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◆第1559号(2003年7月15日付)◆


全国支部委員長会議で運動方針案の意見交換

頼りになる組合活動の処方箋を

 全厚生は7月5日、全国支部委員長会議を開催し、9月に開く第67回定期大会議案についての意見交換と、夏期闘争の取り組み強化についての意思統一を行いました。
 会議の冒頭挨拶した杉下委員長は、「イラクの子どもたちに銃を向ける自衛隊派兵法案は断固阻止を。公務員制度改悪法案を閣議決定させない、労働基準法改悪を職場に導入させないたたかいに全力を」と呼びかけました。また、「国立病院に働くすべての職員の雇用継続を求める署名」を全厚生1万筆目標で取り組むことを呼びかけました。
 全厚生大会議案については、運動方針案の骨格を杉浦書記長が、財政方針と予算案を川名書記次長が、規約改正案を藤巻副委員長がそれぞれ報告しました。
 運動方針案の作成について杉浦書記長は、「簡潔に」「分かりやすく」「内容を薄めない」を作成モットーに、小泉「構造改革」路線の徹底分析を行い、運動目標と頼りになる組合活動の「処方箋」を示し、かつ、共通する困難・苦労なども率直に記述しつつ、たたかいの展望を明らかにしていきたいと述べました。
 討論では、のべ23人が発言、情勢については、「組合員にとっては、職場の要求前進が先で、政治は関係ないと思っている」「国民の願う厚生行政を追及すれば政治が見えてくる」「職場を良くしようと願っても政治が変わらなければ変えられないものもある」など多くの意見が出され、仕事やくらし、労働組合と政治のかかわりを解き明かす必要性が述べられました。
 全厚生運動については、「年金講師団活動を全厚生として意欲的にすすめて」「4部門のありようについて明確に」「職場外で国民に見える活動を」「ブロック機能の強化を」「パート・非常勤の労働条件改善と組織化を」などたくさんの意見が出されました。
 夏期闘争の取り組み強化については、國枝中執が提案し、署名や職場連判状はじめ、7月30日の全国一斉早朝職場集会の成功と7月31日の国公労連第3次中央行動への結集を呼びかけました。


人勧期要求で人事院・総務省と交渉

5年連続の賃下げは許さない

 国公労連は、「2年連続の不利益遡及は許さない」人勧期要求の前進にむけて、総務省、人事院と交渉を重ねています。 総務省との交渉では、宿舎整備の課題で、退去時の原状回復の過重負担の改善などを主張。再任用制度の課題では、再任用が定員の枠内などの状況の中では希望者が採用されないなど現行制度の問題点を指摘し改善を求めました。
 人事院に対しては、人勧期の統一要求と、それぞれの諸手当の課題で独自に交渉。統一要求では、5年連続の年収引き下げ、調整という名目での不利益遡及はあってはならないこと、同一労働同一賃金の原則にもとづき地域間格差をこれ以上広げることは認められないことを強く主張しました。さらに、非常勤職員の夏期休暇、退職手当の実現などを含む労働条件の改善、職場で過労死が発生している実態を訴えながら、超過勤務の縮減、サービス残業の根絶など、具体的な対策を早急に行うよう求めました。諸手当の課題では、調整手当の異動保障見直しについて、人事院が、短期(数日間の研修等で地方出向)の廃止、3年の期間短縮(現行3年)、支給割合の逓減を検討していることに対して、生活費の激変、異動実態に大きく影響する。住宅手当の自宅手当廃止については、千円とはいえ家計に与える影響は大きく、民間実態等から見ても、制度を廃止する理由も明確でない。通勤手当の6カ月定期支給については、事務の煩雑化など、さまざまな疑問、問題が整理されていないと指摘し職場実態を無視した見直し・廃止は認められないことを主張しました。



