マイナス勧告阻止、諸手当改悪許さない |
夏期闘争を職場からのたたかいで
2003年春闘は、厳しい経済状況の中、連合・大企業労組が「定昇のみ」で妥結しています。 こうした民間の状況をふまえ、政府・人事院の春闘期の回答は、「人事院勧告制度尊重」「民間準拠」という回答にとどまりました。今、民間準拠を口実とした賃下げ攻撃を跳ね返すために、官民共同のたたかいを一層強めなければなりません。
国公労連は、マイナス勧告を許さず、生活改善を目指すために、「賃金水準を平均1000円引き上げ」の要求を掲げてたたかいます。とりわけ、(1)初任給の引き上げ、(2)ライフサイクルに応じた生計費の確保、(3)経験・勤続と専門性に応じた加算を十分考慮した、賃金水準の引き下げを許さない要求を重点として取り組みを強化します。
6月16日には人事院に対して人勧期要求を提出し、03人事院勧告に向けてのたたかいを開始しました。
諸手当改悪は許さない
03人勧で人事院は、諸手当の改悪、廃止を検討しています。
調整手当の異動保障では、短期異動の異動保障適用外、3年の異動保障の短縮、異動保障の支給割合の逓減を検討すべき事項としています。調整手当は、全国異動による単身赴任、府県内での調整手当の地域格差がある中では大切な生活費の一部です。見直しにあたっては、異動者対策や生活の配慮も含め慎重に労使協議をつくすことを人事院に要求します。
住居手当は現行、借家が最高支給限度額27,000円、持ち家は1,000円(新築5年以内は2,500円)と据え置かれ、実態とかけ離れた手当となっていますが、人事院は、「自宅にかかる手当について廃止も含めた検討をしたい」とし、持ち家手当の改悪をねらっています。
通勤手当については、「6ヶ月定期券相当分の支給」について検討するとしています。転勤時の定期の精算、支給方法など実務上の問題も含め、職員への影響など慎重な議論をするよう求めていきます。
地域給与切り下げ反対
人事院の地域給与研究会では、「各地域に勤務する公務員の給与がその地域の民間給与と比較して高すぎる」として、「地域の民間給与をより反映」させ、「給与配分の適正化」をはかる方向で検討され今月中にも最終報告される予定です。都市部以外で働く公務員賃金引き下げの制度改悪は、地域経済の悪化、人事異動にも大きく影響します。「同一労働・同一賃金」の原則を守らせる取り組みが必要です。
こうした中、全厚生は、公務員賃金の改善をめざし人事院勧告に向けてたたかいます。
(1)各支部・分会から、「全厚生2003年夏期統一要求書」の所属長に対する提出を行い職場からの要求実現を迫ります。
(2)「賃金改善署名」と「職場連判状」(ジャンボ葉書)に取り組みます。
(3)第2、3次中央行動(7月9、31日)に全力で取り組みます。7月31日が夏期闘争での最大規模の取り組みになります。各支部から参加する多くの仲間で人事院を包囲します。
(4)7・30全国一斉早朝(時間外)職場集会を人事院勧告が想定される8月初旬を前に、職場からの総結集の行動として実施します。
(5)全国の県国公で開催する夏期討論集会に、支部執行委員を中心に積極的に参加します。
賃金改善求め |
夏期統一要求書を提出
6月18日、全厚生は大臣官房人事課に「夏期統一要求書」を提出、社会保険庁に対しても19日に提出しました。夏期統一要求は、賃金改善、民主的な公務員制度改革、定員削減中止、超過勤務大幅縮減の4項目。賃金改善では、(1)平均1,000円引き上げ(2)非常勤職員を含めたすべての公務労働者の最低賃金の確立(3)一時金の5年連続カット反対(4)「地域に勤務する公務員給与」の削減・見直し反対(5)持ち家の手当の廃止反対E通勤手当の改善などを求めています。
全厚生は夏期闘争の具体化にあたって、職場からのたたかいを重視し、職場から夏期闘争をすすめる出発点として、すべての支部・分会から「夏期統一要求書」の提出をめざしています。
リレーずいそう |
● 「泣ける」なんて最高
