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◆第1505号(2001年10月25日付)◆

公務員制度改革で交渉・協議尽くすと確認

人事課・社会保険庁へ申し入れ

 全厚生は、10月23日に厚生労働省、翌24日には社会保険庁に対し、「公務員制度改革に関わる申し入れ」を行いました。
 申し入れ項目は、@公務員制度の運用主体である厚生労働省(社会保険庁)として、信賞必罰の人事管理を柱とする公務員制度改革を行わないよう、使用者責任にもとづき関係機関に働きかけを行うこと、A公務員労働者の労働基本権を全面的に回復すること。「民主・公正・効率」を基本にした公務員制度を確立するために努力すること、B公務員制度改革が、公務員労働者の労働条件の改変につながることを十分認識し、検討にあたって、国家公務員法108条の5の趣旨を踏まえ、全厚生との交渉・協議を随時行うこと、の3点です。
 厚生労働省に対する申し入れには、井口大臣官房人事課長、篠原人事調査官らが対応。今後、政府・行革推進事務局の作業にそって、全厚生との交渉・協議を行っていくことを確認しました。
 社会保険庁に対する申し入れには、角田総務課長、伊藤職員課長らが対応。今後の交渉・協議については、「申し入れの趣旨を踏まえ、検討したい」と述べました。
 この申し入れは、杉下委員長、加藤副委員長、杉浦書記長、國枝中執の専従役員が行いました。


報復戦争への自衛隊参戦法反対

軍事攻撃をただちに中止し、国連中心としたテロ根絶の対応を!

 日本がアメリカの報復戦争に参加するための「テロ対策特別措置法案」と自衛隊の警護出動や防衛秘密漏えい者への罰則強化を定めた「自衛隊法改正案」を、政府は29日にも強行採決しようとしています。
 「テロ対策特別措置法案」は、外国の軍隊に物品や役務の提供をする協力支援活動、遭難した戦闘参加者(外国の軍隊)の捜索救助活動、被災民救助活動などが盛り込まれていますが、自衛隊の活動地域は地球上のどこでも無制限、米軍にすべて白紙委任の従属関係、戦闘に使用する物品の輸送など武力行使と一体の戦闘行為への加担など、明らかに憲法違反の法案です。さらに「テロ対策法案」には、テロ根絶にむけた取り組みはなに1つもなく、米軍に武器・弾薬を輸送するなどただ単に米軍の戦争に協力するものに過ぎません。
 また、「自衛隊法改正案」には、かつて国民の反対で廃案にした「国家機密法案」の内容が盛り込まれています。防衛庁長官が一方的に指定したものが「防衛秘密」として国民から秘匿され、取材や報道含め漏洩とみなされるものは処罰の対象となるという、憲法で保障された国民の知る権利と言論の自由を奪い、国民主権と基本的人権の侵害につながる法案です。
 報復戦争は、多くの犠牲者と新たな報復テロを生みだすという悪循環をまねき、世界を泥沼へと陥れかねません。そして日本の戦争協力は報復テロの対象として、国民の安全や命を脅かすことにつながります。
 テロの根絶には一部の国による軍事報復と戦争拡大ではなく、国連を中心に国際社会の責任で制裁・告発する道に切りかえることです。今こそ、暴力ではなく、命の大切さを人々の心に訴えぬくことです。憲法9条を持つ国として日本がこのことを国際社会に働きかけ、みずから努力することこそ、真の国際貢献といえます。
 全厚生は日本国憲法25条と9条を徹底的に守り抜く労働組合として、日本国憲法を蹂躙しようとする動きには断固反対します。


リレーずいそう
● 暗闇へのジャンプ
 昨年はシドニーオリンピックが開催された後、10月に同じ会場でパラリンピックが行われたのをご覧になりましたでしょうか。私は視覚障害全盲の部門の走り幅跳びと三段跳びに出場しました。
 どのようにして跳ぶのかと思われる方が多いでしょうからご説明致します。まず目の部分にはアイマスクをつけ、助走をする前に踏み切る所からコールをしてもらい方向を合わせます。そのため私たちが跳び終えるまでは観客の方のご協力により静かな環境を作り出してもらいます。そしてその静寂の中、助走を開始して歩数を数えながら声(音)のする方向へ向かっていきます。もし途中で左右にずれた場合はコールの人に合図をしてもらいます。という感じなのでコールをしてもらう人とあうんの呼吸で一体になって跳ばないとうまくいきません。そして踏み切って自分の体を空中に投げ出すのです。その時もコールの人との信頼関係があって初めていいジャンプができます。
 今回は11万人収容できるスタジアムの雰囲気を満喫しながら三段跳び6位、走り幅跳び7位入賞することができました。胸に日の丸を付け大舞台に立つ喜びは何にも代え難い経験になりました。このような結果を残したのも職場の方々の支えがあってのことでとても感謝しています。
 次は3年後アテネでパラリンピックが行われますが怪我や37歳の年齢に負けることなく挑戦していこうと思います。また昨年は年休扱いでの参加であったので、今後はパラリンピックの認知と普及を図ることも念頭にしていこうと思います。
(神戸支部 今井裕二)