人事課長に公務員制度改革で申し入れ

一方的な閣議決定やめよ

 全厚生は7月9日、大臣官房人事課長に「公務員制度改革」で申し入れを行いました。全厚生は杉下委員長以下専従役員5人が出席、当局は金子人事課長、宮島参事官、篠原人事調査官らが対応しました。
 この申し入れは、今月2日に行革推進事務局が各府省に対して非公式としながらも公務員制度改革関連法案を提示し協議に入り、一方的に閣議決定に持ち込もうとしていることから緊急に行ったもの。ILO勧告が求める労働組合との十分な協議も行われず、労働基本権などの問題も抱えたまま、延長国会の会期も残りわずかなもとで見切り発車となる閣議決定・法案提出を行わないよう、厚生労働省当局として尽力し、政府・行革推進事務局に積極的に働きかけるよう申し入れました。


リレーずいそう
● 恩義だらけのクルマ選び
 私はドアが3枚しかない小さな軽自動車をもっている。この車を買うことにした理由を話すと、チト長い。
 私の右の目尻には3センチ程の傷跡がある。幼稚園に通う前だから、4つか5つの頃、近所の公園で、立ちこぎのブランコにぶつかった。
 あまりの痛さと衝撃で泣くこともできなかった。着ていたシャツの胸元が、血で真っ赤になったのを憶えている。
 その時、たまたま公園に居合わせた、若いお兄さんとお姉さんが、車で私を病院まで運んでくれた。水中メガネのような後部ガラスが、カパッと上に開いて、私はそこから車に担ぎ込まれた。病院に向かう途中、幼い私は気を失った。
 車の購入にあたり、まずは情報収集。色々な自動車雑誌に目を通した。そのなかに絶版車紹介の記事があった。そこで水中メガネのような後部ガラスをもつ車と再会した。怪我をした幼い自分を病院まで運んでくれたその車が、H社の「Z」という名前であることを、そのとき初めて知った。何やらこの車に恩義があるような気がした。
 結局私は、20数年前に自分を病院まで運んでくれたその車と、同じ名前の車を買うことにした。名前だけが同じの復刻版である。
 その車は今、街中で泥酔した私を、時々自宅まで運んでくれる。運転手は呆れ顔の女房殿である。酔って眠っている間に、病院へ運ばれないよう気をつけたい。
(函館支部)



News
● 労働条件改善と組織化を ―国公労連非常勤職員交流集会開く―
 国公労連は6月28日、東京で「第2回非常勤職員交流集会」を開催しました。全国から106人が参加。全厚生は非常勤職員2人を含む8人で参加しました。小田川国公書記長は非常勤職員がおかれている現状にふれ、「この問題を放置し続けることは人権問題」と指摘、同じ職場で働く仲間を組合に迎え入れるため、各単組の具体的取り組みを進めようと基調報告を行いました。つづいて、国公権利裁判も担当している野本夏生弁護士から「有期雇用公務員の実態と法的問題点」、「超党派議員によるパートタイム労働者等の均等処遇を実現する議員連盟の活動」についてパート議連幹事長の吉川春子参院議員(日本共産党)がそれぞれ特別報告しました。
 午後からは各単組報告と全体討論が行われ、神奈川県支部の福士書記長は組織化も視野に非常勤職員を対象に取り組んだアンケート結果について発言。業務センター支部の峰支部長は「雇い止め問題」での取り組みの成果と今後の課題について発言し、交流集会の議論を盛り上げました。

● 社保行政研究集会開催へ ―第2回実行委員会を開催―
 来年3月に開催予定の社会保険行政研究集会の成功に向けて、第2回実行委員会を7月6日に開催しました。
 「国民本位の社会保険制度を目指して」をメインテーマに、医療制度・年金制度・行政サービスの課題について、支部で調査研究していくことと、社会保険職員アンケートに取り組むことを確認しました。また、全厚生に対して年金学習会等の要請が多い中、改悪内容のポイント解説の作成や、年金講師団を養成するための学習会を開催することが必要だなどの積極的な意見も出されました。


