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◆第1534号(2002年9月25日・10月5日付)◆

全厚生第66回定期大会を開催

憲法25条が生きる行政を

小泉「構造改革」阻止を意思統一

 全厚生労働組合は、9月13日から3日間、静岡県熱海市で、第66回定期大会を開催し、2002年度運動方針案、財政方針案などを全会一致で採択し、新役員を選出しました。
 大会には、全国の職場から代議員・傍聴者など151人が参加。小泉構造改革と真正面から対峙し、公務員制度改悪、社会保障改悪に断固たたかう方針を確立。また、史上初の月例給引き下げ勧告に対し、「賃下げ悪魔のサイクル」阻止へ民間と共同してたたかうことを確認しました。
 大会では、行政改革のもとで、企画立案部門としの本省庁の労働強化と、執行部門としての研究機関、福祉施設、社会保険の国からの切り離しの危険が一層強まっていることが明らかに。研究機関の理念無き再編と独立行政法人化のもとで研究環境と雇用の確保を、障害者施策の切り捨て許さず国立施設としての存続と発展を、社会保険は国の責任で行うべきであることを意思統一。国民の立場にたった行政のために公務員制度改悪を許さず、業務改善や政策への提言を積極的に行うことを確認し。 「憲法25条が生きる社会保障行政と民主的な公務員制度を確立しよう」と決意を固め合いました。

大会宣言

 全厚生第66回定期大会は、「憲法25条が生きる社会保障行政と民主的な公務員制度を確立しよう!」をメインスローガンに、9月13日から15日の3日間開催され、2002年度の運動方針を確立し、新たな前進を開始する場として大きく成功した。
 労働者の雇用と暮らしは、かつてなく厳しいものとなっている。小泉「構造改革」は、広範な国民諸階層に耐え難い痛みを押しつけ、地域経済を破壊している。労働者・国民の深刻な状態悪化は、怒りとたたかうエネルギーを増大させ、有事法制反対や医療改悪を許さぬ国民的共同が飛躍的に広がり、かつてない全国的な世論と運動の高まりを生み出した。
 公務員制度の改悪は、「国家公務員法改正要綱案」とりまとめの段階に入っており、いよいよ正念場を迎えている。競争原理の導入で差別と選別を強化する人事管理制度を許さず、民主的な公務員制度の確立をめざし、国民的な支持と共同を大きく広げる運動を展開することを確認した。
 2002年人事院勧告は、史上初めて月例給を引き下げ、4年連続で一時金を引き下げるという最悪の勧告となった。全厚生は労働基本権の完全回復を強く求めて奮闘するとともに、勧告が国民に痛みを押しつける悪政推進の突破口として利用されることに断固反対し、官民一体となったたたかいを職場から地域から作り上げていくことを決意した。
 社会保障の拡充、国民の願いに応える厚生行政の確立をめざすために、国民の行政に対する要求を受けとめ、国民の立場にたち、それぞれの職場から現体制を検証し、政策提言をめざす方針を確認した。
 全厚生は、1人ひとりの組合員が主人公の職場を基礎にした運動の前進を重視し、身近な要求で目に見える活動をすすめながら、職場のすべての仲間を対象に組合加入を旺盛にすすめることを確認した。全厚生56年の不屈の歴史と基本路線に確信を持ち、今日よりは明日の発展をめざし、職場・地域で全力を尽くすことを宣言する。
 2002年9月15日
全厚生労働組合第66回定期大会


世論と運動に確かな胎動  杉下委員長があいさつ

 大会の冒頭、中央執行委員会を代表して、杉下茂雄中央執行委員長があいさつしました。
 大会の開会にあたって杉下委員長は、息つく暇がないほどの激動の1年間であったが、全厚生はよくがんばった。仲間の奮闘に敬意を表したいと述べたうえで、情勢及び組織活動に関わって述べました。
 情勢についてはまず、「21世紀に入り、私たちは歴史の大きな転換点に立っている。平和・民主主義を守り、安心して働き生活できる社会を国民共同の努力により発展させていくのか、戦争をする国、財界・大企業の利益最優先の国づくりかが問われている」と指摘。 小泉首相が押し進める構造改革については、「その重圧で不況は一層深刻化しており、国民生活も経済も破壊するものだ。全厚生は人間らしく生きるその尊厳にかけて社会保障の改悪には断固反対してたたかう」と決意を表明し、「たたかいは容易ではないが、世論と運動に確かな胎動もうまれている。確信をもって奮闘しよう」と呼びかけました。
 また、史上はじめて月例賃金の引き下げ勧告を強行したことに対して、「政府・財界が進める賃金抑制策に迎合したもので、スト権剥奪の『代償措置』たる「機能」は喪失している。賃下げを悪政推進の突破口にしようとしており、悪循環を断ち切るたたかいが重要だ」ど厳しく抗議するとともに、労働基本権回復のたたかいが重要だと訴えました。
組織活動に関わっては、「労働組合の存在や役割に自信をもつ必要がある。仕事が忙しくなっており大変だが、知恵と勇気をだし、大胆に情熱をもって全厚生の組織と運動の前進をめざそう」と呼びかけ、「明日が少しでもよくなることを希望すれば、必ず変えることができる」と結びました。 

国民・労働者が主人公に  2002年度たたかう運動方針を提案

 杉浦書記長は、冒頭「21世紀の日本の進路、私たちの働くルール、行政のあり方が鋭く問われている中で、期待に応える労働組合運動を共につくりあげていこう」と語り、2002年度運動方針案、秋季年末闘争方針案及び2003年統一要求案の提案を行いました。
 はじめに、情勢をいかに見るかと問いかけ、「労働組合は、労働者・国民が主人公の立場にたって、情勢を切り開く立場で展開することが大切である」と指摘。情勢を語る中で、たたかいの構えをつくる重要性を強調。さらに小泉「構造改革」は、「国民に耐え難い痛みを強いて、社会保障制度をずたずたにしている」と指摘。この秋、憲法を停止状態に追い込む有事法制を廃案にさせるたたかいへの結集を呼びかけました。公務員制度改革では、「行政改革とそれに連動する公務員制度改革は、一体の攻撃」と指摘。「真に国民の立場にたつ民主的な公務員制度改革を実現しよう」と提起しました。
 続いて、たたかいの基本方向について、【1】職場を基礎に、要求実現をめざす志をもって活動する【2】すべての労働者と連帯し、自覚をもって地域でたたかう【3】新しい国民的な共同めざし、創意をもって挑戦する3つの方向を提起。重点課題では、(1)民主的な公務員制度を確立するたたかい(2)生活・労働条件を改善するたたかい(3)国民の願いに応える厚生労働行政の確立を(4)生きいきした組織活動をつくる(5)組織の強化・発展をめざす5点を提起。生活・労働条件を改善するたたかいは、本部・支部一体のたたかいでねばり強く実現させることや、行政研究活動を前進させることを強調しました。
 各部門の具体的な取り組みについて杉浦書記長は、本省庁では、無定量で恒常的な残業実態を改善させるために、重点課題に位置づけ取り組むことを提起。研究機関では、医薬基盤技術研究所の設立と国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の廃止にともなう労働条件問題を重視し、雇用と生活を守ることや、交流集会運動を継続・発展させることを提起。社会福祉施設では、施設のあり方の見直しが提起されているもとで、厚社連(=全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)を軸に政策活動を積極的にすすめることを提起。社会保険では、国民のための社会保険行政をめざすことを強調。医療保険制度の抜本改革がすすめられる中で、「政管健保は、制度発足以来、国の事業として国の責任で実施してきたものであり、今後も国の事業として運営されるべき」と見解を述べ、この基本を踏まえ、政策的な議論を深めてたたかうと提起しました。
 続いて、「職場活動をいかに活性化させるかは、組合運動の基本課題であり、知恵を結集して探求しよう」と提起。職場活動を抜本的に改善するために、支部・分会は「元気になり、高まっていく」執行委員会の運営をめざすことを呼びかけました。また、臨時・パート労働者を主人公にした組合活動をめざし、各部門で処遇改善の課題や組織化の条件を検討することや、独立行政法人に移行した国立健康・栄養研究所は、引き続き、労働協約改定のたたかいに全力をあげることを提起しました。
 最後に、「従来の延長線上でないたたかいを、職場の力、地域の力、共同の力でつくりあげよう」と呼びかけました。

