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◆第1543号(2003年1月25日付)◆

雇用 いのち くらし 平和を守ろう

みんなが参加する2003年春闘を

 いよいよ、2003年春闘が本格的にスタートします。小泉「構造改革」は、国民に犠牲を強いて今なお、「構造改革なくして景気回復なし」「改革なくして成長なし」と唱えています。この路線をなんとしてもやめさせ、雇用とくらし、いのちを守るために、共同のたたかいを前進させることが中心課題です。1月20日に開会した通常国会は、暮らしと景気を破壊する2003年度予算案が審議されます。労働法制の改悪もたくらまれています。その上、有事法制は修正案を改めて提出して強行する構えです。アメリカのブッシュ政権がイラク攻撃の準備をすすめる中で、小泉内閣はイージス艦の派遣にみられるようにアメリカに対する軍事面での協力を強めています。これは、極めて危険な動きです。憲法9条をもつ国の責務を果たし、軍事行動を許さない国際世論をつくり、平和を守るたたかいを前進させましょう。

工夫してみんなが1回でも参加できる行動に

 春闘は、労働者・国民が力を合わせ、要求実現をめざす場です。だからこそ、国民・労働者の共同の取り組みとして前進させることが必要です。しかしこの取り組みは、決して生やさしいものではありません。労働者と国民がバラバラにされている状態では、要求は実現できません。全労連・国民春闘共闘は、この点を直視し、国民総決起の春闘を呼びかけています。従来の延長線ではなく、国民共通の要求を大いに語り、たたかうことが大切です。その実現のために職場を基礎にして、地域での行動に積極的に参加します。
 今年の春闘は、組合のすべての仲間が担う「みんな」の春闘になるように奮闘します。組合員の条件に合わせ、参加の幅を広げるための様々な活動を各支部執行委員会が提起します。職場ごと、1人ひとりの条件の違いを考慮し、一律・機械的でない活動を工夫します。宣伝行動、集会やデモ行進への参加、他単組への激励行動、職場の団結を高める行動、ニュースづくり、学習会参加、地域での交流など、春闘の行動に1回でも参加できるように工夫しましょう。

民間と共同しすべての労働者の賃金底上げを

 いま、労働者の賃金を抑制する攻撃が強まっています。財界の総元締めである日本経団連は、昨年末に経営労働政策委員会報告を出し、「もはや賃金の社会的相場形成を意図する『春闘』は終焉した。これからは闘う『春闘』ではなく、討議し検討する『春討』」と述べ、賃金改善どころか賃下げの構えを強く打ち出しています。賃金闘争を形骸化させず、すべての労働者の賃金底上げをはかるたたかいを重視し、民間と公務労働者が共同し、国民春闘として前進させることが大切です。
 公務員制度改革のたたかいは、正念場を迎えます。昨年11月21日にILO理事会は、「日本政府は公務員の労働基本権に対する現行の制約を維持するという言明された意図を再考すべきである」と画期的な勧告を行いました。この勧告を踏まえ、民主的な公務員制度の確立をめざし、新たな決意をもってたたかいます。

2月20日の国民総行動を成功させよう

 春闘は、力を集中して取り組むことで、効果を発揮します。2月20日は、全労連が提起している国民総行動です。 この行動の成功をめざし、全支部が県国公に結集して全力で取り組みます。3月4日の霞ヶ関中央行動に上京団行動で結集します。全労連・国民春闘共闘は、回答指定日を3月12日に設定。翌日の13日に全国統一行動を配置しています。この日は、公務員賃金闘争の山場の取り組みにも位置づけ、国公労連の方針にそって、「早朝・時間外職場集会」で結集します。
 さらに、今年は、4年に1度の一斉地方選挙が行われます。政治の行方は、私たちの暮らしや働き方に直結します。全厚生は、国民の切実な願いや要求が届く政治の実現をめざしましょう。

第27回全厚生女性交流集会

今を活きる 〜 麗しくたくましく
日 時2月22日(土)pm1:30 〜23日(日)正午
会 場横浜市内 鶴見パールホテル
 (JR京浜東北線鶴見駅より徒歩3分)
記念講演「私の仕事と平和憲法」 大原譲子さん

方言指導者、映画・部隊・テレビで活躍、憲法を方言で語る。NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」で大阪弁を指導しています。
神奈川県支部実行委員会が楽しい交流会を企画中。保育室を設けますので、お子さま連れでどうぞ。