厚生科学課長と重点要求で交渉

「基盤研」構想はビジョンを明確に

 全厚生は6月30日、大臣官房厚生科学課長と2003年春闘から取り組んできた研究機関の重点要求・課題で交渉を実施。交渉には全厚生から、杉下委員長、山本・藤巻両副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、佐藤・國枝中執及び、感染研支部、国衛研支部、人口研支部、ハ病研支部の代表計13人が出席。厚生科学課からは、中谷課長、赤川研究企画官、宮治補佐、鈴木補佐らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長が10項目の要求趣旨を説明し誠意ある対応を求めたのに対し、中谷厚生科学課長が回答。2004(平成16年)度に設立予定だった医薬基盤技術研究所(仮称)について、当初の構想を変更し検討していることを説明。新設の研究所は、「『医薬基盤技術研究』に医薬品機構の『研究開発振興業務』を加え、さらに、これらの研究に密接に関連する研究資源である国立医薬品食品衛生研究所の細胞バンク及び薬用植物並びに国立感染症研究所の遺伝子バンク、実験動物開発、霊長類を一元的に管理する業務を加えた『(独)医薬研究開発機構(仮称)として2005(平成17)年4月に設立する方向で省内の検討を開始した」と回答。この新たな構想は、国立医薬品食品衛生研究所の薬用植物栽培試験場及び国立感染症研究所の筑波医学実験用霊長類センターを各研究所から分離するものです。組合は、厚生労働省としての研究資源バンクの理念や長期ビジョンを明確にすべきであることを指摘。かつ異動する職員の身分・労働条件の後退にならないよう万全の対策をとることを強く要求しました。
 国衛研大阪支所廃止に伴う支所職員の身分保障及び働く場の確保の要求に対し、「当該職員にとって最も基本的かつ重要な問題と認識し、誠意をもって対処している」と回答。さらに、「今後も関係機関及び関係職員には必要な情報は伝え、本人の意向も十分配慮したい」と回答しました。

保健医療科学院の教育研修は十分な体制を
 保健医療科学院の教育研修について、「昨年4月に厚生科学課、科学院、国衛研、感染研等による『国立保健医療科学院教育研修運営協議会』を設け、講師派遣等の調整を行っている」と説明。「今後とも、本協議会等の場を通じて国衛研及び感染研にとっても過渡の負担とならないよう配慮しながら必要な研修体制を確保したい」と回答。定員削減反対、必要な定員確保の課題では、「2003年度の試験研究機関の定員は、食品等の安全性確保等のため、国衛研等に13名の増員、5月末のSARS関連で感染研に9名の緊急増員をし、計22名の増員を図った」と説明。「今後とも、試験研究機関の業務の重要性、特殊性等を踏まえ、必要な定員の確保に努めたい」と回答しました。

短期雇用ではなく恒常的な研究職員の配置を
 研究者の流動化や競争的環境づくりが政府の科学技術政策の柱になっているもとで、「継続的な研究業務や行政支援業務を遂行する部門は、短期雇用でなく任期のない恒常的な研究職員の配置に努めること。研究者流動化計画の実施にあたり、任期付研究員を導入する際は、研究部門の業務の性格や内容を十分考慮した上で行うこと」を要求。これに対し、研究者の流動化計画の作成にあたり「各機関において、研究業務の実態を考慮した具体的な検討をすすめている」と回答。国立感染症研究所ハンセン病研究センターの必要な定員確保(回復)の要求に対しては、「その業務等を勘案し不都合の生じることのないよう確保したい」と回答。運営の独立性を確保する要求に対しては、「センターを設置する際に『ハンセン病研究センター運営委員会』が設置され、種々検討が行われている。運営に支障の生じることのないよう努めたい」と回答。基礎的研究費の増額要求では、「増額要望に対してはできる限り努力したいが、現下の厳しい財政状況を是非ご理解していただきたい」と回答しました。
 研究評価について、その目的は、研究所および個々の研究者・職員のポテンシャルを引き上げることにおき、研究の自主的及び創造的発展を助けるために行うことを要求。これに対し、「評価にあたっては個々の業務の性格を踏まえ、一般的な研究開発活動の評価の際に使用される評価指標、例えば論文数や特許権の取得数などとは異なる評価指標を用いるなどの配慮が必要である」と回答。さらに、各機関に対して、昨年8月に定めた「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」に基づく評価を行うにあたり、「公平性、客観性、透明性、信頼性等を確保するよう指導したい」と回答。新再任用制度では、希望者全員の雇用を確保することを要求。これに対し、「各機関に対しては、再任用制度の趣旨、目的にかなった運用を図るよう指導したい」と回答しました。



