見出し

◆第1527号(2002年7月5日付)◆

職務実態を適正に評価せよ

諸手当など改善求め人事院と交渉

 6月27日、全厚生は調整額・諸手当等の改善を求めて人事院と交渉しました。全厚生からは杉下委員長以下8人が出席、人事院側は勤務条件局給与第3課の平野補佐が対応しました。
 冒頭、杉下委員長は要求全般にわたって趣旨を説明、これを受けた平野補佐が各要求項目について回答。その後、交渉出席者が要求の実現に向け、さらに追及しました。
 国立福祉施設に関する要求では「国立福祉施設に働く全職員に調整額を適用すること。当面、医事課職員、自動車運転手、調理師、薬剤師に調整額を適用すること」「介護員の夜間特殊業務手当を夜間介護業務手当(仮称)に改め、増額すること」を強く要望しました。
 調整額では昨年に続き国立リハ支部の薬剤師・西嶋副支部長が交渉に参加。実際に薬剤を持参して視覚障害者のために点字や音声テープの説明を添付したり、薬袋に大きな表示を入れるなどの工夫点を説明。患者一人ひとりの状況に応じた調剤の複雑・困難性を訴えました。
 介護員の夜間特殊業務手当では職務の実態から夜間看護等手当と同等の扱いをする必要があること、福祉専門職としての適正な評価を手当でも行うべきと主張しました。
 社会保険部門では「社会保険に働く全職員に調整額を適用すること」「保険料徴収業務および不正受給調査等の業務に従事する職員に対する『特別滞納処分手当(仮称)』および『特別調査手当(仮称)』を新設すること」を要求。厳しい不況のもと、事業所にとって社会保険料が負担となっていること、保険料徴収はより困難となっているが高い収納率を維持している職員の努力に応えてもらいたいと訴えました。
 本省庁部門では「本省庁職場において、心身の疲労や健康を害することのないよう、恒常的な超過勤務実態を改善するために実効ある措置を講ずること」「超過勤務した場合は、給与法にもとづいて超過勤務手当を全額支払うこと」を要求。超過勤務手当が全額支払われていない法律違反の実態を人事院としてどう考えているのか、また具体的な対応はどうするのかと追及しました。
 これらに対し、平野補佐は全般にわたり「困難」を強調。「障害者施設の工夫は理解している、把握に努めている」としながらも「調整額を見直すときは全体的・抜本的見直しをするときであり、個別対応はしない」とする人事院の従来回答を繰り返し、超勤についても「関心を持っている」との無責任な回答に終始しました。
 杉下委員長は「誠実さを感じられない回答であり不満だ」「これらの課題が一回の交渉で解決するとは考えていないが、人事院の努力している姿勢がみえる回答を期待している。いっそうの努力をお願いする」と要望し、交渉を終えました。


有事法制、医療改悪法案は廃案に

7月31日の会期末まで奮闘しよう

 政府・自公保与党が有事関連法案や医療改悪法案など悪法をごり押しするために会期を延長して2週間が経過し、7月31日の会期末まで残すところ1カ月を切りました。悪法すべてを廃案にするため、この1カ月に全力をあげましょう。  
 政府・与党が「重要法案」と称している、有事関連法案、医療改悪法案などの4法案は国民の暮らし、平和・民主主義、人権を踏みにじる悪法にほかなりません。
 有事法制は、「継続審議へ」との一部報道がありますが、政府・与党は決してあきらめていません。参議院へと審議を移した医療制度改悪法案は、小泉首相の無責任な発言でさらなる国民の怒りを呼んでいます。
 延長国会に会期延長はありません。私たち世論の力で、悪法すべてを廃案にすることは可能です。この政府・与党の暴挙を追い詰めるため、7月中は毎週火曜日の昼休みに参議院議面集会、水曜日の昼休みに衆議院議面集会、木曜日に座り込み行動(昼休みに集会あり)と国会行動が提起されています。また7月19日には緊急の中央集会(18時30分〜、東京・明治公園)が予定されています。全厚生はこれらの行動に取り組みつつ、国会会期末の7月31日の第3次中央行動には上京団行動を取り組み、02夏期闘争での最大結集をめざします。組合員のみなさん、最後まで奮闘しましょう。