財政方針を決定  本部組合費は前年度と同じ

 大会初日、第2号議案である2001年度決算報告と2002年度財政方針・予算(案)を川名書記次長が提案。決算報告では支部オルグの実施による旅費行動費、中央行動をはじめとして闘争組織費を有効に活用し、可能な限り節約に努めてきたことを報告。
 財政方針・予算(案)については、運動と組織の発展を支えられるように、旅費行動費と闘争組織費を厚めの配分としたことと、2001年度の検討課題であった、安定的な財政を確保するための基金設立について、財政安定運営基金として新たに設置したことを提案しました。
 梅原会計監事が会計監査報告を行い、会計処理が適正に行われていること、独自の学習会を開催するなどの努力を、との見解を述べました。
 大会2日目の議事終了後、財政小委員会を開催しました。委員会では愛知県支部の佐藤代議員を委員長に選出し、質疑・討論を行いました。
 討論では多くの委員から、全厚生運動を前進させる観点での積極的な意見が出され『「賃金引き下げ」勧告に伴う本部組合費の調整について(案)』は、中央執行委員会で引き続き議論していくとで了承されました。財政小委員会では、討論を経て提案された第2号議案を全員の賛成で採択。
 大会最終日冒頭に、財政小委員会の議論と採決の結果について財政小委員長報告を行い、全体の採決では、2001年度決算報告及び会計監査報告を承認し、2002年度財政方針・予算(案)を満場一致で採択しました。
 本年度の本部組合費は、一般会計について昨年同様、本俸×1.1%+420円、特別会計についても昨年同様、全額を専従役員保障特別会計に繰り入れることとし120円(月額)となりました。なお、本年度も臨時徴収はありません。 

来賓あいさつ

ともにたたかいましょう

 大会では次の各氏が来賓として挨拶しました。
 ▽日本共産党 藤木洋子衆議院議員
 医療改悪反対のたたかいは国民の広範な世論を結集した意義あるたたかいだった。実施の凍結をめざし、運動を強めよう。公務員制度改悪、賃下げ人勧は、行政サービスの向上、経済にも深刻な影響がある。小泉内閣を退陣に追い込み、解散総選挙で政治をかえよう。
○国公労連 小田川義和書記長
 国公労連は大会で、地域からのたたかいに大いに結集すること、職場でのたたかいの力を強めることを確認した。マイナス2・3%・平均15万円の賃下げは不況の深刻化に拍車をかける。ブロック連鎖キャラバンなど世論への積極的な訴えかけをすすめよう。
○全医労 保木井秀雄委員長
 政府は2004年4月に国立病院の独立行政法人化を決め、臨時国会での法案成立を狙っている。144病院45000人がその対象となっている。8000人の賃金職員の雇用問題はまだ決まっておらず、業務センター支部の賃金職員雇い止めのたたかいに励まされている。3単組がともに厚生労働行政の民主化に向けて奮闘したい。
○全労働 新宮峰男委員長
 厚生労働省となって3単組の共同を強めることが重要だと感じている。この1年、憲法の学習会や有事法制の共同宣伝行動など一歩をふみだした。労働行政をめぐっては、機構・定員のリストラ、職業紹介・雇用保険給付の民営化、社会保険と労働保険の徴収事務の一元化の動きがある。お互いに意見交換をしながら、一致できるところから共同をすすめたい。
○健康保険病院労働組合 丸山寿男副委員長
 先の国会で強行成立した健康保険改悪法の附則により社会保険病院も分割、民営化される。地方議会において反対の意見書が各地で採択されるなど、反対が広がっている。健康保険の民営化・一元化に反対し国民のための社会保障実現へ、全厚生とともにたたかう決意だ。
○国公共済会 松渕秀美常務理事
 国公共済会は、全国の組合員の信頼も得て加入者ものびている。加入者6割をめざしている。組合員拡大と一緒で、組合員1人ひとりに声をかけ、加入拡大をすすめてほしい。掛け金の5%が支部に還るので財政活動の一環として団結の力になる国公共済会をぜひ活用して欲しい。


メッセージに感謝

 第66回定期大会にメッセージをいただいた労働組合、団体は次のとおりです。
 全国労働組合総連合、公務労組連絡会、全国税関労働組合、全国税労働組合、全情報通信労働組合、全運輸省港湾建設労働組合、国土交通省全建設労働組合、全気象労働組合、全法務省労働組合、全運輸労働組合、全司法労働組合、全経済産業労働組合、国家公務員共済組合連合会病院労働組合、国公共済会
 日本医療労働組合連合会、全国労災病院労働組合、国民医療研究所、全日本民主医療機関連合会、全国保険医団体連合会、全国福祉保育労働組合、日本国民救援会中央本部、安保破棄・諸要求貫徹中央実行委員会、原水爆禁止日本協議会、非核の政府を求める会、中央労働金庫霞が関支店、(株)きかんし

「公務員制度改革大綱」の撤回・修正をもとめ、天下り規制など国民の信頼に応える民主的公務員制度の確立をめざす決議(要旨)

 政府・行革推進事務局は、競争原理による能力・業績主義の人事制度導入、各府省の人事管理権限の強化・拡大の一方で、公務員の労働基本権を制約したまま、人事院の機能・権限は縮小する「公務員制度」改悪を職場に持ち込もうとしています。 
 政府・行革推進事務局がすすめる「改革」が、金権腐敗・癒着構造を是正するものではなく、その温床となる「天下り」の自由化、特権的キャリア制度の温存・合法化など、国民が期待する「改革」に反するものとの批判が広がっています。また6月に開催した第90回ILO総会でも「公務員制度改革」が論議となり、公務員労働者の労働基本権を著しく制約し、国際労働基準をないがしろにしている日本政府の対応に各国から厳しい批判が集中しています。政府・財界に奉仕する「もの言わぬ公務員」づくりではなく、憲法第15条の「国民全体の奉仕者」の立場に立ち、憲法の理念をさらに発展させる方向での改革が求められています。
 全厚生は、民主的な公務員制度の確立をめざすとともに、国民から信頼される厚生労働行政の確立、福祉・医療・年金など社会保障の拡充をめざして、引き続き全力をあげ奮闘するものです。


