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◆第1514号(2002年2月15日付)◆

労働者・国民に痛みを押しつける小泉「改革」許すな

雇用・いのち・くらし守る春闘

 2月5日から7日まで連日100人を超える仲間が寒風が吹きすさぶなか、国会議事堂前(衆議院第2議員会館前)で座り込みを行いました。この行動は「医療保険制度改悪阻止」「大倒産・大失業押しつけの小泉『改革』反対」「有事法制は許さない」など『「雇用」「いのち」「暮らし」を守ろう』と全労連が提起したもので、国公労連の集中日である6日には全厚生からも参加しました。

小泉「改革」で日本の将来はボロボロ

 アフガニスタン復興支援国際会議へのNGO参加拒否問題で田中前外相を更迭したことから、異常なまでに高い支持率を誇っていた小泉内閣の人気が急落しています。しかし、小泉首相は「改革の手はゆるめない」と断言し、労働者・国民に痛みを押しつける政治姿勢を今第154回通常国会でも貫こうとしています。
 昨年末に閣議決定した2002年度予算案は、医療・教育などで国民負担をいっそう引き上げ国民の暮らしも経済も破局に導こうとしています。社会保障予算では医療費負担引き上げなどで国の負担を約3千億円も圧縮。教育関係では国立学校の授業料を大幅に引き上げるほか、無利子奨学金の貸与枠も減らしました。一方で軍事費は過去最高の4兆9560億円。国と地方をあわせた国民の借金は693兆円にもなります。国民の生活を顧みない小泉「改革」では日本の将来は、本当にぼろぼろになってしまいます。

医療保険制度の大改悪はやめよ

 本人3割負担、高齢者の窓口負担増、保険料の引き上げなどを内容とした医療保険制度の大改悪がねらわれています。不況とリストラのなかで生活も大変なのに、国民には負担増ばかり。患者負担の値上げはいっそう受診を抑制し、国民の健康状態を悪化させ、医療費を増やすことになります。患者負担を減らし、安心して病院にかかれるようにすること、「早期発見・早期治療」こそが医療費の抑制につながることは常識です。

戦争のための有事法制ストップを

 「戦争が廊下の奥に立つてゐた」―渡辺白泉が日中戦争の頃につくった句です。いま、戦争の足音がすぐそこにせまっています。ここ数年だけでも、新ガイドライン法、君が代・日の丸法、教科書問題、テロ対策特別法、自衛隊法改正法など、きなくさい動きになっています。
 2月7日に東京・全労連会館での「有事法制を学び語ろう2・7学習討論集会」には緊急であったにも関わらず、200人を超える参加者がありました。
 小泉首相がねらっている有事立法は日本の有事に備えてのもではありません。アメリカの干渉戦争に協力するために日本を、日本の国民を利用するためのもの。つまり米軍の有事に備えてのものなのです。

2・20地域総行動を成功させよう

 今春闘、全厚生は医療保険制度改悪阻止と憲法擁護・有事法制反対の取り組みを重視しています。日本国憲法9条と25条によってたつ全厚生が役割を発揮しなければならない課題です。
 2月14日の「医療を守ろう2・14国民大集会」への参加、組合員1人5名を目標にした医療大改悪阻止国会請願署名、憲法擁護・有事法制に反対する国会請願署名の取り組みを成功させることが求められています。
 2月20日の「地域総行動」では宣伝行動などが全国各地で取り組まれます。国民総ぐるみの春闘の一翼を担って全厚生も奮闘しましょう。


リレーずいそう
● 冬の余暇の過ごし方
 私の冬の余暇の過ごし方。それは、スキーです。9年前に本格的にはじめて以来とりつかれているのです。週末楽しくスキーをすることを思うと、仕事にも精が出るというものです。
 スキーの楽しさは、晴れた日にがんがんにスピードをあげて滑る、雪の日に手がかじかみながら滑る、と私たちにはどうしようもない気象コンディションで滑ることです。特に、太陽に雪化粧した山の景色がまぶしく光る。こんな中を滑るのはすばらしく気持ちがいいものです。
 当然ながら、友達と一緒に滑る楽しさもあります。また、スキーを通じた仲間と、スキーの話に盛り上がることも格別です。
 最近、もう1つ楽しみが増えました。スキーをした後のお風呂です。ゆったり湯につかりながら筋肉をほぐしてやると、気持ちがいいものです。ゲレンデ近くに温泉でもあれば、 なお最高ですね。
(滋賀県支部書記長 木瀬知彦)