リレーずいそう
● 山登りのすすめ
 それは、ちょっとした勘違いから始まりました。昨年の5月下旬、事務所の親睦旅行で有馬温泉に行った時に、「ハイキングに行くんやったら僕が計画立てるから」と相談員さんに声をかけ、5人の女性と六甲山の頂上を越えて阪急芦屋川駅までの13qを歩くこととなったのです。
 当初、この人たちは普段から歩きなれていて、六甲山の山越えくらいどうってことないだろうと思っていました。ところが、約5時間かけて芦屋川駅にたどり着いた時に口をついて出たのは、「最後まで歩けるとは思わなかった」という意外な言葉でした。みんな初めての経験だったのです。
 この山登りをきっかけに、今では毎月一回の山登りを楽しみ、「われら熟年」というニュースも発行しています。ホームグラウンドは、奈良県東吉野村や和歌山県飯高町の1200〜1400m級の山が中心ですが、この山域を選ぶ理由は、下山後に温泉に浸かって疲れを癒すことができることにあります。月一回の山登りを積み重ねて、今年の7月20日には「ふれあい山荘」をベースに、中央アルプス駒ヶ岳にも挑戦します。
 山登り。いつまでも輝いていたいと思う人には最適の遊び。心肺機能を高め、自然に身をゆだねることによって五感が活性化します。
 さあ、来年の夏は白馬にするかそれとも八ヶ岳か‥‥、夢はどんどん広がっていきます。
(大阪支部執行委員 川畑周市)


News
● 医療保険制度改革で討論 ―全厚生社保プロジェクトを開催―
 全厚生は6月20日、「医療保険制度(社会保険組織と事業のあり方見直し問題)に対する社会保険プロジェクト」の第1回の会合を開き、医療制度改革の背景とねらい、社会保障と国の責任などについて討論しました。このプロジェクトは、現在審議されている健康保険法改正案の付則条項に「社会保険組織のあり方の見直しを検討し所要の措置を講ずる」が盛り込まれ、厚生労働省が医療改革推進本部を設置し「保険者の統合・再編を含む医療保険制度の体系のあり方と、政管健保の組織形態のあり方」の検討を始めたのを受けて設けられたもの。
全厚生は医療改革推進本部の検討結果によっては、社会保障に対する国の責任と役割の放棄につながる重大な問題だと受け止めており、付則条項に対する全厚生の基本的な考え方を内外にアピールしていくことにしています。
 討論では、医療制度改革の背景とねらい、社会保障と国の責任、事業運営のあり方、保険者集団のあり方等について意見交換し、「憲法25条の立場に立って社会保険制度は国の責任で行うべき」との基本認識を確認しました。今後は作業部会で内容整理を行い、8月に予定されている第2回プロジェクトで全厚生の基本的な考え方を示す事にしています。
 プロジェクトのメンバーは杉下委員長、加藤副委員長、飯塚副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、國枝中執、部門代表として廣部正義(元全厚生副委員長 神奈川)、澤村明(岐阜県支部長)、内藤庸一(元愛知県支部長)、加納忠(大阪支部長)北久保和夫(京都支部長)の合わせて11人。


全厚生試験研究機関交流集会
と き7月12日(金) 13:30〜19:30
受付開始 13:00
ところ裁判所共済組合宿泊所・みやこ荘
東京都品川区上大崎3−10−7
JR目黒駅下車徒歩5分
電話03−3443−3421
講演
「科学技術をめぐる情勢と国立試験研究機関の課題」
講師・飯塚徹 氏(国公労連独立行政法人対策部長)

各支部からの報告と討論

懇親会 (18:00〜)

※お問い合わせは、各支部役員、または全厚生本部までおねがいします。


基盤研問題で厚生科学課と懇談

該当支部に十分な説明を

 全厚生は6月27日、大臣官房厚生科学課と医薬基盤技術研究所(仮称)にかかわる課題で懇談しました。
 基盤研は、2004(平成16)年度の早い時期に設立する方向で計画が進められていますが、来年度の予算要求は、この基盤研の設立にむけて、重要な意味をもっています。全厚生の申し入れを受けて実施した懇談は、具体的な設立構想や職場の疑問に答える率直なやりとりになりました。
 組織要求は、省内での調整がはじまりますが、独立行政法人での組織運営を予定しています。この点に関して、厚生科学課は6月25日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」の中で、「関係府省は、平成14年度から、旧国立研究所など公務員型独立行政法人について、その業務の内容により非公務員型独立行政法人化を進める」とされたことを指摘。予算要求をすすめる上での環境として説明しました。
 全厚生は、引き続き組合に対する説明や懇談の場をつくるよう要請。当該支部に対しても、各機関長が十分な説明を行うよう要望しました。
 さらに、国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の廃止に伴う諸課題については、改めて説明や懇談の場を設けるよう要請。厚生科学課は、これらの要請・要望を了承しました。
 懇談には全厚生から、坂田副委員長、杉浦書記長、山田中執、國枝中執及び、感染研支部、国衛研支部の代表計7人が出席。厚生科学課からは、中垣研究企画官、宮治補佐、亀谷補佐らが対応しました。