仲間とともにがんばります。
要求実現の先頭に2002年度執行体制

中央執行委員長(再)
【書記局】
杉下 茂雄
(すぎした しげお)
中央執行副委員長(再)
【神奈川県】
飯塚  勇
(いいづか いさむ)
中央執行副委員長(再)
【リハ】
鈴木  徹
(すずき とおる)
中央執行副委員長(再)
【統計】
藤巻 一世
(ふじまき かずよ)
中央執行副委員長(新)
【感染研】
山本 三郎
(やまもと さぶろう)
書記長(再)
【書記局】
杉浦 公一
(すぎうら こういち)
書記次長(再)
【神奈川県】
川名  健
(かわな たつる)
中央執行委員(再)
【神戸】
今井  進
(いまい すすむ)
中央執行委員(新)
【京都】
尾崎 直人
(おざき なおと)
中央執行委員(新)
【本省】
神山  正
(かみやま ただし)
中央執行委員(新)
【大阪】
北川 健二
(きたがわ けんじ)
中央執行委員(再)
【業務センター】
木立 圭子
(きだち けいこ)
中央執行委員(再)
【岐阜県】
国枝 英樹
(くにえだ ひでき)
中央執行委員(新)
【国立衛研】
佐藤 道夫
(さとう みちお)
中央執行委員(再)
【秋田県】
仙葉 拓史
(せんば たくふみ)
中央執行委員(再) 【愛媛県】
浜田  亮
(はまだ あきら)
中央執行委員(再)
【愛知県】
深沢 英二
(ふかざわ えいじ)
特別中央執行委員(新)
【業務センター】
清水 美穂
(しみず みほ)
会計監事(再)
【本省】
梅原 一豊
(うめはら かずとよ)
会計監事(新)
【神奈川県】
澤田 泰介
(さわだ たいすけ)
顧問(再)
大倉 修二
(おおくら しゅうじ)
書記
近藤 浩美
(こんどう ひろみ)
書記
西田 志緒
(にしだ しお)



退任されたみなさん

長い間おつかれさまでした。

 今大会で、中央執行副委員長の加藤重徳さん、坂田宏子さん、中央執行委員の黒川芳信さん、津川清司さん、山田雅巳さん、山本潔さん、会計監事の森公士朗さんが退任されました。
 大会であいさつした黒川さんは、1年だけだったが、次の役員につなげることが出来て良かった。津川さんは、2年間本部役員を経験して、会議自体もそうだが、そこでの人との交流がたいへんいい経験だった。今後の支部活動に生かしていきたい。山田さんは、1年だけだったが貴重な体験をさせていただいた。山本さんは、専従期間含め7年間本部役員を経験して、人を激励するのが本部役員ではなく、組合員に励まされるのが本部役員だったと感じた。今後は支部でがんばりたい。
 坂田さんは、26歳で予研に入り最後の年を中央執行副委員長として務めさせていただいた。8年ぶりに研究機関交流会が開け責任が果たせほっとした。34年間、国家検定という職務を遂行しながら全厚生組合員として2本柱でやってきた。来年3月で定年を迎える。職場に組合があることがすばらしいことだし、しあわせであると心に留めて欲しい。厳しい情勢だが、ぜひ組合を発展させて欲しい。今後は、地域の民主団体に身を置いて、みなさんが飛び込んでくるのを待っています、とそれぞれあいさつしました。
加藤さんのあいさつへ)


賃下げ勧告の「完全実施」を阻止するために総力をあげてたたかう決議(要旨)

 私たちは、全ての仲間の怒りを結集して、今年の人事院勧告に憤りをもって抗議する。
 今年の勧告は、4年連続で一時金を引き下げるとともに、史上初めて月例給を引き下げるという最悪の勧告である。さらに、不利益不遡及の原則に反して、12月期の期末手当で「調整措置」をとったことは、不当・脱法行為であり、到底容認することができない。今回勧告は人事院が「代償措置」の役割を放棄し、その機能が喪失していることを明らかにした。
 賃下げ勧告は、国家公務員労働者の生活悪化にとどまらない。公務員の賃下げは、今度は民間のいっそうの賃下げをまねき、さらに年金の切り下げをもまねき、労働者・国民から所得を奪うとどめのない悪循環をつくりだすことになりかねない。国民世論に訴え、理解、共感を得る働きかけを重視し、奮闘するものである。

国民が安心して暮らせる社会保障の拡充をめざす決議(要旨)

 自民、公明、保守の与党3党が国民の反対の声を無視し、「医療改悪法案」を強行し成立させました。さらに、小泉内閣は「等しく痛みを分かち合うのだから国民も我慢してほしい」といい「構造改革」を強行し、社会保障すべての分野で、3兆2400億円という史上最悪の負担増を国民に押しつけようとしています。
 強行された健康保険法の付則条項では、「医療保険制度の体系のあり方の見直し」(14年度中)、「政管健保の組織形態のあり方の見直し」(おおむね5年を目途)など、社会保障に対する国の責任を放棄し、市場原理を持ち込もうとする重大な内容も本格的に検討されることになります。
 全厚生は、憲法25条、人間の尊厳を侵す攻撃に対して、社会保障行政に携わる労働者として責務と役割を自覚し、人間の尊厳を守るため、奮闘することを決意します。


国民の立場にたった仕事がしたい
小泉「構造改革」と対決し行政民主化へ熱心に討論

 大会議案をめぐる討論は、14、15の両日にわたって行われ、47人の代議員・傍聴者が発言しました。
 発言は官民一体の賃金闘争、公務員制度改悪反対、業務改善や政策提言、平和の問題をはじめ、本省庁・研究機関・福祉・社会保険の問題、青年・女性・壮年活動、賃金職員問題、新再任用制度、国公共済会、組織拡大など、いずれも議案を豊かに補強する内容でした。討論の特徴をリポートします。