学校から帰った息子が「お母さん、涙腺を縛る手術って無いかな」と言う。我が家は三代続いて「涙もろい家系」である。中一になった息子は、小学校では「しっかり者の泣き虫」と不思議な呼ばれ方をし、空手の先生からは「お母さん、少しおかしいですよ」等と言われた。先日読んだ本に「男性は事実を記憶し、女性は感情を記憶する。だから女性は泣くことが得意」と書かれていた。もちろん個体差はあるが、どうやら我が家族は性別を問わず感情を記憶する方が得意らしい。私は涙もろいことを「想像力」が豊かだからと、良い方に解釈しているが、息子にとっては、不覚にも教室で涙したことで、またぞろ「泣き虫」のレッテルが貼られることを気にしている。
そんな時に、長女を含め3人で映画を観に行った。韓国映画で「おばあちゃんの家」と言い、都会育ちの孫と、大地と共に生きてきた祖母の心の交流を描いたもので、おばあちゃんの無償の愛と、それに応える孫の優しさが心をとろけさせた。3人でそれこそ、ハンカチがぐしょ濡れになった。息子は声まで出そうだったと言う。
親の背丈を追い越そうかという子供達が、一緒に映画を見ながら「泣ける」なんて最高じゃないかと私は思っている。
人の心を「わかった」と思ってしまうのは問題だか、相手の痛みを想像できることは、この「きな臭い世の中」を生きていく為には、絶対なくしてほしくない心である。(大阪支部)
News |
● 労働条件問題などで交流 ―国公労連行(二)集会開催―
国公労連は6月18、19日の2日間、交流を大きな目的に都内で行(二)労働者全国集会を開催しました。集会には全国各地から10単組90人を超える参加者が集まり、単組本部・支部役員だけでなく、運転手、電話交換手、守衛、庁務員など職場を支える多くの行(二)職員の仲間たちも参加しました。
政府による定員削減攻撃や不補充政策、業務委託や派遣職員の導入による厳しい職場実態、部下数制限といった昇格基準など行(二)職員の処遇・労働条件や、取り組みの成果などを省庁を越えて交流しました。また、参加者も楽しみにしている毎年恒例の文化行事には、社会派風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」が出演。小泉首相のパロディなど楽しいひとときを過ごしました。
● 評価と競争的資金テーマに ―国立試験研究機関交流集会を開催―
6月11日、国公労連と学研労協(=筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会)の主催で国立試験研究機関交流集会を筑波・農林研究団地で開催しました。この集会は、1982 年の第1回集会以降、毎年開催し21回目。今年は、「評価と競争的資金−科学技術政策のツールを考える」をメインテーマに据え、交流を深めました。
「自治と自由−評価と規制」と題して小林正彦・東京大学農学部教授が記念講演。独立行政法人の評価ついて、画一的でなく、多様性をもった評価や研究の特性に合わせた評価、大局的な評価などの重要性を強調。評価される側の意見表明の場の保障も大切であると述べました。
基調報告は国公労連の飯塚中央執行委員が行い、政府の科学技術政策は、産業競争力を強化することに偏重していることを指摘。長期の視野に立った研究や基礎・経常研究活動を重視していく取り組みの強化を呼びかけました。引き続く分科会は、(1)研究労働条件、(2)支援部門の業務と労働条件、(3)科学技術政策の3分科会で討議し交流しました。
全体の参加者数は、135人で、全厚生からは杉浦書記長が参加しました。
【本省共闘】 人事課長と春季要求で交渉 |
過労死・過労自殺防止を
6月16日、厚生労働本省労働組合共闘会議(全厚生本省支部、全厚生統計情報支部、全労働本省支部)は、春季要求書に関し、人事課長交渉を実施しました。組合側は、菅沼議長(全厚生統計)、田口副議長(全厚生本省)はじめ9人が出席しました。
厚生労働本省の職場は、通常業務に加え、国会業務、法改正業務、予算業務等によりまさに「不夜城」ともいうべき、長時間過密労働の状況下におかれています。職員の心身の疲労による健康障害、長期欠勤もみられるなど、本省職員の過労死、過労自殺再発の危険性について強く訴えました。
人事課長からは、「厚生労働省超過勤務縮減対策要綱」、「早期退庁促進のための具体的方策」に基づき、実効ある取組を実施していきたいとの発言がありました。また、福利厚生についても、引き続き組合側と意見交換等を実施し、健康増進法施行に伴う分煙対策の徹底について発言がありました。
