マイナス勧告は許さない |
炎天下の7・31中央行動に全厚生102人
国会の会期末と重なった7月31日全厚生は、国公労連・公務労組連絡会に結集して中央行動に参加。全国から3500人の仲間が集結し、猛暑のなか「マイナス勧告は許さない」と怒りを持って人事院を包囲するなどの様々な行動を繰り広げました。
全厚生は、本省・統計・業務センター・感染研・国立リハ・秩父・神戸・秋田県・神奈川県・静岡県・愛知県・岐阜県・滋賀県・京都・大阪・香川県・愛媛県・大分県の18支部・102人の仲間が参加。政府・人事院を追いつめるべく、元気いっぱいたたかいました。
本俸引き下げ必至の情勢
「昼休み霞ヶ関行動」では、5カ所での要求行動を並行して実施。国公労連は人事院前、財務省前、行革推進事務局前の3カ所で行動に取り組みました。
人事院前では、国公労連の小田川書記長が人事院勧告をめぐる情勢とたたかいについて報告。交渉において人事院勤務条件局長は、「(1)本俸引き下げ必至の状況認識で作業をすすめている(2)配偶者手当の削減を検討している(3)調整額の経過措置の見直しが必要である(4)一時金について3月期分を6月と12月に振り分けるとともに期末・勤勉手当の支給割合を見直す(5)勧告の実施時期を4月に遡及する」と回答していることを紹介。「公務労働者の生活を顧みず、750万労働者に影響を与える人事院勧告を単に民間準拠の一言で片づけようとする人事院に怒りの声が上がっている。すでに支払われた賃金から『精算』の名で差額を返せとしていることは断じて許されない」と強調。人事院前を埋め尽くした参加者は怒りのシュプレヒコールを響かせました。
また同時に行われた財務省前では国民本位の予算策定への転換を、行革推進事務局前では民主的な公務員制度の確立を強く訴えました。
悪魔の賃下げサイクルに歯止めを
人事院包囲行動では民間の仲間が「人勧は民間労働者にとっても人ごとでない。財界の賃下げ攻撃の上に、マイナス勧告ではさらに民間での賃下げに口実を与える。まさに悪魔の賃下げサイクルだ。共同のたたかいを強めよう」と激励。この日、通信労組・生協労連・JMIU・農民連・建交労などの民間の仲間が駆けつけました。
全厚生は、日比谷野外音楽堂での総決起集会の後、行革推進事務局コースをデモ行進し、炎天下の行動を終えました。
この間取り組みを進めてきた「公務員の賃金改善等を求める署名」は、中央行動の中で提出。全体で26万6千筆。全厚生は3850筆(集約4080筆)を提出しました。
今後、8月6日からの「人事院前座り込み行動」、勧告直後の「各職場からの抗議・要求打電」に全力で奮闘しましょう。
賃金カット反対シュート
日比谷野外音楽堂での総決起集会で国公労連は、各単組代表の精鋭イレブンが「マイナス勧告」を跳ね返そうと、サッカーボールを壇上からシュート。意欲たっぷりのパフォーマンスに会場は大いに盛り上がりました。イレブンには全厚生を代表して小野カットの國枝中執が登場、見事?なシュートを決めました。
リレーずいそう |
● 忘れられないロシアの旅
今年は8月の算定基礎に入る前の7月に、早々と夏休みを取り、1年半ぶりのロシアを旅行しました。猛暑の日本から脱出したはずだったのに、モスクワの空港についてみたら気温が30度。でも、日本みたいに湿気はないので、さわやかな暑さでした。平年だと日本の4月か5月初めの気候だと聞いていたのですが。1年半前の冬も暖冬(マイナス10度)だったのを思い出し、地球温暖化が進行しているのかと感じました。
さておき、今回の旅行は、ハプニング続き。まずはこのツアーの主催者側である劇団の制作者が9月公演の関係でドタキャン。当日集合時間になっても1人現れず、連絡を取るとまだホテルにいるありさま。旅行中にスーツケースのカギを紛失した人、帰りのモスクワの空港に土産を忘れてしまった人(実は私達夫婦)もいて、別の意味で忘れられない旅になってしまいました。