News
● 民主的公務員制度の確立を ―秋年闘争第2次中央行動に1100人―
 10月23・24の両日、国公労連は秋季年末闘争第2次中央行動を行い、「10・23国民大集会」「10・24怒りの霞が関総行動」にも結集し、国公の仲間1100人が全国から集まり奮闘。全厚生は、大阪・京都・岐阜県・愛知県・神奈川県・リハ・業務センター・統計・本省の各支部と本部から40人が参加しました。
 23日は昼休みに、昇格改善の課題で人事院前要求行動、引き続き国会へ移動し、公務員制度の民主的改革実現への要請と育児休業や介護休暇の改善・看護休暇の早期制度化などを求め衆議院議員へ要請。並行して政党・マスコミ要請を公務員制度課題で実施しました。午後6時半からは明治公園での「テロ糾弾!報復戦争やめろ!小泉改革に異議あり!不況打開!大企業のリストラ反対・雇用守れ!医療改悪やめろ!10・23国民大集会」に2万5千人が参加しました。
 翌24日は「10・24怒りの霞が関総行動」が全体で1万2千人の参加により展開され、終日各産別による多彩な行動が行われました。全厚生は、国立病院・療養所の統廃合反対、独立行政法人化阻止、医療改悪反対などの課題で、厚生労働省前要求行動、厚生労働省への「はたらくルール署名」の第1次提出行動、昼には「霞が関総行動」の参加者全体(6千人)が結集する「くらしと雇用を守る中央総決起集会」と国会請願デモを行い、その後、並行して実施された国公労連は総務省前と行革推進事務局前要求行動に結集しました。最後に、「2001年秋年闘争勝利10・24中央総決起集会」に参加し、2日間に渡る中央行動を終了しました。


国立施設管理室長と交渉

昇格改善は緊急の課題

 全厚生は10月15日、社会援護局国立施設管理室交渉を行いました。これには函館、塩原、リハ、伊東、神戸、福岡、別府の福祉関係支部の代表他、杉下委員長、鈴木・加藤両副委員長、杉浦書記長、今井・国枝両中執ら本部役員が参加し、管理室からは佐藤室長、森重補佐らが対応しました。
 今回の交渉は切実な要求である昇格を中心に行いました。厚社連で作成した現員現級表を活用したため、大変具体的な交渉となりました。また、事前交渉で概算要求の概要も確認出来るようになり、1歩ずつ踏み込んだ交渉となりつつあります。
 冒頭、杉下委員長から@要求提出にあたって要求事項を抑制することのないように。要求事項を絞るのであれば理由を明確にすることA公務員制度改悪については経過を説明するとともに、福祉や公務の職場にはなじまない制度改悪であるとの立場に立ち努力をするよう要求しました。
 これに対し佐藤管理室長は、「小泉内閣発足以来、行革の厳しい見直しが行われている。施設関係では特殊法人の見直し関係で秩父学園。労災重度ケアセンターの廃止に伴って重度センターとの関わり。雇用促進協会の関係で国立リハの職リハなどが議論の対象となっている」と説明。その上で、「施設を存続する立場ではいるが、存在感をアピールすることが必要であり、職場の意識改革をお願いしたい」と述べました。
 要求に対する主な回答は次の通り。
 14年度概算要求について「財政が厳しい中増額要求していることを評価して欲しい。『施設のあり方についての検討』結果に基づき実行できる項目については要求している」と回答。
 国立施設のあり方については、「トップダウン方式ではなく議論をして方向性を出したい。検討会報告にそって実行上出来ることから始めたい」。
 昇格改善等についての回答は、医療(二)は、「知恵を出しながら改善を図っていきたい。主任発令については少し勉強させて欲しい」。医療(三)は、「看護婦の3級昇格や准看2級昇格の状況は承知している。いろいろ勉強しているが難しい。業務レベルをアップし量より質を問題にして要求していきたい」。
 福祉職については、「新設され格付けからまだ時間が経っていないので、当面様子を見ていきたい。問題ケースについては個別対応を考えている。福祉職俸給表は職階性をもった専門職表で、標準職務表にてらして運用している」と回答しました。
 行政職(二)の昇格については、「58年閣議決定以来暫定でも難しくなっている。個別協議で実績作りを積み上げている。平成14年度概算では定数要求は行っていない(事前交渉)」。教育職(四)については、「3級昇格は高等専門学校の助教授クラスに該当する。光明寮では3級は困難。重複化等説明をしているが理解を得ていない」との回答でした。
 交渉の最後には各支部からの独自要求について室長に直接ぶつけて要求の早期実現を求めました。
 交渉を終えて、一貫して厳しさが強調されたものとなりました。争点を明確にする事なくして要求の前進は実現しないと感じました。

