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◆第1503号(2001年9月25日・10月5日付)◆

全厚生第65回定期大会を開催

憲法がいきる社会保障行政を

25条と9条を守って奮闘を

 全厚生労働組合は、9月13日から3日間、静岡県伊東市において、第65回定期大会を開催し、2001年度運動方針、財政方針を全会一致で採択し、新役員を選出しました。
 大会には、全国の職場から代議員・傍聴者など135人が参加。国民への「痛み」押しつけを当然視する小泉「構造改革」に反対し、憲法25条がいきる社会保障行政をめざすことを決意。同時に、公務員労働者を従順な「悪政の推進者」にする公務員制度「改革」に反対し、民主的な公務員制度を確立するため、国民とともに全厚生が一致団結して奮闘する決意を固め合いました。
 大会では、行政民主化のために行政研究活動をすすめること、働くルールの確立をすすめること、国立衛研大阪支所の基盤研問題で職員の身分保障と勤務条件の確保に全力をあげることなどを確認しました。青年も多数参加し、平和運動をはじめたたかう決意を次々と発言し全厚生の未来を明るくさせる若さあふれる大会となりました。
 また、アメリカでの同時多発テロに関連して、「テロ行為は容認できない、報復ではなく法と秩序にもとづいた解決を。社会保障と戦争は絶対相容れない。憲法9条を守れ」と、大会名で「『同時多発テロ」を口実にした集団的自衛権の行使、有事法制に反対する特別決議」を全会一致で採択しました。


歴史の検証に耐えられるたたかいを ―杉下委員長があいさつ

 大会の開会にあたって杉下委員長は、情勢の特徴、課題と取り組みの重点についてあいさつしました。
 杉下委員長はまず、政治、経済など危機が進行していること、この危機を政府・財界は労働者・国民の犠牲によって乗り越えようとしており、「小泉内閣の『聖域なき構造改革』はその犠牲を避けがたいものにしている」と指摘。「政治の役割、政治の責任はどこにあるのか。政治の責任は、国民のどんな痛みにも心をくだき、それを取り除くことにある。小泉内閣の聖域なき構造改革は、労働者・国民の願いに逆行するものだ」ときびしく批判しました。
 その上に立って杉下委員長は、雇用・失業問題、社会保障改悪についてふれました。完全失業率が5%に達したこと、420万人が失業状態にあり、10人に1人が失業者という深刻な社会問題になっているにもかかわらず、小泉首相は「失業者が増えるのはやむ得ない」などと発言していることを批判し、「リストラ競争に拍車をかけているが、富の原動力である労働者をないがしろにするもので長続きしない。民間の失業問題は他人事ではない。公務労働者自らの問題として全力で取り組みたい」と決意を表明しました。また、社会保障への攻撃に対しても「国民と連帯してたたかうことが重要だ」と強調しました。
 次ぎに委員長は、働くルールの確立、公務員制度改悪とのたたかいについてふれ、「歴史の検証に耐えられるたたかいをしよう」とよびかけ、「この狙いと本質は国民と労働者に痛みを強いる政治と一体ですすめられている。物言わぬ反動行政の推進者に仕立てようとしている。行政サービスの低下、労働組合の弱体化を狙うものだ。こうした狙いを受け止め全力で奮闘しよう」と強調しました。
 最後に、杉下委員長は「情勢はきびしいが団結して、厚生労働行政の国民本位への転換に向けて全力でたたかおう」とよびかけ、あいさつを結びました。 


大会宣言(要旨)

