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◆第1538号(2002年11月15日付)◆

昇格改善求め人事院と交渉

職務を正当に評価せよ

 全厚生は10月28日、昇格改善を求めて人事院と交渉しました。交渉には杉下委員長をはじめ、飯塚、鈴木、藤巻副委員長ら本部役員8名が参加。本省庁、研究機関、社会福祉施設、社会保険4部門の昇格改善の重点要求について人事院の誠意ある回答を求めました。人事院からは勤務条件局・給与2課の山田補佐が対応しました。

研究所独自の評価基準優先

 冒頭、杉下委員長から「昇格改善に関する要求書」を手渡し要求趣旨を説明。その上で「人事院は政府の総人件費抑制の一端を担うべきでない」と人事院の政府寄りの姿勢を指摘し、職員の働きがいに応えるために「現実にある頭打ち解消のために、標準職務表などの抜本的改正に手をつけるべき」と強調。具体的なやりとりに入りました。
 本省庁の課題では、職場の現状から係長7級の本定数での運用はは基本要求としてゆずれないと主張。これに対し人事院は「他省庁からも強い要望がある。しかし職階制の根幹に関わることであり、今のところ予定はない」と回答。標準職務表の改定は給与制度が大きく変わるときとの考え方を示しました。男女格差の是正では人事院の格差是正の努力を求めたのに対し、「第一義的には各省の努力」と回答しました。全厚生は「拡大計画の策定が進んでいないところもある」と指摘するとともに、各省庁の状況把握をし、人事院の指導性発揮が必要と追及しました。
 試験研究機関では、研究職の3級昇格について技術・検定・検査・教育・指導等が必要不可欠な業務であり、職場での貢献を適正に評価した昇格改善を強く要求しました。また、論文だけでない評価の物差しづくりについても強く要求。これに対し、人事院は「昇格では研究所独自の評価基準を第一義的に優先すべきと考えている」と回答しました。

介護員長の3級格付け要求

 社会福祉施設では、福祉職俸給表の4・5級枠の拡大、また介護員長の3級格付け、医療職(二)や行政職(二)など少人数職種の昇格改善を強く要求。人事院は福祉職5級は「課長相当職であり、組織上、定数の拡大が困難」との従来回答。介護員長の3級格付けは「スタート時点と比し、職務の幅がどう変わったかが鍵」であり、しばらく変更予定はないと回答。医(二)や行(二)など少人数職種については、少数職種の苦労に理解を示しつつも、職務給のもとでの通常の昇格基準では限界があることから、個別に評価して対応したいと回答しました。
 社会保険では業務をめぐる厳しい状況にふれ、苦情処理など現場の責任者が7級職員であることを指摘。さらに国公全体の7級枠外者のうち社会保険関係で700人・13%を占めている点を強調。7級枠外の解消を強く求めました。人事院は実態を受け止めつつ、「7級枠外の視点からではなく、職務給の立場から俸給体系見直しも含めた問題意識を持っている」と回答しました。
 最後に杉下委員長から「交渉に応じてもらえばいいと言うものではない」と主張。職場にいくつもある要求の中から、とりわけ緊急かつ重要なものを課題としていることから「要求を真正面から受けとめ、改善する立場に立ってもらう必要があり、その姿勢を見せてもらいたい」と強調。人事院の努力を重ねて要求し、交渉を終了しました。


02年勧告に基づく給与法が成立

職務を正当に評価せよ

 11月15日参議院の本会議において、本俸(基本給)に切り込む史上初の「賃下げ勧告」、一時金「0.05月削減」などを内容とする2002年勧告に基づく給与法「改正」法が、共産党、社民党を除く政党の賛成で可決・成立。4年連続の年収引き下げに加えて、4月に遡っての実質的な不利益遡及が実施されます。国会では、衆・参併せて5時間余りの短時間審議で採決を強行。国家公務員賃金の社会的な影響や、公務員の労働基本権制約の「代償措置」としての人事院勧告制度の問題点を明らかにする必要があったにもかかわらず、わずかな審議で採決が強行されたことは、重大な問題です。
 全厚生は国公労連に結集し、国会議員・政党に対する要請行動を展開するなど、さまざまな取り組みを行ってきました。法案の成立に対し全厚生は、全支部・分会から抗議打電行動を行います。


リレーずいそう
● ストレス?
 私たちが普段よく使う「ストレス」という言葉の本当の意味を知っていますか?先日、子供の教育における「ストレス」についての講演会に参加した姉から聞いた話です。
 私たちが当たり前のように使っている「ストレス」という言葉は、イライラや不愉快に感じたときに使います。例えば、仕事が思い通りに行かないときや失礼なことを言われたとき、考えても考えても分からないときなどがあると思います。
 実は、「ストレス」という言葉には、イライラを感じた時にそれを回避しようとする感情が芽生え、その気持ちを意味しているそうです。イライラする気持ちが「ストレス」なのではなく、それを回避しようとする感情を「ストレス」というそうです。
 最近、身の回りでも世間でもあまりいい話を耳にしていないような気がしています。
 私の中で、心地よく感じているのが、高速道路から見える景色の移り変わりです。大分の自然から四季を感じることでイライラを感じないようにしています。(それがストレス?)
(別府支部支部長 後藤真由美)