リレーずいそう
● ミステリーツアーとは
 どこに行くのかわからないという日帰りの「ミステリーツアー」が前から気になっていたので、年初めに体験してきました。バスに乗ったら、行き先を教えてくれるのかと思っていると、現地に着くまで秘密ということ。そしてバスは茨城水戸方面へ・・何もなさそうな所で「さぁ着きましたよ。花と木センターで〜す」「え〜花と木?」と車内にどよめきが・・。バスを降りると名前のとおりそこには花と木が売っていました。確かに安い!だけどねーというかんじで、蘭をバックに写真を撮り終了。2箇所めは、どこへ・・と不安と期待を胸にバスに乗っていると・・「次はお菓子博物館・お菓子の城で〜す」とガイドさんの声が・・・昔や世界のお菓子を見て試食コーナーでは、子供と一緒に食べまくりました。後で考えると、ここが1番良かったかもしれません。3箇所めは昼食ということで水戸ドライブインで「釜飯」を食べました。そこには「ミステリーツアー」に参加しているバス8台分の席が用意されていて、あまりの多さにびっくりしちゃいました。4箇所めは「那珂湊の魚センター」へ行き最後は「益子焼きのつかもと」に行って終了。終わってみると「買い物ツアー?」でした。子供たちは、車中で60代ぐらいの女性たちと仲良くなり歌を歌ったり、お菓子の交換をして楽しかったみたいで、「また行きたぁい」と言っていました。私はどきどきするのも楽しいけど、やっぱり目的があって行動した方が正解かなぁと思った年の初めでした。次は「宇都宮餃子食べ放題ツアー」にしようかなぁ〜?
(統計支部 川田和美)


News
● イラク攻撃はやめよ! ―国会請願デモと米国大使館抗議―
 1月17日、「アメリカはイラク攻撃するな、有事法制反対 1・17緊急中央行動」が行われ700人が参加。昼休み国会請願デモに統計支部と本部から9人が参加しました。この日はイラク攻撃に固執するブッシュ米大統領に抗議しアメリカ大使館近くを通りデモ。デモ後、アメリカ大使館へ抗議行動を行いました。

● 賃金職員の雇用継承を ―全医労が厚生労働省前で座り込み―
 全医労は、1月21・22日に、賃金職員の雇用継承を求めて厚生労働省前で座り込みを行い、全厚生も両日参加。国立病院・療養所には、9000人の賃金職員が働いていますが、昨年12月に成立した「独立行政法人国立病院機構法」には賃金職員の雇用継承は盛り込まれていません。全国から100人あまりが参加し、厚生労働省の責任を追及しました。


03年春闘「私の要求アンケート」全厚生分の結果

生活改善要求は切実

  昨年秋に取り組んだ「生活と労働の実態に関わる要求アンケート」は、18支部・分会1624名分を集約しました。(約46.4%)全厚生は、アンケートは誰でも参加できるとともに、1人ひとりの切実な要求を運動に反映させるため、全員参加を重視して取り組んできました。集約状況は十分ではありませんが、暮らし、賃金要求、残業実態など、職場の現状を知ることができます。このアンケート集約結果をもとに職場で大いに要求議論しましょう。
 全体の構成は男性約7割女性約3割、収入構造はグラフ1のとおり。
 暮らし向きについては(グラフ2)、「かなり苦しい」「やや苦しい」をあわせて62%となっており昨年とほぼ同じです。仕事の状況については「きつい」(「非常にきつい」16%、「きつい」48%)が64%となっており業務量増による過密労働の影響があるものと思われます。

賃上げ要求はより切実に

 重視すべき労働条件課題については(グラフ3)、最も多いのは「賃金の引き上げ」で「定員削減反対・要員の確保」と続いています。「賃金の引き上げ」は、四年連続の賃金引き下げになっている状況において、賃上げの切実度が増していることがうかがえます。賃金改善に向けたたたかい方については、「人事院との交渉強化」45%、「政府・当局の使用者責任の追及」33%、「公務員の賃金についての国民的理解を求める大量宣伝行動」が28%と重視する割合が高く、「人事院重視」で実質的賃金を勝ち取ろうとする現実的な姿勢が強くなっていることを示しています。
 賃上げ要求では(グラフ4)、昨年までは「3万円」に最も高い山がありましたが、今年は1万円の要求が最も多く、賃上げ要求は低額傾向にあります。主たる原因は、景気の冷え込みなどによる民間春闘の低迷、史上初のマイナス勧告の体験などによって、賃上げをめぐる環境が悪化しているという認識が組合員の中に広がってきていることにあると思われます。しかし、それだけに要求は切実度が増しているとみるべきです。

