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◆第1526号(2002年6月25日付)◆

悪法ごり押しのための国会延長許さない

有事関連法案 医療改悪法案

医療改悪法案の採決を強行

 政府・自公保与党は会期末を迎えた6月19日、今通常国会の会期を7月31日までとする42日もの大幅延長を強行しました。政府・与党は、有事関連法案や医療改悪法案などの悪法をごり押しする構えです。こんな無法は絶対に許されません。また、与党3党は6月21日、衆院本会議で国民に総額1兆5千億円もの負担増を押しつける医療改悪法案の採決を強行しました。国民の切実な声に背をむけ、国会のルールを踏みにじった採決の強行は撤回すべきです。
 政府・与党は、有事法案、医療改悪法案、個人情報保護法案、郵政関連法案の四法案を「重要法案」と称していますが、これらは国民にとって悪法そのものです。多くの国民はこうした悪法の成立を望んではいません。
 世論調査(テレビ朝日9日放送)では、有事法案52.2%、医療改悪法案57.8%、個人情報保護法案52.0%が反対で賛成を大きく上回り、郵政関連法案も40.0%と根強い反対があります。また「日経」6月4日付世論調査では、小泉内閣に優先的処理を期待する政策課題のトップ3は、「景気対策」「年金・福祉などの社会保障改革」「雇用対策」です。国民が願っているのは、政府・与党が強行しようとする「重要法案」ではなく、私たちが春闘以来掲げてたたかってきた「暮らし、いのち、雇用」を守る政策の実施です。
 有事3法案についてみると、海外での自衛隊の武力行使に初めて公然と道を開く危険なものとなっていることです。「国を守る備え」といいながら、「我が国」とは日本の領土だけではなく海外に出かけている自衛艦も「我が国」ということ。その自衛艦が攻撃されれば武力で反撃するというのです。そんなことができるようになれば、海外のどこでも武力行使ができるということになってしまいます。
 医療改悪法案の審議では、国民の医療費負担増が国民の健康を破壊し、国民生活へのさらなる破滅的影響を与えかねない実態が明らかになっています。ところが、委員会審議は定足数の半分にみたず、審議中断することもたびたびでした。にもかかわらず、公聴会も開かず強行採決をするなどは二重三重の暴挙です。

国民の願いは汚職・政治腐敗の根絶

 今国会では、冒頭から「政治とカネ」の問題が噴出。鈴木宗男衆議院議員の国政私物化、政官業癒着の政治腐敗をはじめ、加藤紘一自民党元幹事長、鹿野道彦民主党副代表、井上裕参院議長など、政治家の進退にかかわる秘書の公共事業「口利き」疑惑や事件が相次ぎました。国民が求めているのはこうした汚職・政治腐敗の根絶です。
 また、会期末を目前にして発覚した防衛庁が情報公開請求者の思想を調査していたこと、そしてそのリスト作成問題で自公保3党の幹事長が圧力をかけて報告書を改ざんし全文を隠ぺいしたこと、福田官房長官の非核3原則見直し発言などは大問題です。これらの問題は、核兵器使用も選択肢とするアメリカの戦争に自衛隊が参戦し、国民の自由と人権も奪って強制動員する有事法案の危険性をさらに鮮明にしました。
 しかし、小泉首相はリスト問題では「よく調べてすべてを明らかにしなさい」と言っただけですし、日本が内外に公約し国是としてきた非核3原則についても「あとの内閣のことは分からない」と言うなど、唯一の被爆国の責務さえ放棄する態度です。さらに「自民党を変える」と唱えながら、積年の自民党流の金権腐敗を改める措置をなにもとっていません。
 小泉内閣は自らの失態をタナにあげ、有事法案や医療改悪法案など悪法の強行突破によってこの危機を打開しようとしています。そのための大幅会期延長を強行するなどは言語道断です。すべての悪法の廃案にむけて全力をあげましょう。  
(写真 西田志緒書記)