 全厚生女性部規約第4条の規定に基づき、全厚生女性部第6回総会を下記の通り招集いたします。

 完全失業率は5%を超え、さらに、大企業は新たなリストラ計画を発表するなど雇用情勢は一層深刻になっている。「聖域なき構造改革」を掲げる小泉内閣は、不良債権の早期処理による中小企業の倒産、失業者の増大、また、医療・年金・介護など社会保障の切り捨て等、労働者、国民に耐え難い「痛み」を押しつけようとしている。私たちは、小泉内閣の悪政と対決し、景気回復、雇用拡大を求め、働くルールを確立し、国民生活を守るたたかいに固く結集する。
 公務員制度「改革」をすすめる政府は、その「基本設計」を6月に決定し、12月にも「大綱」の決定を狙っている。大会では、政府・行革推進事務局との交渉を強め、政府が一方的に「大綱」決定を強行しようとする時には、歴史の検証に耐えうるたたかいを確立して政府追及を強める決意を固め合った。
 2001年人事院勧告は、3年連続で年収引き下げの勧告となった。公務員労働者の生活と労働の実態からしても断じて認められるものではない。大会では、「職場連判状」などを通して仲間の声を集中し、政府の使用者責任を徹底して追及するために、秋からのたたかいを強化することを意思統一した。
 社会保障の拡充、行政の民主化を目指すたたかいは、厚生行政の担い手である全厚生の存在意義をかけた重要な課題と位置づけ、運動を推進するため、各支部それぞれが自らの業務を国民のための行政をすすめる立場になって見直し、行政研究活動に積極的に取り組んでいく方針を確認した。
 アメリカで起きた同時多発テロ行為は、決して許されることではない。同時にアメリカの報復軍事行動、それを支持する日本政府の対応、さらに、今回の事件を口実とした有事法制の立法化の動きは、平和を脅かし憲法第9条を形骸化するものとして断固反対する。
 職場に仲間の怒りが渦巻くなか、いま、労働組合の役割が問われている。職場を基礎に、全厚生に結集する組合員1人1人の英知と力をあわせ、地域の仲間を始め、すべての労働者、国民と固く手を結びたたかうことを宣言する。

2001年9月15日
全厚生第65回定期大会


公務員制度改悪許さぬ

2001年度たたかう運動方針を提案

 杉浦書記長は、大会初日、2001年度運動方針案、秋季年末闘争方針案の提案を行いました。
 はじめに、小泉内閣の聖域なき構造改革について、「この危険な実像を広範な労働者・国民の中に明らかにすることは、重要な課題であり、一時の小泉人気にたじろがず、新たな構えでたたかおう」と強調。また、公務員制度改革のたたかいについても「今年度の最重要の課題だ」と述べ、「改革のねらいは、憲法15条が規定する『全体の奉仕者』の立場ではなく、政府・財界の意に沿う公務員づくりにほかならない」と批判し、たたかいの基本方向について、「@国民的な支持と共同を大きく広げるA政府・当局の使用者責任の追及B政府による一方的な労働条件の不利益変更に反対する職場からのたたかう態勢づくりを重視する」と提起。「この秋、職場からの所属長交渉、政府宛の署名、中央行動や全労連・全国キャラバン行動に結集し、全力で取り組もう」と呼びかけました。
 行政研究活動については、「国民の願いに応える厚生労働行政の確立をめざして、すべての部門で着手する」と述べ、各部門の課題について、「試験研究機関の組織再編、国立衛研大阪支所にかかわる『医薬基盤技術研究施設』の課題に全力をあげる。社会福祉施設のあり方について、厚社連を軸に政策活動を職場からすすめる。社会保険の業務見直し、社会保険行政のあり方など、要求・政策議論を深め、たたかいに生かす」ことを提起しました。
 焦点になっている「働くルール確立」については、「労働基準法の核心部分でもある『労使対等決定』の原則を常に視野に入れ、所属長交渉を重視する。あわせて、公務員労働者の制約された権利状況を正確に理解し、職場での日常活動を強め、働くルールや権利を守るために奮闘する。また、長時間・過密労働、休憩や休みもとれない職場環境は、労働者のいのちと健康を確実に蝕んでいる。職場における健康・安全衛生の取り組みを重視する」と強調しました。
 独立行政法人に移行した栄研支部は、新たな労使関係のもとで、労働条件の確保、組合活動を行う基礎的な条件、交渉ルールの下地を築くことができたことを紹介し、「今後、基本要求を練りあげ、労働・研究条件の改善をめざしたたかう」と述べました。
 最後に、組合員を主人公に、学習活動を重視し、全ての支部で組織の強化・拡大のために力を尽くそうと呼びかけました。