討論 その1

 討論では、史上初の本俸マイナス人勧に対して多くの意見が出ました。

民間との共同で賃下げ悪魔のサイクル阻止を

 愛知県支部代議員は、愛労連の会議で、民間からも「賃下げ悪魔のサイクルをどこで断ち切るか」という議論になったことを紹介。「民間が今ほど人勧の取り組みについて真剣に考えたことはない。官民一体となってたたかう時期ではないか。大きくたたかう春闘につなげるためにも、この秋、職場、地域、住民、自治体等と一緒にたたかっていきたい」
 函館支部代議員は、「函館地区国公に結集し、全国統一行動をはじめデモ、集会に参加している。今日の状況を考えると、官は官、民は民では力が及ばない。地区国公に結集し、国民とともに変えていくことが必要だ」
 愛知県支部代議員は、「函館の泉さんの発言にもあったように、福祉の支部に負けずに、社会保険でも国公労働運動で外へ打って出て、地域の中で要求実現のためがんばりたい。東海ブロックでは7月に賃下げ勧告阻止で座り込みを行った。地域経済の活性化のためにも、この怒りを行動に結集してこの秋からもがんばっていく」
 岐阜県支部代議員は、「賃金が2年前の水準になっており、怒りや不満があふれている。展望のもてる運動にするには、自治体、民間との共同行動が重要だ。県国公で継続して街頭宣伝を行っているが、自分たちの主張を広く訴えるのに良い機会となっている。地域で多くのつながりの中で、指導的役割が求められている」
 業務センター支部代議員は、「人勧署名を取り組む支部内議論の中で『この不況下において、民間の組合員とともに手を取り合って運動を行うことが出来るのだろうか、民間の方達に公務員の現状を理解してもらえるのか』という意見があった。私自身は外に出て運動をしていかなければならないと考えているが、どうみんなを巻き込むか」と組合員自身が地域に一歩を踏み出すことの難しさについて、率直な発言もありました。
 神奈川県支部代議員は、「国民の中には公務員の給与が下がるのは当たり前だという声が強いが、公務員給与が下がれば国民全体の諸制度にもいずれ波及していく。国民の中にきっちり説明していくことと、親切な行政を行い国民の立場に立った運動を進めていくことが重要」と発言しまた。

国民本位の行政確立へ公務員制度改悪反対

 愛媛県支部代議員は、「公務員制度改悪の中身を知れば知るほど腹の立つ内容だ。いわばキャリアがキャリアのためにつくる公務員制度の改悪だ。国家公務員労働者の生活の犠牲のみならず多くの国民に痛みを押しつける問題だ。この中身について一人ひとりの組合員の中に知らしめ、全力でたたかっていく」と決意を表明しました。

行政民主化へ向けて政策提言活動を旺盛に

 京都国公事務局長(京都支部傍聴)は、「府国公の運動を行う中で、年金講師依頼など全厚生の役割の重要さを感じている。医療や年金改悪が進められる状況で全厚生4部門が力を合わせて全厚生としての提言をつくっていくことも必要ではないか」
 大阪支部代議員は、「行政民主化の課題では、雪印・日ハム・東電など企業のモラルが問われている。同時に、労働組合が何をしていたのかが問われている。労働組合は、企業や行政の監視人でなくてはいけない。すべての支部が、携わっている行政についての研究成果を持ち寄った行政研究集会を開くことが求められている」
 神奈川県支部代議員は、「年金積立金の運用で、厚生労働省の官僚が年金の資金運用に失敗して1兆3000億円の損失、累積3兆円の赤字を出した。年金改悪反対の運動とともに、年金積立金の民主的運用を求める取り組みも重要。全厚生としての考え方などの政策をきちんと出していく必要がある」
 京都支部代議員は、「4月からの国民年金事務改善で職場は大変な実態にある。行政評価について、誰がどこを評価するのか、国民の立場からの評価に立った自己分析が求められている」
 神奈川県支部代議員は「国民年金業務は、4・5月は大変忙しく職場が混乱した。体調を崩すものも多く病欠も出た。通知書の形式が理解されず、電話による照会も多く対応が大変だ。国民に分かりやすい通知にしていくことが業務の軽減にもつながるのではないか。工夫が必要だ」  熊田代議員(岐阜県支部)は、「業務関連の通知、通達が遅い。行政が知らないのにマスコミには情報が流れていることがある。ぜひ、本部段階で改善できるようにつめてもらいたい。国民年金業務にたずさわっているが、制度の内容で様々な苦情を聞いている。行政民主化や行政研究活動で改善できないものか」
 統計支部代議員は、「統計支部は行政研究活動の基礎となるデータを持っている。大いに活用してほしい」と発言しました。

討論 その2

平和でなくては社会保障を守れない

 平和の問題についても多く発言がありました。
 ハ病研支部代議員は、「昨年9月11日の同時多発テロ以降のアメリカの核に対する扱いは、自国マスコミにさえ批判されているが、日本の新聞は何の反応も示していない。アメリカにとって『核反対』の日本の世論が実は大きな圧力になっている。イギリス首相と小泉首相はブッシュ政権を支持しているが、全厚生は断固核反対の意思を示していくべきだ」
 京都支部代議員は、「原水爆禁止世界大会に参加した。熱気とパワーをもらって元気が出た。平和であるからこそ生活ができるということを実感した。有事に備えて着々と準備が進められている様子がうかがえた。軍隊がなくならなければ戦争はなくならないと感じた。平和のために奮闘したい」と決意表明。
 香川県支部(傍聴)組合員は、「テロ報復を理由にアフガニスタンに空爆を始めたが日本もこれに加担している情勢をきちんとつかみ学習することが大切。今大会で加藤副委員長が退任するが平和の戦士として人生の良き先輩と思っている。今後ともがんばってほしい」 
 神奈川県支部代議員は、愛媛県の公立中学で初めて、戦争賛美の歴史教科書が採択された。許せない。有事法制を断固阻止する決意でがんばりたい」
 岐阜県支部代議員は、「平和行進は分会5名以上で参加。マイクを持ち『ピースコール』で平和を訴えた。また、学習会に加藤副委員長を招き有事法制について学び、憲法の隅々まで読む学習は好評だった」
 静岡県支部代議員は、核兵器のない日本をめざして、3・1ビキニデーに参加している。平和を愛し、核兵器廃絶にむけて、必ず全厚生静岡県支部の旗を立てるので全国から参加してもらいたい。

青年として「たたかう」って何だろう

 青年からも青年らしい元気で率直な発言がありました。
 神奈川県支部代議員は、「全厚生の青年対策部長になった。学習不足を感じており、学習会を開いていきたい。2003年11月の全厚生青年交流集会成功に向けてがんばりたい」
 愛知県支部代議員は、「03年の青年交流集会が名古屋中心ということで決定した。正直言って不安だ。青年として集まる機会がなく、今から青年が集まる機会をたくさんつくっていきながら、全体的な集会へと考えているので各支部の方の協力をお願いしたい」と、青年交流集会成功へ決意を表明。あわせて、「議案書の中のいたるところで『たたかう』とあるが、『たたかう』とは何?情勢の中では、将来不安をいかになくし、展望のある『たたかい』というものを具体的に指針として示してほしい」と率直な疑問が出されました。また、神奈川県支部組合員からも「原水禁世界大会で韓国の人が、めざしている平和と矛盾し新たな『たたかい』を生むことになると、『たたかい』という言葉を使わない方がよいと発言していた。でも置き換える言葉を見いだせない」という意見が出され、

