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◆第1535号(2002年10月15日付)◆

2002年秋季年末闘争いよいよ本番

賃金・退職手当引き下げ許すな

賃下げ勧告完全実施の閣議決定に怒り

 いよいよ、秋季年末闘争の本番です。この秋は、賃金や労働条件、公務員制度改革、有事法制のたたかいなど、重要かつ緊急を要するたたかいばかりです。小泉内閣のすすめる「構造改革」との激しい対決が続きますが、新たな決意でたたかいを前進させましょう。
 賃下げ勧告の完全実施に反対するたたかいは、大詰めを迎えています。政府は、9月27日に人事院勧告を完全実施する閣議決定を強行しました。内容は、給与勧告史上初の月例給の切り込み、賃下げという不利益を実質的に4月に遡及させる調整措置を行い、平均年収で15万円の賃下げを強いるものです。いま、民間の労働組合からも賃下げの悪循環を引き起こす閣議決定に怒りの声があがっています。たたかいは、10月18日に開会予定の臨時国会を舞台にした国会闘争に引き継がれます。生活改善をめざして、最後まで全力で取り組みましょう。

政府は退職手当の引き下げを検討

 人勧の閣議決定とあわせ、政府は国家公務員の退職手当について、「民間企業退職金実態調査に基づき支給水準を見直すこととし、これに伴う関係法律の改正案を次期通常国会に提出するものとする」ことを決定しました。総務省人事・恩給局がおこなった調査結果では、1999年度の官民比較で、国家公務員退職手当の水準は5・6%上回っています(9月20日公表)。これに対し国公労連は、公務と民間の退職手当や関連制度の違いを踏まえ、今回の官民比較を唯一の根拠とする一律の退職手当の引き下げ検討を行わないことを要求し、一方的な引き下げに反対してたたかいます。また、退職手当は、重要な勤務条件であり、労働組合との交渉・協議を行うことを要求します。署名活動も直ちに実施します。年内に政府の判断を行う重要な局面にあります。緊急な取り組みになりますが、職場から全力で取り組みます。

公務員制度改悪法案が来年の通常国会に

 政府主導の公務員制度改革に反対し、民主的な公務員制度を確立するたたかいも、極めて重要な局面を迎えます。政府は来年の通常国会に国家公務員法等の改正案を国会に提出する予定で作業をすすめています。この秋には、その骨格案を固める時期にきています。職階制にかえ、能力等級制度を導入し、公務員の人事管理における能力・業績主義の徹底を図るために、非現業国家公務員(50万人)すべてに適用できるか否かの判断も必要です。また、昨年末に閣議決定した公務員制度大綱で「公務員の労働基本権の制約については、今後もそれに代わる相応の措置を確保しつつ、現行の制約を維持することとする」点について、政府は今日までその中味を、明らかにしていません。公務員制度改革の重大な問題点を追求するとともに、国際的にも監視されている中で、労使協議を徹底させるよう、職場からの働きかけをいっそう強めます。

成立ねらう有事法制と個人情報保護法案

 さらにこの秋、先の通常国会で継続審議になっている有事法制3法案を廃案にするたたかいに全力を尽くします。「有事法制成立断念」などの新聞報道もありますが、小泉内閣は、すでに有事法制、個人情報保護法案の臨時国会での成立を確認するなど、楽観できない事態です。虎視眈々と法案成立の機会をねらっていることは明らかです。これまでの共同の取り組みをさらに広げ、「有事法制は廃案に」の世論と運動を大きく広げていきましょう。そのために、職場での学習や対話をすすめ、地域での宣伝行動に結集することが大切です。

職場を基礎に労働者、国民と共同して

 たたかいをすすめる上で大切なことは、9月に開催した全厚生第66回定期大会で決定した3つのたたかいの基本方向にそって、活動をすすめることです。すなわち、(1)職場を基礎に、要求実現めざす志をもって活動する、(2)すべての労働者と連帯し、自覚をもって地域でたたかう、(3)新しい国民的な共同めざし、創意をもって挑戦することです。
 03春闘の準備もこの秋から進めます。「わたしの要求アンケート」の取り組みは、春闘の出発点です。従来の延長線上でない新しい春闘の流れをつくるために職場での討議を重視して取り組みを開始しましょう。