ロシア人は、老若男女それぞれ自分に合う装いをしています。へそだしルックがいると思えば、タンクトップの人、素敵におしゃれしている人、みんな短い夏を十分に楽しんでいるようです。日本の渋谷みたいにみんな同じ格好ということはありません。ガイドさんの話によると今年の夏は特に暑いので川に飛び込む人が多く、水の事故が例年より多いとか。
今回も、映画撮影や舞台稽古の見学など、日夜を十分楽しみました。次はいつの時期に行こうかと考えている私です。(神奈川県支部 金子菊枝)
2002年度
全厚生本部役員選挙公示全厚生規約第36条および同選挙規則第3条第1項の規程により、2002年度全厚生本部役員選出のための「選挙公示」を下記のとおり行います。 記
1.投票日
2002年 9月15日(日)
2.投票場所
熱海『水葉亭』(全厚生第66回定期大会会場)
3.立候補届出期間
2002年8月19日(月)〜9月9日(月)
立候補届に必要事項を記入のうえ、選挙管理委員会事務局 (全厚生本部書記局内)まで提出して下さい。
4.被選出役員名および定数
(1)中央執行委員長 1名
(2)中央執行副委員長 若干名
(3)書記長 1名
(4)書記次長 1名
(5)中央執行委員 若干名
(6)特別中央執行委員 若干名
(7)会計監事 2名
2002年7月26日
全厚生労働組合 選挙管理委員会委員長
全厚生第66回定期大会告示 全厚生規約第17条の規定に基づき、全厚生第66回定期大会を下記の通り招集いたします。 記 1.日時 2002年9月13日(金) 午後1時から
9月15日(日)正午まで2.場所 熱海『水葉亭』
〒413-0002静岡県熱海市伊豆山190-1
TEL 0557−81−71453.議題 (1)第1号議案
[1] 2001年度経過報告及び2002年度運動方針(案)
[2] 2002年度全厚生統一要求(案)
[3] 2002年度秋季年末闘争方針(案)(2)第2号議案
[1] 2001年度決算報告及び2002年度財政方針(案)
[2] 2001年度会計監査報告2002年7月26日
全厚生労働組合 中央執行委員長 杉下茂雄
夏期統一要求で厚生労働省・社会保険庁と交渉 |
8月2日、人事院勧告が来週にも出されようとする緊迫した状況のなか、切実な賃金改善要求などを中心に大臣官房人事課・篠原人事調査官、社会保険庁・角田総務課長とそれぞれ交渉を行いました。この交渉は、全厚生が6月19日に提出した夏期統一要求書にもとづいて実施したものです。全厚生からは、杉下委員長以下専従役員4人が出席しました。
人事課 マイナス勧告、4月遡及実施阻止へ最後まで努力を
人事調査官との交渉で杉下委員長は、統一要求の10項目のいずれも重要な課題であり、使用者としてしっかりと受けとめるよう訴えるとともに、とりわけ@人事院勧告にむけた賃金改善要求A公務員制度改革の課題B政府管掌健康保険の課題C新再任用制度の課題の4点について強く要求しました。
賃金改善では、「1000円の賃上げ要求はぎりぎりの要求だ。4年連続となる賃下げ、マイナス勧告は断固許されない」「公務員の賃下げが、来年の民間賃金を引き下げる。悪魔のサイクルを断ち切るべき」と主張。当局の最終ぎりぎりまでの人事院に対する努力を要請しました。公務員制度改革では、ILO総会での日本政府の対応に対する世界各国からの批判について言及し、あらためて「その進め方、内容ともに大きな問題がある」と指摘。一方的な改革強行は認められないとし、実施主体としての責任ある労使協議を行うよう要求しました。また、7月25日の医療改悪法の成立を受け、政府管掌健康保険の見直し問題では、労使関係のもとで情報提供がなされないことは問題とし、必要な協議を行うよう申し入れました。新再任用の課題では、すでに今年の選考結果の中で希望者があったにもかかわらず、採用ゼロの機関があったことにふれ、制度の趣旨を第一義的にとらえて、人事課の指導を要請しました。
