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◆第1551号(2003年4月15日付)◆

官房人事課長と03春闘要求で交渉

公務員制度改革で協議の徹底を

 全厚生は3月28日、大臣官房人事課長と春闘の重点要求にもとづく交渉を実施。交渉には全厚生から杉下委員長、飯塚・鈴木・藤巻、山本各副委員長をはじめ、本部役員10人が出席。人事課からは、金子人事課長、宮島参事官、篠原人事調査官らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長が要求趣旨を説明。統一賃金要求の平均1万2千円(3・2%)は、4年連続の賃金引き下げによる生活悪化、不利益遡及への怒りを込めた切実な要求であることを強調。併せて、賃金の底上げを重視していることや賃下げの悪循環を断ち切る立場で賃金改善を迫りました。公務員制度改革の課題では、ILO理事会で採択された勧告内容を示し、政府・行革推進事務局との交渉・協議は全く誠意ある対応になっていないことを指摘。改革方向が人事院の権限を縮小し、政府や各省の権限を強化するのであれば、労働基本権問題が曖昧のままではすまされないと強調。労使の交渉・協議を徹底し、合意にもとづき改革をすすめるよう要求しました。医療制度改革の課題では、基本方針が閣議決定されたもとで、政府管掌健康保険はこれまで通り、国の責任で国の事業として全国一体で実施すべきであることを主張しました。

生活改善の思い十分理解できる
 これに対し、金子人事課長が回答。賃金要求については、「皆さんの生活改善の率直な思いであり、十分理解できる」と述べ、賃金改善について「人事院勧告にむけて厚生労働省として関係機関に対する働きかけを行っていきたい」と回答。公務員制度改革の課題では、3月11日に全厚生が行った申し入れにも応え、「十分協議期間の保障をおこなうよう行革推進事務局に申し入れを行ってきた」と説明。さらに、「今後とも、必要な情報提供を行うとともに、(全厚生の)意見を聞いた上で、省として必要な意見、要望について、行革事務局に申し入れていきたい」と回答しました。
 医療制度改革の課題では、「『基本方針』は、医療保険制度体系等に関する今後の改革の基本的な方向が示されたもの。保険者基盤の安定を図るとともに、保険者機能を発揮しやすくすることを再編・統合の基本的な方向にしている」と説明。「具体的な改革の内容を検討していくことになる。引き続き、情報提供を行うなど、適切に対処したい」。女性職員の採用・登用拡大では、昨年12月に「第1回厚生労働省男女共同参画推進会議」や今年2月には、「厚生労働省男女共同参画推進本部会合」を開催したことを述べ、「女性の採用・登用拡大については、これまで以上に積極的に取り組んでいきたい」と回答。

必要な増員確保は全力で取り組む
 定員要求では、政府の定員削減方針を説明し、その実施は「事務・事業の積極的な見直しを行い、適正な定員配置を図るべく努力したい」と回答。増員要求に対しては、非常に厳しい状況を説明しつつ、「必要な増員の確保について、省をあげて全力で取り組んでいきたい」と回答しました。
 本省庁の恒常的な残業実態の改善では、職員の健康管理という観点からも「重要性は十分認識している」と述べ、「これまでも管理職員が認識を持つように、超過勤務の縮減について徹底するよう指示してきた」と回答。さらに定時退庁日やその実効性を高める消灯日の取り組み等を示し、「今後とも、積極的に取り組んでいきたい」と回答。
 国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の廃止に伴う職員の雇用保障については、「職員にとって最も基本的かつ重要な問題と認識している。今後も関係機関に対し、関係職員には必要な情報は伝え、本人の意向についても十分配慮するよう指導したい」と回答。新再任用制度の課題では、希望者全員の雇用実現の要求に対して、「制度の趣旨を踏まえれば、希望者全員が雇用されることが望ましいと考えている」と回答。その一方、再任用を行うに当たっては、「選考を行うことが必要であり、運用方針に基づき、適正、公正に運用されているものと考えている」と説明。その上で「今後とも適正、公正な運用がなされるよう、各機関を指導したい」と回答しました。

国公法「改正」法案

一方的な閣議決定に反対  人事課長に緊急申し入れ

 全厚生は4月8日、厚生労働省に対し、公務員制度改革の課題で申し入れを行いました。
 政府・行革推進事務局は3月28日、各省に能力等級制度導入に関わる国家公務員法等の「改正」条文案を提示。続いて近日中に中央人事行政機関の機能のあり方の「見直し」関連条文等の提示も予定されています。その上で、各省との正式協議に入り、協議期間の保障もなく、早ければ今月中にも法案の閣議決定に持ち込もうとしています。具体的には、「労働組合との協議なしでの国家公務員法『改正』法案等の閣議決定を一方的に行わないよう尽力すること。『改正』作業の即時中止を行うよう働きかけること」を申し入れました。金子人事課長は、「現時点では、正式協議になっていない。今後とも、推進事務局に対し意見を聞いて進めるよう働きかけていきたい」と述べました。
 申し入れは杉下委員長、藤巻副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、國枝中執で行い、大臣官房人事課金子人事課長、宮島参事官、篠原人事調査官らが対応しました。

