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◆第1515号(2002年2月25日付)◆

医療保険制度の大改悪反対

政管健保の事業運営は国の責任で

 政府・与党3党は2月28日、来年4月からのサラリーマンの医療費3割負担などを柱とする医療制度改革関連法案について合意しました。新しい高齢者医療制度の創設について02年度中に基本方針を策定し、その後2年を目途に措置すると法案の付則に明記することになりました。
 また、政府と自民党が2月22日に合意した政府管掌健康保険の「民営化」については、各党から異論が出て、「民営化」の言葉を削除し、独立行政法人なども視野に入れて「政府はおおむね5年をめどに、政府管掌健康保険の組織のあり方の見直しを検討し、所要の措置を講ずる」という表現で医療制度改革関連法案の付則に盛り込まれます。政府・与党が最終合意した同法案は、3月5日の閣議決定をへて国会へ提出されます。
 小泉内閣は今回の医療保険制度の大改悪をすすめるために、患者・保険者・医療機関の関係者の公平な痛みを装う「三方一両損」をさけびつづけてきました。しかし、閣議決定される医療制度関連法案では、サラリーマンの健保3割自己負担、お年寄りの1割自己負担及び窓口での上限撤廃と償還払いという、国民のあらゆる層に犠牲を強いる大改悪です。小泉首相が関係者の公平な痛みのように装って持ち出した「三方一両損」などという方便がいまや通用しないことがはっきりしました。損をするのは国民・患者であり、損を逃れてほくそえんでいるのが大手製薬企業であることが鮮明になっています。
 いま必要なことは、まず医療保険への国庫負担をもとにもどすこと、高すぎる薬剤費を引き下げること、そして窓口負担の引き上げを中止させることです。とくに老人医療費への国庫負担率はこの20年間で45%から32%まで引き下げられてきました。こうした国庫負担の削減こそが老人医療費の連続値上げと健保財政を逼迫させている原因です。いまこそ、国民総ぐるみのたたかいで、社会保障制度の解体につながる医療制度の大改悪を阻止しましょう。  

国の責任を放棄するな  政管健保の民営化・独法化反対

 政府・与党が2月28日に医療制度改革関連法案で最終合意した席上、2月22日に政府・与党が「政府管掌健康保険制度を5年以内に分割・民営化する」との方針について異論が出て、「民営化」の言葉が削除されました。この政管健保の「民営化」をめぐる経過は、「その過程で議論の拙速さと、実現性の不透明さを露呈した」(「朝日」2月28日)と報道されるように、政府・自民党の独断・先行がありました。
 2月22日にひらかれた政府・自民党の会談では、政管健保の民営化について、健康保険法改正案付則に盛り込むことが合意されました。その会談の出席者のひとりである自民党医療基本問題調査会長の丹羽雄哉元厚相は「民営化したうえで都道府県など地域ごとに分割する構想を示した」「社会保険庁の医療部門が『民』に移ることで、リストラが進む。保険者間に競争も起き効率化が図れる。小泉首相も全面的に賛成だ」と記者団にのべ、民営化の狙いを表明していました。
 その後、2月26日に開催された自民党の医療基本問題調査会と厚生労働部会の合同部会では、22日に決めた「民営化」の方針について異論が相次ぎ、法案の付則には「民営化も含めた組織形態の見直しを検討し、所要の措置を講じる」と改められました。合同部会での合意は「5年以内に分割・民営化」というストレートな表現を「民営化も含めた…」に改めただけで、民営化を視野から消し去ったものではありませんでした。
 そして、2月28日の最終合意では「民営化」の言葉を削除しましたが、今度は独立行政法人なども視野に入れた「組織形態のあり方の見直し」と修正されました。しかし、独立行政法人という組織形態は国の直轄機関からはずれること、そしていつでも「民営化」へ舵をきることができるものです。
 政管健保は制度発足以来、国の事業として国の責任で実施してきたものであり、今後も国の事業として運営されるべきです。政府・自民党の合意である社会保険庁の業務の民営化は、国民への行政サービスを後退させ、公共性が失われ、財源問題のみによる国民への負担増を押しつけることになります。「民営化」や独立行政法人化などの組織にすることは、憲法25条が明記している国の責任を放棄し社会保障制度の解体につながることは明らかです。医療制度の大改悪の阻止のたたかいと結合し、国の責任を放棄する政管健保の「民営化」・「独立行政法人化」を許さない取り組みが求められています。


