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◆第1509号(2001年12月5日付)◆

公務員制度「改革」◇坂口厚生労働大臣と交渉

十分な協議を行うよう要求


 厚生共闘(全厚生・全医労)は11月26日、厚生労働省大臣室で、坂口厚生労働大臣と公務員制度「改革」、増員などの4項目要求で交渉しました。厚生共闘からは保木井議長(全医労委員長)、杉下副議長(全厚生委員長)をはじめ幹事会役員12人が参加しました。厚生労働省側は大臣の他、戸苅官房長、井口人事課長らが対応。
 冒頭、保木井議長が職場状況を含めて@公務員制度「改革」については十分な協議を行い、際限のない競争と行政サービス低下を招く「改革」は行うなA国立病院・療養所の再編成計画は国家的リストラであり、職員の雇用問題については最大限の努力を。独立行政法人化の時期と賃金職員の身分はどうなるかB国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の改編にあたって職員の意向を尊重し、処遇の後退を招くなC医療事故防止のためにも看護婦等の増員を、と4項目の要求を説明し、大臣の回答を求めました。
 坂口大臣は、公務員制度改革について、「どう公務員制度をつくりあげるか、皆さん方の要望にも添っていきたい」と述べた後、「職員の皆さん方の勤務条件の基本に関わる問題であり、関係職員団体の意見も十分聞いて労働基本権の問題も含め検討されていくものと考える」と表明しました。国立病院・療養所の再編問題について、坂口大臣は「私も地元で経験し代表者の方と話をしている。予想以上に様々なことが起こっている」と前置きした後、「職員の希望を尊重し勤めつづけられる環境と雇用の確保に最大限努力したい」と回答。独立行政法人化については、時期はまだ決定されていない、法人化後の円滑な運営に努力するとの見解を示しました。
 大阪支所の職員の処遇について、大臣は「職員の処遇・勤務条件等は重要な問題であり、職員の意向にも十分配慮したい」と回答しました。
 国立病院・療養所の看護婦の増員について大臣は「看護婦の問題は現場を知っているので出来る限りのことをしたい」と述べ、「従来から看護体制の強化を重点に増員を図ってきており引き続き努力したい」と回答しました。
 最後に、杉下副議長が大臣としての使用者責任にもとづき切実な声を関係機関に働きかけるとともに、看護婦はじめ深刻さが増している本省庁の長時間残業を改善するためにも増員に最大限の努力を再度要求して交渉を終えました。 


公務員制度改悪反対11・30中央行動

一方的な大綱決定許さない  全厚生140人怒りの大河

 12月中旬の「公務員制度改革大綱」決定をにらんだ、公務員制度改悪反対闘争のヤマ場の11月30日、「労働基本権ふみにじり人事管理強化ねらう一方的な『大綱』決定は許さない!」「国民に痛み押しつける公務員づくり阻止、民主的公務員制度の確立」をかかげて、最大規模の5000人が参加して11・30秋季年末闘争第3次中央行動を展開しました。
 全厚生は、ここ数年来最大規模の結集で、各支部から140人が参加。公務員制度改悪反対の職場の声を大河にして、政府、行革推進事務局、総務省に示しました。
 30日は、総務省前早朝宣伝行動にはじまり、国会議員要請行動、昼休み総務省包囲要求行動、中央決起集会と国会請願デモと、終日奮闘しました。
 午前中は、行動参加の青年を中心に、26名が公務員制度改革の学習会に参加。川名書記次長を講師に学習し、怒りと決意をもって、午後の行動に参加しました。
 総決起集会の1分間パフォーマンスでは、参加した青年40人が登壇し、代表して澤田青対部長が「全厚生青対部は、公務員制度改悪を阻止するまで、団結してがんばります」とシュプレヒコールで決意を表明しました。
 参加者は、「国民に対する行政サービスの改善を無視しての公務員制度改悪は、ますます公務員への信頼を失うと思います」(神奈川県支部組合員)、「国民生活の厳しさは増し、誰もが誰かの支えを必要とし始めているのに、手をさし伸べるべき私達公務員が、国民本位の姿勢から目先の業績を最優先の仕事に取り組んでいかざるを得ないのでしょうか?全く納得できません」(静岡県支部組合員)など、公務員制度改悪への批判とたたかう決意を固めました。


