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◆第1528号(2002年7月15日付)◆

マイナス勧告・賃下げ許さない

国民の暮らしと職場守って夏期闘争がんばる

大会議案を討議 夏期闘争を意思統一  全国支部委員長会議開く

 全厚生は7月6日、全国支部委員長会議を東京・国公労連会議室で開催しました。
 会議には25支部1分会から代表が出席。9月の全厚生第66回定期大会の議案について、この間の各支部の取り組みの工夫や努力を出し合いながら討議するとともに、夏期闘争を意思統一。厳しい情勢もたたかうことで展望が開けることを確認しあいました。
 会議の冒頭、杉下中央執行委員長があいさつにたち、「医療」「有事」などをめぐる国会情勢について報告。特に有事法制では地方・中央の集会は労働組合の系統を超えて開催され、たたかいが急速に盛り上がっていると指摘し、「戦争非協力者に対し罰則まで科して強制的に協力させようとするのは、そもそも反対が予想される戦争をしようとしているからだ」と反憲法性をあらためて強調。まともな労働組合として、人間の尊厳をかけて阻止しようと訴えました。
 また連日にわたる国会行動などのたたかいが確実に小泉内閣・自公保政権を追いつめており、夏期闘争を国民的諸課題とも結んで、7月19日の全国集会、延長国会会期末の31日の第3次中央行動に全力をあげようと呼びかけました。
 つづいて2002年度運動方針案(骨子)については杉浦書記長が、2002年度予算編成案については川名書記次長がそれぞれ報告しました。
 杉浦書記長は方針案作成の基本として@昨年の情勢からどう変化したか、情勢の特徴を捉えるAこの間の取り組みの教訓を今後のたたかいに生かすBあらためて労働組合の活動とは何か、権利を守るたたかいをいかに前進させるか、「たたかいの基本方向」「原則的な見地」を打ちだすC全厚生労働運動を前進させる運動方針を確立することの4点を念頭に置いたと説明。情勢の特徴、活動の総括・教訓、生活・労働条件改善の取り組み、組織の強化・発展をめざす取り組みなど8つの柱に沿って、憲法を生かし職場と地域に根ざした労働運動をめざす議案書の考え方について骨子メモを報告しました。
【討論内容】へ


賃金カット反対 民主的公務員制度を  国公労連第2次中央行動

夏期闘争7・31中央行動を成功させよう
 マイナス勧告・賃下げ反対、民主的公務員制度確立などを掲げ、7月3日、公務労組連絡会は、夏期闘争第1次中央行動(国公労連夏期闘争第2次中央行動)を霞が関・国会周辺で展開し、1200人の仲間が奮闘しました。全厚生も本省、統計、業務センター、神奈川県、愛知県、京都、大阪の各支部と本部から35人が結集しました。
 中央行動は昼休みからスタート。総務省前と行革推進事務局前で並行して要求行動が行われ、総務省前行動であいさつにたった松村公務労組連副議長は夏期闘争をめぐる状況にふれ、「竹中大臣の公務員賃金削減発言、公務員制度改悪も進められている状況から、これまで以上に厳しいたたかいとなる。しかしILO総会での日本政府に対する各国からの批判が集中している。不当な公務員制度改悪を追及し、750万労働者に悪影響を与え、景気悪化につながる賃金切り下げを阻止しよう」とあいさつしました。
 日比谷野外音楽堂では「マイナス勧告・賃下げ許すな!医療改悪・有事法制阻止、民主的公務員制度確立 2002夏季闘争勝利!7・3中央総決起集会」を開催。その後、参加者は国会まで請願デモをおこない、「すべての悪法を廃案にせよ!」「公務員賃金切り下げゆるさないぞ!」「民主的な公務員制度をつくろう!」とシュプレヒコールを響かせました。
 行動に参加した愛知県支部の後藤秀利書記次長(30)は、「私達公務員は、人事院勧告が唯一の賃上げの頼りなので、今年は必ず、去年よりもよい勧告をして欲しい。働くルールの確立は、今の状況を考えると、今すぐに」と述べました。
 夏期闘争はますます重要な局面を迎えており、延長国会の会期末をむかえる今月末の31日には、今夏期闘争最大となる5000人規模の中央行動が取り組まれます。全支部から上京団を組織し、職場の代表を送り出しましょう。


リレーずいそう
● 元気の源!
 先日、仕事の研修会で上京した際に、全厚生本部を訪ねてみた。
 久しぶりの訪問で、本部が現在の場所に移ってからは、はじめてのことである。
 杉下委員長と少し話をしてから研修会に行き、研修会を終えた後は加藤副委員長と旧交を温める(実際は、単に飲みに行くだけだったのだが)約束をしていたが、少し時間が早いので、日比谷野外音楽堂で行われる有事法制反対の集会に参加をしてみた。何年ぶりだろうか。
 若い頃や支部の役員、県国公の役員などをしていた頃は、頻繁に上京して集会やデモなどにも参加していたが、すっかり忘れていたように思う。
 地方で労働組合の活動をしていると、運動の全体像や到達状況などがななかなか見えないために、時には落ち込んだり、悩んだりすることもある。
 そんな時に中央の会議や諸行動に参加すると、参加者の熱気や数に感動し、元気を取り戻すことができた。
 私にとっては、元気の源とも言えるものだったと思う。
 はからずも、今回支部長という要職を引き受けることになったが、以前のように落ち込んだり、悩んだりすることもあるだろうか。
 年齢的には不惑の年を随分過ぎてしまっているが、感性だけは若さを失いたくないと思う。
 落ち込んだら、東京でまた元気をもらおう。
(愛媛県支部 支部長 児島文彦)


