
◆第1556号(2003年6月15日付)◆
マイナス人勧許さない
有事三法案成立強行に抗議 発動許さないたたかいをさらに強めよう
春闘期のたたかいに引き続き人事院勧告期のあつい夏期闘争が始まります。国公労連は、6月5日に第117回拡大中央委員会を開催し、2003年夏期闘争方針と人事院勧告に向けた賃金改善要求を決定しました。
全厚生は、6月13日に開催する第9回中央執行委員会で、全厚生・夏期闘争方針の具体化を決定します。
公務員制度改悪法案の閣議決定阻止を
夏期闘争でまず大切なことは、今の情勢をしっかりとつかむことです。
全世界の国民の平和への願いや国連安全保障理事会決議を無視したアメリカのイラク攻撃に対して、これを全面的に支持・協力した小泉内閣は、有事3法案を強行採決し、日本を「戦争する国」へ変えようとしています。さらに、労働者を使い捨てにする労働法制の改悪、企業のコスト削減・国の負担削減を目的とする社会保障の改悪、国立大学法人化、国立病院独法化に際しての非常勤職員の雇い止めなど、とどまるところを知りません。
一方、私たちのたたかいによって、労働基準法改悪案では「使用者は労働者を解雇できる」との規定を削除し、「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして無効とする」を盛り込ませることが出来ましたし、「STOP!有事法制」、「医療費本人負担3割反対」などの運動を通して多くの団体・国民との共闘が広がっています。
労働者・国民に痛みを押しつけるだけの小泉「構造改革」と激しく対決し、「雇用・くらし・いのち・平和」を掲げてたたかった「国民総決起春闘」の到達点をさらに発展させるために全力で奮闘することが大切です。
2つ目の柱は、人事院勧告に向けて、公務員労働者の賃下げを許さず、生活改善のためにたたかうことです。昨年の人事院勧告は史上初のマイナス勧告が出され、その上、4月に遡ってマイナス分を調整するという不当なものでした。この不当性を追及する「国公権利裁判」の裁判闘争もいよいよ本格化していきます。 6月2日現在、全労連・春闘共闘の賃金回答・妥結水準は、前年同期比でマイナスとなっています。春闘結果やその後の状況を踏まえれば、賃下げ、不利益遡及勧告はもとより、政府による賃下げの上乗せさえ危惧される状況も考えられます。公務員賃金の改善は、その波及効果や影響力を見れば景気回復にとっても重要な貢献です。人事院勧告に向けては、生活改善要求の切実性を基本に置きつつ、生活防衛の歯止めとして「賃下げのサイクル」を断ち切る立場から「賃金水準を平均1、000円引き上げること」を掲げてたたかいます。
3つ目の柱は、公務員制度改悪に反対し、民主的な公務員制度の確立をめざすたたかいです。国公労連は、4月30日、行革推進事務局から国家公務員法等「改正」条文案の正式提案を受け、5月30日に「質問書」を提出し、労使の立場での交渉・協議を求めるとともに、見切り発車の閣議決定反対を強く主張しました。昨年11月のILO結社の自由委員会「中間報告・勧告」の指摘に照らしても法案の内容や関係機関との充分な協議という手続きに問題があります。マスコミも労働基本権問題や天下り問題を取り上げ、「一から出直せ」と主張しています。しかし、行革担当大臣は、5月16日の衆議院内閣委員会で「法案提出の方針に変更ないことを関係閣僚で確認した」と答弁していることから、法案の閣議決定阻止の行動を強める必要があります。
「対話」と「学習」を重視し国民との共同を広げて
夏期闘争において、「対話」と「学習」を強化し、労働者として当たり前の権利を保障せよの立場で、署名、集会、中央行動など地道な取り組みの積み上げや国民との共同を広げて、小泉「構造改革」の悪政を追い詰め、職場の仲間の生活と権利を守るため奮闘しようではありませんか。
● 地面の傾き気がついた
近頃どうも、物忘れがひどい。忘れるというよりは「思い出せない」という方がしっくりくる。今までなら、特に覚えようという意識がなくても、必要なときには思い出せていたようなことが出てこない。一生懸命考えて出てきたおぼろげな記憶がさらに間違っていたりする。親の年齢ならまだしも、当方まだ、平均寿命の半分くらいという若造だ。いくらなんでもおかしい。しっかりしろ!と思っても気力がついていかない。そういえば集中力もない。こんなところで根性無しになってしまっては、これから先どうやって生きていけばいいのか?
