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◆第1539号(2002年11月25日付)◆

社会保険庁長官と交渉

政管健保は公的組織で

 全厚生は11月14日、社会保険庁と交渉をしました。交渉は杉下委員長以下本部役員及び、各県支部代表が出席し、社会保険庁は、堤長官、伍藤次長、薄井総務課長らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長は、「政管健保の問題」について、労働条件に関わる問題であり、職員に対する説明責任を果たすこと。「都道府県を軸とした保険運営」については、国の責任を放棄することなく、国の事業として国の責任で実施することを強く要求。公務員制度改革については、社会保険職場にはなじまないこと、労働基本権保障は避けられない課題であること。全厚生との十分な交渉、協議を行う必要があることを強く要求し、長官に見解を求めました。 これに対して堤長官は、政管健保については、国民皆保険における被用者保険の「最後の受け皿」として社会保険制度の効率性や、制度的な整合性を図り、公的組織が運営していくことが適当であることを様々な機会をとらえ主張していきたい。労働条件や職員の処遇にも関わる問題と認識しており、情報提供を行うなど、適切に対応していきたい。公務員制度改革については、制度の根幹にかかわる問題、社会保険の仕事の仕方自体にかかわる大変大きな問題であり、関心を持って注視していくと回答しました。
 続いて、杉下委員長は次長に対して、「都道府県単位を軸とした保険運営」についての問題点を指摘、公務員制度改革については、評価制度のもつ問題点を指摘し、社会保険職場は、競争主義、個別管理等がなじまないことを追及し、次長に見解を求めました。
 これに対して伍藤次長は、政管健保については厚年と一体的な運営をしており、切り離すことは効率性を悪化させる。国の責任で公的組織が運営していくことが適当であることを様々な機会をとらえ主張していきたい。
 公務員制度改革については、制度の根幹、勤務条件の基本に関わる問題であり、特に評価制度については組合の意見を充分聞き、関係機関に働きかけていきたい、と回答。
 この後、総務課長から平成15年度の概算要求について説明を受け、飯塚副委員長の進行で、国民年金行政運営についての考え方と、課題別要求に対する見解を総務課長に求めました。
 国民年金行政運営について総務課長は、国が運営することになって収納率が下がるのでは国民の理解は得られない。社会保険の組織をあげて体制作りに努力していきたい。昇任昇格については、枠外解消に向けて、定数確保に引き続きの努力と、8級昇格について女性差別の考えはないこと。超勤問題については、事務の簡素化等に努力し、職員が退庁しやすい環境づくりに努めること。定員問題については、厳しい状況だが定員増に努力することを表明。業務問題では、社会保険庁の通知、通達の遅延について追及。職員課長は、できるだけ早く連絡するようにしたいと見解を示しました。

各支部が切実な要求で訴え

 各支部からは、大阪支部は組合組織の違いによる恣意的人事の改善を要求。岐阜県支部は国民年金事務に関わって職場実態を示し、国民年金行政に対する施策を十分検討するように要望。秋田県支部は双子号俸の早急な解消を。愛知県支部は、いわゆる天下り所長の解消と職場の超勤実体を明らかにし、対策を要求。女性部は、女性の登用計画の策定と、登用拡大を要望。神奈川県支部は退職者、病休者がでている職場実態を示し、都市部対策を要求。業務センター支部は超勤について、先を見据えた方策が必要であり努力をと、それぞれ要求しました。
 最後に杉下委員長は、各職場の発言は重要であり、しっかり受け止めてほしい。職員が誇りを持って働ける職場環境を作ることは幹部の責任、誠実に努力を。交渉以外に状況に応じて懇談等の努力を。退職金は、重要な労働条件であり一方的な切り下げは認められない。私たちの要求を正面から受け止め努力してほしいと要求し、交渉を締めくくりました。