人事院制度への不信感強く

 賃金決定方法についてはグラフ5のとおりで、現在の人事院制度がマイナス勧告や「不利益遡及」を強行するなど労働基本権の代償機能として形骸化が一段と強まっていることに対する不信感が強く表れています。
 賃金体系を決定する要素については、グラフ6のとおりで、職務評価が適正に行われていないことへの不満が強いことを示しています。また、生活実態に即した賃上げ要求の強さがあらわれています。
 超過勤務の実態では、直近1ヶ月で30時間未満に集中していますが、これは、本省・業務センターの実態が反映されていないことも要因の1つです。また、依然として不払い残業については31%にものぼっています。
 こうしたアンケート結果から、全体的に生活が苦しく、超過密労働で仕事もきつくなり、不払いまである残業に追われている職場実態が浮かび上がってきます。
 賃金決定の要素の問からは、経験や職務が正しく評価されていない実態が明らかになっており、成績主義、評価制度を基本にした「公務員制度改革」は、到底受け入れられないことを示しています。
 賃金要求では、賃上げ要求の切実度がより増していることがあらわれています。「意見欄」にも「03春闘でマイナス勧告を取り戻す運動を」「1970年代の闘争を」「公務員も甘い時代は終わったという認識が必要だと思う」「景気がよくなってから要求すべき」などの意見が寄せられています。

すべての労働者と共同して

 2003年春闘で全労連は、すべての労働者の賃金底上げの課題を重視して取り組みます。私たちは、生活の中から出てきた要求をしっかりと掲げ、「公務労働者」のみにとらわれることなく、すべての労働者・国民の生活改善をめざしてたたかううことが重要です。
 私たちの要求を「わがままな要求」ではなく「当然の要求」とし確信を持って、1人でも多くの対話と共同を広げ、2003年春闘を大いにたたかいましょう。  


【京都】 支部定期大会を開催

労働組合の出番

 京都支部は、1月10日に第30回定期大会を開催しました。
 執行部からの方針提案ののち討論に入り、12人の発言がありました。人数としては少ないものの幅広い層からの意見が述べられ大変意義深いものとなりました。
 課題が山積している今、人間関係の大切さや、その媒体としての労働組合の大切さが訴えられ「今こそ労働組合の出番」であることが改めて確認され、執行部はじめ原点に立ち返って運動を進める決意です。
 新役員は以下のとおりです。

支部長山本 潔
副支部長北久保和夫
 同足立 仁孝
 同中本 邦彦
書記長川口 博之
書記次長亀山 泰之
 同波多野智明
(中執 尾崎直人)



【東海ブロック】 第6回定期総会を開催

組合は基本的人権の砦

 全厚生東海ブロック連絡協議会は1月7日、愛知社会保険事務局・2F会議室において第6回定期総会を開催。30人が参加しました。澤村議長のあいさつのあと、増田東海ブロック国公議長があいさつ、杉浦全厚生本部書記長が激励、西村全厚生近畿ブロック副議長が連帯のあいさつをしました。総会は、議案の採択および新役員の承認を全会一致で確認し、第1部の定期総会を終了しました。
 第2部では、関西演芸作家協会会員で笑工房代表の小林康二氏を招き、「21世紀こそ労働組合だ」と題した記念講演を行いました。講演では「失業者の終着駅であるホームレス問題にかかわり続けたい」熱い思いを語り、以前、小泉首相「ホームレスでも新聞が読める」との発言に対し、「新聞が読め、内容を理解できる人までがホームレスにならざるを得ない世の中にした本人の自覚がまったくない」と痛烈に批判。「労働組合は基本的人権の砦であり、人間らしく扱われるために絶対に無くてはならない」「組合員が力を発揮する組合運営とは」などの課題を丁寧に・愉快に話し、参加者は時間の経つのも忘れ、聞き入ってしまうほど充実した内容で、今後の運動に大きな勇気を与えられました。
(愛知県支部書記長 佐藤義松)


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