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◆第1545号(2003年2月15日付)◆

イラク攻撃反対の世論広げて

戦争ではなく平和的手段で解決を

 イラク攻撃に性急に向かうアメリカに対して、国際的な批判が高まっています。フランス、ドイツ、ロシアの3国は2月10日、「戦争に変わる手段は依然存在する」と、イラクの大量破壊兵器査察の「継続と強化」で平和裏の解決を訴える共同宣言を発表。中国も賛意を示しました。昨年11月、国連安保理決議1441(注1)をイラクが受け入れ、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)の二つの国連機関による査察が進められています。「仏独露共同宣言」は、「もしも戦争が起きれば、食糧、医薬品、生活必需品、そしてなにより重要な自由をイラクにもたらす」と豪語するアメリカのブッシュ大統領とそれに追従するイギリス両国へのけん制が込められています。
 今、世界中で「イラク攻撃反対」の世論と行動が広がっています。アメリカの黒人解放運動指導者キング牧師の記念日(1月18日)に呼びかけられた反戦行動は、アメリカで80万人が結集し、世界30カ国で取り組まれました。ドイツのミュンヘンでは2月8日、約2万人の市民が「イラクを攻撃するな」のプラカードを掲げてデモ行進。イラクの隣国で、米軍への基地提供などで対イラク攻撃協力にすすむトルコでも、世論調査(2月10日公表)で、94%がイラク攻撃に反対しています。欧州社会フォーラムなどが「反戦・平和の国際行動期間」(2月13日〜21日)の15日を統一行動日とし呼びかけ、現在40カ国を超える国々が共同に賛同。日本では、東京・明治公園で14日、大集会がひらかれるなど各地で行動が行われています。
 戦争が起きれば、湾岸戦争をはるかに上回る被害が予測され、イラク大都市の死傷者は最大で民間人40万人、戦闘員40万人、イラク国民の90万人が難民になるとも言われています。湾岸戦争後もアメリカ・イギリスによる空爆が断続的に続くイラクでは、湾岸戦争時の劣化ウラン弾(注2)の影響で、白血病やガンで死んでいく子どもが急激に増えています。
 国連による査察の継続・強化で、平和的解決を追及していくのか、それとも査察を中断し、戦争という道を選択をするのかが今、問われています。小泉首相は、「査察の継続・強化」も明言せず、アメリカの言いなりにイージス艦をインド洋に派遣し、アメリカの戦争に日本を巻き込む有事法制を今国会で成立させようと異常な執念を見せています。「イラク攻撃反対」「有事法制反対」の世論と運動を広げ、平和な世界をめざしましょう。

(注1)国連安保理決議1441

 2002年11月8日、国連安全保障理事会で、全会一致で採択されたイラク問題に関する決議。決議1441は、「イラクに対し、武装解除の義務を遵守する『最後の機会』を与え、強化された査察体制を構築し実施する。イラクに更なる重大な違反があった場合には即時に安保理会合を開催する」という内容。湾岸戦争(1991年)後行われていた、大量破壊兵器に関する査察活動(国連停戦決議による)は、イラクの非協力により、98年以降行われていない。これを理由にイラク攻撃を強行しようとするアメリカに対し、決議1441は、「査察という平和的手段で」という手かせ、足かせとなった。 UNMOVICは化学兵器、生物兵器及びミサイルを担当し、IAEAは、核兵器の開発を担当し、イラク全土において査察活動を行っている

(注2)劣化ウラン弾

 劣化ウランは、核兵器や原発用の燃料を製造する過程でできる放射性廃棄物。ウランは自然界に存在する物質の中で比重が最も重い。「硬くて重い」劣化ウラン弾は、戦車に命中すると分厚い装甲を貫通し、いっきに燃焼し、乗員を焼き尽くし、煙霧状になって放射性ウランを拡散し、土壌や地下水を汚染する。体内に入れば、癌、白血病、肝臓障害、腎臓障害、腫瘍、先天的な障害児出産などを引き起こし、何世代にも渡って影響を及ぼす。湾岸戦争後、ボスニア、コソボで使われ、アフガニスタンでも使われた可能性は高い。


イラク攻撃反対 私もひと言

自分の子どもだったら  香川県支部 香川博
 人が死ぬ、ミンチや煎餅のようになって死ぬ。人の焼ける臭いや血の臭いを想像し、死んだ人間一人一人の人生を、自分に子どもの将来に置換えて初めて思い、考える、イラク攻撃反対・人殺し反対。