リレーずいそう
● 私の夢
 ここ1カ月ほど、頭のすみで悩んでいたことがあり、前の日曜日にそれが、解消した。好きな漢字1文字を決めかねていたのだ。
 私は高校2年から箏曲を始め、子育て中「10年やめます宣言」をし、復活して10数年が過ぎようとしている。念願であった柾目のお箏を手にすることになり、お箏屋さんのすすめでお箏の「舌」(弾き手の右横)の部分に絵か、家紋か文字を入れたらということになり悩んでいた。たわいもないことと思われるかもしれないが、私にとっては、一生付き合うことになる楽器なので、気合が入った訳で・・・。日曜日の朝、新聞を見ながらひらめいた。私の夢だったものだからと思い素直に「夢」と。いくつかの案を却下してきた主人も「うん、いいね」という訳でめでたく決定。
 今年中に出来上がってくるかは定かではないが、いい音色を出せるようになるには5、6年かかるそうである。不器用な私では10年ぐらいを覚悟している。月1回、清水から横浜までお稽古に通っているが、不勉強をひしひしと感じながら、3力月から6カ月かかって1曲をあげ、そのたびに次の曲をもらえるのだろうか、もらえるだろうかとヒヤヒヤものである。なら、一生懸命お稽古すればいいわけで、これを機会に心を新たに練習に励もうと思う。
 有志で結成している「グループ糸遊」のメンバーでいつか、ミニコンサートができたらと夢はふくらむ。
(静岡県支部 三浦美保子)


News
● 特殊法人改革やめよ ―11.12議面集会と議員要請―
 医薬品医療機器総合機構法案など46本の特殊法人改革関連法案の審議が、特殊法人等改革に関する特別委員会で11日から開始されたのに対し、国公労連は12日、緊急の衆院議員面会所集会と議員要請行動を行い、全厚生も参加しました。(写真上)議面集会では、業務の検討を脇に置いて、数合わせで行われている特殊法人等改革に、独立行政法人や国の機関が巻き込まれ、身分の剥奪や減量化をいっそう進めたり各機関の役割をゆがめかねないことや、46本もの法案を一括でわずか1週間で審議を終了させようとする政府与党に強い怒りの声が寄せられ、国会段階の取り組みを進めていくことを確認。全厚生からは、杉浦書記長が決意表明し、「医薬品医療機器総合機構法案では、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構と国立医薬品食品衛生研究所医療機器審査センター等とを統合するが、スモン被害救済で誕生した医薬品副作用被害救済という名称が消え、役割の軽視にならないか。医薬品等の審査、品質、安全性の向上をめざすために、統合・合理化ではなく中身を充実させることが求められている」と指摘しました。特殊法人改革関連法案は、19日の衆議院本会議で可決され、参議院に送られました。

● 水曜日はノー残業デー ―本省・統計支部が朝ビラで呼び掛け―
 全省庁一斉定時退庁日の11月20日、厚生労働本省共闘(全厚生本省・統計支部、全労働本省支部)が、厚生労働省入り口で、定時退庁を呼びかけるビラを配布、15人が参加しました。(写真上)午後6時からは、定時退庁鐘らし行動も行い、「家族揃って夕食を」と定時退庁を呼びかけました。


全国支部書記長会議開く

喜びや苦労を交流し力に

 11月8・9日に開催した書記長会議は支部活動での喜びや悩み、苦労などを率直に語り合い、書記長の役割や活動の工夫について互いに交流を深め合うことが重要な柱でした。
 支部活動交流の討論ではまず4部門から書記長が一人づつそれぞれの支部の状況や活動する中での思いを報告。岐阜県の蒲さんは100%組織率維持の悩みにふれ、2年間の書記長経験の中から組合民主主義の徹底が本当に必要だと認識。「みんなに知ってもらう、気づいてもらう、考えてもらう、話し合ってもらう、一緒に行動するを今年の目標にしたい」と述べました。福岡視力の中山さんは「懇親会などで要求をだしてもらい活動してきた。組合運動が楽しいと思ってきた頃、支部長が退職。活動が停滞してしまった。支部長におんぶにだっこだったことに気づき、自分が動かないとだめだと自覚した」。国立衛研の大西さんは「就職したら、労働組合に加入するものと思っていた。加入して気づくと職場での加入率が低いことがわかった。研究職員には学生時代から実力主義が徹底されているので組合の考え方との齟齬を感じているのではないか」と問題提起。業務センターの佐藤さんは「昨年書記長になった時は賃金職員の雇止め問題もあって、とにかく一生懸命だった。何よりがんばろうという気持ちで一杯だった。しかし3月に一定の解決をみて、活動に関わらなくなってから、自分は何をしたらよいか迷うようになった」と率直に悩みを発言。書記長として活動の仕方、後継者の育て方、勉強の仕方などを学びたいと述べました。4人の発言を受けた討論では、「活動するのが大変。執行委員会で励ましてもらっている(統計・梅澤)」、「スケジュールをこなすだけで精一杯だった昨年は自分もつらかった(京都・川口)」など限られた時間の中でしたがいくつかの発言がありました。出席者からの感想文では「みんなの悩みは自分自身の悩みだった」「悩んでいるのは自分だけでない。自分一人で考えず、みんなと一緒にすすめていくことが大事」「同じように悩み努力している仲間がいることを知った」「悩みは多いが、展望を示していくことが書記長として大切」など率直な感想が寄せられました。また「研究機関からの参加者が少なくてさびしかった」「討論時間がもっとほしい」「本音を言える貴重な機会」などの感想も聞かれ、次回の書記長会議のあり方に向けた課題となりました。


