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◆第1560号(2003年7月25日付)◆


厚生共闘が夏期要求で官房長交渉

賃金改善・国立病院雇用継承を

 厚生共闘(全厚生・全医労)は7月18日、厚労省官房長と(1)賃金水準を平均1000円引き上げること、(2)定員削減計画を中止し、大幅増員を行うこと、(3)労使協議をつくし、民主的な公務員制度を確立すること、(4)国立病院の賃金職員の雇用を継承することの要求で、交渉を行いました。
 4課題について、保木井議長の要求趣旨説明に対して、辻官房長は次のように回答しました。賃金要求では「4年連続の給与総額の減は、非常に深刻なことと受け止めており、気持ちは同じだ。ただ、民間も同様であり、そのことを考慮しなければならないと思う」、増員要求では「厚労省では、少子高齢化などで仕事が増えている。事務の効率化を行い、必要な増員の確保に最大限の努力をしたい」、公務員制度では「関係職員団体の意見も十分聞いて検討されるべきものというのが従来からの一貫したスタンスであり、この旨を行政改革推進事務局に申し入れてきた。さらに、公務員制度改革法案が固まり、最終案という形で示され、何も議論ができないということのないよう十分な協議期間の保障と協議についても申し入れを行ってきた。引き続き行革事務局に対し、各省及び労働組合と十分協議が行われるよう働きかけていきたい」、賃金職員問題では「10月に決まる独立行政法人の長が、その責任において、いろいろな観点から十分精査し、検討すべきものと考えている。独法化後の円滑な運営のために、協力をお願いしたい」と答えました。
 これを受けて、杉下副議長は、公務員制度改革は労働条件の基本に関わる問題であり、十分な労働組合との協議の保障が必要であり、内容については、ILO結社の自由委員会の勧告に沿った民主的な公務員制度確立が必要であること。また、制度官庁として行革推進事務局への働きかけ等、厚労省の役割発揮を求めました。そして、全医労の幹事からは、賃金職員は来年4月以降の雇用不安に怯え、日々暮らしている。独法化後の円滑な運営を行うためにも、一日も早くこの不安を解消するために、厚労省の責任で労使協議を行うよう求めるとともに、「雇い止め」という首きりは絶対許さないと強調しました。辻官房長は、首きりというのは穏やかでないがといいながらも、法人の長の責任という姿勢を崩しませんでした。


マイナス勧告阻止へ
職場からのたたかいを強めよう
第3次中央行動に最大限の結集を
 今年の人事院勧告をめぐる厳しい情勢がマスコミでも報道される中、夏期闘争は大詰めを迎えています。
 全厚生は7月18日に厚生共闘として「賃金・増員・公務員制度改革・国立病院賃金職員の雇用継続」の4課題で官房長との交渉を実施。25日には大臣官房人事課長、28日に社会保険庁総務課長と「夏期統一要求」の課題で交渉を行います。
 「4年連続の年収引き下げで生活は悪化しており、2年連続のマイナス勧告・不利益遡及は認められない」と国公労連も人事院との交渉を積み上げています。22日に国公各単組書記長らと職員団体審議官との交渉を行い、賃金を中心に現段階での検討状況をただしました。人事院は「民間準拠と官民較差による対応が基本姿勢」とし、「民間給与は昨年同様厳しい状況にあり、マイナス較差を想定せざるをえない」と2年連続の俸給引き下げを示唆。特別給についても昨年以上の厳しい月数削減は避けられないとし、手当の見直しでは調整手当の異動保障、通勤手当の6カ月定期支給化、自宅に係る住居手当の3手当のほかに扶養手当の見直しについても言及しました。
 また、18日にだされた「地域に勤務する公務員の給与に関する研究会」の基本報告は、現行制度について地域差の反映が不十分で、さらに格差を付けようと新たな地域手当、転勤手当も検討するとしています。人事院はこの報告を踏まえて人事院としての方向性等についても報告するとしています。
 このような情勢から全厚生は7月30日の早朝時間外職場集会、29日から3日間の人事院前座り込み行動、31日の第3次中央行動に最大限の結集を図ります。とりわけ、第3次中央行動は全労連・国民春闘共闘と公務労組連絡会が「公務員賃金改善、マイナス勧告阻止、賃下げの悪循環を許すな」の要求を掲げ、人勧期の山場に民間単産にも呼びかけて官民一体のたたかいとして取り組まれます。「公務員賃金改善署名」を最後まで取りきり、職場集会を成功させて、多くの仲間を31日の中央行動に送りだしましょう。