アメリカの戦争に国民を総動員する 有事法制に反対しよう

 小泉首相は施政方針演説のなかで、「有事への対応に関する法制について、とりまとめを急ぎ」、有事法制に関する「関連法案を今国会に提出する」としています。
 有事法制とは、戦争を想定して、国民の基本的人権に制限を加え、首相に権限を集中させる、非常時体制をつくることです。首相は「テロや不審船」を理由の1つにあげていますが、これらは国際社会のルールにそくして、警察と司法の力で解決がはかられるべき問題です。戦争のための非常時体制づくりとは、次元を異にする問題です。
 小泉首相は「備えあれば憂いなし」などと言い、あたかも日本が武力攻撃を受けるかのように描き出していますが、中谷防衛庁長官自身が国会で日本への大規模な武力攻撃については「当面想定できない」と答弁しているのです。結局、アメリカ軍がアジアで介入戦争を始め、ガイドライン法を発動して自衛隊がその戦争に参戦する、そのさいに日本国民を総動員する―ここに有事立法の真の狙いがあります。
 小泉首相は、「備えあれば憂いなし」といいますが、本当の有事立法の狙いは後顧の「憂い」なく、日米共同の海外での戦争にのりだしていく体制をつくることにあります。
 日本の平和にとっての最大の備えは、憲法9条です。有事法制の学習を深めながら、「有事法制反対」の署名に全力をあげましょう。 


リレーずいそう
● 演歌の魅力
 「歌は世につれ、世は歌につれ」「歌は流れるあなたの胸に」という名せりふがありますが、やはりこの言葉にぴったりなのは演歌ではないでしょうか。私は演歌が大好きです。歌詞を読み、そこにこめられた作者の想いを考えると、非常に奥深いものを感じるからです。  演歌は人の人生や一生を4、5分というわずかな時間に凝縮して表現されています。その内容も多岐にわたっており「男と女」「出会いと別れ」「孤独」「愛」「希望」「大志(こころざし)」等々・・・。
 しかし、作詞家の人たちが、どんなにいい材料を使い、どんなに上手に料理をしても、それを美味しくするのも、まずくしてしまうのも、歌い手で決まってしまうのではないでしょうか。
 日頃のうっぷん晴らしにカラオケへ行って、大声で「ガナって」ストレスを発散させている私たち素人と、この歌を歌うということを職業としているプロの歌手と、どう違うのか?以前に読んだ本に「歌手というのは、自分が歌う歌の主人公になって演じきることができる。さらに、出だしの20数秒の伴奏の間だけで、その物語にすうーっと入っていくことができる」とありました。
 私は、心が渇いたときには演歌を聴き、そして自分自身の応援歌だと信じて歌うことで、元気になっていく自分を感じながら、これからも頑張っていきたいと思います。
(愛知県支部書記長 佐藤義松)


研究機関支部代会議開く

一方的な組織再編を許すな

 全厚生は2月20日午後、試験研究機関支部代表者会議を全厚生書記局会議室で開催しました。 この会議は、各支部の現状を交流し、組織再編、研究環境、労働条件改善のための要求課題を鮮明にさせ、本部・支部一体で要求実現をめざすために開催しました。
 試験研究機関はこの4月に組織再編の一応の完成をみることになります。しかし、課題は山積しています。
 国立公衆衛生院は、この4月から移転・再編で国立保健医療科学院となりますが、全面移転は2年後です。当面は、移転先と現在地との2拠点での運営が続きます。国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の改組・廃止による、医薬基盤技術研究所(仮称)の設置時期が(平成16年発足予定)迫っています。にもかかわらず、構想が十分に明らかにされていません。
 職員の身分・勤務条件等の後退を招かないよう万全の措置をとることや、職員の意向を尊重することを引き続き要求します。その前提となる、労働組合に情報を公開し、常に職員・労働組合との合意形成に努め、一方的な組織再編は行わないことを重視し、職場からたたかいを強めることを全体で確認しました。
 試験研究機関支部の交流集会は、6〜7月を目途に準備をすすめます。
 人当研究費に代わる予算として確保された基盤的研究費は、基礎研究を支える予算であり、配分は従来通りとなるよう職場から要求します。
 新再任用制度の実効ある運用を要求します。制度の趣旨にそって、希望者全員の雇用を保障するよう今年度の取り組みを開始するよう意思統一しました。
 会議には、感染研支部、国衛研支部、衛生院支部、人口研支部、ハ病研支部、栄研支部の代表が出席。本部からは、杉下委員長、坂田・加藤両副委員長、杉浦書記長、川名書記次長、山田・國枝両中執が出席しました。