暴力は時代遅れ  業務セ支部 佐藤憲一
 アメリカが世界をリードしていく国である自負があるのならば、戦争という手段を用いず、あくまでも話し合いによる解決をするべきです。暴力による解決はもう時代遅れであり、人間として恥ずべき行為です。

子どもたちの未来のために  愛知県支部  杉崎伊津子
 イラクへの武力行使反対の波が世界中に巻き起こっているのになぜか、日本のテレビや新聞にはほとんど報道されていません。すごく腹が立ちます。アメリカに住む人間の命も、イラクの国の人たちの命も重さは同じはずです。たとえ牢に繋がれても戦争反対をやめることはできない。「子どもたちの未来のために」



リレーずいそう
● 助け合いの国公共済会
 全国の国公労働者の仲間の自主共済制度である国公共済会は、組合員やその家族の突然の事故によるケガや病気のとき助けてくれる、とてもよい制度と思います。現在、「定員削減」や「総人件費抑制」攻撃の中で、ともに闘う仲間が「困った時に助けあおう」と3万人の組合員と2万人の家族の方が、この国公共済会に加入されています。
 安い掛け金で、大きな保障があり、1年ごとに決算し、剰余金は加入者への還元と危険準備金などへ積み立てられる。儲けのための運用などは一切行われていないため、不良債権はなく、安心して加入できるものです。
 一方、保険会社は、長引く不況のなか、「逆ざや」に耐えきれなかった日産生命から数えて7社が破綻し、この経営破綻を招く、「逆ざや」現象を解消するため、契約者に約束した予定利率について引き下げる方向ですすんでいます。自分たちの経営と政策の失敗を、生命保険の加入者である、労働者・国民に押しつけるものであり、容認できるものではありません。
 ぜひ、加入している自分と家族の保険を見直して、もうけを目的としない労働組合の「助け合い、支え合い」活動である「国公共済会」に参加しましょう。
(京都支部 亀山泰之)


News
● 医療・年金・介護の改悪反対 ―3.2国民集会に4200人―
 国民春闘共闘委員会と日本高齢者運動連絡会、中央社保協が呼びかけた「許すな!3割負担 医療・年金・介護の改悪ストップ!国民集会」が2月3日、東京・日比谷公会堂で開催されました。全国から4200人が参加し、会場に入りきれず、外にも人が。集会後、国会請願デモ(写真)。全厚生も参加しました。

● 労働法制改悪許すな ―厚生労働省前で要請行動―
 2月10日、13日全労連は、労働政策審議会労働条件分科会の開催にあわせ、労働法制の改悪を阻止し、分科会の審議内容を労働者の権利を守る方向へ修正させようと、厚生労働省前で要請行動を行いました。(写真)全厚生も参加しました。


研究機関支部代表者会議を開く

国衛研大阪支所職員の雇用保障を

 全厚生は2月7日、研究機関支部代表者会議を全厚生書記局会議室で開催しました。
 この会議は、(1)第44回中央委員会で決定した春闘方針案に沿って、職場を基礎に、国民総決起の春闘を具体化する、(2)研究機関の組織再編、研究・労働条件にかかわる課題を軸に、各支部の取り組みを交流。当面、大臣官房人事課長及び厚生科学課長交渉にむけた要求・課題を鮮明にさせる、(3)昨年再開した交流集会の総括に立ち、事前の準備を丁寧に行いながら交流集会を準備することを目的に開催。
 国立医薬品食品衛生研究所大阪支所職員の雇用保障の課題では、大阪支所廃止後の働く場を確実に確保するために、最後までねばり強く取り組むことを確認。2004年度の早い時期に設立予定の独立行政法人医薬基盤技術研究所(仮称)にかかわる課題では、国衛研支部、感染研支部の相互の連携をとり、本部が軸となり対策を強化することを確認。併せて、2004年4月にスタートすることになる独立行政法人医薬品医療機器総合機構に関する情報開示を求めながら取り組むことを意思統一しました。
 独立行政法人・栄研支部の取り組みでは、基本要求を練り上げ、要求書を早期に提出し、労使自治を重視して、労働協約闘争を取り組むことを確認。研究機関交流集会は、国民のための厚生科学研究の基本方向をさぐり、要求政策づくりと労働組合運動の前進に寄与するために準備をはじめることを確認。集会で取り上げるテーマを支部でも協議して内容を調整することにしました。
 当面、研究機関の各支部で重点要求の討議を深めることを確認。特に新たな要求課題として、任期付任用の研究員など短期雇用の研究者について、政策や見解を示す方向で討議を開始。労働条件を改善させる課題とともに、地道な行政研究を継続していく研究体制の拡充をめざす立場から各支部で討議していくことを確認。こうした職場からの取り組みを重視して厚生科学課長交渉を準備していくことを意思統一しました。
 会議には、感染研支部、国衛研支部及び大阪分会、栄研支部、ハ病研支部の代表が出席。本部からは杉下委員長、山本副委員長、杉浦書記長、佐藤中執が出席しました。