本省共闘からは、対策要綱等の実施後も最新の残業アンケートの結果から、残業時間の改善がみられないことを再度追及しました。
人事課長からは、残業を縮減するためには、多忙な部署への応援など柔軟な組織体制や業務の簡素化等をすすめるとの発言があり、対策への取り組み状況については、各局総務課長に対し助言・指導を実施する方針であることが示されました。(本省共闘議長)
国民平和大行進が行く (5) 香川県 |
小学生からも声援 県内14日間27人が参加
6月1日、台風一過の晴天に恵まれ愛媛香川の県境に程近い道の駅で、全厚生平和行進リレー旗が引き継がれました。香川県支部では15日の徳島県境までの15日間に1日を除く14日間計27人の組合員がリレー旗を持って県内を行進しました。あいにく梅雨入りしてしまい、雨の中の行進が幾日もありましたが無事県境まで歩き通すことができました。香川県は、小さい県なので、県内全市町をまわっています。
参加組合員からは、「久しぶりに参加したら膝に来てしんどかった」などの身体的な苦痛の感想があがってきている一方「下校途中の小学生から声援を受け、疲れを忘れた」などの感想もありました。
これからも、地道な活動ではありますが、平和の大切さを、いのちの尊さを考えながら1歩1歩歩いていきます。(書記長)
【静岡県】 核兵器廃絶訴え |
雨で始まり雨で引き継ぐ
静岡県支部は、有事法制反対の運動が高まる中、5月19日から5月31日の間、静岡県内の原水爆禁止2003年平和大行進に、のべ3人の組合員が参加しました。県内初日の19日はあいにくの雨でしたが、神奈川県支部の仲間から、神奈川県湯河原で引き継ぎを受け、熱海駅まで行進しました。県内では、ほとんどの各市町村で網の目平和行進が行われました。イラク戦争の傷跡、そして北朝鮮の脅威など、平和が脅かされている今、私たち1人1人が平和を守るための行動が必要になってきました。愛知県支部へ引き継ぐ最終日の31日は、湖西市鷲津駅前を大雨の中カッパ姿で出発しました。大切な各組合の旗は雨の影響でごくわずか掲げられただけで、少しさびしい行進となりました。しかし、平和を願う参加した仲間たちは、大きな声で核兵器廃絶を訴え、これに応えて沿道や、家の中から手を振って激励してくれた方々もいました。愛知県支部との引き継ぎも雨の中で行われましたが、これから参加する皆さん共に頑張りましょう。(静岡県支部)
みんなの国公共済会
私の体験紹介しま〜す <連載(6)> |
民間生保の破綻で心を痛め
みなさんは民間生命保険に入っていますか。私は知人の勧めるままに複数の生保に入り、子どもにも「学資型保険」を掛けていました。でも、子の成長とともに人生設計や子育て感などはどんどん変化するものです。月々の掛け金も負担になり始め、そろそろ見直そうかな、と思っていた矢先、あろうことか、加入していた生命保険会社が破綻してしまいました。97年の日産生命から数えてすでに7社が破綻しているそうなので、こんな経験は私だけではないかも知れません。保険金は7割支給で、解約しようにも破綻直後は解約できず、やっと解約にこぎつけたら、掛け金総額の5割程度しか返ってきませんでした。解約金が出ただけましかも知れませんが、子どもの将来のための大切なお金がバブルのツケの穴埋めに活用されてしまったのかと思うと、言いようのない怒りと情けなさで心が痛みました。 その点で国公共済会は安心です。掛け金は仲間のために使われる「ささえ愛」なので、心が痛むことはありません。加入内容だって人生設計にあわせて毎年見直せます。今年は、夫婦の年齢を考慮して「医療重視」から「生命も重視」型に替えてみました。 健康には気を付けている私も昨年6月、目の奥の副鼻腔に膿包ができ、手術し8日間入院しました。民間生保は入院10日以上が条件でしたが、国公共済会は5日以上の入院で1日目から給付され、8日分の給付金をいただきました。やっぱり「ささえ愛」の国公共済会が1番のおすすめです。 (本部)
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心に残ったこの1冊 | |
私たちはいま、イラクにいます | |
〔文〕シャーロツト・アルデブロン 〔写真〕森住卓 | |
イラクの子どもたちは、どうしているでしょう?
