与制度など。就業規則に評価基準を盛り込むべきであったとの反省も含めて、今後の独法化への対策に非常に貴重な報告でした。
 研究所の職員構成、研究費の分析では、各機関からの貴重な情報に基づいて、各機関の現在の職員構成、衛研の職員構成の変化と、各機関の15年度の研究予算、衛研の予算の推移、10年度の厚生省機関の厚生科学研究費、科研費の推移のグラフが作成され、それらを元に議論が行われました。職員構成では、正職員以外の職員比率が大きくなっていると共に、定員削減の影響が色濃く出ており、正職員だけでは研究が成り立たない現状が浮き彫りになっています。若手正職員の減少も顕著でした。研究費では競争的研究費の割合が大きく、一方で、経常研究費がないために競争にそぐわない研究が圧迫されている現状が明らかになりました。
 基盤的研究費のあり方についての議論と共に、今後の厚生科学研究のあり方を探る上で基礎データになると思われます。
 組織再編では、保健医療科学院での研修において教育業務が正当に評価されておらず、本省が主体的に取り組むべきで、運営協議会もまだ充分には機能していないとの意見が出されました。
(佐藤道夫中央執行委員)



マイナス勧告許さない

7・31第3次中央行動参加者の声

 夏らしい日差しが照りつけた7月31日、国公労連は公務労組連絡会・全労連・春闘共闘に結集して、夏期闘争第3次中央行動にとりくみ、全国各地から3500人が参加しました。全厚生は23人もの上京団で参加した愛知県支部をはじめ、本省・統計・業務センター・函館視力・国立リハ・秩父学園・秋田県・神奈川県・静岡県・岐阜県・滋賀県・京都・大阪・香川県・愛媛県・大分県の各支部から100人が結集。人事院包囲行動や総務・財務など各省への要求行動(霞が関総行動)を行い、日比谷野外音楽堂での総決起集会でマイナス勧告阻止への決意を固めあうとともに、銀座パレード(デモ)で道往く人々に「賃下げの悪循環をくい止めよう!」とアピールしました。同日、公務労組の要請団は6月からとりくんできた「賃金改善署名」を人事院に提出。合計28万3807筆、全厚生は4056筆を集約しました。

労働基本権取り戻せ函館支部 組合員(56)
 つくづく労働基本権を取り戻すべきと感じました。繰り返し人事院と交渉する必要のない時代にしたいものです。
生活の安定を秋田県支部 組合員(25)
 我々の生活の安定の為、マイナス勧告は許しません。
住宅ローンに子育て・・神奈川県支部 組合員
 住宅ローンもある、子どもも育てないかん、そんな中で賃下げなんて、ふざけるな人事院!てな訳で、今年も「あつい」中での行動となりましたが、サイフの中身も「あつい」ものにしよう!
1,000円でいいから静岡県支部 組合員(36)
 1,000円でいいから上げて!
聞き入れてね愛知県支部 組合員(25)
 マイナス勧告反対!今回初めて中央行動に参加しましたが、少しでも私たちが訴えたことを聞き入れてほしいです。
国会議員の賃下げを愛知県支部 組合員(28)
 賃下げ反対です!!保険料も高くなり、ますますきびしいです。国会議員の賃金を大幅に引き下げれば、我々の賃下げは必要ありません。本当に財政が苦しいのなら、国会議員自ら見本を見せるべきです。
立てよ!国民愛知県支部 組合員(29)
 人事院は、今の政治の縮図みたいだ。数の力で我々、弱者を痛めつける。我が国の民主制は、もうないのだろうか?立てよ!国民。
どーなってるの愛知県支部 組合員(29)
 どーなってるの人事院!こんなにマイナス勧告ばっかり。本当に憤りを感じます。
連帯感は格別愛知県支部 組合員(33)
 初めての参加です。規模の大きさとマイクの音量の大きさに圧倒されました。全国の公務労働者と行動を共にすることで得られる連帯感は格別。人事院は完全に敵みたいな感じで、いろいろあげつらねていましたが、彼らも我々と同じ公務員です。マイナス勧告で自分の首を結局自分でしめているのです。彼らの気持ちもわかるけど、我々の実態を真剣に考えて下さい。みたく、歩み寄ったアプローチも一案と思いました。
景気回復へプラス勧告を岐阜県支部 組合員(25)
 理不尽なマイナス勧告はやめろ。消費を促進して景気をよくするためにも、プラス勧告をしろ!
国民の立場にたって岐阜県支部 組合員(31)
 もっと国民・公務員の立場に立った公務員制度改革を強く希望します。
人事院は必要なし滋賀県支部 組合員(42)
 改悪の勧告しかできない人事院なんて必要なし。即刻解体して、社保の年金相談を応援して下さい。
生活ができなくなる京都支部 組合員
 これ以上、マイナス勧告が出ると、生活ができなくなる。今年度から3月のボーナスがなくなり、お祝いや餞別がやりづらくなりました。夫は民間なのですが、ボーナスの保険料が大きく、それをおぎなう意味でも、ぜひ、阻止を!
労働環境の改善を香川県支部 組合員(27)
 仕事量が増えるなか、給料は減るいっぽうです。職場、労働環境の改善を強く要求します。
全国の労働者と共に大分県支部 組合員(58)
 2年連続の本俸のマイナス勧告。5年連続の期末勤勉手当の切り下げをさせない闘いを全国の労働者と共に闘って行く決意を確認しました。


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