第15回全厚生機関紙フェスティバル
 支部・分会の教宣活動を応援する「全厚生機関紙フェスティバル」は今年で15回目を迎えました。支部・分会・専門部からたくさんの応募をお願いします。
 応募紙に ついては、例年どおり、全厚生第66回定期大会会場に展示し、交流するほか、すべての講評を行い、各紙の内容にふさわしい賞を設け、大会の中で表彰します。また、応募各紙の優れた紙面を選んで自家印刷の冊子にして、各支部の機関紙活動で活用できるよう工夫します。

〔目的〕
 支部・分会をはじめ青年・女性部な どの教宣・機関紙活動をはげまし、編集内容の質的向上を支援する。

〔対象紙〕
 支部・分会・専門部で2001年9月から2002年8月までの間に発行した機関紙。

〔参加方法〕
 参加申し込み用紙(各支部に送付)に記入し、この間に発行したすべての機関紙を各5部ずつ送ってください。

〔締切〕
 8月12日(月)本部必着。

〔講評〕
 全厚生中央執行委員会で行います。

〔表彰等〕
 各紙の内容にふさわしい賞を設け、全厚生第66回定期大会で表彰します。賞状、記念品などを贈ります。


全国支部委員長会議で活発に討論

要求を大切にした活動を

 7月6日の全国支部委員長会議の討論では26人が発言しました。
 栄研支部の石見書記長は「3月に提出した賃金をはじめとする春闘要求が6月にようやく一定の決着を見た。当局は独法でも公務員型であることを理由に人勧にしたがわざるをえないとの回答に終始した」と独立行政法人の矛盾について発言しました。
 国立衛研大阪分会の吉井書記長は大阪支所の廃止にともなって職員の雇用が重要な問題と、現在の支所の状況について報告。今後の取り組みについて全厚生各支部の協力を要請しました。
 業務センター支部の峰支部長は「壮年部を結成して8級昇格問題や新再任用などに取り組んできた。また業務に対する提言を作成した。これは業務に精通したベテランならではの役割発揮できる部分」と発言しました。
 愛知県支部の磯貝支部長は愛知国公で行政レポート集を作成。行政研究の一端として県国公でも取り組んでいることを紹介しました。また国公労働学校で学んだ「なくしてわかる、親と健康と労働組合の団結」に奮起して、賃金など夏期闘争課題で職場集会を行うと発言しました。
 そのほかの支部からも様々な取り組みの報告が相次ぎました。香川県支部からは高松市内で政党、労働組合の枠を超え、有事法制に反対する集会が3千人規模で10数年ぶりに開催された。感染研支部からは今年度とりわけ重視して取り組んできた新再任用の取り組みと当局の対応を。伊東支部ではこの間に7名の組合員を迎え、過半数を超える組織となった。近畿ブロックでは幹事会を開催しており、国立衛研大阪支所の問題は近畿ブロックでも応援していく、などの発言がありました。
 困難な職場実態のなかで、日常的な組合活動の強化についての発言が注目されました。
 愛媛県支部の児島支部長は支部大会での青年からの発言や脱退者の存在にふれ、「これまで青年に対して労働組合の役割の説明が不足していたのではないか。組合員を主人公にした活動が本当にできているか、組合員が喜んで参加できる活動づくりをしていく努力が必要」と率直に語りました。 神奈川県支部の平丸支部長は「支部の組合員の母親が長時間残業の状態を心配して直接全厚生本部に電話をした。組合員が支部に相談するという機会がなくなっている。組合との接点づくりが必要で、非常勤職員の組織化に向けてもこの観点が重要」と発言。
 昨年12月から毎月組合員の加入拡大を続けている国立リハ支部の前野支部長は「単に数の拡大ではなく、組合の強化が大事」「一個人に頼るのではなく、みんなで取り組んでいくことが大事」と発言しました。
 統計支部の菅沼支部長は「各職場ごとに昼休み懇談会を開催した。組合として話をする場を提供することも重要。その場で有事法制反対の壁新聞をつくろうという話になった」と発言しました。
 最後に杉下委員長が「各支部からの発言を真摯に受け止めて運動方針に反映させる。意義深い大会にしよう」「夏期闘争を精一杯たたかおう」とまとめ、「団結がんばろう」で会議を終了しました。