News
● 薬害ヤコブ病の早期全面解決を ―厚生労働省前で座り込み―
 脳外科手術で使う脳硬膜によって、死にいたる病気「ヤコブ病」に感染させられた患者・家族が国と企業を訴えている薬害ヤコブ病裁判の原告・弁護団、支援団体が、2月6日から21日までの毎水・木曜日に厚生労働省前で座り込みを行いました。国公労連・各単組が支援にかけつけ、全厚生も参加しました。これは昨年7月、裁判所が、薬害ヤコブ病の早期、全面的解決のために、今年3月を期限に和解による解決を勧告したにもかかわらず、2月に入っても厚生労働省が薬害ヤコブ病の解決に積極的な姿勢を示そうとしないことに抗議したもの。参加者は、「原告の方がまたお亡くなりになった。生存原告も無言無動の状態で必死に闘病している。一刻の猶予もありません」と早期全面解決と薬害根絶を訴えました。

● つぶそう!小泉医療改悪 ―2・14国民大集会に1万5千人―
 「つぶそう!小泉医療改悪」をテーマにした「2・14 国民大集会」が2月14日午後、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開かれました。医療団体連絡会議、中央社保協、国民春闘共闘委員会の3団体が主催し、首都圏を中心に全国から1万5千人が参加。「医療改悪法案を廃案に追い込み、国民のいのちと医療の公共性を守り抜くために、共同連帯のきずなを広げよう」と訴えるアピールを採択しました。全厚生は、本省・国リハ・大阪・京都・愛知・神奈川の各支部はじめ本部から14人が参加しました。


本省共闘◇改善求め人事課長と交渉

超過勤務の縮減対策を

 全厚生本省支部、同統計支部、全労働本省支部の3支部で組織する厚生労働本省労働組合共闘会議(本省共闘)は、1月24日の午後、共闘会議結成後初の人事課長との交渉を行いました。
 組合側からは、岡野議長をはじめとして、全厚生本省支部からは副議長である田口支部長以下の役員が参加しました。当局側は井口人事課長をはじめ勢揃い。
 交渉議題の中心は、やはり残業改善の取り組みで、人事課長の冒頭の回答では、省庁再編以降の「厚生労働省超過勤務縮減対策要綱」の策定や業務の簡素化の検討、国会対応の見直しなどを紹介し、超過勤務改善に向けて環境を整えたことを強調。これに対して、共闘会議は、当局側の努力は一定評価しつつも、昨年の残業アンケートのデータで、厚生労働省の職場が平均残業時間で霞ゲ関界隈のワースト3に入っている現状を示し、超勤縮減対策要綱や定時退庁日の徹底、超過勤務の実態把握を要求しました。
 全厚生本省支部の参加者からの発言は、業務の集中が現実にあり業務改善が重要であること、超勤予算の確保が必要であること等、職場の実態に即した対応を求めました。
 最後に、11月に策定された「女性の採用・登用の拡大計画」の実効ある推進を求め交渉を終わりました。
(本省共闘事務局長・本省支部書記長 市川茂)


香川県◇高松東分会青年部が学習会

私のやる気が職場のカギです

 『わたしのやる気が職場のカギです』と題した香川県支部高松東分会青年部主催の「学習会&旗びらき」を1月12日・13日の2日間にわたり開催し、25人が参加しました。
 初日の学習会では、杉下委員長をまねき「春闘情勢と公務員制度改革」をテーマに、森香川県支部長には「社会保険事務の将来展望」を、藤田前支部長には「香川県支部の歴史」と題して講義をしていただきました。
 夜には、事務所三役を招いての「旗びらき」を行い、『ゲームでおめでた』と題した第2部では、組合活動より知力・体力を使ったゲームで、仲間の意外性を垣間見ることができました。もちろん、夜は長かったです。
 2日めには、得意分野に分かれての「班別ディスカッション」と、班ごとに機関紙を作るという暴挙に出ましたが、なんとか無事日程を終了しました。
 この学習会の企画は飲み会が発端で「そんなんできるかい」と思いはしたものの、終わってみれば大成功。受身になりがちな組合活動のなかで、活動を作り上げていくという体験が、私達の貴重な財産となったと思います。
 今、高松東分会は『わたしのやる気が職場のカギです』をモットーに活動を続けています。
(香川県支部高松東分会 大林謙二)