リレーずいそう
● 6段階変速の自転車
 「春になると自転車が売れるんですよ」。4月中旬の天気のよい休日、ふと自転車が欲しくなり、近くの自転車屋に出かけて行ったときの店の主人の言葉である。冬から春へ、暖かい日に、サイクリングを楽しもうと思って自転車を購入する人も増えるのだろう。
 たまたま幾らかの自由になる(不浄な)金があったので6段変速の軽快な自転車を購入した。自転車が欲しいと思いたってから購入まで1時間と経っていなかった。   乗ってみると、今までの古いママチャリでは登れなかった坂道もスイスイ登れ(我が家は谷底にあるため、どこに行くにも急坂との闘いは避けられない)、とても気持ちよく乗り回すことができる。近所の意外な道を発見したり、近くにある12キロに及ぶ自転車専用道路を走ったりして楽しんでいる。
 それまでの休日の過ごし方は、だらだらテレビや最も小さな室内球技遊びであり、「こんなことでよいのだろうか?」と反省の日々であったが、自転車が休日の過ごし方を少し変えてくれた。
 ささやかな道具や物がその人の人生を少し変え、その変わった分だけ前向きとなり、その結果、さらによい方向へ人生を歩み出すということもあるかも知れない。
 気に入った自転車であったが、購入後1か月余りで盗難に遭い、泣く泣く同じものを妻に借金して購入した。不浄なお金で人生を楽しむなという神様のお達しなのであろう。  
(本省支部 副支部長 織茂喜三郎)


News
● 公務員賃金カット許さない ―夏期闘争第一次中央行動を展開―
 6月13日国公労連は、夏期闘争第1次中央行動を行い、雨の中400人が参加。全厚生は20人が参加しました。行動は、悪法阻止国会前座り込み行動から始まり、午後は、経済財政諮問会議への抗議・要求行動を行いました。この行動は、26日にも発表される政府の来年度予算、概算要求にむけた方針=「骨太の方針第2弾」の内容が、財政難を口実に、年金負担増・給付削減、失業給付や生活保護の削減など国民生活への痛み押しつけそのものであり、その突破口に、公務員賃金・人件費の削減を位置づけていることに抗議を行ったもの。全厚生は國枝中執が「憲法じゅうりんの有事法制をごり押しする小泉内閣の無法ぶりと、竹中発言は軌を一とするもの。“公務員いじめ”の手段をもって、国民との対立をあおり、賃下げの悪循環をすすめる小泉内閣に抗議する」と決意表明。「4年連続の賃下げは許さないぞ!」「竹中大臣の『賃下げ発言』糾弾!」と、怒りのシュプレヒコールを響かせました。中央行動の最後の取り組みとして結集した「医療大改悪反対!有事法制許すな!6・13中央集会」には、全体で3000人が参加し、医療改悪・有事法制などすべての悪法の廃案を求め、国会請願デモを行いました。


有事法制は継続審議ではなく廃案に

STOP!有事法制 6・16大集会に6万人

 「STOP!有事法制6・16全国大集会」が、6月16日に東京・代々木公園で開かれ、全国から6万人が集まり梅雨の空を吹き飛ばすような「有事法制廃案にしよう!」の声を轟かせました。全厚生は、新幹線にのって、愛知、岐阜、大阪から10人を超える仲間が参加、在京から参加の感染研、国立リハ、本省、統計、業務C、神奈川、本部、全厚生OBと合わせて43人の仲間が集会に参加しました。
 集会は陸・海・空・港湾関係労組や宗教者ネット等が呼びかけ実行委員会を組織し、多くの団体、個人がアピールを出し参加を呼びかけました。 「有事法制は継続審議ではなく、廃案しかありません」の力強い開会宣言に会場からも「そうだ」のかけ声。政党挨拶では日本共産党(志位委員長)が「会期延長を阻止し共同のたたかいを広め有事法制廃案に追い込もう」と呼びかけ、社民党(土井党首)、民主党(生方議員)が廃案に追い込むまで頑張ると決意表明しました。続いて、小山内美江子(脚本家)、本永春樹(沖縄平和連絡会)、伊礼勇吉副会長(日本弁護士会)、小林洋二議長(全労連)等がそれぞれ演題に立ち有事法制廃案を訴え、平和ゼミナールの高校生白木さんは「戦争は私たちの未来を台無しにする。私たちは『戦争協力拒否宣言』をします」と訴えました。最後に集会は「『有事関連3法案』の廃案までたたかい続ける」との宣言を採択し、新宿コースなど3つに分かれデモ行進を行いました。