栄研支部/春闘要求で労働協約締結

労使で建設的な話し合い続けて

 栄研支部が独立行政法人化されて1年が経過しました。この間、私たちの職場ではこれまで経験したことのない多くの協約等の締結を行ってきました。
 春闘においても、賃金や労働環境に関する要求・交渉を行い、その要求に対する確認・了承を最終的に使用者側と書面で行いました。これらの交渉は、全厚生本部の力強いサポート、ならびに各組合員の協力と理解があったおかげであり、また、小さな組合だからこそ小回りのきく対応がとれたところもあります。
 今年度の春闘要求では、育児休暇、安全衛生に関する件、非常勤職員の賃金に関する件など、多くの要求が受け入れられました。しかし、受け入れられなかった要求も多く、今後の粘り強い取り組みが課題になりました。
 組合活動には、組織率が大きく影響します。幸いにも栄研支部では、最近多くの組合員の加入があり、組織率も高くなりました。小さな研究所が独立行政法人化したこと自体、難しい問題を抱える点も多々あります。そのような状況において、良い労働環境下で働く意欲を高め、研究所が発展することが、そこで働く者にとって幸福であり、社会にも大きく貢献できるようになると思います。そのためには労使双方のバランスがとれた状態で、建設的な話し合いを継続的に行うことが必要です。 (栄研支部 支部長 梅垣敬三)


京都支部/新入組合員学習会開く

わかった! 労組の力は団結

 京都支部では、毎年1回新入組合学習会を開催し、支部執行委員や女性部・青年部の代表が講師となって、支部の歴史や国公労働運動のイロハ、私たちの労働条件・諸権利、国公共済会の取り組みなどについて学習しています。
 今回は、6月18日に新入組合員14人の参加で実施しました。
 参加者からは、「講師のみなさんの話に熱意があって、研修の講義よりおもしろかった」「組合活動はやりたい人だけがやっているんだなと思っていたけど、労働組合の唯一の力は『団結=数の力』だというのがわかった。これからもできる限り活動に参加していこうと思った」「生命保険会社に攻勢を受けている身として、国公共済会の話が興味深かった」などの声が寄せられました。
 講師も逆に励まされ、次代を担う青年の力の発揮に期待が膨らむ学習会となりました。
(京都支部 書記長 川口博之)


愛媛県支部/支部定期大会を開く

組合員1人ひとりが自覚をもって

 6月23日梅雨晴れの中愛媛県支部は第36回定期大会を開催しました。代議員48人全員の参加で、活発な議論を行いました。全厚生本部の杉下委員長から激励あいさつを受けました。
 増大する業務の中で、悪化する職場環境やメンタル面も含めた健康問題、健康保険法改悪と身分問題、公務員制度の改悪が進む中、さらなる団結、組織強化が必要な時期にもかかわらず、壮年層まで広がる組合離れ、今治地区国公の再建状況など、多岐に渡る問題提起、状況報告がありました。大会は最後に「有事法制」に反対する決議案と大会決議を採択しました。山積する問題と役員としての責任の重大性を痛感し、組合員個々が自覚を持ち要求実現・問題解決にむけ団結できるよう、支部執行部として活動したいと思います。
 新四役は次のとおり。

支部長児島 文彦
副支部長大野 英司
 同吉田 幸弘
書記長森本 和則
書記次長芝  修
(愛媛県支部書記長 森本和則)


国民平和大行進が行く

平和でこそワールドカップも楽しめる

岐阜県支部青年が中心となりのべ51人参加

 今年も平和大行進がやってきました。6月11日愛知県から引き継いだリレー旗は、全分会からのべ51人の参加により岐阜県を横断しました。今年の平和行進は、通し行進の青年の発声により青年層を中心に「ピースコール」による平和行進のアピールや平和の歌を歌いながら元気に行進しました。おりしも、サッカーワールドカップ開催の時期と重なり、とりわけ14日の行進は日本代表が決勝トーナメント進出をかけた試合が行われていたため、参加者は平和を訴えながら日本代表の応援もしていました。
 参加者からは、「平和でなければワールドカップもスポーツも楽しめないんだ」「これだけ日本が一つになれるのだから、平和を願う気持ちも一つにしよう」「有事法制絶対反対、武力で平和は望めない」との感想が聞かれました。
 参加者の平和への祈りを込めて、6月16日に滋賀県へリレー旗を引き継ぎました。
(岐阜県支部 書記長  蒲 修)



滋賀県支部京都支部の仲間と一緒に行進

 6月16日、梅雨の中休みの日曜日。ここは天下分け目の関ヶ原。平和行進が岐阜県から滋賀県に引き継がれ、いよいよ関西に突入する日です。毎年、滋賀の行進中は梅雨の真っ盛りにさしかかるため雨中の行進が多いのですが、今年は雨の心配の必要もなく無事岐阜県支部の皆さんからリレー旗を引き継ぎました。
 6月21日、ここは梅雨なのにとてもさわやかな大津市役所前。京都の山科まで滋賀県支部としては今までの最多4人の参加です。毎年京都支部の皆さんも大津から一緒に行進をしてもらっており、突然の飛び入りの参加者も含め11人の行進となりました。なお、午後はそのままの勢いで京都市役所前まで行進を続け、最後に少し雨に出迎えられましたが平和の思いをリレー旗に託し一日を終えました。
(滋賀県支部 支部長 西村伊知郎)

Back  to HOME