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◆第1544号(2003年2月5日付)◆

全厚生第44回中央委員会で意思統一

職場を基礎に国民総決起の春闘を

 全厚生は1月25日、第44回中央委員会を東京都内で開催し、03春闘方針案・統一要求案、補正予算案を満場一致で採択し、職場・地域から国民春闘の担い手となり、雇用、くらし、いのち、平和の安心を勝ちとるための決意を固め合いました。
 中央委員会では、春闘アピールとアメリカのイラク攻撃反対・有事法案の成立を許さない特別決議を採択。討論には、20人が参加。職場から国民総決起の春闘をつくろうとの力強い発言が相次ぎました。来賓として、国公労連の本多中執、全医労の香月書記次長、全労働の新宮委員長が激励と連帯の挨拶をしました。



元気な春闘を国民に示そう  委員長あいさつ

 中央執行委員会を代表して挨拶した杉下委員長は、春闘をめぐる情勢にふれ、小泉内閣の失策による不況と大量失業、賃下げ攻撃、医療保険制度大改悪、イラク攻撃の危機と有事法案などの危険な内容を指摘。小泉「構造改革」路線をやめさせ、国民の雇用とくらし、いのち、平和を守るために、全力で取り組むことを強調しました。また委員長は、日本経団連の奥田会長講演「活力と魅力溢れる日本をめざして」にふれ、「社会保障費の労使折半はやめ、公的年金は個人の能力に基づき給付、消費税は16%にし活用するのがふさわしい、協力する議員には政治献金を出すとまで露骨に言っている。許し難い」と厳しく批判。きびしい中でも、労働組合が元気にたたかっている姿を国民に見せていくことが、この状況を打開していくカギ。実践を踏まえた討論で、中央委員会を成功させようと呼びかけました。

力の集中で共同を広げよう  03春闘方針提案

 2003年春闘方針を提案した杉浦書記長は、「小泉『構造改革』は国民にとって北風。我々の春闘が太陽になるよう奮闘しよう」と国民総決起春闘への結集を呼びかけました。
 活動方針について書記長は、「今春闘の真髄は、組合員を主人公に、職場を基礎にしたたたかいにある」と強調。職場で重視する取り組みについて、(1)組合活動の活性化(2)学習の重視(3)丁寧な要求の確立(4)支部交渉の水準を高める(5)運動会型で全組合員の参加を(6)女性、青年、壮年層の取り組みを(7)パート・臨時労働者の要求でたたかう(8)春の組織拡大特別期間の成功などを提起し、「職場にさわやかな組合の風を吹かせよう」と呼びかけました。
 具体的行動では、「力の集中で共同を広げるのがポイント」と、(1)2.20国民総行動(2)3.4霞ヶ関中央行動(3)3.13全国統一行動に早朝・時間外職場集会で結集(4)一斉地方選挙で国民が主人公の政治にと、4つの節となる行動を提起しました。
 また、公務員制度改革の課題では、「画期的なILO勧告を力に、新たな決意で取り組む。改悪法案の提出に向けた緊迫した状況を注視したたかっていこう」。賃下げ攻撃に歯止めをかけるために「全労働者の賃金底上げ、最低賃金アップ、賃上げで不況打開を」。不利益遡及問題では「国公労連として裁判闘争でたたかう。全厚生から4〜6人の原告を。3月にコーヒー1杯分・1人300円のカンパを組合員に要請する」。労働条件改善では「働くルールの確立を、すべての職場の残業根絶をめざす」。医療保険制度改革に対する取り組みでは、「討議資料を活用して、職場学習を進め、関係労働組合との共同もめざす」。憲法擁護と平和のたたかいでは「イラク攻撃を許さず、有事法制廃案に全力をあげよう」と提起しました。最後に、「職場から国民総決起の春闘を準備しよう。春闘は、みんなが担うことで前進していく」と結びました。

第27回全厚生女性交流集会

今を活きる 〜 麗しくたくましく
日 時2月22日(土)pm1:30 〜23日(日)正午
会 場横浜市内 鶴見パールホテル
 (JR京浜東北線鶴見駅より徒歩3分)
記念講演「私の仕事と平和憲法」 大原譲子さん

方言指導者、映画・部隊・テレビで活躍、憲法を方言で語る。NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」で大阪弁を指導しています。
神奈川県支部実行委員会が楽しい交流会を企画中。保育室を設けますので、お子さま連れでどうぞ。



