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◆第1537号(2002年11月5日付)◆

全厚生女性部第7回総会ひらく

ねばり強く  一歩でも前へ

 全厚生女性部は10月26日、第7回総会を国公労連会議室で開催しました。総会には、代議員20人をはじめ、傍聴者、来賓、女性部役員など38人が参加しました。
 総会で清水部長は、厚生労働省が昨年11月に示した「女性職員の採用・登用拡大計画」にそって女性の労働条件改善のために取り組み、対応当局や人事課、社会保険庁との懇談などを重ねることで、私たちの要求を一歩でも前へとねばり強くたたかってきたことを報告し、「今年度も全国の職場の要求を女性部として集約し、より運動を拡げていきましょう」とあいさつしました。
 全厚生本部からは杉下委員長が、国公女性協からは石川常任委員が激励のあいさつをしました。
 活動報告と方針提案について、北島事務局長は、この一年間は、育児休業・介護休暇の制度改善、「女性の採用・登用拡大計画」の推進、有事3法案の成立阻止を中心により多くの問題に積極的に取り組んできたことを報告。今年度の活動は、(1)男女格差是正に向けて拡大計画に明記された推進会議を早期に開催させ現状把握と具体案を提示させること(2)人間らしく生き働くルールの確立のため、超勤規制や母性保護、育休・介休制度の充実(3)有事法制を完全に廃案に追い込むこと(4)公務員制度改革には、真の国民の立場に立った厚生労働行政を積極的に提案していくこと(5)給与引き下げや退職金切り下げに断固反対していくことなど13項目ににわたって提案しました。

厳しい職場実態つぎつぎ

 討論では、参加した全ての支部が発言しました。
 社会保険各支部からは職場実態について、「健康破壊が進み、辞める人や病休取得者が続出」(神奈川県)、「乳幼児を持つ職員も8時まで残業しても終わらない」(大阪)、「男女の別なく、夜間の保険料徴収業務を行っており、事故等への危機管理対応がなく不安」(秋田県)、「保険料徴収業務は1日車で100キロ走行。復命書の記入は残業で対応」(香川県)、「1日300人以上の相談件数があり、他課の応援を得ても時間内に終わらない。事務処理は残業か土日出勤してこなしている」(愛知県)、「時間内に終わらせるため、トイレにも行けないほど凝縮して対応している。オンラインの稼働時間が9時から17時延長は不安」(静岡県)など、きびしい実態が浮き彫りになりました。また、年金制度改善について「わかりやすい制度、払いたくなる年金制度に」(愛知県)、「通知の見直しなどを当局に提案して変更中」(業務センター)などの発言も。
 研究機関の組織再編では、「基盤研は非公務員型独立行政法人にという方向も示されており、身分保障や勤務条件の後退が不安だが、働き続けられるようにがんばりたい」(感染研)、「大阪支所は、転勤や退職で12人いた女性組合員が大幅に減り要求もまとめにくくなっているが、雇用保障などの基本的要求を詰めていきたい」(国衛研)。
 昇任・昇格や労働環境については、「全厚生に入って、女性5級の高号俸が解決した」(大分県)、「研究職の2級枠外は、この20年来の課題なのに解決しない」(感染研)、「2年前に女性の部長が誕生したが、男性より比率が少ない。女性採用とあわせて要求していく」(国衛研)、「男女平等だからと子育て中にも配慮無く業務命令で宿泊研修など働きやすい環境への配慮がない」(岐阜県)、「30代で子育て中だが、平日夕食を一緒に食べたことがない。今まで女性にない異動などが実現しているのは前進だが、残業前提の劣悪な職場環境でどのようにして働き続けるか女性職員も増えてきたので交流を深めて活動していきたい」(本省)。
 平和や女性部活動については、「有事法制成立阻止は、最大の要求。業務に追われて仕事以外の情報を得る時間的余裕がなく、組合活動にも消極的な世代に、広い視野が持てるような活動を提案したい」(統計)、「3月春闘学習会、5月新人歓迎交流会、11月女性部交渉など各分会の交流も兼ねて定期的に活動、女性部の要求も各分会で討論してまとめた。育休の男性取得を進めたい」(京都)、「女性部として要求をまとめ当局交渉するよう進めているが、女性の要求をまとめるのが大変」(愛媛県)「女性対策部員は、子育て世代が多く、昼休みの国会請願行動、人事院前行動、総務省行動などに積極的に参加している。元気の出る取り組みとして、映画『平塚らいちょうの生涯』の鑑賞、『末広亭』での落語鑑賞レク、などを企画実行した」(統計)など、活動も交流し合いました。