財界・大企業のワークシェアリングに名を借りた賃下げ反対
続・経営側の春闘方針・労問研報告を読み解く
 「報告」は、年金、医療、介護、福祉などは「自立・自助・自己責任」の要素を高めるなど、公的責任を放棄し、大企業に市場を開放するという社会保障制度の再構築を提唱しています。
 このように、日経連の春闘方針は、賃金、雇用、社会保障など労働者、国民の切実な要求に真っ向から背をむけたものになっています。いま、労働者・国民の生活が危機に見舞われているのとは逆に、財界・大企業はこの不況下でも大儲けをつづけています。日立、トヨタ、NTTなど主要企業20社の連結決算だけ見ても、この1年間に2万人近い人減らし「合理化」、中小・下請けいじめを強行し、内部留保を2兆6000億円も増加させてきました。まさに利潤の集中、大企業の「ひとり勝ち」状態をつづけているのです。日経連が「ワークシェアリング」を主張するなら、賃下げ、不安定雇用の拡大を押しつけるのではなく、サービス残業の根絶、時間外労働の削減、有給休暇の完全取得などによって雇用拡大を図るべきであり、本工・正社員の増員、パートの均等待遇は十分可能です。
 労働者をはじめ国民諸階層の苦しみの根源は、大企業には支援を強めながら、国民には「激痛」を押しつける小泉流「構造改革」と財界・大企業によるリストラ・賃下げ攻撃にあります。それは同時に、国民の所得と消費をさらに落ち込ませ、企業の生産も低下させ、日本経済を深刻な泥沼に陥れているのです。
 それだけに春闘で掲げている、横暴なリストラ反対、雇用の安定、サービス残業解消や雇用増に結びつく労働時間短縮、ワークシェアリングに名を借りた賃下げ反対、解雇規制をはじめ働くルールの確立、失業者への仕事と生活の保障、パート労働者の賃上げと最低賃金の引き上げなど雇用と暮らしを守る要求は、小泉「改革」や財界・大企業の横暴と正面から対決する内容を持っており、この要求の実現は日本の経済政策を根本的に転換させ、泥沼から脱却させる土台となるたたかいです。
 2002年国民春闘共闘委員会の国民春闘・闘争宣言は「国民生活優先の新しい波を生み出すために、すべての労働者・国民との共同を進め、各分野で壮大な運動を作り上げ、国民的統一ストライキで、政府の悪政と大企業の横暴にいどむ02春闘をめざして全力でたたかいぬくことを宣言する」と結んでいます。公務員制度改悪反対、年金・医療制度改悪阻止など、全厚生の要求とも結合して、今春闘を意気高くたたかいましょう。
(全厚生中央執行副委員長 加藤重徳)


新年号クイズとプレゼント当選者
 「全厚生」新年号「7つのまちがいクイズ」への応募ありがとうございました。
答えは、
 @右はじの人のカバン
 Aメガネの人の着物
 B日本髪の女性のストール
 C日本髪の女性の髪飾り
 D左の女性の着物のえり
 E破魔矢の羽根F巫女の髪
でした。
 応募25人中24人が正解でした。抽選の結果、20人に図書券(千円分)を贈ります。
 また、「全厚生」新年号のジョン・レノン・ミュージアムロゴ入りランチバッグと中村哲著「医者井戸を掘る」の本のプレゼントもお2人に贈ります。


ピカピカの小学1年生
原 稿 募 集
 今年もピカピカの1年生の原稿を募集します。今年小学校に入学する組合員の子どもさん全員が対象です。みなさんの応募をよろしくお願いします。

・子どもの氏名(漢字)
@氏名のふりがな
A入学する小学校名(〇〇市立〇〇小学校)
B大きくなったら何になりたい?も
Cお父さん、お母さんからのメッセージ(支部・組合員名)を100字以内で。
・顔がはっきり写っている写真を送って下さい。写真はお返しします。

 締め切りは、第1次が3月22日、第2次が4月12日です。お礼に図書券(千円分)をさしあげます。
 くわしくは、支部の教宣担当者、または全厚生本部教宣部まで。

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