国民平和大行進が行く   (7)

有事法制反対訴え  (岐阜県)
青年層中心に行進に参加
 今年も行進が岐阜県を横断しました。6月11日に各務原市において愛知県から引き継ぎ、6月16日関が原にて滋賀県へ引き継ぐまでの間、「核兵器廃絶・有事法制反対」を訴えるため、青年層を中心に各分会から多くの組合員が行進しました。今年の行進は、アメリカのイラク攻撃や、北朝鮮の核兵器開発疑惑、さらには有事法制の成立など、平和を脅かす動きが強行されてきている時期となりました。
 期間中は、雨降りの日も多く体力の消耗も激しい状況でしたが、みなさんの気持ちを込めて引き継がれたリレー旗を大切に行進しました。
 今年の行進にも新入組合員がたくさん参加しました。参加者からは、「平和を訴えることは大変なことなんですね・・・」(県内最長コースを歩いて)「平和があたりまえじゃなくなる時代がきていることを考えないといけない」などの感想も聞かれました。
 さまざまな思いを持ちながら、全国リレー旗を滋賀県に引き継ぎました。
(書記長)

豪雨から晴れへ  (滋賀県)
京都と共に歩いて引き継ぐ
 今年は例年になく雨の日が多く、6月16日の岐阜県支部よりの引き継ぎも梅雨らしい豪雨の中でした。そんな中、滋賀県支部からは中澤副支部長と木瀬書記長が参加しました。
 6月21日滋賀県大津市役所より京都への引き継ぎ。梅雨の中休みで歩くにはもってこいの日和でした。西村支部長と梅垣さんが参加。西村支部長は例年参加して歩いているはずなのに、次の日に腰痛と足の筋肉痛に…。
(書記長)


戦争反対、核兵器なくせ、平和な21世紀を
原水爆禁止2003年世界大会にあなたも

 広島・長崎への原爆投下からまもなく59回目の夏を迎えようとしています。今年も原水爆禁止世界大会が8月3日から9日まで被爆地、広島・長崎で開かれます。「戦争反対、核兵器をなくせ、平和な21紀を」と願うすべての組合員のみなさん。全厚生は世界大会への参加を心から呼びかけます。
 世界各国が平和の実現めざして努力をつづけているなか、国連憲章を蹂躙した米英両国によるイラク攻撃は罪のない多くの市民の犠牲と破壊を生み出しました。大国の横暴・無法に対してかつてない多くの人々、政府から「戦争反対、平和のルールを守れ」の声があがり、反戦の行動が地球を覆いました。
 大量破壊兵器の存在が偽りの口実だったことも明らかになり批判が高まるもとで、戦争か平和か、核兵器の使用か廃絶かが鋭く問われています。新たな核開発や核使用を許さず、核兵器の廃絶を求めること、無法な戦争の拡大を許さず、世界平和のルールを守り抜くことはきわめて重要な課題となっています。
 全厚生がめざしている社会保障の真の発展は平和なくしてありえません。各支部が雨の日も風の日も全国津々浦々をつないで歩き続けた国民平和大行進はいま、兵庫県から岡山県へと引き継がれようとしています(東京ー広島コース)。有事法制反対やイラク派兵法反対の取り組みなど、全国各地のたたかいの成果と教訓を学び、世界の大きな変化を確信してください。憲法9条と25条の守り手として、青年をはじめ多くのみなさんが参加されることを期待します。

主な日程8月3〜5日国際会議
8月5〜6日世界大会(広島)
8月7〜9日世界大会(長崎)


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