愛知&岐阜両県支部/新入組合員学習会開く

先輩達の努力があって今がある

 6月28日、この1年間の新入組合員を対象とした学習会を名古屋市女性会館室で行いました。この学習会は、昨年に引き続き、岐阜県支部と合同で行い、多くの新入組合員(愛知13人、岐阜7人)が参加しました。
 学習会は、佐久間信司弁護士による「有事法制3法案の問題点」の講演。「この法案は、もしも外国が攻めてきた場合の対処法ではなく、遠く離れた場所であっても、『武力攻撃』事態にあたると判断でき、アメリカとの戦争に協力するという現実味を帯びた法案である」ことを知らされました。
 そして、ろうきん東海による「かしこいローンの利用法」の講義。また、全厚生本部西田書記による国公共済会の話があり、「民間損保と違い、儲けを目的としていないので、小さな掛金で大きな保障を受けられます」と利点を挙げ、国公共済会への加入を勧めました。
 最後に、愛知県支部佐藤書記長が労働組合の歴史とその役割について講義しました。学習会の後は、ボウリングと懇親会。参加者からは「先輩たちの努力があって、今の自分たちの労働環境があることを痛感した」などの感想が寄せられました。
(愛知県支部 國枝孝幸)


京都支部/平和行進にのべ37人参加

核兵器もポイ捨てもアカン!

 京都支部の「国民平和大行進」への取り組みは、6月21日に滋賀県から引き継がれた「東京〜広島コース」と、30日に福井県から引き継がれた全厚生で唯一の「富山〜広島コース」に支部全体で6日間、のべ37人(子供含む)が参加しました。
 例年京都支部は、大津市役所から京都に引き継ぐ間も滋賀県の仲間とともに行進しています。そのコースには、普段車ばかりで人通りの少ない、「逢坂山」(ちっちゃい峠)も含まれています。ここは、民家も少ないため、車からの「ポイ捨て」と思われる空き缶・ゴミが放置されがちで毎年気になっていました。そこで今年は、全厚生の参加者有志で、「プチ・クリーン作戦」を実施し、「核兵器も、ポイ捨てもア缶」を合言葉に奮闘しました。なにぶん、行進に支障のない「プチ」作戦のため、行進の足止めとならないよう泣く泣く見過ごした空き缶・ゴミも2、3個ありましたが、「草の根」の空き缶拾いと核廃絶にむけた運動、どちらもみんなに広がれば「いのちと地球にやさしい世の中」が簡単に作れるのになぁとあらためて実感し、これからもあきらめず「草の根運動」を大切にしようと決意を新たにしました。
(京都支部 川口博之)


経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002 骨太方針 を斬る

〔上〕
経済活性化どころか景気をより悪化させる「骨太方針第2弾」
中央執行副委員長 加藤 重徳

 政府の経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は6月21日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(骨太方針第2弾)を正式決定し、首相に答申しました。政府はこの「基本方針」を6月25日の閣議で決定し、各省庁の2003年度予算編成作業が本格化します。
 「骨太方針第2弾」は、小泉流の「構造改革」について「悪化傾向を続ける経済と財政のトレンドに、一定の歯止めをかけることに成功した」などと自我自賛しています。そして、「この1年の成果の上に立ち、経済と財政の改善傾向をさらに確実なものと」し、「我が国経済社会の活性化」(国際競争力強化)を目的に、消費税増税を視野に入れた税制、地方行財政改革、国民へのさらなる負担増をねらった社会保障制度改革、国の責任を縮小する歳出削減、デフレ対策のためとする政府日銀の市場介入と規制緩和推進の構造改革特区新設などの「経済活性化戦略」を打ち出しています。
 ここで示されている方針は、国民負担増をさらに押し付け、政府による富の再配分機能をさらに後退させ、大企業の横暴を加速させる施策にほかなりません。それはさらなる格差の拡大、貧困の増大など国民生活の困難に追い討ちをかけるものです。
 この1年間小泉流「構造改革」が、国民のいのちと雇用、暮らしをはじめ中小企業の営業を破壊しておきながら、「骨太方針第2弾」では、成果をを自賛しさらに「『経済社会の活力』を高めるとともに、『全ての人が参画し負担し合う公正な社会』を構築していく」「『負担に値する質の高い小さな政府』を実現する」などとは、よくもいったりです。いったい誰にとっての「骨太方針」なのか。よほど現実知らずの「学者大臣」らが、「強きものはより強く」「大きいものはさらに大きく」させるために作ったプランといえます。こんな「不公正な社会の構築」を黙認するわけにはいきません。
 小泉首相は、昨年4月の首相就任以来、「構造改革なくして景気回復なし」と繰り返し述べ、その具体化として示されたのが昨年6月の「骨太の方針」でした。その「構造改革」で最優先されたのが不良債権の早期最終処理でした。結果はどうだったでしょうか。不良債権は処理しても処理しても逆に増えました。金融庁の調べによると、大手銀行の昨年3月期の不良債権残高は約18兆円でしたが、今年の3月期には約26兆8千億円で、実に5割近くも増えています。実体経済をよくすることなしには不良債権問題も解決しないことを証明した1年でした。
 ところが「骨太方針第2弾」では、不良債権の早期最終処理をさらに加速させようとしています。これでは景気をより悪化させ、悪循環に陥ることは必至です。
(つづく)

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