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◆第1525号(2002年6月15日付)◆

2002年夏期闘争 あついたたかいスタート

悪法阻止賃金カット許さない

 夏期闘争のポイントについて杉浦書記長に聞きました。
 いよいよ、夏期闘争がはじまります。国公労連は、6月8日に第114回拡大中央委員会を開催し、2002年夏期闘争方針と人事院勧告にむけた賃金改善要求を決定しました。全厚生は、6月14日に開催する第9回中央執行委員会で全厚生・夏期闘争方針の具体化を決定します。

国民春闘がたたかいの前進に結びついて

 夏期闘争でまず大切なことは、今の情勢をダイナミックにつかむことです。それも、国民春闘で切り開いてきた到達点として見ることが重要です。2002年春闘は、「雇用・くらし・命」を守るために、小泉「構造改革」との激しい対決となりました。私たちは、決して甘くない情勢だからこそ、従来の延長線ではない、国民総ぐるみでたたかうことを目標に奮闘してきました。このたたかいは、5月、6月段階に引き継がれ、いま最大の国民的課題である有事法制3法案や医療改悪反対のたたかいの前進に結びついています。

有事法制、医療改悪阻止に全力をあげて

 しかし、小泉内閣は、国会の会期を延長してまで、これら悪法を強行しようとしています。全厚生は、4月20日に開催した全国支部委員長会議で、「有事法制阻止、医療改悪反対のたたかいを決定的に重視する」ことを確認しました。国民的共同を広げるために、「知って・知らせて・行動に立ち上がろう」をスローガンに取り組みの意思統一を行いました。職場集会の開催からはじめ、学習、宣伝、署名活動など、各支部が奮闘しています。この悪法は、廃案以外にありません。夏期闘争の柱の一つは、決してたたかいの手をゆるめるず、有事法制3法案、医療改悪法案の廃案をめざし、小泉内閣を追い込んでいくことです。

賃金切り下げのマイナス勧告は許さない

 2つ目の柱は、人事院勧告に向けて、公務員労働者の賃下げを許さず、生活改善のためにたたかうことです。今年の人事院勧告は、春闘で「ベアゼロ」どころか賃下げ攻撃が強められている中で行われます。人事院が淡々と作業をすすめるなら、賃金切り下げの「マイナス勧告」になる可能性が十分予想される状況です。さらに政府は、公務員給与の引き下げを当然とする姿勢を意図的に表明しています。これは、人事院勧告よりも踏み込んで給与を引き下げようとする露骨な公務員攻撃です。生活改善にとって、まさに正念場のたたかいです。公務員賃金の改善は、その波及効果や影響力を見れば景気回復にとっても重要な貢献です。人事院勧告に向けた国公労連の賃金改善要求は、「賃金水準を平均千円引き上げること」「すべての年代について賃金の抑制、切り下げを行わないこと」です。この要求を掲げて、生活改善をめざします。

民主的な公務員制度の確立めざして

 3つ目の柱は、公務員制度改悪に反対し、民主的な公務員制度の確立をめざすたたかいです。政府・行革推進事務局は、4月25日に「行政職に関する新人事制度の2次原案」を各省及び国公労連に提示しました。これは、昨年12月に閣議決定された公務員制度改革大綱を踏まえ、現時点でとりまとめたものです。最大の問題は、労働基本権を尊重する姿勢が一層後退していることです。ともかく、「内容」と「進め方」ともに極めて問題です。推進事務局は、2003年中に国家公務員法を改正するという姿勢を崩していません。この秋に向けて、「国公法改正法案要綱」の骨格を固めたり、評価制度の試行を強行する動きを強めてくることが予想されます。改めて職場から、公務員制度改悪を許さないたたかいを強めます。
 さらに、この夏期闘争を全力で取り組む中で、組合員の加入促進を進めます。職場の仲間の生活と権利を守るのが労働組合です。たたかって生活を守り、組織をたくましく育てるために奮闘しましょう。


