見出し

◆第1558号(2003年7月5日付)◆


イラク特措法案阻止へ全力を

イラクに自衛隊を派兵するな

 7月4日、政府・与党は衆院本会議で「イラク特措法案」を前日の特別委員会に続き強行採決しました。たたかいの舞台は参議院に移りますが、断固廃案をめざしてたたかう声が日増しに大きくなっています。
 小泉内閣は通常国会会期末ぎりぎりにこの新たな重要法案を持ち出し、40日にも及ぶ大幅な会期延長を強行しました。小泉内閣はこの法案成立に固執していますが、わずか6日間ほどの審議でも危険な中身がはっきりしました。
 その一つは「人道・復興支援」を目的といいながら、自衛隊の任務は米英軍の「軍事占領支援」そのものということです。そもそもこの法案はイラク戦争を国連決議にもとづく合法なものと定義しています。しかし大義名分の「大量破壊兵器」は発見されず、戦争の根拠そのものが揺らいでいます。
 またこの法案は従来のPKO法などと違い、戦後初めて実際の戦場に自衛隊を派遣するもので憲法上、大きな問題を持っています。活動範囲を「非戦闘地域」に限るといいますが、イラクでは今も戦闘が続いており、イラク国民にも米英軍にも死傷者がでています。現地の米軍司令官も「全土が戦闘地域」といっています。「戦闘地域」と「非戦闘地域」の峻別は困難であり、派遣された自衛隊が米英軍と一緒に戦闘行為を行うことが十分ありうるのです。
 小泉内閣はこんな危険な法案のほかにも延長国会で「労基法改悪法」を成立させ、さらに「国立大学法人法案」などの成立をねらっています。審議を通じて重大な問題点が明らかになり、国民的な批判もあって成立しない法案の拙速な審議やごり押しは断じて許されません。憲法の会期制の原則や国会法からいって会期内に処理できなかった法案は廃案か継続審議にして閉会するのが当然です。国民の声にこたえる法案に練り直し、あらためて次期国会に提出するのが議会制民主主義の最低限のルールです。
 昨年の医療改悪に続いて会期を大幅に延ばし、悪法だけを国民に押しつける小泉政権の横暴ぶり。7月15日には東京・芝公園で「イラク派兵法案」廃案をめざす集会が開催されます。国民の暮らしと経済、平和を脅かす悪法を断固阻止するため、最後までがんばりましょう。


ILO結社の自由委員会が再勧告

労働基本権制約の再考を

 ILO結社の自由委員会が再び日本政府に「労働基本権の制約維持」は再考すべきと勧告しました。
 5月29・30日、6月6日に開催した結社の自由委員会でとりまとめられた日本の「公務員制度改革」にかかわる「中間報告」が、6月20日ILO理事会で正式に承認されました。その内容は、昨年11月の勧告につづいて、「公務員の基本的権利に対する現行の制約を維持する」ことへの「再考」を強く求め、労働組合との全面的な協議にもとづく「合意」に向けて努力すべきと述べています。
 今回の再勧告は、「歴史的・画期的」と評価される昨年の勧告を再確認し、日本政府に繰り返して「再考」を求めたことは、国際的にも国内的にもきわめて大きな意義を持っています。
 日本政府は、昨年11月の「中間報告・勧告」以降、1月6日、3月31日の2回にわたって政府追加情報を提出し、その中で、労働基本権の制約はあるものの人事院勧告制度等の代償措置が確保されていること、また、関係する職員団体と率直かつ有意義な交渉・協議を行うよう努めていることと答えています。
 しかし、公務員制度改革の内容は、人事院の機能を低下させ、政府の権限を強化するものとなっていること、交渉・協議についても労働組合の意見をただ聞くだけの姿勢であり、これでは国際的な常識に照らし合わせて、到底受け容れられないもので、勧告が「再考」を強く求めたことは当然のことといえます。
 再勧告を今後のたたかいの大きな力とし、政府の一方的な公務員制度改革を許さず、「大綱」を撤回させ、民主的な公務員制度確立のため奮闘することが求められています。


リレーずいそう
● やはり虫は捕まえるもの
 小さい頃に一度は興味を持つ時期があると思いますが、うちの子供は今小さな生きもの(虫)に夢中です。
 バッタやとんぼ、かまきりやカミキリムシなど何でもいいから捕まえたいようです。
 特にだんだんと暑くなってくるこれからの時期には、一番大好きなカブト虫やくわがたがでてくるので、いまかいまかと待ち構えています。
 昨年の夏には実家の近くの林へ探しにいきましたが、何カ所か回ってたった一匹しか捕まえることができませんでした。
 私が小さい頃にはたくさんいましたが今はクヌギの木も少なくなっていて、一番よく捕れた大きな木は高速道路が出来たために林ごとなくなっていました。
 いつのまにか虫は捕るものではなく、買うものになっていたようです。
 かなり以前の事になりますが、都会では普通のカブト虫が一匹数万円で売られていると聞き驚きました。今ではこちらでも普通のカブト虫はおろか「ヘラクレスオオカブト」や「アトラスオオカブト」など、写真でしか見ることが出来なかった虫まで売られています。
 確かに便利にはなりましたが、やはり虫は捕るものではないでしょうか。木の上へ上ったりスズメバチから逃げたりして、苦労して捕まえるからうれしいし、大事にできるのだと思います。
 便利さと共存させるのは難しいことですが、そういう自然を少しでも残してやりたいと思います。
(愛媛県支部)



