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◆第1504号(2001年10月15日付)◆

公務員制度改悪は許さない

政府が「新人事制度の基本構造」を提示

 公務員制度改悪とのたたかいは、行政のあり方、労働条件をめぐる最重要の課題です。
 作業状況では、既に政府・行革推進本部は6月29日に「公務員制度改革の基本設計」を決定していますが、さらに9月20日には政府・行革推進事務局が「新人事制度の基本構造(議論のたたき台)」と「官民交流及び再就職についての基本的考え方(案)」の2つの文書を国公労連及び各省に提示しました。
 「基本設計」、「基本構造」は、信賞必罰の人事管理の具体的内容として、能力等級制度をはじめとする任用、給与制度の「改革」、職務遂行能力や目標管理にもとづく新たな評価制度を導入することを明らかにしています。また、各府省の大臣を人事管理権者とし、自主的な組織・人事制度を設計・運用できる責任ある人事管理体制の確立を掲げています。一方、人事院など中央人事行政等の抜本的な見直しに言及。当然、こうした改革方向なら、労働基本権の回復を明確にした検討が不可避にもかかわらず、労働基本権問題は、完全に先送りしています。
 いま政府は、「公務員制度改革大綱(仮称)」を12月に閣議決定する予定で作業を続けています。大切なことは、公務員制度の運用主体となる所属長に対し、職場からのたたかいを強めることが決定的に重要です。競争原理を前提とした信賞必罰の人事管理制度について、行政の第一線である現場から、改革内容を批判的に検討することが大切です。当局に対しても説明を求め、労働組合としての基本的な見解を示し、公務員制度改革の問題点を浮き彫りにすることが重要です。組合との交渉・協議に対し、当局は、公務員制度の運用主体であるなら、当然「受け身」でない責任ある対応が求められているはずです。
 さらに、「『民主・公正・効率』の公務員制度を求める要請署名」もすべての職員を対象に、対話を大切にした取り組みを強めましょう。


テロも報復戦争も反対

自衛隊の参戦許すなの行動広がる

 「テロも報復戦争も許しません」「アフガニスタンの子どもたちを戦火にさらさないで」と、700人の女性たちが、10月5日、銀座をデモ行進しました。女性の憲法年連絡会の呼びかけで、全厚生も参加しました。
 9月11日の同時多発テロ事件は6000人以上の犠牲者を出しました。何の罪もない尊い命を奪ったテロ行為は、断じて許すことができません。事件の徹底糾明と犯人の逮捕、法と秩序にもとづく厳正な処罰が求められます。ところが、10月8日、アメリカとイギリスは、「報復」としてアフガニスタンの爆撃を開始しました。アフガニスタンでは、20年来の内戦と干ばつで600万人以上の難民が発生しており、報復戦争で、またしても尊い命が奪われています。また、日本政府は「テロ対策」と称して、自衛隊をこの戦争に参戦させる法案「テロ対策特別措置法案」と「自衛隊法改正法案」を今国会に提出し、十分議論を尽くさないまま、数の力で強行採決しようとしています。
 「テロも報復戦争も自衛隊の参戦も許さない」との怒りの声が全国に広がり、署名行動や・デモ行進など、各地で抗議行動が行われています。
 自衛隊の参戦法案をめぐっての国会情勢は緊迫しています。運動を急いて広げましょう。