そこで、物忘れについてはこれまで面倒だと思っていたメモを活用することにした。書く時点では以前のように面倒だなと思っているのだが、以前と違うところは、書いたメモを後でちゃんと見て、書いていてよかったと思うことがしばしばあることだ。
さらに、同じような嘆きが同年代から聞こえてきて、自分だけではなさそうだということも分かってきた。やはり、みんな戸惑いそして、落ち込むらしい。そこで、こんなはずではない!とがんばってはいけないのだ。地面が少し傾いてきたことを認めよう。傾いているのにまっすぐだと思って動くからよろめくのだ。足元は傾き始めている。だからそのように対処していけば、少しずつ勾配がきつくなる坂も転げ落ちずに済むのだろう。かの孔子殿には「不惑」の40であったのだが、凡人には惑いが始まる「始惑」だと思う、今日この頃である。
(国衛研支部)
● 公務員制度改悪反対 ―6・6夏期闘争第1次中央行動―
6月6日国公労連は、全労連・公務労組連絡会に結集して、全国キャラバン行動の集結集会もかねた03夏期闘争第1次中央行動を実施。行動には、1000人の仲間が参加。全厚生は24人が参加しました。6日は早朝宣伝に始まり、総務省前行動、行革推進事務局前要求行動、国会請願デモ、国会議員要請行動、キャラバン行動集結・公務労働者総決起集会と終日奮闘しました。
● 有事法制発動させない ―戦争協力はお断りと5千人―
有事関連3法案は6月6日、参議院本会議で、自公保の与党3党と民主、自由、無所属の会の賛成多数で可決・成立しました。共産党と社民党は反対しました。法案成立後の6月10日、「有事法制をゼッタイ発動させないたたかいを」と、東京・日比谷野音で「STOP!有事法制6・10集会」が、陸・海・空・港湾労組20団体や宗教団体などの呼びかけで開かれ会場溢れる5000人が参加。(写真左下)全厚生は15人が参加し、集会終了後国会請願デモを行いました。
● 労基法・派遣法改悪反対 ―6・11国会前で座り込み―
6月6日参議院本会議で、労働者の派遣期間の上限を現行1年から3年への延長や製造現場への派遣解禁などを盛り込んだ労働者派遣法改悪案が、与党3党の賛成で可決、成立しました。現在参議院で審議中の労基法改悪法案は、衆議院段階の修正で「解雇自由」を削除させましたが、有期雇用契約の現行1年から3年への延長や、裁量労働制の大幅緩和などの改悪は残されています。6月11日全労連などが「労働法制の改悪は許さない」と国会前で座り込みを行い、全厚生も参加しました。(写真上)
施設の拡充・強化をめざし
全厚生は6月2日、国立施設管理室長と交渉しました。全厚生からは杉下委員長をはじめ本部役員と函館、塩原、リハ、秩父、神戸、別府の支部代表が出席。管理室からは4月に着任した片石室長、阿部補佐らが対応しました。
冒頭、委員長は(1)施設の組織再編(2)公務員制度改革(3)新再任用制度の3点について室長の見解をただしました。(1)は職員の労働条件に密接に関わることを強調。「国民の要望に応える発展強化が求められる」とし、国民の立場に立った国立施設として存置すべきと主張しました。(2)では労働組合と協議を尽くさず一方的に閣議決定に持ち込もうとする行革推進事務局を批判。あらためて福祉職場には成績主義・評価制度がなじまないと主張しました。(3)では職種による差別はないことなど、全厚生と共通の認識に立ってきたことを一定評価しつつも、採用実現にむけ、意向把握などの手続きを早く示し、年金の満額受給年齢が来年度さらに繰り延べされることからもいっそうの努力を強く要求しました。 委員長の発言を受け、片石室長は(1)では施設の重要性を十分認識しており、独法化などの動きに関心を払うと回答。また障害者からみた「頼りになる施設」が大きなカギとの認識も示し、予算で重視している高次脳機能障害、自閉症など民間では困難な処遇事例を率先して引き受けることや専門家の育成、福祉研究、国際協力の4機能が国立施設としての意義と強調しました。(2)では福祉の第一線の職場は一つのチームで仕事をしているとの認識を示し、職員の意欲と努力に報いるべきと回答しました。(3)では組合の要求に基本的に異議はないとしながらも、様々な職種を抱える困難さを強調。採用に向けてはさらに全力を挙げ努力したいとしました。
管理室は要求を受け止め努力を
来年度概算要求については「財政的に非常に厳しいが、確保に努めたい」とし、定員要求では定員管理が厳しいが平成15年度に実現できないでいた別府PT、神戸の情報指導主事は最重点で要求すると回答しました。また4月からの利用契約制度で全施設が全国区での対応を求められるなか、管理室として具体的な予算措置を何ら考えておらず、各施設での対応を前提としていることが判明。函館・塩原の入所者募集に問題意識はあり、必要があれば予算も検討すると回答しました。