リレーずいそう
● 日本はそれでいいのか
 私の手元に3冊の文庫本がある。全3巻で幅5センチになろうとする分厚い本である。購入して10年近くになるが過去に何度もチャレンジしているがいまだに読破できていない本である。その名を「戦争論」という、戦記物を読んでいてしばしば名前が出ていたので探し出して買った記憶がある。
 紛争や戦争、今回のイラク戦争と戦争と名がつくものがマスコミに出る度に思い出して手にとるが読む気になれない。戦争の本性を語り戦争を理論だてしてしまう恐ろしい本であるために挫折している訳ではない、ただ、難しすぎるからよう読まんだけだ。ただ、読みかけで思うのは、戦争は、有史以来、人間が絶えず繰り返してきた悲しみの連鎖であり、歴史上の人物で人々があこがれる英雄を生み出してきているのも戦争があったためである。自分も英雄になりたい。過去の偉大なる先人を超えてみせる。その思いが人を戦争に走らせるのではないかということである。
 「一将功成、万骨枯」ブッシュや小泉の歩いた痕には、敵味方区別無く白骨を晒しているのではないか。日本はそれでいいのか。
 相変わらず起承転結がありませんがそう思う今日この頃です。
(香川県支部)


News
● イラク攻撃は即時中止を ―冷たい雨の中4・2大集会に15000人―
 「イラク攻撃即時中止を求める4.2大集会」が著名人24人の呼びかけで4月2日に開催され、冷たい雨の中、1万5千人が参加。(写真左)全厚生も24人が参加しました。

● 有事関連三法案は廃案に ―運動推進連絡センターが緊急集会―
 小泉内閣と与党は、アメリカの戦争に日本を強制動員する有事関連三法案を、イラク戦争を絶好の機会とばかりに、4月中の衆議院通過をねらっています。4月9日「有事法制は許さない!運動推進連絡センター」は衆議院議員会館で緊急集会を開催。有事法制の強行許さず、廃案を求める運動の意思統一を行い、集会後、議員要請行動を行いました。


☆ ★ ☆ ピカピカの小学1年生 ☆ ★ ☆
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 全厚生組合員の「ピカピカの小学1年生」全員集合。数回に分けて掲載します。
〈コメント説明〉
@子どもの氏名(ふりがな)
A大きくなったら何になりたい?
Bお父さん、お母さんからのメッセージ。
吉井 尉哲 くん
@よしいやすあき
Aまだ決めてない。
B小学校が楽しみでしょうがない尉哲君。幼稚園よりも広い運動場で元気に楽しくお友達と遊ぼうね。勉強も頑張ってね。
高橋 奈々保 ちゃん 阿南 恵 ちゃん
@たかはしななほ
A幼稚園の先生
B一番好きな人はお母さん。次にお姉ちゃん、お婆ちゃん。4番目にペットの「かめ吉」。「おっとー」は130番目。せめて100番以内に。
@あなみめぐみ
Aケーキ屋さん
B1年生になったら勉強するのが楽しみだそうです。(父親は理解できない)自分の思いをちゃんと言い、優しい人になってネ。
橋本 佳奈美 ちゃん 山田 咲季子 ちゃん
@はしもとかなみ
A絵かき
B小さい頃は病気ばかり。仕事を続けられるか不安な時もありました。でも今は元気いっぱい。小学校入学とってもうれしいです。
@やまださきこ
A永倉医院の看護師さん
B生まれる前から元気な子ですが、七五三ではお姫様になりました。物事の本質や生命の神秘の分かる人になってください。
柳原 未伶 ちゃん
@やなぎはらみれい
Aケーキ屋さん
B泣き虫で甘えんぼのみーちゃん。「パパ一番好き」、 ママ「なんで」、「だって、顔かわいいもん」。いつまでも、その気持ち忘れずにいてね。


厚生労働省共済組合運営審議会 社会保険共済組合運営審議会

短期掛金率引き上げ決定  組合員代表側委員は反対

 社会保険職員共済組合運営審議会が2月28日に、厚生労働省共済組合運営審議会が3月26日にそれぞれ開催され、平成15年度の事業計画及び予算案の審議が行われ、提案どおり決定されました。
 15年度から新たに総報酬制が導入されることになります。総報酬制では保険料の賦課対象をボーナス(期末手当等)まで拡大しますので、月々の短期掛金率、福祉掛金率、長期掛金率は低くなりますが、ボーナスについても月々と同一の保険料率がかかることになります。
 事業計画では両共済組合とも、短期掛金率の引き上げが提案されました。引き上げ理由としては、昨年の本俸の引き下げによる標準報酬月額の収入が減となっていること、支出で老人保健拠出金と退職者給付拠出金が大幅増となることによるとの説明がありました。組合員代表側委員からは、昨年の人勧で月例給と一時金が引き下げられ生活が苦しくなっていること、この4月から医療費の自己負担が3割に引き上げられること等から掛金率の引き上げは、さらに負担が増大するので引き上げをしないよう主張しました。しかし、共済組合を安定的に運営していくためにはやむを得ない引き上げであるとして決定されました。
 その他、社会保険職員共済組合では、貸付金の”こげつき”に注意しながら借り易い体制を維持するよう各支部に周知してほしいこと、メンタルヘルスの面から「健康ダイヤル」を周知徹底してほしいこと等が出されました。厚生労働省共済組合では、保養施設利用助成事業の対象施設の拡大及び利用方法の変更、利用者減と修繕費で毎年赤字となっている「なぎさ荘」の今後の在り方を早急に検討することが確認されました。