職場も組合も男女共同参画をすすめよう

 業務センター支部代議員は、「大会への女性参加に配慮してもらうようお願いしてきたが、今大会では傍聴も含め、32人が参加している。引き続き、女性の積極的な参加をお願いする。女性部では10月25、26日と社会保険庁交渉、総会を予定している。女性部として、目に見える運動をいかに実施しようかと模索している」
 愛知県支部代議員は、「職場には約300人の女性がいるが、女性所長はいないし、社会保険同士の共働きの所長はいない。局長交渉でこの点について追及したところ、『共働きはそれだけでマイナスポイント』との回答があった。人事院中部事務局との交渉でこの発言に対する見解を求めたところ、『そのようなことがあってはならない』と回答があった。局長が替わり、『適材適所でやらねばならない』と回答するようになった」と紹介。
 業務センター支部代議員は、壮年対策について発言。「壮年部が、豊富な知識と経験を生かして活動している。女性の8級昇格の課題では「退職2年前には」と具体的に要求し交渉してきた。実現はできなかったが、本省を経験しない女性に課長補佐を発令させたことは、来年度以降の布石になると思う。男女差別を許さなないたかいを引き続きがんばりたい。

みんなの力をあわせれば実現できる
雇用と労働条件守るためにがんばろう


討論 その3

超勤縮減で健康と国民のための行政守ろう

 長時間残業の改善問題では、本省庁支部から発言がありました。
 統計支部代議員は、「『残業やめて少子化対策』(坂口大臣)発言をうけて残業しないよう指導しておいて休日に出勤して業務をこなしている上司もいる。業務見直しなくして残業は減らない。全厚生として是非提案してほしい」
 本省支部代議員は、「統計支部、全労働本省支部とで厚生労働本省共闘を結成。今年6月に初の人事課長交渉をおこない、超勤縮減対策の重視をせまった。大臣の少子化対策発言を受けて、残業対策をすすめているが、成果は芳しくない。週2回の定時退庁日だけでなく、月2回の消灯日を設けろ、という声もある。職場では、精神疾患で休んでいる人も多い。超勤縮減のため、がんばりたい」

理念無き組織再編から雇用と研究環境守ろう

 04年3月の国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の廃止と04年4月開設予定の医薬基盤技術研究所(仮称)の問題について、国衛研支部大阪分会代議員は、「職員の雇用の確保は責任を持って行うよう運動してきた。永年大阪で暮らしており、大阪近郊での雇用を求めているが、当局は、国家公務員であり東京への転勤も仕方がないという態度だ。特に賃金職員に対しては消極的で、このままでは解雇の危険性がある。あと1年半に迫り、署名等を取り組みながら良い方向に持っていければと思っている」
 京都支部代議員は、「近畿ブロックは国立衛研大阪支所の閉所にあたり、職員の雇用を守る運動を展開しようと考えている。全厚生として運動の段取りはどうなるのか。また近畿ブロックに対する支援をお願いしたい」
 また、感染研支部代議員は、「医薬基盤技術研究所(仮称)は、非公務員型の独立行政法人で様々の問題がある。独法下での労働組合をどのように組織していくのかという新たな課題もある」と発言しました。
 独立行政法人の職場からは、栄研支部代議員が「昨年4月から独立行政法人になった。当局交渉の際には本部の杉浦書記長にサポートしてもらったが、その中で交渉における確認事項を書面でとるよう指導を受けたことは大変有効だった。組合員拡大は、当局にプレッシャーをかけるためにも必要だ。昨年11人から1年間で8人の増で研究職では組織率70%に到達した。直面している問題としては、『研究評価』の問題がある。組合としては、この問題について反対をしなかった。それは、対案を示さずに反対するのは良くないと考えたからであり、評価の仕方については反対することもあり得るということだ。公務員型と非公務員型についても、ただ反対ではなく内容を具体的にみる必要がある」と、独立行政法人における労働組合活動の先進的な取り組みを紹介しました。
 また、今年8年ぶりに開催した全厚生研究機関交流集会について、ハ病研支部代議員は、「各機関のもつ個別の問題点を共有し、話し合い、解決策を見いだすための場として、これからも継続させていきたい」と発言しました。

国の障害者施策と国立施設切り捨て許さぬ

 福祉部門支部からは、国の障害者施策や国立施設のあり方についての批判や提言、施設における組合活動について積極的な討論がありました。
 神戸支部代議員は、「『全厚生』新聞や大会議案などが視覚障害者もパソコンの音声変換ソフトを使ってホームページから読めるようになった。お礼を言いたい。福祉の職場では、当局にも我々の中にも、独立行政法人化に対する危機感を感じているとは思えない。国立病院の独立行政法人化が終われば次は福祉だ。障害者の自立を国は今、切り捨てようとしている。今こそ、医療、福祉について考えていく必要がある」
 函館支部代議員は、「障害基礎年金の物価スライド実施で年間約4万円の減額。点字図書館等とのやり取りは無料で郵送できるが、これも郵政民営化で有料になりそう。医療費も無料であったが少しずつ有料となりつつある。こうした諸施策は福祉の切り捨てのみならず命の切り捨てとなるものだ。措置制度から契約制度となる点についても国の責任を放棄するものだ。戦争の声が流れはじめてきだした。視覚障害者はいつの時代も平和を願ってたたかってきた。国家は守るけど国民は守らないという国ではダメだ」と厳しく批判しました。
 福岡支部代議員は、「社会福祉事業は今歴史的転換期を迎えている。来年からは、措置制度から契約制度へと移行する。このことの是非は別にしても社会福祉の理念からかけ離れていることは否めない。現状では、利用者の自由な選択はあり得ない。また利用者の負担など矛盾もある。いまこそ、厚社連として政策づくりをするとき。行革による定員削減で福祉サービスに必要な定員が足りない。私たちは障害者の自立支援とサービス向上に努力している。国の責任放棄を容認せず、ねばり強くたたかう」と決意を表明。
 秩父学園支部代議員は、「2度にわたり組合として秩父学園の将来構想をつくり新しく着任してきた園長などにも繰り返し要求、ようやく要求実現の方向になってきた。入所者だけでなく通所者の療育など新しい取り組みに着手しているが、仕事は時間内に終わらず、年休も取れない状況である。また、職場の分断を狙った『評価』が行われようとしている。職場の雰囲気も悪くなり若い職員がやめていく現状がある。今後も専門性を発揮できるようがんばりたい」と発言。
 国立リハ支部代議員は、昨年5月に発生した事故に対する公務災害認定作業での当局の問題ある対応について発言。「いまだに公務災害認定がされておらず、特に本省においては、この事故の関係書類が何ヶ月も山積みにされていた。公務災害認定があまりにも遅いので手続き関係資料の情報開示を求めたが、当局の担当者は開示請求書をゴミ箱に捨ててしまった。我々としては、一個人の問題ではなく正式に処分を求めてきた。組合の力により責任を明確にさせるためにがんばりたい」また「機関紙発行の重要性を痛感した。職場で発行に努力したい」。同じく、当局対応について函館支部代議員は、「支部に対して、『組合活動は認めない。職免は印を押さない』などの暴言をはいた。支部はこれに対して、所長交渉を行い謝罪をさせた」ことを紹介しました。
 別府支部代議員は、「別府支部では組合員旅行を大事にしている。今年も11月に2班に分かれて実施したい。いまは組合の掲示板設置を当局に要求している。この大会で感じた熱気を支部に戻って組合員に伝えたい」
 秋田県支部代議員は、「7月26日に開催した支部定期大会に本部から、加藤副委員長と今井中執(神戸支部)に話をしていただき、好評だった。他部門の話を聞く機会を増やしてほしい」と発言しました。