岐阜県◇要求づくりを出発点に

みんなで春闘の取り組みを

 岐阜県支部は、職場での対話活動を強め、要求づくりを出発点として春闘を取り組むために、2月4日から5日にかけて本部から杉浦書記長、川名書記次長の協力を得て、全7分会にて支部オルグを実施しました。
 オルグでは、本部より全厚生春闘方針を情勢報告を含めてわかりやすく話していただき、支部からは岐阜県支部の春闘の取り組みについて提起しました。
 オルグと平行して、要求確立のために総対話運動を実施しました。分会ごとに青年部・女性部・壮年層(30代、40代から50代)を基本に少人数のグループに分かれて、各分会とも100%に近い参加により対話を行いました。総対話では、各職場においての問題点やこれからの社会保険組織をどうすべきかなど意見が出されました。総対話を受け、2月13日からの全国統一職場集会の時期に合わせ、職場集会を開催し分会要求を確立、支部要求書に対する意見集約を行いました。また、2月21日を統一要求書提出日として支部・分会とも所属長へ要求書を提出し、各分会は2月末までに所属長交渉を行い、各分会交渉の結果を受けて3月初旬の事務局長交渉を実施し、要求実現に向けてがんばります。
(岐阜県支部書記長 蒲修)


全厚生瀬戸内ブロック女性交流集会を開く

愛と平和、希望を育み 差別のない職場を

 2月16・17日に、全厚生瀬戸内ブロック女性交流集会が開催されました。結成間もない大分県支部の女性を応援しようと、大分、香川、愛媛の各県支部の女性たち40人が、松山は道後温泉に集いました。
 本部から加藤副委員長、愛知県支部から元中央執行副委員長の杉崎さんを迎え、職場での女性差別、3県の女性の活動状況、そして女性の抱える問題についてみんなで考え、討論し、交流を深めました。1日目の記念講演は、加藤副委員長の「愛と希望、平和を育み、差別のない職場を」とのお話、その後、パネルディスカッションを行いました。2日目は、タオル美術館を見学しました。
 共働きの問題(妻の早期退職、夫の昇格の遅れ)はどの支部でもあるようで、これは、女性への差別にとどまらず、男性への差別でもあることを再認識しました。また、杉崎さんの「おかしいと思ったら言わなくちゃ!」の言葉に、組合活動に対する意識をしみじみ考えさせられました。有意義な交流集会でした。
 最後に参加くださった女性の皆さん、開催に向け参加くださった男性の皆さん、パワーを振りまいて下さった加藤副委員長、杉崎さんに、いい足りなかった感謝の言葉を贈ります。「本当にありがとうございました。また、お話しましょう」
(愛媛県支部 飯尾潤子)


◇◆◇ ピカピカの小学1年生 ◇◆◇

原 稿 募 集
 今年もピカピカの1年生の原稿を募集します。今年小学校に入学する組合員の子どもさん全員が対象です。みなさんの応募をよろしくお願いします。

・子どもの氏名(漢字)
@氏名のふりがな
A入学する小学校名(〇〇市立〇〇小学校)
B大きくなったら何になりたい?
Cお父さん、お母さんからのメッセージ(支部・組合員名)を100字以内で。
・顔がはっきり写っている写真を送って下さい。写真はお返しします。

 締め切りは、第1次が3月22日、第2次が4月12日です。お礼に図書券(千円分)をさしあげます。
 くわしくは、支部の教宣担当者、または全厚生本部教宣部まで。

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