みんなの国公共済会
私の体験紹介しま〜す <連載(2)>
バドミントン大会で靱帯損傷
 国立別府重度障害者センターで重度障害者の介護をして20年になります。国公共済には発足当時から入っています。先輩から、月々の掛金も安いので毎月の負担もきつくないからと勧められ加入しました。
 国公共済に加入後、仕事が休みの時、仕事の日でも勤務終了後にバドミントンを仕事場の先輩に習い始め、家庭婦人のクラブに加入、今も県の大会、市の大会など、休みの日を利用し参加しています。昨年4月28日に市の大会中、バックしながらラウンドでシャトルを打った時に左足の前十字靱帯を切り損傷、同じ足の内側副靱帯を伸ばし損傷しました。1カ月かけて内側副靱帯を治し、その後、前十字靱帯の手術をしました。最初の1カ月は家で安静、手術のため入院を24日間、退院後1カ月はリハビリ、そのため仕事を3カ月休みました。退院後、仕事場の国公共済担当の方から「共済金が出るので、通院の間に入院の際の診断書を病院で書いてもらいなさい」と言われ、すぐに担当の方に共済会へ送ってもらいました。
 入院費、手術費、リハビリ費用など、けっこう出費が多かったため、給付金が下り大変助かりました。
 私が給付をいただいた後、この共済に加入していない仕事場の若い人達も、話を聞き何人か加入したようです。
 ケガや病気は、しない事が一番ですが、何時に起こるかわかりません。今後も国公共済をケガ、病気をしないように頑張って、掛け続けて行こうと思います。
(国立別府重度障害者センター支部)



イラクの子ども達を再び戦火にさらすな

フォトジャーナリスト 森住卓さんインタビュー    (4)

◇イラクの人々

 イラクでは基本的に大学まで学費は無料です。政治教育はすごいものがあります。意味はよくわかりませんが、「サダム、サダム」と叫んだり、スローガンを叫んだり。しかし、子どもたちがそれに精神的に束縛されているかというと、決してそうではない。それを言っていれば安心といった感じで、学校にいるとき以外は束縛されているということはありません。
 就学率は統計がないのでわかりませんが、非常に悪いようです。
 教師の給料が安くて生活できずに辞めてしまいます。教師が少なくなればクラスが少なくなって、1クラス60人とか80人とかびっしりです。
 子どもたちは厳しい状況の中でも明るい表情をしています。やっていられないでしょうね。明るくしていた方が生きる力が湧いてくるし……。
 アラブの人たちって明るいんですよね。国民性なのかもしれませんね。人懐っこいし、親切だし……。世界中でバグダッドが一番信頼できる町だと思っています。
 それから年寄りをとても大切にします。子どもたちも自然に学んでいくようです。

◇アメリカは侵略者

 アメリカに対する憎しみは強いようです。大人たちも「アメリカ軍が来たら戦う」と言っています。これは本心だと思います。フセイン体制を守るとかじゃなくて、イラク人の誇りを守る。アメリカ軍は侵略者ですから、これと戦う。アメリカはそういうイラク人の気持ちがわからないと思います。
 貧富の差はすごいですね。なんでこんな金持ちなんだという人もいます。経済制裁のすき間をぬってぼろ儲けしている人がたくさんいるわけです。政権と結びついて利権をむさぼっている連中です。
 イラクの人たちはみんな平和を望んでいます。自分たちはアメリカを攻撃したことはない、なんでやられるの、という感じを持っています。この12年間、ずっと戦争だったわけですよね。ですからずっと平和を願っています。
 アラブ人はとても誇りが高いといわれています。日本から支援の手を差し伸べようとしてもイラクの人たちはいらないと言います。石油が売れれば、そのお金で何でもできる。だから経済制裁をやめてほしいと言います。湾岸戦争の前はアラブでは優等生の国だったわけです。医療費は無料だし、税金もないし、教育費も無料だし、大学生になるとお小遣いをくれる。そういうのはサダム・フセインがもたらした恩恵なんですね。これはイラク国民が選択したものであって、イラクが独裁だからけしからんというのは大きなお世話なわけです。
(おわり)

 ◇2月17日「(株)きかんし」の共同インタビューで話を伺いました。森住さんは3月21日バグダッド入りし、戦時下のイラクを取材し帰国。その報告は下記のホームページで見られます。
森住卓さんのホームページはこちら http://www.morizumi-pj.com


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