News
● 女性の採用・登用の拡大を ―人事院前昼休み要求行動―
 国公労連女性協は10月23日、昇任・昇格や各府省の「女性の採用・登用拡大計画」への実効性を求める指導強化、転勤・単身赴任・超過勤務等についての課題で、人事院と交渉をもち、昼休みに人事院前要求行動を実施しました。(写真上)全厚生からは、統計支部を中心に、15人が参加しました。女性も深夜に及ぶ恒常的な残業に巻き込まれている実態があり、男女格差の是正とともに、男女ともに家族的責任が果たせるような働き方ができるよう、労働条件の整備を要求しました。

● 有事法制、イラク攻撃反対 ―全労連女性部が議員要請行動―
 全労連女性部は、11月13日、有事三法案の廃案とアメリカのイラク攻撃反対表明を求め、議員要請行動を行いました。全厚生からも、北島女性部長、木立女性部事務局長はじめ3人が参加し、衆議院有事法制特別委員会の理事を訪ね、要請しました。 野党4党(民主党、共産党、社民党、自由党)は12日、国対委員長会談を開き、「与党配布の有事三法案『法案修正について』の文書は、非公式なもので、有事三法案の国会審議は進めない」との対応をとることで一致していました。13日の要請行動では、「野党で結束して廃案に」(共産党)、「一貫して反対している」(民主党)などの対応があり、国民の世論を高め、国会内外のたたかいで、なんとしても廃案にしようとの決意を固めた行動となりました。

● 児童扶養手当削減はやめよ ―参議院議員面会所集会で決意―
 母子家庭の「命綱」となっている児童扶養手当の削減を柱とする母子寡婦福祉法等改悪法案が、11月12日、衆議院本会議で強行採択されました。子が18歳になる年の年度末まで支給されている現行の児童扶養手当を、受給開始から5年以降(3歳未満の場合は3歳になった翌月から5年以降)は、最大半分に減額するというもの。これに先立ち今年8月からは、支給削減が実施され、満額支給(月額 42,370円、母と子1人)の所得制限を208万8千円を130万に引き下げる改悪で受給者の約半数の33万人が減額されたばかりです。13日昼休みに参議院議員面会所集会があり、参議院で廃案への声があがりました。


研究機関支部代表者会議を開催

研究機関 組織再編などで意思統一

 全厚生は11月6日、研究機関支部代表者会議を全厚生書記局会議室で開催しました。 この会議は、(1)研究機関の組織再編、労働条件にかかわる課題を軸に、各支部の取り組みを交流し、当面、大臣官房人事課長及び厚生科学課長交渉にむけた要求・課題を整理する、(2)研究機関各支部の相互交流・連携を強めて、たたかいの前進や組織の強化・拡大をめざす、(3)昨年再開した交流集会を総括し、今期の交流集会の開催準備をすすめるとともに、恒常的な政策論議の場をつくる、(4)重要な局面を迎える公務員制度改革とのたたかい、退職手当改悪反対のたたかいについて、取り組みの意思統一を行うことを目的に開催しました。
 国立医薬品食品衛生研究所大阪支所職員の雇用保障の課題では、大阪支所廃止後の働く場を確保することは、使用者としての責任であり、その立場から取り組みを強めることを確認。特に異動については、本人の意向を最大限に尊重するとともに、本人の意向を無視した無理な異動を強要しないよう強く要求して取り組むことを意思統一しました。また、2004年度の早い時期に設立予定の独立行政法人医薬基盤技術研究所(仮称)にかかわる課題では、国衛研支部、感染研支部の相互の連携をとりながら、本部が軸となり対策を強化することを確認しました。
 独立行政法人・栄研支部の取り組みについては、賃金切り下げに反対し、実質的に不利益の遡及実施は労働契約に違反するものであり、労使自治の立場で国公労連に結集してたたかうことを確認。研究機関交流集会については、昨年の8年ぶりの集会開催を積極的に評価し、今年度は事前の準備を丁寧に行い開催することや、この取り組みを通じて恒常的な政策論議・討論の場づくりに努めることを決めました。
 当面、研究機関の重点要求をとりまとめ、秋の厚生科学課長交渉を早急に準備することを意思統一しました。
 会議には、感染研支部、国衛研支部、科学院支部、ハ病研支部、人口研支部が出席。本部から杉下委員長、山本副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、國枝中執、佐藤中執が出席しました。