リレーずいそう
● 食欲の秋チョコ
  私は甘い物が大好きです。特におかしには目がないです。和菓子、洋菓子の区別は問いません。あんこからチョコまでなんでもござれといった感じです。その中でも、チョコは特に大好きです。手の届くところにチョコがあるとついつい手が伸びてしまい、あっという間になくなってしまいます。あったらあるだけ、食べてしまいます。ごはんやお酒のおつまみとしてもかかせません。
 ただ、チョコは暑いところにおいておくと溶けてしまうという欠点があります。そのため、夏場は消費が低下します。
 今、季節は秋となり、涼しくなってきたので溶ける心配もなくなり、またチョコの季節が巡ってきたことに心を躍らせています。
 そんな私は新しいもの好きでもあるため、職場の売店やコンビニエンスストアで新発売のものがあると、ついつい買ってしまいます。新製品もある程度たつと新鮮味がなくなります。すると、自分の中の定番に戻っていきます。私の中ではチョコボールが定番と言えます。手頃なサイズですし、キョロちゃんもかわいいし、おもちゃの缶詰めが当たるのも魅力です。去年頃からバナナ味のものが発売されたんですがそれにはまりっぱなしです。(銀のエンゼルマークが4枚までたまっているので、あと1枚出るまで、買いつづけているだけかもしれない。)てなわけで、食欲の秋をチョコを片手に有意義に過ごしたいと思います。
(業務センター支部 書記長 佐藤憲一)


News
● 改悪阻止の決意固める ―公務員制度チューター学習会―
 国公労連は10月5日「公務員制度改悪反対闘争チューター学習会」を東京で開催。会場には予想を超える250人の参加者が詰めかけ、民主的公務員制度確立へ向けた熱気あふれる学習会となりました。全厚生は5人が参加しました。
 国公労連の堀口委員長は主催者あいさつで、今回の学習会で学んだことを単に自分のものにするだけにとどまらず「参加者一人ひとりが職場・地域での学習会の核になろう」と強調。秋から来年にかけてが公務員制度改革の大きなヤマ場となるため、「職場内の世論喚起と国民世論の高揚を図っていくことが決定的に重要。民主的公務員制度確立署名を全力でやりきろう」と呼びかけました。学習会では、行財政総合研究所の川村祐三理事が「民主的公務員制度の必要性と課題」と題して記念講演。「公務とは何か」という根本的な切り口から、いま政府が押しすすめる「改革」の矛盾点をつく内容で、政府の「改革」が公務のあり方そのものを変質させ、支配権力の維持がねらいであることを明らかにしました。午後からは、国公労連・小田川書記長が、「民主的公務員制度に向けた国公労連のたたかい」、「人事評価制度を中心とする新人事制度2次原案の問題点」の2つを講義。第3講義では、都教組の浦前書記長が「学校職場における人事考課制度について」と題して、東京都の教育現場で実際に行われている評価の現実を生々しく紹介しました。なお、12日には、大阪でも開催され、全厚生は10人が参加しました。

● 京王電鉄リストラ反対 ―京王新労組激励決起集会に参加―
 9月27日、京王電鉄リストラ反対闘争支援共闘会議は京王電鉄本社のある京王線聖蹟桜ヶ丘駅前のせいせき公園で、自宅待機撤回・争議解決をめざす決起集会を実施しました。京王電鉄は今年、史上最高の76億円の純利益を上げたにもかかわらず、大幅な賃下げを伴う子会社への転籍を強要。転籍は民法で当人との同意が必要とされ、会社の勝手にはなりません。しかもこの転籍に反対した京王新労組34人に突然自宅待機を命令。さらに冬のボーナス減額、夏のボーナス未払い、定期昇給不実施とあらゆる嫌がらせを重ねています。乗客の安全と利便を守る公共交通企業として、そのモラルが問われています。集会では地域の仲間をはじめ、500人が結集。全厚生も参加し、京王本社前までデモ行進しました。