財政方針を決定

本部組合費は前年度と同じ

 大会初日、第2号議案である2000年度決算報告と2001年度財政方針・予算(案)を山本総務財政部長が提案し、会計監査報告を藤田会計監事が行いました。
 決算報告では、積極的なオルグの実施による旅費行動費、中央行動等をはじめとして闘争組織費を有効に活用し、とりわけ闘争費では1999年度を100万円を上回る執行となった点を特徴として報告しました。財政方針・予算(案)については、可能な限り節約に努めつつ、運動と組織の発展を支えられるよう特に旅費行動費と闘争組織費に厚めの配分をして組み立てたことを報告。
 会計監査報告は、会計処理が適正に行われていることを確認した上で、経費縮減の努力がされている、女性対策費について執行状況が明らかになるよう改善されている、剰余金について効果的な処分のあり方を検討されたい、との見解が述べられました。
 さらに、より集中して議論を深めるために、大会2日目の議事終了後、財政小委員会を開催しました。委員会では、業務センター支部の峰代議員を委員長に選出し、質疑・討論を行いました。討論に先立って、総務財政部長から、繰越金(剰余金)の処分の考え方について、財政小委員会で結論を得るものではなく、1年かけて議論する課題として説明されました。討論では、大会を地方(特に関西)で開催できないか、ブロックでの活動への財政支援について、部門の交流集会の開催にあたっての財政支援について、などの意見が出されました。執行部からは、地方開催については財政面から見れば難しいが組織対策を含めて検討したい、ブロックへの財政支援については闘争組織費で措置している、部門の交流集会開催について決まれば財政措置は必要だと考えている、と見解を述べ了承されました。繰越金(剰余金)の処分については、財政小委員会で結論を得る課題ではないことから、各支部での議論や今後の支部代表者会議、組織財政検討委員会での議論にゆだねることとし、意見交換にとどまりました。財政小委員会では、討論を経て提案された第2号議案を全員の賛成で採択しました。
 大会最終日の冒頭に、財政小委員会の議論と採決の結果について財政小委員長が報告を行い、全体の採決では、2000年度決算報告及び会計監査報告を承認し、2001年度財政方針・予算(案)を満場一致で採択しました。
 本年度の本部組合費は、一般会計について昨年同様、本俸×1.1%+420円、特別会計についても昨年同様、全額を専従役員損失補償特別会計に繰り入れることとし120円(月額)となりました。なお、本年度も臨時徴収はありません。


来賓あいさつ

ともにたたかいましょう

 大会では次の各氏が来賓として挨拶しました。

 ▽日本共産党木島日出夫衆議院議員 リストラ・行革の攻撃はすさまじさを増しているが、国民が求めている行政改革は、政官財の癒着を断ち切ることであり、本当にムダを無くし、真の公務労働をつくり出すことだ。社会保障を壊す医療改悪が狙われているが、国民的な大運動を大きく広げてたたかおう。

 ▽国公労連岡部勘市中央執行委員 県国公での役割の発揮、業務センター支部でのたたかい、大分県支部の結成など、新しい運動と組織づくりで激励をされている。公務員制度をめぐっては、わずかな期間で20万を超える署名を集約し135名が紹介議員となった。官民を問わず競争に追い立てられているが、こういう時こそ労働組合の役割が重要だ。「国民の中へ 国民とともに」を名実ともに実践しよう。

 ▽全医労保木井秀雄委員長 厚生共闘を20年の歴史をもってたたかってきた。厚生労働省の3つの労働組合の共闘も視野に助け合いながらたたかっていきたい。いま20年記念誌を作っているが、憲法25条、社会保障がお互いの共通した理念になっている。小泉内閣の「聖域なき構造改革」の最大のターゲットは社会保障。2002年の国会では国立病院・療養所の独立行政法人化に向けた個別法が作られるが、国民的影響や職員の身分等を明らかにさせたい。