リレーずいそう
● 日本の大地から
 何の趣味もない自分にとって農作業は、1つのストレス発散の場であると同時に、物を作る喜びを感じる場でもある。
 農業とまったく縁もなかった自分が、5年程前から農作業に力を入れるようになった。そのきっかけの1つは、日頃の運動不足の解消や健康管理面、もう1つは、義親が動けなくなりその土地を維持管理するためであった。主に柑橘栽培が主体であり、何から何まで初めての自分にとって収穫までには並々ならぬ作業の連続である。ミカンは、特に作業の段取りが多く土日だけの日程ではとても満足な作業ができない。そこで、作業が集中する時は、兄弟の協力を受けみんなで共同作業となる。雑草との闘いである草刈。病害虫の防除策での虫取り・消毒。優れた品種を作る為のせん定・摘果。おいしい味を作る土作りなど、職場のことを忘れ自然の中でただ黙々と作業に取り組む。そうした中、真夏の暑い時期に集中する草刈・消毒には、休憩時間も多くなり弱音を吐く始末で身を持って生産者の苦労を体験した。一連の作業を終えて収穫の時期がやって来て、友達などから「おいしいミカンだ」と言われると今までの苦労が喜びに変わる。
 このようなわずかな体験から田畑の維持管理がいかに大変なことかがわかった。現在の日本の食糧自給率は40%まで低下し、海外に依存せざるをえなくなっている。食糧自給率の引き上げは、その国の生存権にかかわるものであり、侵すことのできない権利だ。ぜひ声を大にして叫ぼう「日本の食料は日本の大地から」
(大分県支部 書記次長 浜川久美)


News
● イラク攻撃はやめよ! ―女性の憲法年連絡会が抗議行動―
 全厚生も結集する女性の憲法年連絡会(婦団連、全労連女性部などで構成)は、1月29日、「アメリカのイラク攻撃・有事法制許さない女性行動」を実施。衆議院議員面会所集会に参加した後、アメリカ大使館に向けてピースウォーク。アメリカ大使館前での抗議行動では、「イラクでは、湾岸戦争時の劣化ウラン弾で、白血病やガンの子ども達が急増している。これ以上、子ども達を犠牲にしないで」と、アメリカのイラク攻撃強行の構えに対し厳しく抗議。全厚生も参加しました。

● イラク攻撃・有事法制反対 ―1.31緊急中央集会に3500人―
 「アメリカはイラク攻撃するな、有事法制反対」をかかげ、1月31、日比谷野外音楽堂で、全労連や国民大運動実行委員会の呼びかけによる緊急中央集会が開催され、3500人が参加。全厚生は、本省・統計・業務セ・感染研・国リハ・神奈川県の各支部と本部、OBから21人が参加しました。集会では、日本共産党の市田書記局長が国会報告をしました。「アメリカはイラク攻撃をやめ、国連憲章を守り、平和的解決を。有事法制は廃案に」と国会請願デモを行いました。


国民総決起春闘の決意みなぎる発言

太陽のような組合の姿みせよう

 中央委員会では、20人の中央委員・傍聴者が発言しました。
 峰中央委員(業務センター支部)は、「民間の状況は厳しい。パートの時給をあげれば、会社がつぶれるという経営者もいる。社会全体が賃金アップで合意できるような運動が必要」。菅沼中央委員
(統計支部)は、「双子号俸、枠外といつも不利益を被ってきた上に退職金カット。悲しいし、憤りさえ感じる、今後、医療費や消費税アップなど不安だらけ」という女性組合員の声を紹介し、「部長交渉で要求を前進させたい」と決意表明。

年金講師団活動で地域に

 小畑中央委員(秋田県支部)は、支部から県国公議長を派遣していることを紹介し、「2・20地域総行動はじめ春闘において、県国公に結集してがんばりたい」。杉崎中央委員(愛知県支部)は、「公務員制度改悪反対闘争と社保闘争を結びつけてたたかう。県労連で年金講師団を作り、医療・年金制度のプロとして旺盛に活動していく。不利益遡及裁判については、みんなの運動として広げていく必要がある。愛知は原告を2名は出したい」。川口中央委員(京都支部)は、「大阪支部の経験に学び、近畿ブロックで協力しあい、京阪神津(京阪神プラス滋賀)にさわやかな組合の風を吹かせたい。国民に明るい太陽のような組合の姿を見せたい」と述べました。
 勝井中央委員(大阪支部)は、「政治を変えないと世の中よくならない。年金講師団活動を今後は大阪の隅々に広げるべく、『年金講師を作る年金講座』を大阪労連で計画し、その講師として活動をすすめる」。西村中央委員(滋賀県支部)「近畿ブロックで協力しあって、春闘すすめたい」。佐藤中央委員(愛知県支部)は、「年金講師団は一部の人任せにするのではなく、支部役員を講師として育てていきたい。3・13統一行動で提起された三角柱行動は大歓迎」。京都支部の山本さん(傍聴)は、「業務担当者別の懇談会を開き、未来に向かった職場のあり方について語り合いたい。社会保険病院廃止問題に取り組もう」と述べました。
 澤村中央委員(岐阜県支部)は、「大阪支部の経験にも学んで、年金講師団活動をがんばりたい。また、青年交流集会は楽しいだけでなく、今後の青年部活動やたたかいにつながっていくような交流会にしたい」。國枝中央委員(愛知県支部)は、「11月22日〜24日に名古屋のKKRで、全厚生青年交流集会を開催する。労働組合が必要という学習もしていきたい」と決意を述べました。