News
● 女性の採用・登用拡大を ―国公女性協が人事院要求行動―
 国公労連女性協は7月1日、男女共同参画の課題で、総務省交渉と人事院交渉を実施し、昼休み人事院前要求行動を行いました。(写真上)総務省交渉では、国家公務員の採用・登用の拡大について、2001年5月の人事院の指針に基づいて、各省庁が計画を策定しているが、着実な成果を上げるに至っていない、計画推進の5年間を実効あるものにするために、総務省として指導を強めるよう求めました。全厚生は、女性部副部長の小出さんが参加し、「研究職の選考採用で逆に女性が減少している。福祉職について研修の充実など転勤によらないステップアップの方策を検討すべきだ」と要求しました。人事院交渉には、女性部長の北島さんが参加し、選考採用における女性の採用拡大を求めるとともに、女性の採用・登用拡大と超過勤務大幅縮減などの環境整備はセットで行う必要があると要求しました。昼休みの人事院前要求行動は、統計支部と本部から10人が参加しました。

● イラク派兵法案許すな ―7・2緊急集会に3000人―
 7月2日東京・日比谷野音で「イラク派兵法案反対、有事法制の発動は許さない緊急集会」が開催され、3,000人が参加。全厚生も在京近県支部と本部、OBなど15人が参加しました。小泉内閣・与党が4日にもイラク特別措置法案の衆議院通過をねらう緊迫した情勢の中、「自衛隊のイラク派兵反対」「アメリカの軍事占領支援はやめよ」のシュプレヒコールを響かせました。

● 米占領軍支援の法案反対 ―女性の憲法年連絡会が国会行動―
 7月2日女性の憲法年連絡会は、イラク派兵法反対女性の国会行動を実施。全厚生も参加しました。昼休み衆議院議面集会の後、議員要請行動を行い「イラク国民の半数は15歳以下の子ども、その子ども達に援助の手を差し伸べるのではなく、銃口を向けているアメリカの占領軍に援助をするイラク派兵法は許せない、必ず廃案に」と訴えました。集会では、法案に反対する共産党や無所属の衆・参女性議員も参加。廃案に向け、国会内外で頑張る決意を固め合いました。



国公権利裁判第2回口頭弁論開かれる

2年連続の給与減額・遡及を許さない

 6月19日東京地裁705号法廷において「国公権利裁判第2回口頭弁論」が開かれ原告の一人として参加しました。
 被告(国)が原告に対して求めていた当該公務員のいかなる行為が同義務に違反するのか等、についての求釈明要求に対して、「国家公務員の給与決定に関わるものとして(1)人事院総裁(2)総務大臣及び総務省人事・恩給局長(3)内閣総理大臣(4)国会議員に本件の国家賠償法上の違法行為の主体がある」との釈明をしました。
 裁判はこの内容の確認のみでわずか5分程度でしたが、その後の弁護士会館での報告集会では、「労働基本権制約の見直しを求めるILO勧告」についての学習会と今後の運動方針などの議論が行われました。
 裁判を通して政府の不当性を訴え続けながら、8月の人事院勧告に向け、一方的な2年連続の給与減額や再び不利益訴求を絶対に許さないために運動を強化していかなければと改めて思いました。
(神奈川県支部支部長 国公権利裁判原告)



【近畿ブロック】 賃金学習会を開き学ぶ

賃上げ闘争と公務運動

 近畿では4府県4支部1分会で全厚生近畿ブロックを結成して、いっしょに勉強会を開いたり行事をおこなったりしていつも楽しくやっています。
 さて、6月28日に人勧期ということで、京都御所近くの会議室で学習会を開きました。岩橋祐治京都総評事務局長の「賃上げ闘争と公務労働運動の意義」と題する講演では、今日本で進行中の、公務と民間をめぐる労働条件悪化(長時間のサービス残業や賃下げなど)の悪魔のサイクルがじわじわと社会を蝕んでいる様子がわかり空恐ろしくなりました。こんなときこそ労働組合の力が発揮されるべきだと思います。国民レベルで支持される労働者の側に立った組合活動をおこない、組織内組合に止まらず、もっと広い視野で個人をも含むあらゆる労働者と連帯を組んで、労働者全体を良くして行こうという気運に盛り上げていこうと感じました。
 その後、北川健二さんによる国公権利裁判報告と各支部による状況報告があり、最後はいつもの「団結ガンバロー」で閉会しました。
(国立衛研支部大阪支所分会)