商店街で宣伝署名行動

健保3割負担中止を  大阪

 大阪支部は、2月8日、「健保3割負担STOP・年金額切り下げNO・社会保障拡充を」と署名と宣伝行動を展開しました。
 宇宙への夢を育む「まんてん」の舞台となった全長2・6キロの日本一長い天神橋筋商店街の一角。15人の組合員がノボリを立てハンドマイクで訴え、独自作成ビラを配布し、署名を呼びかけました。
 「土曜日の午前中、人通りは?」との心配もなく、商店街には中高年の夫婦連れも多く、ちょうど良い人出。
 「年金改悪反対の署名を集めてま〜す」「3割負担をやめさせましょう」の声に快く署名。あらためて関心の高さ、怒りの強さを感じることができました。
 午前中の1時間余りの取り組みでしたが、「65歳になって年金が減った?」「それはね、加給年金がなくなり振替加算が・・・」などあちらこちらで年金相談、「小泉さんになって悪いことばっかり」「がんばってや」との会話も飛び交い、500枚のビラを配布し、136筆の署名が集まりました。
 大阪支部では、現在労働組合訪問なども取り組んでいます。
(津川書記長)



2.20国民総行動に結集しよう

できました 全厚生ビラ

 2.20国民総行動で配布するビラができました。1面は国公労連作成の「働くルールの確立」を訴える内容。もう1面は全厚生独自の作成で、「医療改悪の凍結・中止」を訴える内容。労働組合の元気な姿を街角で。2.20国民総行動はじめ、宣伝行動で大いに活用しましょう。


東ちづるさんのサイン本とクイズ当選者の発表

▽「7つのまちがい」の当選者

 「全厚生」新年号「7つのまちがい」への応募ありがとうございました。答えは、(1)スキー板(2)電柱のポスター(3)門松(4)凧(5)獅子の歯(6)左下の女性のバッグ(7)バドミントンの羽でした。応募18人中全員が正解でした。抽選の結果、10人に図書券(千円分)を贈りました。

▽「東ちづるさんのサイン入り本」当選者

 東ちづるさんの直筆サイン入り本へのご応募ありがとうございました。「〈私〉はなぜカウンセリングを受けたのか『いい人、やめた!』母と娘の挑戦」の本は、10人に贈りました。

第27回全厚生女性交流集会

今を活きる 〜 麗しくたくましく
日 時2月22日(土)pm1:30 〜23日(日)正午
会 場横浜市内 鶴見パールホテル
 (JR京浜東北線鶴見駅より徒歩3分)
記念講演「私の仕事と平和憲法」 大原譲子さん

方言指導者、映画・部隊・テレビで活躍、憲法を方言で語る。NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」で大阪弁を指導しています。
特別出演ザ・ニュースペーパー

お笑い集団ザ・ニュースペーパーが特別出演!!
小泉政権を大いに笑い。世の中変える糧に。
分科会
第1分科会「たべものって安心?」
第2分科会「今、子どもたちは?親たちは?
     〜家で、学校で、保育園で〜」
第3分科会「やっぱ平和がいいじゃん!」
第4分科会「私にとって癒し系・和み系は?」
第5分科会「愛と性を語ってみま専科?」
保育室を設けますので、お子さま連れでどうぞ。


ピカピカの小学一年生原稿募集
 今年もピカピカの一年生の原稿を募集します。今年小学校に入学する組合員の子どもさん全員が対象です。みなさんの応募をよろしくお願いします。
 子どもの氏名(漢字)(1)氏名のふりがな(2)入学する小学校名(〇〇市立〇〇小学校)(3)大きくなったら何になりたい?(4)お父さん、お母さんからのメッセージ(支部・組合員名)を100字以内で。顔がはっきり写っている写真を送って下さい。写真はお返しします。
 締め切りは、第1次が3月14日、第2次が4月11日です。お礼に図書券(千円分)をさしあげます。
 くわしくは、支部の教宣担当者、または全厚生本部まで。


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