 ▽全労働高木博文副委員長 一昨年は「地方事務官問題」があり、昨年は厚生労働省発足にあたっての課題があり、今年は運動をどうすすめるのかという時期。本省における運動を検討し、本省共闘をつくり、超過勤務縮減対策要綱案を出させ、共済組合の統合、健康安全委員会の新たな設置などを取り組んできた。小泉構造改革の「痛み」は、厚生労働行政分野が対象。行政実態を正しく国民に伝え、お互いの専門性を発揮して奮闘しよう。


要求実現の先頭に2001年度執行体制

仲間とともにがんばります。

中央執行委員長(再) 書記局
杉下 茂雄 (52)
すぎした しげお
中央執行副委員長(再) 神奈川
飯塚  勇 (51)
いいづか いさむ
中央執行副委員長(再) 書記局
加藤 重徳 (59)
かとう しげのり
中央執行副委員長(新) 感染研
坂田 宏子 (58)
さかた ひろこ
中央執行副委員長(再) リハ
鈴木  徹 (54)
すずき とおる
中央執行副委員長(再) 統計
藤巻 一世 (53)
ふじまき かずよ
書記長(再) 書記局
杉浦 公一 (45)
すぎうら こういち
書記次長(新) 神奈川県
川名  健 (37)
かわな たつる
中央執行委員(再) 神戸
今井  進 (43)
いまい すすむ
中央執行委員(新) 業務センター
木立 圭子 (42)
きだち けいこ
中央執行委員(新) 本省
黒川 芳信 (52)
くろかわ よしのぶ
中央執行委員(再) 岐阜県
国枝 英樹 (32)
くにえだ ひでき
中央執行委員(再) 秋田県
仙葉 拓史 (35)
せんば たくふみ
中央執行委員(再) 大阪
津川 清司 (45)
つがわ きよし
中央執行委員(再) 愛媛県
浜田  亮 (46)
はまだ あきら
中央執行委員(新) 愛知県
深沢 英二 (40)
ふかざわ えいじ
中央執行委員(新) 国立衛研
山田 雅巳 (40)
やまだ まさみ
中央執行委員(再) 京都
山本  潔 (38)
やまもと きよし
会計監事(新) 本省
梅原 一豊 (49)
うめはら かずとよ
会計監事(再) 国リハ
森 公士朗 (30)
もり こうしろう
顧問(再)
大倉 修二 (63)
おおくら しゅうじ
書記
近藤 浩美
こんどう ひろみ
書記
西田 志緒
にしだ しお
 


退任されたみなさん

長い間おつかれさまでした。

 今大会で、中央執行副委員長の杉崎伊津子さん、高橋正和さん、中央執行委員の市川茂さん、北島由美子さん、樋口満さん、会計監事の藤田利明さんが退任されました。
 大会であいさつした市川さんは、5年間、中央執行委員と書記次長をしてきた。今後は、支部役員として、また、本省共闘の強化に向けてがんばりたい。北島さんは、4年間、中央執行委員をしてきた。福祉施設、研究機関、社会保険、本省と幅広い職場があつまった労働組合であることがよくわかった。公務員制度改悪の攻撃にも体をはってたたかっていきたい。杉崎さんは、8年間、中央執行委員と副委員長をしてきた。多くの先輩と一緒にやってきたことが有意義で、楽しくやれた。女性の願いは、24時間要求がいっぱいある。解決できるものを解決するために引き続きがんばりたい。高橋さんは、副委員長は1期だったが、37年間組合員でいる。就職してすぐに組合に入り、朝日訴訟の集会に参加したとき、労働組合の参加に感激した。印象深いのは、29分ストを実施したこと。全厚生に育てられたと思っている、とそれぞれあいさつしました。