全国支部書記長会議で深める

支部書記長の役割とは

 全厚生は11月8・9日、全国支部書記長会議を開催し、支部書記長と本部役員など33人が参加しました。
 会議では、元全労連副議長の鈴木彰さんが「21世紀、頼りになる労働組合運動をどうつくるか〜情勢の特徴と労働組合の展望・課題」、農民連副会長の真嶋良孝さんが「日本の食料・農業の現状と21世紀の食」と題して講義し、杉下委員長が、「書記長とは?その役割」について問題提起。「支部活動の涙と笑い、喜びと苦悩」と題して、業務センター、国衛研、福岡視力、岐阜県の各支部書記長からの報告をもとに、支部活動での喜びや悩み、苦労など率直に語り合い、書記長の役割や活動の工夫などについて、深めあい、交流しました。(詳細は次号)


愛媛県 青年部学習会を開催

日本国憲法と気功法

 10月5・6日愛媛県支部青年部主催の新入組合員教室を開催しました。学習会は、元全厚生副委員長の加藤重徳さんを講師に、約50人の組合員が受講。私たちをめぐる情勢、労働組合全般について学習しました。その中でも、私が特に感心を持ったのが、平和問題についてです。 加藤さんは、日本国憲法を基に詳しく説明しました。昨年のテロの影響で、日本にも、平和危機という文字が、幾度も新聞の紙面に掲載されましたが、報復を求める声、報復反対を求める声、さまざまな議論がとびかっていました。日本でも、いつ、どんなテロがあってもおかしくない世の中になってきています。正直言って、日本国憲法にあまり興味がなかった私ですが、今回の加藤さんの講演で、憲法と平和の危機、第9条の大切さについて、改めて感心を持ち、理解を深められたような気がします。平和が脅かされている現状をもっと深刻にとらえ、考えなくてはならないこの問題、積極的に活動できるよう、努力していこうと思います。
 もうひとつの講義「気功法」は、講師にあわせ実際に自分達で体操と呼吸法など行いました。夜は懇親会で交流を深め、翌日はソフトバレーで白熱した試合を繰り広げました。
(愛媛県支部青年部長 佐古正夫)



滋賀県 県国公に加盟

支部定期大会で決定

 〔滋賀県支部発〕 10月19日、第5回滋賀県支部定期大会を開催しました。午前中には、滋賀県支部で恒例となった、定期大会前の学習会を開催しました。学習会では、地域とのつながりということで県国公議長を講師に、県国公の活動などを学び、大会において、県国公への正式加盟を決定しました。
 新役員は次のとおりです。

支部長西村伊知郎
副支部長中澤 明広
 同竹本 篤志
書記長木瀬 知彦
書記次長饗庭  隆



神奈川県 第9回定期大会を開催

国民本位の行政に

 〔神奈川県支部発〕 神奈川県支部は10月22日、第9回定期大会を開催し、71人の代議員が参加しました。
 平丸支部長は、「業務多忙などで、職場全体がぎすぎすしている。退職者続出の原因を明らかにし、仲間にSOSを出せるような職場作りをしていきたい」とあいさつしました。2001年度各種経過報告、選挙管理委員会などの委員会報告、2002年度運動方針案と予算案の提案に対し、様々な意見が出て、有意義な討論になりました。
 年金相談の繁忙対策について、相談コーナーの拡充や相談員の処遇改善などの要求が出され、国民年金新事務体制では、「各事務所の国年業務課では、退職者や病休者が相次いでいる」「集合徴収を夜間に行っているところもあるようだが、健康管理超過勤務手当の問題解決を」「収納率にこだわることなく、国民本位の社会保障制度を追求すべき」などの発言や、また、神奈川の定員見直し闘争について「人口や業務量増に応じ、定員是正実現を引き続き社会保険庁に迫るべきだ」などの意見がありました。
 大会では、これらの発言を真摯に受け止め、採択された運動方針と貴重な組合費による予算に基づいて支部運動を取り組む決意を固め合いました。
 新役員は次のとおりです。

支部長平丸 寿博
副支部長梅田 忠明
 同下田 雅之
 同籠尾  信
 同金子 菊枝
書記長福士 広志
書記次長澤田 泰介



静岡県 支部の年金学習会を開催

政管健保のあり方は

 静岡県支部は、11月9日に静岡市で年金学習会を開催しました。この学習会は、これまで毎年、年金の実務、将来構想について社会保険業務センターと社保現場の意見交換を含めた学習会を実施してきましたが、今年は、「政府管掌健康保険を各県毎とする坂口厚労相の私案」が注目されている中で、飯塚全厚生副委員長から全厚生の考え方を説明してもらいました。
 また、社会保険と電子政府構想について峰社会保険業務センター支部長から説明があり、来年10月に予定される届書のIT化について理解を深めました。
(支部長 飯塚豊)


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