討論 その4

当局交渉を不断に行い要求の前進を

 神奈川県支部代議員は、「この1年間、窓口折衝を含めた当局交渉は、39回実施し事務局長交渉は11回実施した。内容は、定員不足による年金相談や国民年金事務見直しによる窓口問題をはじめ、天下り所長や賃下げ問題などであったが、14名の定員増や年金相談サービスセンターの増設等による年金相談窓口の繁忙対策、独身寮の新築など一定の前進をかちとった」
 大分県支部代議員は、「自治労との競合職場として組織拡大が大きな課題だ。支部結成当時は、話しすら出来なかったが、徐々に変わりつつあり、今後も大阪支部の先進的な取り組みを参考にしたい。また、昨年11月、大分県国公にも加盟し、地域での年金相談の取り組みや集会などにも参加している。要求の前進としては、5級枠外に置かれた50才の女性組合員について6級昇格を実現した」ことを紹介しました。
 愛知県支部代議員は、「『年金制度改正』を受けて職場状況の変化について15分会を対象にアンケート調査を行った結果、4月30日、5月1・2・7日の4日間について電話照会件数は14分会が『非常に多い』もしくは『多い』と回答。1分会は『窓口に人が殺到して電話に出られなかった』と回答。職場の混乱が理解できた。所長が管理者として現場を把握していないという意見が多く寄せられた」ことを紹介しました。

非常勤職員の要求実現へ組織化手引きを

 業務センター支部の代議員と組合員(傍聴)は、「2000年3月、突然の雇い止め通告をうけ『賃金職員が立ち上がらない限り限界がある。一緒に闘いましょう』と根津前支部長に勇気づけられ42名が加入した。みんなの力を合わせれば変えられること、他の労働組合のことなど、2年間のたたかいで多くのことを経験し学んだ。焦りや不安、あきらめムードなど多くの人の励ましの中で乗り越えられた。2002年4月、新しい雇用ルールの覚え書きを交わすことができた。まだ課題は多いが全員が残ることができた。労働条件がきちんと確立されれば労働者の意識も変わってくると実感した。全厚生の組合員としてこれからもがんばりたい」と発言し、会場から大きな拍手が起こりました。
 京都支部の組合員(傍聴)は、「非常勤職員の組織化では業務センター支部の取り組みは国公でも有名だ。職場では非常勤職員がいなければ仕事も出来ない状況であり、具体的な取り組みをすすめるため、マニュアルや手引きなどが欲しい」と発言しました。

制度の主旨踏まえ希望者全員の再任用を

 再任用制度については、函館支部代議員から「再任用希望者があるので、実現させたい」
 業務センター支部代議員は、「再任用希望がおり、この問題で未加入の7名が組合加入し、支部として取り組んでいる」
 感染研支部代議員は「13年度で退職者19人中8人が、14年度は11人中4人が希望したが任用はゼロだった。当局に説明会を開かせるなどしたが、問題は、定数内であること、勤務体制、2級での再任用という制度内容と再任用制度の主旨を理解できていない所長の方針にある。再任用の実現に向け頑張っていきたい。

入ってて良かった 国公共済会の加入促進を

 秋田県支部代議員は、青年の国公共済会活動でのメッセージを代読。「秋田県支部のTです。8月サッカーの試合中左足骨折しました。激痛で即座に骨折と思いました。そのとき脳裏を横切ったのが「国公共済会に加入していて良かった」の思いでした。2年前まで青年部長をしていましたが未加入で先輩からはなんてこったといわれる始末。昨年冬の学習会で本部の西田さんのオルグをうけて晴れて加入となったのです。こんなにも早く恩恵をいただくとは、西田さんが天使のように思えてなりません。本当にありがとう。今後も加入促進に尽力してください」

要求前進へ組織拡大のたゆまぬ努力を

大会の熱気伝えて
大会速報4号発行

 あいさつや発言を文字にして、大会の熱気を伝えよう、参加者が職場で大会報告をする時の一助になるような速報を出そう、と昨年の大会から発行に挑戦している大会速報を今大会では4号まで発行しました。委員長あいさつや来賓あいさつはじめ47人の発言要旨などを掲載しています。全本部役員が記録を取り、原稿にし、山本・津川両中執が中心となりパソコンで編集。参加者に配布されました。
 組織拡大についての発言も多くありました。
 業務センター支部代議員は、「支部定期大会を目前に、今週月曜日から1ヶ月間、組合員拡大キャンペーンを実施している。600人余りの職員がいるが、その座席表をもとにビクトリーマップを作成し、一人ひとりあたり加入をすすめている。話をするとキチンと聞いてくれ、業務の問題などを色々話した。4日間で4人の加入者があった。今後とも一層の加入拡大に向け努力していきたい」
 国立リハ支部代議員は、「8ヶ月連続で加入拡大に結果をだしている。なかでも看護師の新規組合員が6〜7人加入した。組織拡大に力を入れていきたい」
 神奈川県支部代議員は、「組織拡大では、対話型の活動スタイルをつくっていかないと前進はない。大いに組合員拡大にも取り組んでいきたい。全厚生の各職場の実態にあった組織活動の手引きなどの作成も必要」
 滋賀県支部代議員は、「滋賀県支部も県国公に加盟した。全厚生近ブロにも参加し活動をしている。平和行進では、職場の自治労組合員も誘って行進した。組織拡大では、身近な人からつながりを広げていくことが有効だ」
 大分県支部代議員は、「全厚生の一員として活動をすすめていく中で、自治労組合員との関係で不愉快なこともある。一方で、対応について率直に話し合った人もいて、良い関係が築けそうな雰囲気ができてきたこともある。今後もがんばりたい」

●大会に参加して●
異業種交流は有益  科学院支部組合員
 日頃接することのない業種の方の意見を聞くことが出来て非常に有益であった。また交流集会では各支部の方と昇格、再任用制度等、様々な問題について意見交換ができました。

女性ならではに感激  愛知県支部組合員
 今年の大会では、研究部門、福祉部門の発言がたくさんありました。年々厳しくなっている職場環境の改善を求めてたたかっている組合員の姿がうかびます。大分の秦さんの発言は女性ならではのとりくみで感激しました。

密度の濃い大会  栄研支部組合員
 初めての全厚生定期大会参加は私にとってとても密度の濃いものとなりました。代議員の皆様の熱っぽい発言が印象的でした。それと連日深夜までの研究機関懇談会が勉強になりました。

平和なくして社会保障なし  秋田県支部組合員
 各支部からの熱い発言から、平和なくして社会保障なしとの想いを強くしました。加藤副委員長の今後のご活躍をお祈りするとともに、平和活動の一層の発展に努力しましょう。

感動から10年  静岡県支部組合員
 加藤副委員長が今大会を最後に退職されます。静岡県支部、特に私にとっても労働組合を一緒に作ったという人生に1回の感動を実感し共有した加藤さん、新たな青春・ロマンでガンバって下さい。

多面的にとらえられた  国リハ支部組合員
 今回、初めて定期大会に参加させていただきました。福祉部門以外の仲間の取り組みも知ることが出来、私たちが置かれている状況を多面的に考えるきっかけが与えられました。