これらを受け、人事調査官は「職員の生活実態も考慮し、人事院には給与改善要望をしている。ただたいへん厳しい状況と聞いている」と回答。
公務員制度改革では「推進事務局が今後は意見を聞くとしているので、目を光らせていきたい」、「試行についても労働組合と相談していきたい」。また、政府管掌健康保険の課題では、「職員の勤務条件に関わるという認識を持って当たりたい」。新再任用では今年の状況はまだ把握していないとし、「選考が落とすための手段として使われているのであれば問題」と回答しました。
最後に、使用者としての努力を再度要請し交渉を終えました。
社会保険庁 賃金改善要求と政管健保見直し課題の進捗状況を確認
社会保険庁の総務課長との交渉では、@人事院勧告にむけた賃金改善要求A公務員制度改革の課題B政府管掌健康保険の課題の3点を強調しました。
総務課長は、賃金課題について「民間の厳しさから、やむをえないとも思う」とし、人勧実施4月遡及や期末・勤勉手当支給割合見直しなどについても、人事院がしかるべき対応をすべき」と回答しました。
杉下委員長はこの回答を受け、使用者として労働組合の切実な要求にどう答えるのかを追及。切実な要求を理解し、前向きに受けとめ、努力することが必要と訴え、社会保険庁にも勧告ぎりぎりまで努力するよう要請しました。政管健保の課題では、分割や民営化がありえないことを強調。全国一律・一体の運営は崩せないとし、社会保険庁としての最大限の努力を要請しました。
総務課長は、社会保険庁が自らを否定することはありえないとし、強制保険に一定の政府の責任があることは当然としました。
杉下委員長は、「効率化に異議を唱えるものではないが、保険制度の趣旨をゆがめてしまうべきではない」とし、再度社会保険庁の努力を要請。医療保険制度に対する公的責任や効率化などについて意見交換を行い、交渉を終えました。
許せん! マイナス勧告 |
7.31参加者の声
ヒドイ夏だ 静岡県支部 47歳組合員
国会の終了日としての中央行動は暑くたいへんであった。今国会で健康保険改悪法が成立し、年末からボーナスが10万円実質減となる中で、今年のマイナス勧告は絶対に許されるものではない。今年の夏はヒドイ夏だ。
希望が・・ 大分県支部 組合員
夢も希望もないような人勧反対!
意欲が・・ 大分県支部 組合員
一生懸働いている公務員労働者の働く意欲をなくすような賃下げ人勧反対!
これ以上 神奈川県支部 28歳組合員
これ以上の賃金カットは安心して生活ができないぞ!!
いかりをどこへ 滋賀県支部 43歳組合員
私たちはこの「いかり」をどこへ届ければいいのですか。わたしたちは何が何でも「たたかい」続けるぞ。
どういうこっちゃ 岐阜県支部 29歳組合員
給与削減、人員削減すると、もれなく「サービス削減」もついてきます。それでいいのか行政サービス!民間に足並みそろえるなら、バブル期にもそろえて賞与2倍に上げて欲しかったな〜。下げる時だけ一緒とはどういうこっちゃ。
絶対反対 愛知県支部 28歳組合員
医療改悪絶対反対。暮らしやすい社会を!!
子どものために 愛知県支部 28歳組合員
来年子どもが生まれる予定なんです。それなのに給与が下がるなんて!!今でも十分苦しいのに、これ以上悪化するのは許せない。安心して出産でき、生活できる給与確保を!!