命は盗んじゃいけないよ。 【参加者の声】

◆絶対に廃案にしよう、戦争をしないと言う強い理念を持たないと(岐阜県支部 蒲)
◆サッカーの中で小泉さんの悪事を見逃してはいけない、今日の集会のことを職場にも伝えます。(神奈川県支部 籠尾)
◆子どもがパンフを買いました。一緒に読みたいと思います。(業務センター支部 清水)
◆集会に参加した小学2年生の息子も「命は盗んじゃいけないよ、命ドロボーは許さない!」といってます。(愛知県支部 高阪)
◆子供を連れてくれば良かった。(感染研支部 小浦)
◆この法案は絶対つぶさなければならない。これだけ沢山の人が集まったのだから廃案に出来る。もう一押しだ!(感染研支部OB 山本)


国立研究機関交流集会ひらく

研究・労働条件の改善を

 国公労連と学研労協(=筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会)は6月12日、第20回国立試験研究機関交流集会を茨城県つくば市の農林水産技術会議筑波事務所で開催しました。この集会は、1982年に第1回集会を開催して以来、研究条件や労働条件の改善をめざし、交流・討論を続けてきたものです。20回目という節目の集会になった今回は、国立試験研究機関の大多数が独立行政法人に移行して1年が経過した中での貴重な交流の場となりました。
 集会では、高エネルギー加速器研究機構・菅原寛孝機構長が「独立行政法人化の現状と研究機関の将来」と題して記念講演。集会の基調報告は、飯塚徹・国公労連独立行政法人対策部長が行いました。報告では、「産業技術の競争力強化政策を軸に、国立研や国立大学の研究の変質がねらわれている」と情勢の特徴を指摘。試験研究機関の研究組織や評価制度、独立行政法人の運営など、各機関の実態を交流し、研究・労働条件改善の課題を明らかにしていく重要性を訴えました。
 集会はその後、研究労働条件、研究支援部門の業務と労働条件、科学技術政策の各分科会に分かれて討議しました。
 尚、交流集会の全体参加者は117人。全厚生からは坂田副委員長、杉浦書記長、山田中央執行委員が参加しました。


有事法制知って知らせて行動に

業務セ支部 学習会のつどい開く

 6月21日、社会保険業務センター支部は、杉下全厚生委員長を講師に迎え「有事法制ってなに?昼休み学習のつどい」を20人の参加で開催しました。
 これに先立ち行われた執行委員会内のミニ学習会では、「有事法制」の国会上程の背景を学び議論。「感情論ではなく、冷静に法律を見てみよう」「備えが必要という人もいる」「何がねらいなのか、本質的な部分が知りたい」などなど、憲法の話から安保、自衛隊論まで大きく広がりました。
 杉下委員長は、話の中で「有事法制は法律を読めば読むほど解かる法律」であり、端的に表現すれば「安保体制のもとアメリカと一緒になって、日本が実際に戦争を行う国家体制をつくる仕掛けがこの法律だ」、そして「この中身を知って知らせることが大切である」と説明。「戦争はあなたの生命を守らない。あなたの財産を守らない。
 国民の生命や財産よりも国の権力機構を守るためにある」とし、「日本が国際社会において名誉ある地位を保ちたいと思うならば、アメリカから自立しなければならない」と強調しました。
(業務センター支部 峰一史支部長)


国民平和大行進が行く

非核3原則見直し発言に怒り

愛知県支部  12日間のべ52人が行進

  5月31日静岡県から引き継いだ2002年国民平和大行進は6月11日岐阜県へ引継ぐまで、12日間のべ52人の参加者が平和の願いを力強く訴えました。
 今年は、有事法制や非核3原則の見直し発言など危険な動きに対して、強い怒りの県内リレー行進となりました。
 参加者からは、「社会保険職員は何をしているのか、自分のことばかり考えず平和のことを真剣に考えなければいけない」「人間らしさを取り戻せたような気がした。みんなが、平和や暮らしの事をちゃんと考えれるようにするためにも仕事にゆとりが持てる職場にしよう」「カンパ隊に参加して、近所の手前、被爆者であることを隠しながら生きている事を知り、核兵器はいらないと再度思いました」「家族で参加して、子どもたちを絶対に戦場に送り出してはならない」「非核3原則をなしくずし発言、有事立法、公務員賃金引き下げの小泉内閣にはキック。9条をもつ日本に核兵器も有事もダメダメ」などの感想がだされました。
(愛知県支部 佐藤雅信)

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