リレーずいそう
● 乗り越し評論家
 酔って電車に乗ると自慢じゃないけれどよく乗り越す。小田急線や東急線などは知らぬ間に未知の世界へ連れていってくれる。この季節車内はあったかなのでいっそう注意をしなければならない。
 乗り越さないように工夫をする。その1つ、決して座らない。これは基本中の基本である。幸い東京の電車はたいてい混んでいて、まあ、座れません。しかし、奇跡的に席が空くことがある。そんな時は決して誘惑に負けずに、人に席を譲ろう。その2つ、負けて座った場合でも漫画本などを読む。とにかく目を閉じない努力をする。その3、隣の人に目的駅に着いたら起こしてもらう。これは勇気がいる。その4、これは緊急避難の手段である。ズバリ電車に乗らない。しかし、これまで努力しても乗り越してしまうのが悲しい。
 先日は、吊革にしっかりとつかまり漫画を読みながら帰路についた。さきのその1とその2の処方箋を施した。ところが、気がつけば立ったまま寝ていたのだ。折り返しがあったからよかったのだが、その折り返し電車がガラガラの座り放題。そのまんま座り込んで気がつけば元の駅に着いているという情けない結果となってしまった。これはもう処置無しだ。
 この前、神奈川県支部の人から沿線の駅ごとに仲間の家があるので困った時には電話をしたらいいという助言をいただいた。只今、乗り越しネットワークを構想中である。
(業務センター支部 書記長 峰一史)


公務員制度「改革」などで人事課長と交渉

労組と合意なしの「大綱」決定やめよ

 全厚生は11月20日午前、大臣官房人事課長と2001年秋季年末闘争での重点要求に基づく交渉を実施しました。
 交渉には、全厚生から杉下委員長、飯塚・鈴木・加藤・藤巻各副委員長をはじめ、本部役員11人が出席。人事課からは、井口人事課長、篠原人事調査官らが対応しました。
 冒頭、杉下委員長が要求趣旨を説明。公務員制度改革の課題では、「改革の根幹をなす『能力・業績主義』は、職員間の『健全な競争原理を醸成する』としているがその本質は、競争を通じて人件費を抑制するもの。そして管理者に従順でもの言わない公務員をつくることが最大のねらい」と指摘。さらに、「労働組合との合意なしの一方的な『大綱』決定は許されない」と述べ、全厚生の要求を受けとめ関係機関に働きかけるよう強く主張しました。
 これに対し、井口人事課長が一括して回答。公務員制度改革の要求に対して、「今検討されている公務員制度改革については、職員の勤務条件の基本にかかわる問題であり、関係職員団体の意見も十分に聞いて検討されるべきものと考えている。当省としては、11月19日に、全厚生からお聞きした意見、要望等を踏まえ、行革推進事務局へ省としての意見を伝えたところである。引き続き、節目節目で行革推進事務局に対し、必要な意見・要望等を申し入れていく」と回答しました。
 行政ニーズ・職場実態に応じた定員確保の要求に対しては、「新規増員要求は、真に必要不可欠な要求であることを強調し、要求している。粘り強い折衝を重ね、1人でも多くの定員を確保できるよう省をあげて全力で取り組んでいる」と回答。本省庁職場における恒常的な残業実態を改善する課題に対しては、「超過勤務の縮減について十分認識をもって積極的に取り組んでいきたい。超勤手当は今後とも予算の増額を要求していく」と回答。 女性職員の採用・登用を拡大する課題に対しては、「現在、厚生労働省女性職員採用・登用拡大計画(仮称)の策定にむけ検討している。女性の採用・登用について、これまで以上に積極的に取り組んでいきたい」と回答。試験研究機関の組織・再編、国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の課題に対しては、「改編の過程等で勤務条件等の変更に関する事項があれば、必要な情報は伝え、要望に対して誠意をもって対処したい。平成16年度発足予定の医薬基盤技術研究施設の研究機能や研究分野の内容は、現在、国立医薬品食品衛生研究所が中心となって検討している。大阪支所の研究業務内容とはかなり異なるものになる。すでに支所職員の意向調査等を行っているが、引き続き必要に応じ、意向を十分聞き、配慮するよう指導していく」と回答しました。
 昇格改善の要求では、研究職3級昇格について、「研究業務の事情等で単独で研究実績が挙げづらい者に対しては、部長、室長等の指導・助言を受け共同研究等を行うことにより研究実績が挙げられるよう、各機関に強く働きかけている」と回答。行(二)職、医療職(二)、医療職(三)などの少人数職種の昇格改善では、「人事院に対して、その経験や習熟度の果たす役割が大きいこと等に配慮し、部下数制限の緩和等、職務評価の適正化を含む所用の改善を要望している」と回答。福祉職4・5級の定数拡大の要求に対しては、「各機関の定数使用状況等を踏まえ、今後とも必要定数の確保に努めたい」と回答。
 新再任用制度の運用の課題では、「職員が定年退職後の生活に不安を覚えることなく職務に専念できるよう、雇用と年金との連携を図るとともに長年培った能力・経験を有効に発揮できるようにするためのもの。各部局及び各施設等機関においては、制度の趣旨を踏まえ運用方針の通知に基づき適正に運用されているものと認識している」と回答しました。
 全厚生はこれらの回答を受けて、各課題でさらに要求。杉下委員長は、公務員制度改革で労働基本権問題は避けて通れない課題であり、当然その考え方が示されるべきだと追及。藤巻副委員長は、本省庁の超過勤務の実態を改善させるには、人を増やすことが根本だと追及。女性の採用・登用拡大の課題で木立中執は、女性の力の発揮、活躍できるよう当局の努力を要請。試験研究機関の再編、「基盤研」の課題で杉浦書記長は、職員の身分・勤務条件に関わる重要な問題であり、本人の意向を十分尊重し丁寧に対応するよう要求しました。昇格改善では、鈴木・加藤両副委員長が福祉職場の実態を交えて、改善の努力を強く要求しました。