女性の要求しっかり束ねて行動

 まとめとして、清水部長は、「たくさんの意見で方針が補強され、今年は、女性交流集会や上京団行動でも多くの女性に集まってもらい、要求をしっかりとまとめたい。具体的な改善を勝ち取るために、全厚生女性部として力を合わせていきましょう」と呼びかけました。
 新役員は以下のとおり。
部長北島由美子( 統計支部)
副部長小出千鶴子(国リハ支部)
金子菊枝(神奈川県支部)
事務局長木立圭子(業務センター支部)
幹事橋爪順子(本省支部)
及川恵美子(統計支部)
田邉敏子(統計支部)
藤田弘江(業務センター支部)
野口洋子(感染研支部)
河村葉子(国衛研支部)
五味英子(国リハ支部)
島直子(神奈川県支部)
会計監事和佐田裕子(統計支部)
川田和美(統計支部)

 また、全厚生本部の藤巻副委員長が、女性部担当の任についたことを紹介し、あいさつしました。
(女性部長 北島由美子)



リレーずいそう
● いま思うこと
 静かな時を過ごす時、“ふっ”と、空しさを感じます。何も解らず、手探りしながら過ごした、あの若い日々は自分の未来に夢を描き、自由奔放に毎日を謳歌できました。そうした私も今の年齢になって、物の見方、考え方の違いを我ながら驚きの目で見つめています。人間の欲望には限りがないのでしょうか?毎日が平和で安穏に暮らせればいいと願い、安穏で楽しい生活を過ごした時、自分の人生はこれでいいのかと、不安と淋しさを感じます。能力の有無は別としても、自分がこのまま年老いて朽ちるより何かに挑戦したい、そして今よりもっと充実した燃える日々を過ごせたら…と。こうした心とはうらはらに、ただ日々を送る自分の心と葛藤、むなしさを覚えるのです。
 こうした私にも、ただ一つ心を込められることがあります。茶道です。ほんの遊び心で始めたお茶の道ですが、今の私にはなくてはならない生活の一部です。着物に衿を正し、白足袋に足を通し正座した、その時から背すじをピーンと伸ばし、心を鎮め、無心で一杯のお茶を点てる。その緊張感は何にもたとえようがなく、私がこよなく愛するひとときです。
 人生の楽しみはともかく、これから訪れるであろう肉親や親しい人との別れや、つらい出来事、淋しい心も、お茶に没頭することで一次は安らぐと思うと茶せんをまわすその手に熱がこもります。茶道をきわめることが心の糧となり、人間味豊かな満ち足りた人生を送るためのステップとし、日々精進したいものです。
(大分県支部書記長 秦 由美子)


女性の要求で社会保険庁と懇談

女性の登用拡大を 女性部

 全厚生女性部は10月25日、女性の労働条件改善等の要求で、社会保険庁と懇談しました。全厚生からは、清水女性部長はじめ女性部幹事、業務センター・秋田県・神奈川県・愛知県・岐阜県・滋賀県・京都・大阪・大分県の各支部代表15名が参加。社会保険庁からは総務部職員課の間崎上席調査官、小野塚調査官、島崎職員班長が出席しました。
 昇任、昇格の要求については、秋田県・神奈川県・滋賀県の各支部から、高位号俸の解消、大阪支部から、労働組合間による昇任、昇格の差別があること、大分県支部からは、事務所課長登用で、10年近い男女差が生じていることなど、それぞれ実態を述べ、改善を求めました。
 間崎上席調査官は、「7級以上のポストについては、高度の判断が必要であり、適材適所によって任命しており、男女格差はないと認識している」と回答。女性部は、「男女格差を認め、厚生労働省は『採用・登用拡大計画』を策定した。現実に格差はある」と追及。昇格改善のため、上位級定数の拡大を要求し、幹部職員登用についても、地方任せにせず、実態を把握し、改善するよう求めました。また、実態把握した結果については、全厚生に回答することを、確認しました。
 業務センター支部からは、健康破壊、家庭破壊につながる恒常的残業をなくすよう、実例を交えて訴えました。さらに秋田県支部から「男女の別なく、夜間の保険料徴収業務を行っており、今後、雪道での走行など不安がある」と事故等への危機管理対応など対策を求めました。これらに対し、上席調査官は、「業務に関しては、省略できるところから、省略していきたい。徴収業務については人事院に手当新設を要求している」との回答にとどまりました。
 加えて、岐阜県支部からのセクハラ相談員の研修に関しての要求については、「相談員研修は予算確保しているが、予算成立の時期の関係で、任命と同時期の研修は困難であるので、相談員自ら、学んでいくことも大事である」。また、京都・秋田県支部が男性の育児休業の取得促進を図るよう要求したのに対し、「男性の育休取得は1%に過ぎない。職員に対して、啓発していきたい」と回答。女性部からは、引き続き、粘り強く、労働条件改善にむけての努力を訴え、懇談を終わりました。
(女性部副部長 金子菊枝)