リレーずいそう
● 育児休業の改正に思う
 今年の4月から育児休業の対象になる子の年齢の引上げ、および子供の看護休暇が年間5日間だけ認められることになった。うちの娘は、早いもので中学生になっているのでもう直接関係ないが、もし子供が2人いたら看護休暇が年間たったの5日間では足りないし、対象年齢をもっと引き上げることも必要だ。少子化が叫ばれているにもかかわらず、政府は本気で対策を考えているのかと疑ってしまう。先日、厚生労働大臣が記者会見で「このままでは日本は滅亡してしまう」と述べておられたが、そう思うならもっと斬新的な策をどんどん打ち出してほしい。
 中国では、日本とは反対に人口増加を押えるため1人っ子政策を打ち出し、順調に目標達成に向けて進んでいる。資本主義と社会主義の違いもあるが、おそらくこれが日本であったならこのような大胆な政策はとれないだろう。さらに中国では、高齢になるまで病気にかからなかった人には、健康保険料が返済されるらしい。これならば、病気にかからないように皆健康に気を配り、病気の予防に励むはずだ。今回の健康保険法改正のように単純にサラリーマンの受診料負担をアップするのではなく、3年間診療を受けなかった人の保険料を安くするとか、生活習慣病のリスクが高い人の保険料を上げるとか、日本でももう少し知恵を出してほしい。とにかくもっと国民のやる気の出る法案を考案してもらいたいものである。
(栄研支部 書記長 石見佳子)


News
● 労働運動に積極的貢献を ―全厚生本部退職者会総会開く―
 全厚生本部退職者会は6月8日、東京赤坂・茜荘で第5回総会を開きました。総会には、会長の長田泰公さんや副会長の大倉修二さん(全厚生顧問)はじめ19人が参加。全厚生本部からも杉下委員長はじめ6人が参加しました。
 総会では、三原実事務局長が、経過報告と活動方針を提案し、今後、@学習会の開催A会員の労働運動へのアドバイスなどを聞く機会をつくるB集会参加などで労働運動に積極的に貢献するC会員拡大をすすめることを全員で確認しました。
 総会後は、元厚生省医務局長で「らい予防法」廃止に尽力し、「らい予防法国家賠償訴訟」で歴史に残る証言をした大谷藤郎氏を迎え、「行政とハンセン病問題」での勉強会を行いました。大谷氏の日本国憲法の基本的人権を尊重した考えと行動に感動するとともに、「『らい予防法』の問題はじめ、国家の無謬性はありえない、行政に携わるものとして1人1人が謙虚に反省しなければならない」との言葉が深く胸を打ちました。
 新役員は次のとおりです。
▽会長 長田泰公、▽副会長 中村泉美、鹿島哲、大倉修二、▽事務局長 三原実、▽幹事 小山敦、鈴木毅一、山本実、山本衛、高野昭子、鈴木晴彦

● なくせ公害守ろう地球環境 ―6・6全国公害被害者総行動デー―
 6月6日、全国公害被害者総行動デーの取り組みとして、環境省交渉や官庁街デモ、総決起集会などが行われました。大気汚染公害被害や米軍基地爆音被害、薬害被害など、全国の公害被害者で組織する全国公害被害者総行動実行委員会が開いたもので今年で27回目。全厚生は昼休み官庁街デモに参加し、「公害根絶」「地球環境守れ」と訴えました。