リレーずいそう
● 「夏の扉」を開けて
 突然ですが皆さん、「夏だー」と実感するのはいつ頃からですか?私は、うっとうしい梅雨が明け、「海開き」が始まる頃だと思う。
 それはさておき、梅雨以上にうっとうしい事が私たちの周りで起こっている。有事法制制定、年金受給額減額、健保本人3割負担など、「国民不在でいつのまにか決まったこと」がまかりとおったりする。こんなことがいっぱいあって不快度がピークに達する。その一方で、ヤミ金規制、性同一性障害者救済など、少ないながらも「世論が国を動かした」例もある。「砂漠の中のオアシス」といったところか。
 今、社会保険職場では「算定基礎届提出」のシーズンで仕事に追われている毎日である。だが、本来、この時期は人事院勧告に向けた「賃金闘争」のシーズンであることを忘れてはいないだろうか。忘れないためにも、まずは仕事に忙殺されないこと、そして一人ひとりが自分の労働条件に関心を持ち、様々な取り組み(デモ行進、署名活動など)に、できるとこから参加しよう。たやすいことではないかもしれないが、「マイナス勧告反対、各種手当削減反対」の世論を広げ、処遇改善を「ゲッツ」するには地道にコツコツいくしかないと思う。
 今年も暑い夏がやってくる。政府の度重なる公務員攻撃に打ち勝ち、「夏の扉」を開けて、気分を「フレッシュ」させ猛暑をのりきろう。
(神奈川県支部)



News
● 医療制度の課題を学習 ―本部退職者会第6回総会を開催―
 7月12日、東京・茜荘で全厚生本部退職者会第6回総会が開催されました。(写真)
 午後2時からの総会には、18名が出席。長田会長、杉下全厚生委員長のあいさつにつづき、三原事務局長から1年間の活動報告・会計報告、さらに、今年度の活動方針が提案されました。特に、今後の会の運営についての要望や意見、提案などを積極的に出してほしいと強調されました。最後に、新役員を選出して総会を終了しました。
 続いて行われた恒例の学習会は、大山正夫氏(国民医療研究所元事務局長)を講師にお招きし、「日本の医療制度はどうあるべきか〜医療制度の現状と課題〜」と題して、日本の医療制度の特徴、政府・財界のねらい、当面の課題、国民の要求するあるべき医療を目指して等日本の医療全般に渡る問題についてお話していただきました。 5時から懇親会に移り、話は弾んで、今の社会情勢は、そして思い出話はと、お酒の勢いも手伝って、時には激しく、そして和やかに旧交を暖め合い、来年の再会を約束してお開きとなりました。

● イラク派兵法は廃案に ―7・15緊急集会に1500人―
 イラクへの自衛隊派兵は許さないと7月15日、「イラク派兵法案廃棄7・15集会」が東京・芝公園で開催され、1500人が参加。全厚生もリハ支部やOBなどが参加しました。


国公権利裁判第3回口頭弁論開かれる

不利益遡及は許されない

 「不利益遡及は許さない!国公権利裁判」の第3回口頭弁論が7月17日東京地裁第705号法廷で行われました。
 傍聴席は、各単組・ブロック国公の参加者で満席となり、被告国側を圧倒する勢いを示しました。
 今回の弁論では、原告側が主張している3つの争点と違法行為の主体について、被告国側から認否の主張が準備書面で提出されました。その内容は、「本件特例措置は何ら違憲・違法ではない」、「職員団体に対しては人事院と地方事務局とで合計127件の会見を行っており、そのうち、76件は国公労連及び加盟の単組等との間で行った」、「原告らの請求には理由がないから、速やかに棄却されるべき」と従来の国の見解を繰り返すものでした。
 原告の弁護団から「国としては、公務員に対しても判例どおり、そもそも不利益遡及は許されないと考えるのか。それとも、判例は民間を前提としているもので関係ない、立法で認められると考えるのか、明らかにされたい」と釈明を求めたところ、被告国側は答えに詰まり、「検討して回答する」となりました。
 次回(9月11日)の弁論では、この日陳述された準備書面に対する原告側からの反論が行われ、いよいよ本格的な論戦が開始されます。 今年の人勧もマイナス勧告の動きが強まっていますし、昨年同様、年間を通じて実質的均衡を図るとして、4月遡及の考え方をしています。2年連続の不利益遡及を許さないためにも、裁判闘争をがんばらなければなりません。裁判傍聴も視野に入れた職場での取り組みを強化しましょう。


定時退庁呼びかけ カエルうちわ配布

水曜日は定時退庁日 きょうはカエルぞ  国公労連

 7月16日の定時退庁行動日、全厚生本省・統計両支部と本部は、全労働とともに厚生労働省門前で、「水曜日は定時退庁日」とのうちわを、1400本、登庁する職員に配り、定時退庁を呼びかけました(写真)。うちわの片面には、「超勤手当不払いは犯罪行為」と給与法25条も紹介。職場では、カエルのイラストもかわいいと好評。帰るカエルは職場を変える?