再任用は制度に問題が

 佐藤中央委員(函館支部)は、「再任用希望者がいるが困難。運用の問題ではなく、そもそも制度に欠陥があるからではないか。再任用問題は、公務労働者全体にかかわるので、全厚生本部はじめ国公労連としてもたたかってほしい」。逢坂中央委員(神戸支部)は、「4月からの利用契約制度で、理療教育の地域制が廃止され、入所者数に差が出ないか。さらに国の機関の独法への動きもあり、施設の存続自体が脅かされ心配」と発言しました。
 根津中央委員(業務センター支部)は、昨年12月、横森真二さんの過労自殺を人事院が公務災害と認定したことを紹介し、「支部としても過酷な超過勤務実態を調査し、人事院に申し入れていた。健康で働き続けるために、超勤縮減、業務改善に取り組みたい」。女性部長の北島さん(傍聴)は、「春闘で保育園や学童や地域のつながりが生かせるよう『たそがれ清兵衛』のような働き方が理想」と、サービス残業の根絶を訴えました。また、女性職員の採用・登用拡大で、「厚生労働省は、昨年12月26日に推進会議を開いた。職場単位で計画の推進を追及しよう」。2月22・23日の全厚生女性交流集会は、現地神奈川県支部が実行委員会をつくり、素敵な企画で準備が進んでいることを紹介し、参加を呼びかけました。蒲中央委員(岐阜県支部)は、「支部機関紙『いちい』を創刊。継続発行に頑張りたい」。また、今年6月の国公女性交流集会について「開催地は岐阜県の下呂温泉。成功に向け頑張りたい」
 小松中央委員(愛知県支部)は、愛知県知事選で「国民が主人公の政治めざしてがんばりたい」と決意を表明しました。

正規職員を増やして

 定員や非常勤職員問題では、梅田中央委員(神奈川県支部)が、「社会保険庁は、定員再配分をどのように行っているのか。ある事務所では、年金相談来訪者が300人を越える日もある。国民が等しく年金サービスを受けられるよう追及したい」。福士中央委員(神奈川県)は、「正規職員608人に対し、非常勤職員が318人もいる。当局は、非常勤職員の雇用条件変更を提起してきた。職場討議をすすめたい」。
 亀岡中央委員(感染研)は、「研究職2級枠外問題は深刻。学位も論文もある人が20年近く2級に置かれている。研究職は、任期付き任用が増えている。正規職員が増えるよう、解決していきたい」と表明しました。


03年全厚生旗びらき開催

うたごえにつつまれ

 中央委員会に続いて03年全厚生旗びらきを開催。業務センター新婦人たけのこ班コーラス子組の皆さんが素敵な歌声を披露し、最後は参加者全員で大合唱。決意に満ちた楽しいひとときを過ごしました。


国公統一賃金要求を決定

1万2千円の賃上げを

 国公労連は1月31日、第116回中央委員会を開催し、国公労連2003年統一要求を決定しました。賃金水準の改善では、統一賃金要求として、(1)国公労働者の賃金を平均12,000円(3.2%)引き上げること。(2)パート・アルバイト等を含めた非常勤職員の時間給を1,000円以上に引き上げること。(3)国公職場に働くすべての労働者の最低賃金を月額相当150,000円(時間給1,000円、日額7,500円)以上とすること。さらに、賃金改善にあたっては、初任給を政策的に改善するとともに、職員の各年齢段階に応じた生計費の増、公務員としての経験の蓄積や専門能力の高まりを十分考慮することなどを要求します。
 この賃金要求を掲げ、使用者である政府及び人事院に対し、職場からのたたかいを背景に「誠意ある回答」をねばり強く追及します。民間労働者と一体で、賃下げの悪循環や不当な不利益遡及に対する怒り、公務員賃金の社会的影響力などを明らかにして、賃金改善をめざします。


新執行委員紹介 中央執行委員 神山 正さん
豊富な経験生かしてがんばる“かみちゃん”
 本部中執は今回で3度目の登板です。初登板はスマートだった20代、青年部長として交流集会・平和友好祭などの取組みを成功させ、青年運動を引っ張りました。2度目は30代、書記次長として本部財政を支えました。そして今回、40代も残りわずか、脂がのりすぎたオナカを気にしつつの登板です。これまで本部だけでなく支部や分会役員としても活躍。
 仕事はずっと、社会・援護局で戦後処理関係(戦傷病者援護・中国残留邦人等の支援・慰霊事業)の業務でしたが、一昨年、精神保健福祉・公衆衛生関係の監査業務に異動。以前は慰霊事業等でシベリア・南方方面の海外出張が多かったのですが、今は、都道府県等を監査でとびまわっています。
 入省時から“かみちゃん”の愛称で呼ばれ、仲間の良き相談相手。名前のとおり、筋の通らぬことは大嫌い。平和とお馬さんをこよなく愛す。趣味は他に日本史研究、コイン収集等。卓球の腕前は愛ちゃんクラス。空手も黒帯。マイクを握ると野口五郎に変身。
 昔に比べて多少動きは鈍くなっているとは思いますが、豊富な経験を生かし、活躍してくれるものと確信しています。我々も神山さんの決意に応えられるよう頑張ります。
(本省支部 遠藤豊二)


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