3単組学習交流集会を開催

理想に向かって走れ憲法

 6月6日午後、厚生労働省3単組学習交流集会が、日本青年館で開催されました。全厚生からは本部、本省、統計、業務センター、国衛研、国リハ、神奈川の各支部から22人が参加、全体では80人が参加しました。
 2001年1月の省庁再編で厚生労働省が発足したことに伴い、厚生労働省の労働組合3単組(全労働、全医労、全厚生)は国民本位の厚労行政の充実・労働条件の改善など要求前進に向けて協力・共同の取り組みを実現しようと協議してきました。こうした中、今回、初めて3単組学習交流集会が実現しました。主催者として保木井委員長(全医労)は「有事法制3法案、医療制度改悪はとんでもない内容だ。これからも3単組が力を合わせていくことが必要だ」と挨拶しました。
 学習会は、「厚生労働行政と憲法の精神」と題して、全国で講演活動をする司法試験塾 伊藤真塾長が講演し、「憲法は国民の権利や自由を守る、強いものに歯止めをかけ、弱いものを守るためにある。法律は国家が国民を管理するためにある。だから憲法は国民の大切な財産。憲法は理想を掲げるもので現実と違うのは当たり前。前文や第9条の理想に近づこうと努力する事が大切だ。私たちももっと憲法を語り身近なものにしていく必要がる」と力説しました。集会参加者からは「憲法の見方が変わった」「世界の誇れる憲法を実感した」「支部でも呼びたい」「法に携わるののとしての責任を感じた」等の感想が寄せられました。
 閉会の挨拶で杉下委員長は「3つの組合旗が並び学習会が成功したことを確認し、今後厚生労働省の労働組合として、あらゆる分野に市場経済・競争原理を持ち込もうとする政府・財界のやり方に歯止めをかけるためにも3単組の結束が必要だ」と訴え集会を締めくくりました。集会後の懇親会では参加者から3単組が力を合わせていこうとの発言が相次いで寄せられ大いに盛り上がり団結が深まりました。

人間愛に満ちた憲法に感動
憲法学習会参加者の感想

○憲法の理念って、何て人間愛に満ちているのだろうと感動を覚えました。個人の存在や個性を大事にし、同時に他者の存在や個性も大事にする、そうゆうことが個人のレベルから世界中まで広がってほしいと思います。また、理想をもつこと、理想を語ることの大切さも教えて頂きました。理想を持てるからこそ進歩があるのだと思います。憲法は、非常に崇高な大きな理想を掲げていますが、まずは、自分にもできることとして、個人の尊重という理念を持って日々の仕事を行うこと、もっと憲法を勉強すること、思いやりの心を持って他者と接することを実践していきたいと思います。
○とてもわかりやすくて良い講演でした。あらためて憲法全文を読まねばと思いました。
○憲法と法律の違い、あらためて自分の間違いを確認できて本当に良かったと思います。今、これだけ情報化の時代に於いて、1人1人が独立した思想、信条をもち続けることがむしろ困難になっていること、皆同じことをするので安心してしまう事。少数意見が尊重される社会性の弱さは、もっと根が深い様に思います。教育と家庭に於ける親の役割も大変注目すべきなのでしょう。
○憲法をみながら民主主義とか個人の尊重とか考えさせられることが多かった。信頼を得るためにはプロセスが大切であること民主的に各人の意見が出てそれが異なるとき、まとめが難しくなったときなど、現実にあり、大変ですが、プロセスとか、多くの人が語るということでは、理想と考えます。
○憲法のすばらしさを、世界に誇れる憲法と実感した。前文を読みながら、胸が熱くなるほど“この憲法でしあわせ”とおもいました。
○法にたずさわる者としての責任を感じさせられました。弁護士・裁判官も全員、私たち公務員、政治家も憲法を改めて学習するべきですね。
○大変よかった。憲法を見る目が変わってきました。私たち、公務員の役割である「憲法尊重擁護義務」を改めて自覚する講演であった。
○すごく面白かったです。憲法について、関心やギモンはあってもちゃんと勉強したことはなかったのでいいきっかけになりました。
○とても有意義な講演でした。有事法案が、いかに危険なモノなのかが、あらためて理解できたように思います。