近畿ブロック◇全厚生近ブロ総会開く

ともにたたかう決意

 全厚生近畿ブロック協議会は、11月17日、第2回総会を京都市内で行いました。総会には、近畿の全厚生3部門から34人が参加。活動の交流も行いながら、活動報告と活動方針、新役員を確認し、公務員制度改悪反対と、衛研・大阪分会の基盤研移行・組織再編問題で近畿の仲間が力を合わせて奮闘する決意を固め合いました。
 記念講演では、組合専従31年の異色の落語作家の小林康二さんが、「笑いは庶民の味方、笑いには知性と愛がある、吉本に挑戦や」と釜が崎の労働者やホームレスの実態などを紹介しながら、労働組合の大切さ、役割と出番を強調。小林さんは、「労働者を人間として扱えるのは労働組合だけ」「労働組合は基本的人権の砦」、役割と機能を発揮し、自主性と民主制を守り、主張もきちんとすることが大切だ述べ、参加者の共感を呼びました。総会後の交流会は、参加者全員が発言、交流を深め合う場となりました。


神奈川◇定期大会で意思統一

職場環境の改善を

 全厚生神奈川県支部は、10月20日、新横浜「全労済会館」に於いて第8回支部定期大会を開催し、総勢73人の代議員が参加し21世紀最初となる運動方針が圧倒的多数の承認で成立しました。
 冒頭、平丸支部長が「この1年間、少しずつではあるが、長年支部が掲げてきた要求が実現してきている。国民年金業務改善など多くの課題は残されているが、今大会では、職場の疑問、意見、不満をおおいにぶつけてほしい」とあいさつしました。
 大会では各分会から、職員の再任用制度、年金相談繁忙対策、年金相談体制・年金制度について、電話相談、研修体制、宿舎整備など、職場環境問題、労働条件、社会保障問題から青年部、婦人部の活動などについて幅広い発言がされ、白熱した討論が展開され、全議案とも圧倒的多数で可決成立しました。


〜原稿募集中〜  全厚生新年号 「組合員のひろば」
1.恒例 ちびっ子なりきりコンテスト
 ウルトラマン、仮面ライダー、おじゃ魔女ドレミ、ちびあゆ、ちびモー娘。etc.なりきり写真大募集!保育園・幼稚園・学校の発表会で、その役になりきり写真も大歓迎!変身スーツ、衣装を着て、最高のポーズを決めてね。想い出に残るようとっても素敵に掲載します。なりきり写真1枚と110字の記事を。

2.恒例 なんでもコレクター大集合
 あなたは何を集めていますか?収集家のつもりじゃないけど、気がついたらあふれてたものって1つや2つありますよね。数で勝負か、レアもので勝負か。子どもの参加も大歓迎。まだ登場していないあなた、チャンスです。あなたのお宝に囲まれた現場写真を1枚と165字の記事を。

3.“大”家族自慢
 子だくさん家族、おじいちゃんおばあちゃんが健在な3〜4世代の大家族。“大”といっても人数が多いだけじゃなく、“家族”といっても親子だけじゃない。家族の夢がでっかい“大”家族。声の大きい“大”家族。休日には子どもの友だちがたくさん来て、大家族になってしまうという“大”家族。外国人留学生のホストファミリーで、家族は世界に広がっての“大”家族。猫が、ハムスターが、金魚が、犬がetc.家族の一員が増えて増えての“大”家族自慢をどーんとしてください。“大”家族の現場写真を1枚と165字の記事を。

<締め切り> 12月21日(金)本部必着
<投稿要領> 上記内容に、支部名、氏名、年齢を書いて下さい。子どもさんの場合は親の支部名、氏名も忘れないで書いて下さい。写真はお返しします。投稿いただいた方全員に1,000円分の図書券をさしあげます。記事は、EメールでもOKです。アドレス:ZENKOSEI@zks.dp.u-netsurf.ne.jp

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