リレーずいそう
● 「黄金茸」?
 巷の喧騒をよそに、山々では秋も深まり紅葉も見ごろになってきた。そこに住む動物たちも、これからくるであろう厳しい冬に備え食料の確保などに忙しい日々を送っている。私の故郷には、マリモで有名な阿寒国立公園があり、毎年、秋になると登山を兼ねて果実酒用のフレップ(コケモモ)や、キノコを採りに行っていた。
 ずいぶん前の話になるが、その日も登山を終え仲間と近くの温泉で一風呂浴び家路に向かっていた時のことである、国道脇で数人がキノコを採っているのに遭遇した、色は赤茶色で丈が20cmくらい、全体に金粉が降りかけられているような巨大なキノコが土中からボコボコ出ている。未知との遭遇であった。キノコを採っている人に「これ食べられますか?」と思わず聞いてみるが明確に答えてくれない。食えない訳は無いと、家に持ち帰りキノコ図鑑で調べてみた。「黄金茸」?に良く似ている。食用可と書いているが、いざ食するとなると自信がないので仲間に電話してみる。「食べた?」「・・・」。考えることは一緒で、誰かが先に食べるのを待っているのだ。「初めてキノコを食べた人は偉大だ」などとブツブツ言いながら、バター炒めで食べてみた。大味だが中々美味い!心配した食中毒もなく、翌日には仲間も「黄金茸」を食すことができた。秋が来れば思い出す、遥かな故郷、遠い空・・。体力も衰えてきた今日この頃、また、登山でも再開しようかな。
(神奈川県支部副支部長 福士広志)


News
● 懲戒処分指針にセク・ハラ ―人事院が標準例に追加―
 人事院は、7月31日、セクシュアル・ハラスメントに関する懲戒処分の標準例を追加する「懲戒処分の指針について」の一部改正通知を各府省等に発出しました。
 今回の改正は、セクシュアル・ハラスメント事案について懲戒処分がより厳正に行われるよう、セクシュアル・ハラスメントに関する標準例を新たに追加したもの。改正の主な内容は、(10)ア、暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。イ、相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞・性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。ウ、相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする、となっています。

● 10月から旧姓使用可能に ―各省庁人事担当課長会議で申し合わせ―
 「職員が婚姻等により戸籍上の氏を改めた後も、引き続き旧姓を文書等に使用すること」について、10月1日より実施することとする旨の申し合わせを7月11日の各省庁人事担当課長会議で行いました。申合せの概要は、次のとおり。
 旧姓使用は職員からの申し出を受けて行う。旧姓使用を行う範囲は、@職場の呼称、A座席表、B職員録、C電話番号表、D原稿執筆、E人事異動通知書、F出勤簿、G休暇簿の8項目とする。(ただし、その他の項目についても各府省が個別に判断し、旧姓使用の範囲を拡大することを妨げない。)各府省は「旧姓使用担当相談官」(仮称)を任命する。本件の申合せは、本年10月1日より実施する。
 今回の「申し合わせ」は、運用主体が各省庁であることをふまえた取り組みも求められることになります。


憲法9条と25条を守って奮闘

厚生共闘20周年記念の定期大会をひらく

 厚生共闘(全厚生・全医労)は9月25日、東京・茜荘において国公労連、全労働の来賓を迎え、第23回定期大会を開催しました。
 冒頭、保木井議長(全医労委員長)は「アメリカで起きた同時多発テロを口実に小泉首相は自衛隊の海外派兵をなしくずしで押し進めようとしている。その一方で社会保障制度の形骸化をねらっている。憲法9条と25条を守るたたかいが重要だ」と厚生共闘のたたかいの意義についてふれつつあいさつしました。続いて加藤事務局長(全厚生副委員長)が運動方針案を提案。全医労・全労働・全厚生、厚生労働省内の3つの単組の共同行動の追求や、国立病院・療養所の独法化に反対するたたかいの強化、大臣交渉、政策活動などを重視するなど厚生共闘の役割発揮を中心に提案しました。
 限られた時間でしたが討論では5人が発言しました。全厚生からは、栄研支部の梅垣代議員が国立健康・栄養研究所の独立行政法人化にあたっての運動の取り組み、業務センター支部の根津代議員が賃金職員の「雇い止め」撤回運動について発言しました。とくに2人からは運動の中で組合員が新たに加入したことも報告があり、組織拡大と要求前進のたたかいが強調され、力強い発言となりました。全医労の代議員からは、国立病院・療養所の統廃合・移譲を許さないたたかいや看護婦増員について発言がありました。
 運動方針は参加代議員全員の満場一致で採決されました。
 選出された役員は、次の通りです。
 ▽議長=保木井秀雄 ▽副議長=杉下茂雄・渡辺伸仁 ▽事務局長=加藤重徳 ▽事務局次長=川名健・鈴木誠 ▽幹事=藤巻一世・杉浦公一・國枝英樹・東山登・北川寿博・細谷均 ▽会計監事=峰一史・香月直之