人事院四国事務局と交渉

級別定数枠を引き上げよ 四国ブロック

 10月1日、全厚生四国ブロック協議会は、来年度の級別定数配布要求等について、人事院四国事務局と交渉を行いました。全厚生は、香川県支部の森支部長、愛媛県支部の児島支部長はじめ8人の参加で、人事院は、総務課長と業務一課長が対応しました。
 交渉の冒頭、森・児島両支部長が、今年の人事院勧告に絶対反対の意志を表明し、職場には怒りの声が渦巻いていること、不利益不遡及の原則さえ踏みにじる12月ボーナスでの調整は許されないことなどを申し入れました。
 人事院の回答は、人事院勧告についてはあくまで民間調査の結果によるものであること、ボーナスでの調整は不利益の遡及には当たらないと考えており解釈の違いだと、組合員感情を逆なでするような発言でした。
 また、級別定数配布要求については、社会保険が他の国公の職種と比較しても低く押さえられており、相次ぐ医療保険・社会保険制度の見直しの中で、必至で頑張っていることなどを申し入れて、全体枠の引き上げを要求しましたが、総務課長は、社会保険職場の状況には一定の理解を示しつつも、級別定数は職務の困難性で決定されるもので処遇改善の道具ではないと、従来の人事院の見解からは一歩も出ない発言に終始しました。
 最終的には、私達の要求を本院に伝えることで交渉を終えましたが、今後は公務員制度改悪阻止の運動と結合した取り組みが重要です。
(愛媛県支部支部長 児島文彦)



第36回定期大会を開催

誇りをもてる職場を 愛知県

 愛知県支部は、10月29日第36回定期大会を開催しました。全厚生本部から杉下委員長をはじめとして全厚生各県支部から連帯のあいさつをいただきました。各分会からは、102名の代議員が参加し、活発な討論を交わし、2002年度運動方針をはじめすべての議案を採択し、新執行部を選出しました。
 討論では、年金相談の増加や、国民年金業務の問題点、医療保険改悪で私たちの職場は、かつて無い厳しい状況に置かれている職場の実態などが報告されました。マイナス勧告や、健保の民営化、徴収の一元化、公務員制度改悪の動きに対して、政策提言や、業務の効率化省力化、組織機構の見直しの必要性、真に国民の立場に立って、誇りを持てる職場を守り作っていく決意を固めあいました。
 新役員は次のとおりです。
執行委員長杉崎伊津子
副委員長渡邊美樹雄
寺井 唯哲
佐藤 雅信
鈴木 定雄
深沢 英二
書記長佐藤 義松
書記次長宮田 健一
後藤 秀利
國枝 孝幸
(佐藤雅信 副委員長)



新執行委員紹介

正義と頑固でがんばる人 中央執行委員 尾崎 直人さん

 今年度、新たに中央執行委員となった尾崎君は、実は「おさき」と読みます。と、いつも言っています。が、そのたびに聞いた人は、「へえ、『おさき』なんか、『おざき』は」と訳の分からない会話をしています。
 彼は、1999年1月1日に採用とともに京都西社会保険事務所に配属され、全厚生に加入しました。そして、その年の11月に支部執行委員に選出され、自ら企画したバスツアー(潮干狩り)に遅れたり、家族参加の行事のたびに子ども達の相手(実は遊んでもらっているそうですが)をしながら、急成長を遂げ今日に至りました。
 尾崎(おさき)君は、正義感が強く、同時に大変な頑固者です。
 「正義」という点では、昨年の全厚生大会でアメリカで起こった同時多発テロに関して「テロも戦争も反対、平和的解決を求める決議を」と発言したことに象徴されます。頑固さでは、「左といえば右を向く」ほどです。また、議論をふっかけるのが好きで、相手が何をいおうと自分の意見を引っ込めようとしません。が、どこかで気にしている模様です。
 若いわりに「じじくさい」彼ではありますが、すばらしい人です。もちまえの正義感と頑固さで、全国の仲間の先頭に立って力一杯頑張る人だと確信しています。
 京都支部も彼の決意と奮闘に答えられるよう奮闘する決意です。
(京都支部 山本潔)


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