「骨太方針」第3弾批判

労働者・国民を犠牲にした日本経済の再生あり得ない

 政府の経済財政諮問会議(議長・小泉首相)は6月26日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(「骨太の方針」第3弾)を決定しました。
 今、日本経済、国民生活とも抜き差しならない状態になっていますが、小泉首相は、「改革なくして成長なし」と叫び、「構造改革」路線を強行しています。しかしこの2年余の小泉「構造改革」はますます状態悪化を深刻にしています。
「骨太の方針」第3弾で打ちだされている「構造改革の具体的な取組」の方向は、今後さらに労働者・国民の生活を疲弊させることは必至です。最悪の危機的財政状況や財界・大企業の利益優先のために、労働者・国民に犠牲をということでは日本経済の再生はあり得ません。
 「税制改革」では、「包括的かつ抜本的な改革に引き続き取り組む」として、消費税の大幅増税を視野に入れ、所得税増税など大衆課税強化の道筋を示しています。
 「社会保障制度改革」では、「世代間・世代内の公平を図り、持続可能で信頼できる制度に改革する」として、世代間対立等を意識的に煽り、負担の増大とともに、給付水準の引き下げなど、社会保障給付費の抑制を強く打ちだしています。
 持続可能、信頼できる制度については、国の財政の使い方を抜本的に見直し、国民の最大の願いである社会保障重視の政策と国の責任を明確にすることです。ところがやろうとしていることは、単に、財政のつじつま合わせであり、これでは国民の不信や不満を一層高めることになります。不信・不満の高まりは、連続した制度改悪にこそ原因があります。
 「来年度予算における基本的な考え方」では、社会保障関係費の伸びの抑制が財政上の最大の問題である、としています。また、総人件費の抑制のため、徹底した増員の抑制、一層の定員削減と、地域ごとの実態を踏まえた公務員給与とするよう、具体的な見直し内容を早急に明らかにするよう人事院に求めています。
 経済財政諮問会議を構成している「有識者」は奥田トヨタ会長ら財界の利益代表です。財界主導の「この国のかたち」づくりをやすやすと認めるわけにはいきません。



国民平和大行進が行く   (6)

平和である理由思い  (函館)
北海道最終区間を行進
 今年も平和大行進が函館にやってきました。6月14日は北海道最終区間。行進は17時30分にJR五稜郭駅をスタート。多くの函館地区の仲間と共に函館市役所近くの松風町グリーンプラザまで元気に行進しました。
 行進そのものが平和を実現するわけではないし、千羽鶴を折ることは核兵器廃絶にはつながりません。
 しかし私たちはこの平和大行進を機会に思い出し考える必要があるのかもしれませんね、この国が平和である理由を。平和と自由を謳歌し、今を生きることに思い上がった大人にはなりたくないものです。
 行進途中の信号待ちで瞼を閉じると、なぜか小中学生の頃を過ごした長崎の街がよみがえってきました。
(書記長)

有事法制許さない  (愛知県)
全日程で組合員が参加
 愛知県の平和大行進は、台風で雨風の強い中、静岡県からの引き継ぎを受けてスタートしました。5月31日に引き継ぎを受けて6月11日に岐阜へ引き継ぐまで、すべてのコースを支部組合員が通して行進することができました。 参加者からは、「有事三法が可決成立してしまった。日本はいよいよアメリカの戦争へ巻き込まれるのか」「平和行進に参加して疲れましたが、有事三法等考える機会になり有意義な時間でした」「平和行進に参加し大変暑く疲れましたが、今後も機会がありましたら平和に向かって歩きたいと思いました」「かなり暑い中、世界平和のために大行進に参加しました。世界平和はみんなの願い。みんなで明るい平和な世の中を築きましょう」「有事法がとおってしまいました。国民の声が国会に届かないのは、本当に残念です」などの感想が寄せられました。 くしくも、愛知県内を行進中の6月6日、「有事三法」が強行成立させられましたが、その中の行進ということもあって名古屋での集中行進をはじめ、有事法制反対の声をひときわ高らかにあげながら平和な世界を求め行進をしました。
(書記次長)


今年も開催します 第16回全厚生機関紙フェスティバル
 支部・分会の教宣活動を応援する「全厚生機関紙フェスティバル」は今年で16回目を迎ます。支部・分会・専門部からたくさんの応募をお願いします。
 応募紙に ついては、例年どおり、全厚生第67回定期大会会場に展示し、交流するほか、すべての講評を行い、各紙の内容にふさわしい賞を設け、大会の中で表彰します。また、応募各紙の紙面を選んで冊子にし、各支部の機関紙活動で活用できるよう工夫します。

<目的>支部・分会をはじめ青年・女性部な どの教宣・機関紙活動をはげまし、編集内容の質的向上を支援する。
<対象紙>支部・分会・専門部で2002年9月から2003年8月までの間に発行した機関紙。
<参加方法>参加申し込み用紙(各支部に送付します)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。
<締切>8月11日(月)本部必着。
<講評>全厚生中央執行委員会で行います。
<表彰等>各紙の内容にふさわしい賞を設け、全厚生第67回定期大会で表彰します。賞状、記念品などを贈ります。


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