イラク爆撃ときくと、何を思いうかべますか。 イラク国民2400万人の半分以上が、15歳以下の子どもなのです。1200万人の、私みたいな子どもです。私はもうすぐ13歳になります。だから、私より少し大きいか、もっとずっと小さな子どもたちです。 だから、私のことを見てください。よく見て下さいね。 イラク爆撃ときいたときに思い浮かべなければいけないことが、わかるはずです。 爆撃で殺されるのは、私のような子どもなのです。 −シャーロット・アブデブロン非戦スピーチ抜粋−
2003年2月3日、アメリカのメーン州で行われた町の平和集会で、13歳の少女、シャーロット・アルデブロンさんが、自分自身で調べ、考え、まとめあげた非戦スピーチを読み上げました。イラク開戦が目前に迫り、国民の多くが戦争を支持しているという報道の中、少女にとっては大きな勇気が必要でしたが、拍手と歓声に包まれ、瞬く間にインターネットを通じて各国に広まり、世界中の人々から熱い共感の声が寄せられました。日本でも報道されたので、ご記憶の方も多いでしょう。 このメッセージとフォト・ジャーナリストの森住卓さんのイラクの子どもたちの写真が一緒になった写真絵本「私たちはいま、イラクにいます」(講談社1200円税別)が出版されました。シャーロットさんのメッセージとともに、写真の中の子どもたちが私たちに訴えかけてきます。子どもたちの瞳の奥から放たれるメッセージをあなたはどう受け取りますか?多くの大人に見て欲しい、特に政治家たちに。そして子どもたちにも。 「全厚生」でもインタビューや写真を紹介した森住卓さんは現在(6/21)もイラクで取材中です。クラスター爆弾による被害の様子や、湾岸戦争同様に劣化ウラン弾が使われ危険が知らされないまま残骸が街中に放置されている様子、イラク戦争の目的は“石油”と言わんばかりの米軍によるイラク石油省の守りなど、写真を通して米英のイラク攻撃の愚行を告発しています。くわしくは森住さんのホームページで。
10人の方に本をプレゼントします 「全厚生」新聞読者のみなさまに、この「私たちはいま、イラクにいます」の本に森住卓さんのサインを入れて抽選で10人にプレゼントします。ハガキに、氏名(家族の場合は組合員名も)、支部名、住所とあなたの平和へのメッセージを添えて、申し込んで下さい。Eメールでも受け付けます。
〒100-8916 東京都千代田区霞ヶ関1−2−2厚生労働省内
全厚生労働組合「私たちはいま、イラクにいます」本係 Eメール: ZENKOSEI@zks.dp.u-netsurf.ne.jp 締め切り 7月18日(金)本部必着 |
今年も開催します | 第16回全厚生機関紙フェスティバル | ||||||
「全厚生機関紙フェスティバル」を今年も開催します。支部・分会・専門部からたくさんの応募をお願いします。応募紙に ついては、例年どおり、全厚生第67回定期大会会場に展示し、交流するほか、講評を行い、各紙の内容にふさわしい賞を設け、大会の中で表彰します。締め切りは先ですが、準備をお願いします。
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