厚生共闘第24回定期大会を開催

医療・年金など社会保障拡充に全力

 厚生共闘(全厚生・全医労)は9月25日、東京・茜荘において第24回定期大会を開催。国民・労働者犠牲の小泉構造改革に対峙した医療・年金など社会保障拡充のたたかいに全力をあげる方針を確立しました。
 冒頭、保木井議長(全医労委員長)は「小泉内閣のもと新自由主義が加速している。国民的たたかいの中で有事法制を廃案に追い込み、政権を交代させることが急務の課題だ。行政が果たすべき役割を見つめ国民の立場に立った、血の通う行政を進めていくことが大切だ。そのためにも三単組の共同行動を発展的に厚生労働共闘にしていくことが求められている」と厚生共闘のたたかいの意義についてあいさつしました。
 来賓の国公労連・横山中執は賃下げ、不利益遡及などを含む02人勧をめぐる情勢と国会闘争、全労働の木下副委員長は国民生活全般を管轄する厚生労働省の労働組合として、国民との共同のたたかいにともにがんばっていこうと述べました。
 続いて加藤事務局長(全厚生)が運動方針案を提案。全医労・全労働・全厚生、厚生労働省内の3つの単組の共同行動の追求、国立病院・療養所の「再編成」に反対し、独法化個別法案に対する国会闘争、「政管健保民営化」「社会保険庁民営化」など社会保障解体につながるあらゆる策動に反対するたたかいの強化、大臣交渉配置、非常勤職員の処遇改善・組織化、医療・福祉関係団体との交流・情報交換など国民本位の厚生労働行政の確立をめざす運動を重視する厚生共闘の役割発揮を中心に提案しました。
 限られた時間でしたが討論では4人が発言しました。全厚生は、栄研支部の廣田代議員が独立行政法人となってから一年半の栄研支部のとりくみを発言。全医労の代議員は、医療事故防止の観点から看護師増員署名の取り組み、国立病院・療養所の統廃合・移譲を許さないたたかい・秋田病院の取り組みや成育医療センターでのセクハラに対する取り組みについて発言しました。
 新役員は次のとおり。
議長保木井秀雄(全医労)
副議長杉下茂雄(全厚生)
渡辺伸仁(全医労)
事務局長藤巻一世
事務局次長川名健(以上全厚生)
香月直之(全医労)
幹事杉浦公一
国枝英樹(以上全厚生)
北川寿博
淀房子(以上全医労)
会計監事菅沼伸至(全厚生)
渡辺明(全医労)



壮年部の男木島ハイク

♪おいら岬の〜見て感動 香川県

 〔香川県支部発〕前日の雨も上がり、薄日が差す絶好の行楽日和。9月28日、壮年(対策)部主催の男木島へのハイキングは、春からあたためていた企画がやっと実現。 8時丁度にサンポートを出航し約40分で、灯台職員が主人公の映画「喜びも悲しみも幾年月」の舞台となった男木島に到着。総勢6人の一行は、まるで小学生の遠足気分。早速、「豊玉姫神社」に参拝して、島の人たちと挨拶を交わしながらトウガ鼻の灯台までウォーク。 灯台資料館では、全国の主な灯台の位置を確認するとともに、男木島灯台にまつわる説明を聞くことができました。灯し続けること107年、明治28年に地元庵治石で造られた(総御影石造りの灯台は全国で2基だけとのこと)男木島灯台は、小振りながらも重厚で独特の風格を誇っていました。灯台の下で歌った主題歌「喜びも悲しみも幾年月」、堀田さんの歌唱指導よろしく、全員が5番まで完唱。
 高松港に帰着後は、茶房「四季」で加藤前副委員長を囲んでの茶話会。加藤さんの16年間の全厚生での活躍に感謝しつつ、壮年層が抱える課題等に花が咲きました。


イラク攻撃はやめて!〜ホロコーストから学んだこと

私のヒロシマ・ナガサキ体験<番外編>ナチスドイツ強制収容所本部書記
西田志緒
 8月の原水爆禁止世界大会で、現在の米国をナチスドイツにたとえる発言が複数出ました。7月にドイツ旅行で強制収容所を見てきたばかりの私にとって、その発言は衝撃でした。
 私が訪ねたのはミュンヘン近郊のダッハウという町。強制収容所といえばポーランドのアウシュヴィッツが有名ですが、大規模な収容所はヨーロッパ中にいくつもありました。ダッハウはドイツ最初の収容所で、当初はユダヤ人よりも政治犯や聖職者が収容されました。20万人を越す登録記録、さらに多くの人が未登録のまま送り込まれ、被収容者の正確な数はわかっていません。同性愛者、ジプシー、障害者なども選別の対象になりました。
 監視塔と鉄条網で囲まれた敷地内には、バラックが30棟、監獄、SS(親衛隊)が使用した管理部(現資料館)、一番奥にガス室と隣合って火葬場等があります。資料館には遺品や当時の写真、生存者による絵、説明文など膨大な資料が展示され、20分程度の記録映画も上映されます。骨に皮がへばりついただけの人々がバラックの壁にもたれうごめいている映像、痩せこけた死体が何十体となく折り重なる写真・・。無数の人々が人間としての尊厳を剥ぎ取られ、差別・拷問の屈辱にさらされ、実験材料にされ、財産を奪われ、そして殺されたのです。
 世界の批判を無視してイラク攻撃を狙う米国、北朝鮮との国交正常化に向かいながら一方で米国に追随し有事法制成立を目指す日本。自らの利益だけを追求するその姿勢は、確かに、特定の人々を踏み台に戦争へと邁進したナチスドイツと重なります。他国を破壊し、自国が加害者となる可能性を傍観するのではなく、私達が平和に向けて前進するために、真実を知り行動する事の大切さを改めて思いました。

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