国民平和大行進が行く   (8)

有事法制発動許さず  (京都)
滋賀から京都、大阪へ
 「東京〜広島コース」は、6月21日に滋賀県から引き継がれ、京都南部を行進し、26日に奈良県に引き継ぎました。京都からは、5日間でのべ22人が参加しました。また、30日には(なんとか)無事全厚生リレー旗を大阪に届け、同日、連年参加している全厚生唯一の「日本海コース(舞鶴行進)」にも絶やすことなく参加することが出来ました。
 今年は有事法制の成立により、訴える中身が「廃案」から「発動を許さない」へ変貌し、また「イラク特措法」の審議中とあって、「平和を維持しようとする国際社会において名誉ある地位を占めたい」とする憲法前文を使った小泉首相の答弁が、参加者の話題となりました。そこでは、「憲法違反の法案を通すために憲法を持ち出すとは許せない!」「こうした局面だからこそしっかり世論をつくり、戦争への道を閉ざそう!」という声が聞かれ、「世論に惑わされると判断を誤る」とする小泉首相を、世論が追い込んでいくための地道な運動の大切さを、一歩一歩かみしめながら行進しました。
(書記長)

核兵器廃絶訴え  (大阪)
リレー旗を手から手へ
 6月30日、いつものように平和行進が奈良から大阪入りしました。
 幸いこの日は曇天で、歩くにはちょうどいい条件でした。午前中仕事をこなし、引継ぎ場所の柏原市役所前に駆けつけましたが、集合時間を少しオーバー。もう行進が始まっていました。ところが全厚生のリレー旗が見当たりません。京都の代表はどうなっているのだろうと思っているところへ携帯が鳴り、「最寄の駅へ行く電車がなかなか来ない」と訴えているではありませんか。急遽、中継地点の八尾市役所で待つように指示をし、東大阪までは、リレー旗を掲げて行進することができました。
 毎年平和行進を歩いていると、「常連」となった人たちの顔を見ることができます。大阪国公委員長経験者のNさんもそのうちの一人です。平和運動というのは、こういった人たちの粘り強い取り組みによって、支えられているのだという思いを強くします。毎年来ているはずの顔を見ないと、ちょっと心配になったりもします。今や平和行進は、平和の大切さを直接世論に訴える重要な機会というだけではなく、日頃あまり顔を合わす機会のない人たちの安否確認の場ともなっているのです。

沿道から激励の声  (神戸)
例年より多い参加者で行進
 7月11日今年一番の暑さの中、明石市役所から藤江まで全厚生のリレー旗を掲げ、国民平和行進に参加しました。
 神戸支部からは逢坂、今井、小坂の3人が参加。大阪支部の倉橋さんとともに、全厚生の平和の願いを束ねる一員となることが出来ました。
 今年は例年に比べ、行進参加者が多く、激励の声もたくさん頂き、関心の高さを感じました。照りつける太陽と、吹き出す汗。とても厳しい行進でしたが、平和な日本への決意を新たに、町行く人に広く訴え、力強く行進することができました。


【愛媛県】 第37回定期大会を開く

困難に屈しない議論

 6月28日、今年も雨の中、伊予市厚生年金休暇センターで第37回愛媛県支部定期大会を開催しました。
 本部の藤巻副委員長や来賓の方々の情勢報告や祝辞の後、現在私たちを取り巻く困難な情勢に屈する事のない活発な議論の下、決意も新たに運動方針を決定することが出来ました。
 新役員は次のとおり。
支部長児島文彦
副支部長相原伸二
曽我部智志
書記長森本和則
書記次長光沖広之



今年も開催します 第16回全厚生機関紙フェスティバル
 「全厚生機関紙フェスティバル」を今年も開催します。支部・分会・専門部からたくさんの応募をお願いします。応募紙に ついては、例年どおり、全厚生第67回定期大会会場に展示し、交流するほか、講評を行い、各紙の内容にふさわしい賞を設け、大会の中で表彰します。

<対象紙>支部・分会・専門部で2002年9月から2003年8月までの間に発行した機関紙。
<参加方法>参加申し込み用紙(各支部に送付しています)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。
<締切>8月11日(月)本部必着。


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