組織拡大などで意思統一 福祉支部代を開催

 全厚生は10月14日東京・赤坂の茜荘で、社会福祉支部代表者会議を開きました。会議では、翌日の管理室長交渉に臨むにあたって意思統一をするとともに、公務員制度改悪反対闘争の課題の確認、組織拡大のため組織一覧表の作成、オルグの取り組み、支部の現状・課題などを交流しあいました。
 会議には、塩原、リハ、秩父、神戸、福岡、別府、伊東の支部代表のほか、杉下委員長、加藤副委員長、鈴木副委員長、今井・国枝両中執ら本部役員が参加しました。
 支部報告で注目されたのは、「自閉症対策事業が施設の中心業務になっている」(秩父)「情報指導主事が配置されたが教官併任である」(塩原)「支部再生10カ年計画を立て取り組んでいる」(伊東)「ガードマン2名体制や、保健指導専門職の昇格に取り組んでいる」(福岡)「支部大会を開催し新体制ができた。新たな気持ちで活動したい」(リハ)「歩行訓練士の人数で施設配分があり問題が生じた」(神戸)「組織拡大で行政職の人が加入し過半数を組織できた」(函館)「バーベキュー大会を開催」(塩原)「組合旅行を中心に組織活動を継続したい。あり方報告の説明会を求めたが実現していない」(別府)など。
 本部からは、組織拡大・公務員制度改悪反対闘争関係・オルグの実施、現員現級表の整備その他についての運動を提起。会議後和やかに懇親しました。
(今井進中執)


秋田県◆青年部秋の学習会開く

個性を認め話し合って

 10月13日〜14日、秋田県支部青年部恒例・秋の学習会が秋田県男鹿市で開催されました。『なまはげ』に脅されたのか、30人という多数の参加で始まりました。
 学習内容は新再任用制度。秋田県支部書記長・遠田氏より講話をしていただき、その後班別に分かれ、それぞれの意見・疑問を話し合いました。私たちが青年としてこの制度をどのように考え、受け入れていくべきなのか、十分な学習と意見交換ができたと思います。
 夜は、班別で飯づくり。カレーにチゲ鍋、芋煮鍋、秋田名物きりたんぽ。部長のレシピをよそに、着実に旨いものが出来ました。鍋にビール、肌寒くなってきた秋には心地よく、みんなの頬も紅葉のように赤くなり、夜は更けていきました。
 翌日は、バス釣りで有名な大潟村に場所を移し、ウインナーづくりを体験しました。前日の宴の影響を残しつつ、出来上がったウインナーは細いものから太いものまで様々。味も食感もそれぞれ。このウインナーのように個性、考え方には違いがあるかもしれませんが、みんなで話し合って、これからも若さを武器に頑張っていきたいと思います。
(秋田県支部青年部長 高橋克幸)


新執行委員紹介

平和のために尽くしたい 骨太で繊細な詩人
中央執行委員 木立 圭子さん

 勤続22年。アウトドア派の夫と中学生2人の息子さんとの生活。彼女はいつも若々しい。役員の役割分担を決めるとき、青年部担当にという声が自他ともに出てくるほど。つどうことが好きでお酒もとことん付き合う。と言ってもさすがに母である。後輩が初めて出産したとき、彼女から『子育ての仲間入りおめでとう』というはがきを受け取り感激した。その一行に仲間と一緒に仕事も子育ても頑張ろうねという暖かいメッセージを感じ、不安が吹っ飛んだと言う。常に門戸を大きく開け、その向こうに、暖かい部屋を用意していてくれる人だ。
 彼女の組合活動のきっかけは、青年時代に行った広島での原水爆禁止世界大会だ。平和を願う世界中の人々の熱気に感動した。この地球に平和なくして日々の生活は成り立たない。平和のために力を尽くそうと決意した。それ以来組合活動は彼女の日常となった。
 「1人が万人のために万人が1人のために」という組合の精神に喜びを感じる。そして苦境を乗り切るキーワードは、あいだみつおと金子みすずの詩にあるという。してみると彼女は見かけはかなり骨太なのだが、実は繊細な詩人なのである。
(社会保険業務センター支部 田辺恵美子)


テロと報復戦争参加に異議あり
国民の「命」を投げ出せと言うのか
大阪支部組合員
 NYのテロは無条件に許せません。でも、アメリカの「テロに対する闘い」は、まったく正当化できないし、テロに対する抑止にもならないと思います。小泉内閣は、「痛み」の改革を強い、こんどは自衛隊派遣により、自衛隊のみならず、テロの標的となる国民の「命」すら投げ出せと言っています。平和を願う国民の願いを、ごまかしで押し通そうとする小泉内閣を打倒するため、今後もともにがんばりましょう。
なぜテロを受けたのかも知らせず
愛知県支部組合員
 テロ行為は許せないが、なぜアメリカがテロを受けたのか、その根源を国民に知らせず、テロ対策特別措置法案を通過させるのは反対です。テロに便乗し、自衛隊法改正するのも反対です。そもそも日本が軍隊を持つのがおかしい!
日本にNO!はないのか
函館支部組合員
専守防衛のはずなのに。
21世紀を迎えても日本にNo!はないのか。

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