つくろう民主的公務員制度

許すな!退職手当・定員削減

 国公労連秋年闘争のヤマ場の行動として国公労連第3次中央行動が11月21日、行われ、全厚生も積極的に上京団に取り組み、4部門から60人の仲間が全国各地から参加。国公労連全体では1600人が結集して、「民主的公務員制度の確立」「退職手当引き下げ反対」などの課題を掲げて、霞が関で終日奮闘しました。  

11.21国公労連秋年闘争 第3次中央行動フォトルポ

参加者の声

不安で・・・ 直接訴えようと参加 岐阜県支部組合員
 私は社会保険事務所で働き始めて3年目ですが、いきなり史上初の公務員賃下げ・退職手当の切り下げ等、この先どうなっていくのか不安でしかたありません。民間企業にならって給料を下げたところで、より多くの所得が減り必然的に消費も減り、景気が上向きになるとはとても思えません。下がらないという保障はありません。そうならないよう、今、直接的に訴えようと中央行動に参加しました。

退職金へらすな 大阪支部組合員
 ILO結社の自由委員会の勧告に基づき。民主的公務員制度の改革をすべきです。何で高級官僚の多い退職金をダシにわれわれの退職金をへらさなあかんねや!

小泉内閣は責任を取れ 本省支部組合員
 マイナス勧告・退職手当切り下げ・公務員制度改革は、ルール違反・条約違反。 有事法制・経済政策は米国の言いなり、こんな政府・小泉内閣はいらない!世の中悪くした責任を取れ!無策の責任を取れ!

公務員制度改悪反対にあつく燃えて 愛媛県支部組合員
 昨年の夏に引き続き、今年も要求実現のため国公労連の集会に参加しました。我々の労働条件の退職手当切り下げ、定員削減など我々公務員労働者の意見を無視する政府の一方的な改革は許されるものではないことを、集会に参加し、再認識しました。11月の後半でありながら、会場は熱気に包まれ、中には半袖のTシャツで決意表明をする者も現れるほど燃えていた集会に参加し、更に頑張っていく決意を固めました。



新執行委員紹介

けったいな優しいやつ 中央執行委員 北川 健二さん

 北川君のことを大阪弁で表現すると「けったいな(変わった)奴」といったところでしょうか。時間にルーズ、人の話を聞いてないといったちょっとダメ人間的な面を持つ反面、心の中にすごく優しい面も持ち合わせています。
 北川君のことを語る上で忘れられない話があります。それはもう4、5年以上前のことになりますが、北川君はバイクで家に帰る途中、車にひかれ道路の端にうずくまる1匹の仔猫を見つけました。普通なら怖いからほっておくか、見て見ぬふりをすると思うのですが、北川君を仔猫の生死を確認するためにわざわざバイクを降り、仔猫が生きていることがわかると、すぐにバイクに乗せ病院まで連れて行きました。もちろん何万円という治療費は全て自腹、退院後もその猫を引き取って最後まで面倒みていました。
 こういった面は組合活動を通じても感じられ、活動に取り組む北川君は、とても根気強く誰に対しても分け隔てなく接していますし、弱者を切り捨てようとする今の政治に対してもすごく怒りを持っています。 
 今回中央執行委員に選出されたということで、短所があらためられ、長所がより一層ひき伸ばされるように心から願っています。
(大阪支部  倉橋忠司)


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