他部門の話が有意義  愛媛県支部組合員
 試験研究機関・社会福祉の代議員からの積極的な発言が多く、普段聞けない話が聞けて、大変有意義でした。今後、大会以外でも話の聞ける機会を作って欲しい。

女性部も大きくしたい  京都支部組合員
 今回は女性の参加者が多く、幅広い年齢層ではありますが、より女性どうしの交流が深められた大会でした。この輪が少しずつでも大きくなり、全厚生女性部も大きくなれば素敵だなと思いました。

運動の糸口つかめた  大阪支部組合員
 中身の濃い、幅広い自由な討論、初めての参加ですが、厚生労働省の職場全体に対する攻撃の大変さを考えさせられました。今後の運動の糸口はつかめたかなぁ。

熱気に圧倒された  神戸支部組合員
 初めて大会に参加し、皆様の熱気に圧倒されております。1日目は参加できず、全厚生全体としての活動を把握できず残念です。支部内での活動の充実が何にもまして重要であると認識できました。

組合員として1歩前進  香川県支部組合員
 私は初めて定期大会に参加しました。はっきりいって今まで組合活動をあまり理解できていなかったので、全国の人の意見や考えを通して多くのことを学び、組合員として1歩前進できました。

完全分煙さすが!  ハ病研組合員
 9月5日号の「リレーずいそう」を全厚生が真正面に受け止め、今大会は完全分煙が実施されスッキリとした空気の中で充実した討議ができました。さすが全厚生!これぞ全厚生!

雇い止め撤回運動に涙  大分県支部組合員
 様々な職種のそれぞれの労働組合運動を知ることができました。賃金職員と言わせず、事務補佐員としての雇い止め撤回運動に涙し、全盲の組合員の活き活きとした発言には健常者の甘えを反省させられました。

この熱気、役立てたい  岐阜県支部組合員
 公務員制度改悪や医療制度改悪の厳しい状況の中、各地の仲間達が活発に活動している様子がとても勉強になりました。大会の熱気を職場に持ち帰り、自分自身も活動に役立てるよう努力します。

全厚生にふさわしく  秩父学園組合員
 前夜は発言へのプレッシャーであまり眠れませんでした。報告内容を聞いていて、現代の大きな流れを実感できました。全厚生にふさわしい内容(民主・専門性)でガンバルことを誓います。

初参加で圧倒され  伊東支部組合員
 定期大会には初参加でした。発言者の積極的な活動、切実な苦労など、熱意ある討論を聞き、圧倒されるとともに、勉強不足を感じました。今後は現状の課題から活動していきたいと思います。

元気もらった  滋賀県支部組合員
 賃下げ、度重なる制度改革等による過密な業務により、大変な毎日を過ごしている中、1年に1度たくさんの仲間から様々な「元気」をもらって、また1年がんばっていきたいと思います。

人間らしい生活取り戻す  本省支部組合員
 業務センターの雇い止め問題解決発言に感動した。大会に出るごとに、組合員を守る活動には組合の大切さと重い責任を実感する。劣悪な職場環境改善の活動を進め、人間らしい生活を取り戻そう。

信頼され心から団結して  業務センター支部組合員
 今回の定期大会は、国民に信頼される行政への発言が多く見られた。信頼は基本であり、組合員の団結も信頼があってこそだと思います。国民に信頼され、共感されて、心から団結していける活動を目指したいと思います。

国民の側にたつ活動  感染研支部組合員
 史上最悪人勧、医療改悪の嵐の中で、社保、福祉、研究、各部門の特徴ある取り組み、現場の苦しみ、国民の側に立った全厚生の活動がよく理解でき、研究機関での交流も深めることができました。

応援が心強かった  国衛研支部大阪分会組合員
 全厚生大会参加は初めてでしたが、分煙がきっちりできていて、さすがは全厚生だと感心しました。全厚生の仲間の応援を強く感じ、心強い思いになりました。これからも頑張っていきます。

声にして伝えていきたい  福岡支部組合員
 すべてが初めての定期大会でした。その中で発表できたことは、今後の自分の活動また支部の活動へ、さらに積極的に取り組んでいこうという意識の向上につながっていくと思います。まだまだ勉強不足。しかし、今回の定期大会で学んだことを帰ってからうまく伝えられるかわかりませんが、独り占めするのではなく、声にして伝えていきたいと思います。

仲間の顔を直接見られた  神奈川県支部組合員
 今回の定期大会は、初参加ということもあり、戸惑うこともありましたが、全国の仲間の顔を直接見れることが、私にとっての定期大会の最大の長所だと思いました。


ありがとう、加トちゃん! 全国の仲間から拍手 感謝と激励の夕べ


 大会1日目の夕食交流会は、今年引退される加藤副委員長の労をねぎらい「加とちゃん、感謝と激励の夕べ」として開催。交流会は、今井中執(神戸支部)の創作太鼓で感動的に始まり、杉下委員長は、16年間の加藤さんの全厚生運動での活躍を紹介しながら感謝の意を表しました。また、大倉顧問は、ともに全厚生運動に関わってきたエピソードとともに感謝を述べました。
 あいさつをした加藤副委員長は、全厚生の16年間は人生の中でを大変意義深いものだったとふり返り、静岡県支部の結成の取り組みや福祉部門での活動の思い出を紹介し、代議員の奮闘と全厚生の発展を願うと述べました。また、今後について、ジャーナリストとして引きつづきよりよい日本の実現のため奮闘する決意を語りました。
 続く各支部の紹介でも、それぞれの支部から加藤副委員長との思い出や決意が語られました。


憲法25条と9条を擁護・発展させて  加藤さん退任のあいさつ

 今期限りで副委員長を退任、9月末に定年退職する加藤さんは、「16年間、全厚生の仲間のみなさんに大変お世話になりました」と感謝の言葉を述べた後、全厚生への期待をこう呼びかけました。
 「社会保障制度が後退する中で、全厚生ならではの優位性を発揮してほしい。全厚生は本省庁・研究機関・社会福祉・社会保険の4分野で活動していること、憲法25条と9条を擁護・発展させることを目的に活動していること、このことこそ全厚生の優位性ではないか。平和をまもり、国民を幸せにする社会保障制度の充実は、国民の共通の願いであり切実な要求である。全厚生には国民の要求と結びつけてたたかうことができる優位性があるんです」
 つづいて加藤さんは、「人間らしく生きることも平和も脅かされている。これが小泉内閣の構造改革の中身だ。リストラ・解雇、経営難で自殺者が激増している。年間3万人もの自殺者。これは交通事故死の3倍になる。しかも若い人たちの過労自殺も増えている。本当に人間らしく生きること、働くこと、暮らすことが奪われている。小泉構造改革と対決し、こうした政治を変えるために奮闘しよう」とあいさつをむすびました。


想い出ばなしに花  加藤副委員長を囲んで

 福祉部門交流会は、大会2日目の20時30分から開催。9月一杯で退任される加藤副委員長を囲む会となりました。OBの中津良三氏も出席し、加藤副委員長と各支部との想い出話に花が咲き、和やかなひとときとなりました。新人の参加もあり、「もっと、福祉の政策面を強化すべき」と頼もしく夜どおし論じ合った延長組もあったとのことでした。
(鈴木徹)