自ら実践する立場で活発に討論

 大会議案をめぐる討論は、14日、15日の両日行われ、54人の代議員・傍聴者が発言しました。
 討論の特徴は、青年が冒頭から積極的に発言し、青年の頼もしさを示したこと。秋年闘争の中心課題である社会保障構造改革反対と公務員制度反対の闘いの決意が自ら実践する立場で述べられたこと。栄研支部が独法化のもとで労働条件の確保など先進的な闘いを築いたことや結成1年が経過した大分県支部が昇格改善などの前進を勝ち取ってきたことなど教訓的な闘いが報告されたこと。国立衛研大阪支所の基盤研設立問題で身分保障と労働環境確保へ、全厚生全体で全力で闘うことを確認しあったこと。また、同時多発テロに関連してテロも戦争も許さない平和を求める発言が相次いだことがあげられます。討論の主な内容を紹介します。

討論その1

公務員制度改悪反対 ―国民本位の行政確立を

 討論では、今年度の最重要課題の1つである公務員制度改悪反対の闘いと小泉内閣の「聖域なき構造改革」反対のたたかいについて、多くの代議員が発言しました。
 業務センター支部の峰代議員は、「公務員制度改革に対抗するのは行政を国民本位にできるかどうかではないか。賃金職員の雇い止め撤回の闘いや白木屋闘争で地域との結びつきがいかに重要かを学んだ。公務員制度改革のたたかいでも地域との結びつきが大切だ」。
 北久保代議員(京都)は、「21世紀の公務労働が大きく変わろうとしている時、我々の側の運動が盛り上がっていない。『公務員はええな』といわれることに的確に対応できていないのではないか。これからどうたたかうかが重要だ。労働という文化が変わってきている。自ら見つめ直し、労働文化の大きな花を咲かせたい」と決意を語りました。
 菅沼代議員(統計)は、「公務員制度改革というと一般に競争という制度と思われるが、国民が求める改革は国民の話をじっくり聞いてくれる公務員像を求めているのではないか。反省すべきは反省して、あらためて自分たちの職場を見直すことが大事ではないか。行政研究活動を含めて、学習をすすめることが必要だ」と強調しました。
 同じく統計支部の三角代議員は、「今回の公務員制度改革は、国民のための政策や仕事をすると評価されない。本省庁では、国民本位の立場で法律の矛盾を考えて仕事をすると当然、成績が悪くなる。職場では残業ばかりでゆっくり考える時がない。国公労連全体で、ストンと落ちる理論的整理が欲しい。全厚生でもわかりやすい解説を。厚生労働省は国民の1番弱い人と接している。全労働、全医労、全厚生で力をあわせたイベントを企画して欲しい」と本部への要望も含め発言しました。
 また、小松代議員(愛知県)は、「失業率5%、NTTの大リストラなど大変なニュースが報道されている。こうしたルールなき事態を許しているのが小泉内閣だ。EUでは、厳しい企業の規制を設けようとしている。秋の課題は、医療改悪阻止、公務員制度改悪反対、働くルールの確立の3つの課題だが、厚生労働省の3つの労働組合が共同し、地域の仲間とともにたたかいの先頭に立つ」と決意を表明しました。
 梅田代議員(神奈川県)は、「政府は健康保険本人の自己負担を3割に引き上げようとしている。金のないものは死ねと言わんばかりの政治だ。全厚生として反対声明を出し、政府・国会への要請行動など、国民の運動の先頭に立って闘争を繰り広げるべきだ。それが『国民とともに』の運動となる」と発言。
 磯貝代議員(愛知県)は、「健保本人3割負担になると『メリットがなくなってしまう』との事業所代表者の声があり、大会名で、反対の声明文を出して欲しい」。
 鳥越代議員(愛媛県支部)は、「健保本人3割負担は大きな問題だ。年金問題など行政相談活動などで地域に訴えてきたが、『財源はあるのか』『結局若者の負担に』との声もある。これは、将来像が見えないからだ。行政研究で、制度・財源のあり方が検討されることを期待する」。
 地域で社会保障関連の講師団活動をしている澤村代議員(岐阜県)は、「講師活動では年金や医療の将来を語ることが求められている。全厚生としての政策活動を今こそ強化し、行政民主化の運動を具体的につくっていくことが必要。社会保障攻撃が強まる中、国民に大胆なアピール、行動を示していこう」と強調しました。