民主主義の危機 神戸支部 45組合員
民主主義政治の危機を感じます。みんなでくい止めましょう!!
日本経済の行方 リハ支部 44歳組合員
これで日本経済の活性化ができるはずがない!!
景気の回復を 京都支部 38歳組合員
マイナス勧告なんて、絶対に許せません!労働基本権を抜きにした公務員制度改悪にも絶対反対です。人勧を公正に実施し、景気の回復と国民本位の行政の実現を!!
代償機関として 愛知県支部 23歳組合員
今回の人勧、誰のための勧告?納得できない勧告を行う人事院こそ全面給与カット!!職務果たせよ、代償機関さんよぉ〜。
消費不況さらに 大阪支部 57歳組合員
消費不況をさらに深める人勧マイナス勧告なんて絶対許せない!医療改悪、年金改悪、税制改悪と一体の勤労者いじめです。不況、リストラ、賃下げに悲鳴の民間労働者と手を結び、不当勧告許さないたたかいを広げよう!
経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002 骨太方針 を斬る
〔下〕 小泉流「構造改革」で国民負担増、不況は更に深刻
中央執行副委員長 加藤 重徳
小泉流「構造改革」は、「強いものはより強く」「大きいものはさらに大きく」の弱肉強食の推進です。国は果たすべき役割を果たしていない、国民は守られるべき対象になっていないのではないか。昨年の「骨太方針」や今回の「骨太第2弾」での税制や社会保障の抑制などをみると、そのことが鮮明になります。
税制についてみると、第2弾では「法人に対する課税については、その実効税率の引下げと課税ベースの拡大を検討する。その一環として、法人事業税の外形標準課税について…検討する」、「配偶者に関する控除等に関し検討する」としています。第2弾が発表される以前の6月7日、小泉首相は政府税制調査会の石弘光会長を総理官邸に呼び、「外形標準課税の導入による法人課税の実効税率の引き下げ」「配偶者特別控除、特定扶養控除などの簡素・集約化」を指示しています。
「法人課税の実効税率の引き下げ」は、企業所得(利益)に課している法人事業税(地方税)の一部を会社の規模などに応じた課税方式に振り替える外形標準課税を導入しようというものです。莫大な利益をあげている一握りの大企業が減税となる一方で、利益がでない赤字の中小企業には大増税になります。日本商工会議所の試算によると、赤字法人はすべて1社平均179万円の増税で、赤字で苦しむ中小企業の増税額は実に6千億円にのぼります。一方、トヨタをはじめ経常利益上位10社の大企業は840億円の減税になります(7月22日の衆院予算委員会集中審議で共産党・吉井議員の試算)。
また、小泉内閣は来年度に、配偶者特別控除、特定扶養控除、老人扶養控除の3つを廃止しようとしています。配偶者特別控除は専業主婦がいる世帯への控除、特定扶養控除は16歳から23歳未満の高校生、大学生の子どもがいる世帯への控除、老人扶養控除は70歳以上の高齢者がいる世帯の控除です。集中審議での吉井議員の追及に対し政府は、国民負担が1兆1400億円になることを明らかにしました。
このように小泉内閣が「国際競争力強化」などを口実に法人課税の実効税率引き下げを強行するならば、中小企業の倒産が増えることは必至です。1兆円を超える庶民への大増税をはじめ医療改悪や社会保険料の値上げなどで3兆円を超える負担増を国民に押しつけるならば、国民生活を破壊し不況をいっそう深刻化させることになるでしょう。
いまこそ、地域経済の「空洞化」をすすめる元凶である大企業の横暴に歯止めをかけ、日本経済の主役である中小企業や、個人消費を応援する経済政策の転換こそ経済を活性化させる真の道です。日本経済に打撃を与え、国民への大増税計画をすすめようとする「骨太方針第2弾」を断じて容認できません。(おわり)
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