宿日直課題では現行制度の廃止とこれに変わる入所者の生命保全や快適な生活保障のための宿舎体制確立を求めました。室長は「施設により状況が違うので一律実施は無理。各施設ごとに個別に協議、試行していきたい」と回答するにとどまり、具体的な改善策については言及しませんでした。全厚生は昨秋の交渉から後退する回答に「宿日直業務をやっている職員やこれまでの組合との議論を軽視する発言」と抗議し、早急に改善策を具体化するよう求めました。 再任用の問題では「管理室がどれだけ真剣に取り組んでいるかが問題」と指摘し、あらためて努力を求めました。
増員要求では「閣議決定しているので定員削減計画中止は無理」との認識に、職場の状況や職員感情を無視した回答であり、むしろ大変な職場状況を査定官庁に伝えることが管理室当局の責任であると指摘しました。
昇格の要求では各施設が抱える重点課題について交渉に参加した支部代表からも発言し、早期昇格実現を要求。とくに介護員長3級、行(二)・医(二)の処遇改善、福祉職の上位定数の確保などを強調しました。
予備交渉で要点も整理して今交渉に臨みましたが、室長が替わって最初の交渉でもあり、現状の確認的な事項が多くなってしまい、全厚生と管理室当局の交渉水準が維持できていないという問題が浮き彫りになりました。今後、窓口折衝を含め交渉水準を維持するよう対応していくこととしました。
支部活動の現状を意見交換
厚社連支部代開く
全厚生は6月1日、東京・茜荘で厚社連(社会福祉)支部代表者会議を開きました。
交渉にむけた打ち合わせとともに、支部活動の現状を意見交換しました。会議の特徴として、国立施設のあり方について一定の意見交換がなされ、各施設の現状や今後の課題など発言が相次ぐ有意義なものとなりました。
また、高位号俸者の昇格改善のために現員現級調査や再任用希望者の把握を各支部で行うことを確認し、交渉をより具体的で効果的な配置にしようと意思統一しました。
酪農体験などで交流
6月6〜8日、長野県で国公青年交流集会が行われました。この交流集会は、「日本の食糧事情と政策」の講演や、「酪農体験」など、「食」について考える集会で、全体で129人、全厚生は愛知県・京都の両支部と本部から7人、国公青年協常任の重田さん(神奈川県支部)の8人が参加しました。
食糧事情については、食べる側よりも、生産する側の都合に合わせた、食糧生産がなされていることが報告され、例えば、コンビニのおにぎりは、機械に米がくっつかないように油が入っているといった感じです。また、酪農体験では、牛舎にいる乳牛をみると、ただ毎日草を食べて、乳を搾られるという、いかにも人間のエゴのためにコントロールされているといった様子でした。このように食糧の在り方について考えさせられたが、その背景には我々の早い・安いを求める生活スタイルも影響しているのではないかと思います。生活改善があって食糧改善へとつながるのではと思いました。
レクレーションは、「夕食争奪サバイバーゲーム」や、制作体験など久しぶりに無心になって遊ぶことができました。とても楽しくそして為になる3日間でした。
(愛知県支部)
今なぜ労働組合か
全厚生岐阜県支部青年部は5月30日、愛知県支部と合同で新入組合員学習会を開催しました。
講師を含め岐阜・愛知の両県支部合計で45名が参加し、合同で開催した学習会の規模としては過去最大となりました。
澤村岐阜県支部長による新入組合員歓迎のあいさつの後、國枝(英)中央執行委員を講師に「労働組合とは何か、今どうして労働組合が必要とされているのか」を学習。次いで西田書記から国公共済会を紹介する講義がありました。その後、女性の権利について及びそれぞれの支部の歴史及び現在の状況について学習しました。
青年部では國枝(孝)愛知県支部青年部事務局長から、青年交流集会について概要・魅力を踏まえた案内がありました。学習会終了後は会場を移し、両支部の交流会を開催。今年開催される青年交流集会の成功に向けて、岐阜県支部・愛知県両支部の親睦が今回の学習会で深まったかと思います。
(岐阜県支部青年部長)
四国コース愛媛県から香川県へ引き継ぐ
5月30日、国民平和大行進四国コースの新居浜地区平和行進に参加してきました。季節はずれの台風の影響ですごい風の中、平和集会を行い、その後、新居浜の町を「ノーモア長崎、ノーモア広島」など核兵器根絶を願うシュプレヒコールをあげながら練り歩きました。風の勢いは段々増してきて、旗をもった手にも力が入ります。行進も半ばを過ぎたころからは、雨も降りだし、片手には旗、片手には傘で、もうえらいことでした。 翌々日の6月1日には平和行進の愛媛から香川への引き継ぎがありました。(写真上)この日は新居浜の時とは打って変わって晴天となり、無事引き継ぎもできました。
(愛媛県支部)
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