静岡県支部/平和行進愛知につなぐ

有事法制反対を訴えて行進

 有事法制反対の運動が全国的に高まる中、静岡県支部では、原水禁2002年平和行進に参加しました。県内では5月19日に飯塚支部長が神奈川県支部から湯河原で引継ぎを受け、熱海駅まで行進しました。また、5月31日は県内最終日で高橋書記長が参加し、湖西市の鷲津公園をあさ9時に小雨の中出発しました。徐々に雨粒が大きくなり、行進に影響が出ることを心配しましたが、参加者全員が元気に歩きました。カンパを渡そうと傘をさしてわざわざ待っている人もいて、大変感激させられた場面もありました。途中、湖西市役所で休憩を取り、職員組合委員長から激励の挨拶をいただきました。市役所を後にして、上り坂の行進になりましたが、参加者は平和の歌を歌ったり、平和を呼びかけながら前進していきました。雨もひどくなってきましたが、何とか愛知県への引継ぎの公園まで歩き通すことができました。昼食後、浜松の地区国公の仲間と記念写真を撮り親睦を図り、愛知県支部の佐藤書記長へ引継が完了したころには、雨も上がり歩きやすい状態になりました。これから参加する皆さん共に頑張りましょう。
(静岡県支部書記長 高橋一夫)
 


別府支部/支部定期大会を開く

組合員の要求大事に活動しよう

 別府重度障害者センター支部は5月31日定期大会を開き、活動報告、会計報告等を確認するとともに、新しい執行体制を選出しました。
 大会は、高木さんを議長に選出した後、議事に入り、遠藤支部長が開会にあたってあいさつしました。そのなかで遠藤支部長は、本部からの提起に十分応えた活動はできなかったが組合員の団結を大事にしてきたこと、昇格改善、増員要求、諸手当の増額、人事異動、組合掲示板の設置などの要求で1月に行った所長交渉の結果を報告し、「これからも組合員の要求を大事にがんばりたい」とあいさつしました。
 つづいて、徳永書記長が活動報告、阿南さんが会計報告を行い、全員で確認し、次期新役員を選出しました。
 大会では本部の加藤副委員長が有事法制、医療改悪、公務員制度などの情勢をはじめ日本国憲法にふれながらあいさつし、米軍の戦争に国民を強制動員する有事法案を廃案にするために全力をあげようと呼びかけました。
 新執行体制は、小田利文さん(指導課)、藤原朋子さん(看護師)、後藤真由美さん(OT)、利光香奈子さん(介護員)の4人。


神奈川県支部/新規採用者歓迎会開く

職場の民主化は先輩の奮闘から

 支部は4月25日、横浜中社会保険事務所5階会議室で新規採用者歓迎会を開催しました。
 冒頭、支部長より「職場差別がまかり通っていた時代を経て、『職場の民主化』は諸先輩の血のにじむ努力で前進を果たしてきた。労働組合運動は組合員一人ひとりの『情熱と団結』で前進する。よりよい職場環境、労働条件改善にむけともに頑張ろう」と挨拶がありました。
 「労働組合とは」の講義は書記次長が行い、「わたしたちの給料や労働条件は人事院によって決められ、人事院勧告は民間企業の水準にあわせて行われる。賃金ダウンやリストラを狙う使用者に対抗するためには、職員が団体をつくり、職場環境及び労働条件改善を求め運動を進めることが必要だ。そのための団体が労働組合であり、これを機に組合に対し関心をもっていただけたら幸いだ」と話しました。
 「福利厚生」の講義では、本部の西田書記が、民間生命保険より割安で保障もしっかりした「国公共済会」を説明。また、労働者のための金融機関である「労働金庫」の説明も行われました。
 専門部紹介では、青年部、婦人部がそれぞれの立場で、「メーデーは支部の伝統行事で、諸先輩も代々新人の頃には参加していた。また、今年も青年を対象にさまざまな企画を準備しているので積極的に参加してほしい」「処遇改善が進んできているが、まだまだ男女差別が残っているので頑張っていきたい」と決意を語りました。
 歓迎会終了後、ボウリング大会と夕食交流会が行われ、新人同士交流を深めました。
(神奈川県支部書記長 福士広志)

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