厚生共闘20周年記念レセプション開く

 厚生共闘定期大会後には、結成20周年記念レセプションを開催しました。松本道廣氏(初代厚生共闘議長)や尾崎金三郎氏(元厚生共闘事務局長)ら多くの来賓の方々を含め50人が集まり、20周年を祝いました。
 来賓として、国公労連、国公共済会、全労働、(株)きかんしから出席、また、中央社保協と村岡忠義元全医労副委員長からメッセージが寄せられました。
 レセプションでは、来賓の挨拶の他、出席者一人ひとりが、厚生共闘に対する思いや決意を語り、平和と医療、社会保障を守って奮闘する決意を固め合いました。


人勧の完全実施を閣議決定

3年連続一時金切り下げは許さない

 政府は、10月5日に第2回給与関係閣僚会議、引き続く閣議を開催し、2001年人事院勧告の「完全実施」を閣議決定しました。今後、開会中の第153臨時国会に改定給与法案を上程し、国会会期中の成立をめざして具体的な作業がすすめられる見通しです。
 2001年人事院勧告は、2年連続で俸給表改定を見送り、3年連続の一時金切り下げによる3年連続での「マイナス勧告」が強行されました。公務員労働者の生活と労働の実態を踏まえれば、勧告の「完全実施」の閣議決定は許されません。 全厚生は、閣議決定に抗議し、引き続き給与法の国会上程まで、政府に対して「3年連続賃下げ反対」の意志を表すために、緊急の「要求打電」行動に取り組みました。


新副委員長紹介

様々な難問に臆することなく取り組む行動の人
中央執行副委員長 坂田 宏子さん

 大学院生の時代に社会的な視野を持ちはじめたという彼女は感染症研究所では麻疹ワクチンの国家検定に携わっている。
 人の話の問題点を鋭く即座に指摘できるという明晰な頭脳を持った人である。永年の同僚として彼女を見ていて感心するのは、自分の周りに生じる色んな難問に臆することなく精力的に取り組み、他の人たちを奮い立たせて目的を果たすまで根気強く活動する能力があるということだ。
 例えば子供が生まれた昭和40年代後半、まだ働く女性は少なく、保育園がなかった。そこで彼女は近くの病院の職員や学校の先生達に呼びかけて病院の中に私設保育所を作り、父母として運営に関わった。その活動に刺激されて数年後、武蔵村山市が産休あけからの保育園を開くことになった。また私達の職場は研究所の分室であるため、組合活動も小規模になりやすい。せめて組合員同士の交流をよくしようと彼女の発案で「秋に楽しむ会」なるものができ、文化祭と納涼祭の合体したような行事が始まった。この行事は全職員の参加する組合主催の行事に発展し、10年以上経った今も続いている。
 行動の人である彼女には難問山積の今こそ、足元を見ながらリーダーシップを発揮してもらいたいと思う。
(感染研支部 斉藤早久良)


小泉「改革」に異議あり!
不況打開!大企業のリストラ反対・雇用守れ!医療改悪やめろ!
10.23国民大集会
10月23日(火)午後5時半開場
午後6時半国民大集会・開会
集会後デモ行進(予定)
東京 明治公園
(JR中央・総武線「千駄ヶ谷」下車、徒歩13分「東京」から「千駄ヶ谷」まで各駅で約20分。地下鉄銀座線「外苑前」・大江戸線「国立競技場」下車、徒歩5分。)
主催 「10.23国民大集会」実行委員会
〔連絡先〕
「軍事を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会
〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4 平和と労働センター・全労連会館
TEL(03)5842−5630 FAX(03)5842−5631

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