国民との共同を強めて  大倉顧問あいさつ

 那須は美しいところなので、ぜひ訪れてください。公務員はどう見られているか。賃下げは当然、もっと下げろなどの声がある。こうした状況をどう打開していくか。国民との共同をどうつくるか真剣に議論してほしい。たたかう術を知っているのは労働者だけだ。頑張ってほしい。

支え愛助け愛に貢献
国公共済会10周年記念表彰
 大会では、国公共済会の10周年記念事業として、拡大推進に貢献した組織と個人に対する表彰も行われ、全厚生から2組織5個人が表彰されました。
 表彰を受けたのは、以下の支部と個人です。
【組織】 感染研支部、愛媛県支部
【個人】 秩父、リハ、業務センター、国衛研、京都各支部の各人

◇     ◇     ◇     ◇     ◇     ◇

国公共済会へあなたも
相談コーナーをひらく
 また、大会の会場に、国公共済会相談コーナーを設け、担当の西田書記が加入促進や相談にあたりました。


大会方針と職場のギャップ埋める努力を  杉下委員長が総括答弁

 大会最終日、2日間で47人の討論を受け、中央執行委員会を代表して杉下委員長が総括答弁を行いました。
 委員長は、積極的な討論で大会が立派に成功したこと、そして、厳しい情勢だが、攻撃にたじろぐことなく希望をもって決意を固め合う大会となったこと、代議員等の発言は、本部が提案した方針に本当にかみ合って、職場、地域での実践に裏付けられた決意をこめたもので、全ての発言が参加者に勇気と確信を与えるものであった、と今大会の討論の特徴をのべ、全体の確認としました。
 月例賃金の切り下げという新たな局面のもとで、私たちのたたかいの方向、展望をどのように切り開いていくか、ということに関わって、多くの代議員から、「情勢を変えるためには『国民の中へ、国民とともに』の方針のもと、民間労働者や国民との『共同』が重要だ」と語られたが、委員長は、代議員の積極的な発言を受け、全厚生全体として全労連、国公労連に結集し、外に打って出て奮闘することが重要であること、同時に、大切なことは、自分たちの要求や都合のときだけの行動にとどまることなく、普段からのつきあいが大事だと指摘しました。
 また委員長は、大会方針と職場にギャップがあり実践できるか不安があるとの指摘に、率直にいってそのとおりだと思う。どのようにして埋めていくかが大事。支部と相談しながら、双方向のオルグ、学習会等を重視していきたいと、本部として努力していく考えを示しました。
 組織拡大については、困難な課題であるが、職場地図をつくり着実に前進している業務センター、毎月欠かさず拡大している国立リハ支部等の取り組みを例にあげ、貴重な実践で、知恵と情熱で全体としてなお一層奮闘をと呼びかけました。
 公務員制度については、成果主義賃金が導入されている民間企業で30歳代の自殺者が増えているとマスコミが取り上げていると指摘し、公務の役割を変質させ、差別と選別、際限のない競争をあおる改悪は認められないと改めて学習、討論の重要性を強調しました。
 「平和でなければ生きていけない」との発言を受け、全厚生として反核・平和の取り組みを重視すること。社会保障闘争については、国民と真正面から向き合い、共同した取り組みが重要であることを強調しました。
 最後に委員長は、情勢は厳しいが、明日が少しでもよくなることを希望すれば、必ず変えることができる、そのたたかいの先頭に本部が立つ決意であること、代議員をはじめ、全ての組合員が団結して奮闘しようと熱く訴え、総括答弁を締めくくりました。


第15回全厚生機関紙フェスティバル

機関紙フェスティバル参加紙
<クリスタル賞>
 業務センター支部「支部ニュース」
 国衛研支部「衛研支部ニュース」
 函館支部「イカ労かわら版」
 秋田県支部「こだま」
 大阪支部「全厚生大阪支部ニュース」「 同 号外」「支部情報」
 秋田県支部青年部「とらい」
 業務センター支部女性部「女性部にゅーす」
 香川県支部高松東分会「NEWS」
<金賞>
 統計支部「執行委員会ニュース」
 感染研支部「支部執行部ニュース」
 国衛研支部大阪分会「支所の声」
 国立リハ支部「かるがもメール版」
 神奈川県支部「週刊保険」「書記長情報」
 愛知県支部「支部だより」「こぶし」
 京都支部「社保ニュース」
 香川県支部「支部情報」
 愛媛県支部「支部情報」「焦点」
 業務センター支部壮年部「燦燦」
 愛媛県支部青年部「青年部情報」
 愛知県支部女性部「レディス・エコー」
 滋賀県支部女性部「全厚生滋賀県支部女性部たより」
 京都支部女性部「たんぽぽ」
 大阪支部女性部「かざぐるま」
 本省支部社会・援護分会「日刊SHAEN」
 愛媛県支部宇和島分会 「よあけ」
 愛媛県支部松山東分会「輪」
 愛媛県支部松山西分会「ひびき」
<銀賞>
 神奈川県支部青年部「青年部ニュース」
 神奈川県支部女性部「コスモス」

運動を支える原動力 心を豊かにする機関紙活動を

 大会1日目、恒例となった機関紙フェスティバルの講評に立った加藤副委員長は、「機関紙フェスティバルも15回を重ねることができた。年々紙面もたいへん充実してきている。組織活動にはなくてはならない存在になってきている。担当者の粘り強い編集発行に拍手をおくりたい」と、まず編集者の奮闘をねぎらいました。
 つづいて加藤副委員長は、機関紙づくりでの3つのポイントにふれ、(1)定期定日に発行する(2)執行部の方針を伝える指導性とたえず組合員を正面にすえた気分・感情などをおさえた大衆性をどう統一した紙面をつくるか(3)トップダウンでなく目線を組合員の心においた紙面づくりーこの観点が大事だ、と指摘しました。 定期定日発行については、「週刊とか月1回発行など支部・分会で発行日を決めたらそのことをまもること。定期に発行することは、機関紙の生命ともいえる。組織活動と教宣活動は車の両輪なんです。要求の実現と団結に欠かせないものとして定期発行をつづけてほしい」と強調しました。
 紙面をつくる上で指導性と大衆性をどう統一させるかも重要な課題。加藤副委員長は「執行部の方針をきっちりと伝えているとともに、組合員の生の声や随想、意見が紙面に反映されてきている」と評価しました。そして、組合員の目線からの声が感動的に掲載されている機関紙として、業務センター支部のあたたかい人間の思いやりに富んだ紙面、京都支部女性部「たんぽぽ」に掲載された「赤ちゃん生まれました」の記事を挙げました。
 また、通常の機関紙とメールやホームページなどを結合した機関紙づくりの工夫の必要性も指摘しました。
 最後に、「機関紙づくりは本当に心を豊かにするもの。全厚生運動をささえ発展させる原動力になる機関紙づくりをいっそう前進させよう」と講評を結びました。 

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