民主的な公務員制度の実現めざし、「大綱」策定を許さない決議
―いきいきとした、働きがいのある職場をつくるために―


 政府・行政改革推進本部は、3月に「公務員制度改革の大枠」を発表、6月に「公務員制度改革の基本設計」を決定しました。「基本設計」は、能力・業績主義にもとづく賃金・人事管理を強化する一方で、国民の批判が集中している政官財癒着の原因である「天下り」の規制を緩和するなど、国民が期待している公務員制度改革とはかけはなれた内容になっています。それにもかかわらず政府・行政改革推進本部は、この「基本設計」にもとづいて、12月をめどに「公務員制度改革大綱」を策定しようとしています。
 政府は、個人の能力・業績の反映を強化した信賞必罰の賃金・人事管理制度を導入することで、国民よりも上司、ひいては政府・与党の顔色をうかがいながら仕事をすすめる「もの言わぬ公務員」づくりを狙っています。こんな改革では、公正で効率的な公務サービスを安定的に提供するという公務員の役割におおきな弊害をもたらします。
 医療改悪など国民・労働者いじめの政策を次から次へとくりだす政府・与党は、現場の第一線で働く公務員労働者を従順な「悪政の推進者」にしようとしています。
 政府・与党の国民を犠牲にした公務員制度改革のもくろみは、憲法を無視しようとする態度からも明らかです。
 労働基本権は憲法で保障された基本的人権です。しかし「基本設計」は、各省大臣を「人事管理権者」に位置づけ、当局の権限は強化する一方で、労働基本権制約の代償機関である人事院の役割を縮小し、労働基本権回復については「十分検討」との態度にとどまっています。一方的に政府・使用者の権限の拡大だけをはかり、公務員労働者の人権を大きく侵害しようとしているのです。
 私たち全厚生は、特権官僚や政府・与党のための改革ではなく、現場の第一線に働く職員が国民のいのちと暮らしを守る公務サービスを堅実に遂行できる改革をもとめています。毎年つづく定員削減のもとで、長時間・超過密労働が恒常化し、健康破壊や過労死・自殺など悲惨な事件も起きています。国民の立場に立って働く職員の努力に応え、1人ひとりが生きがいと働きがいを持って仕事を続けられる職場をつくることが必要です。
 私たち全厚生は、国民本位の民主的な公務員制度の実現に向けて、「公務員制度改革大綱」策定を阻止するため、広範な国民とともに全力をあげて奮闘します。
 以上、決議します。

2001年9月15日
全厚生労働組合第65回定期大会



討論その2

テロも戦争も反対 ―青年が平和運動の先頭に

 討論のトップをきって澤田青年対策部長が発言したのに続き、青年が次ぎ次ぎと討論に参加し決意を述べました。
 青年対策部長の澤田代議員(神奈川県)は、「青年対策部の会議をもって役員体制を決定し、各支部の青年部の状況を出しあった。昨年12月、青年交流集会を成功させた。米軍基地を考える学習もし、引き続いて取り組みをするということで今年も折り鶴に取り組んでいる。平和運動は全厚生全体の運動として位置付け頑張っていきたい」。
 続いて青年対策部副部長の佐藤代議員(業務センター)は、「支部では、青年の活動はまだ確立したとは言えない。力不足だが、全国の交流を力に波動をおこしていきたい。青年交流集会、せっかくの機会に一人でも多くの仲間が参加できるよう、支部でもがんばりたい」と決意を述べました。
 愛知青年部の事務局長をしている國枝代議員(愛知県)は「青年部活動に関わって2年。岐阜県支部との合同新入組合員学習会を続けていきたい。新採と役員だけの取り組みから青年全体の取り組みにしていきたい。5年、10年を考えたとき、若い人がバラバラでは困難な状況に立ち向かえない。青年が学習と交流を深めあえる機会をどんどんつくる必要がある。次の青年交流集会は愛知。足場をきっちりと固めてしっかりと交流できるよう2003年を目標に取り組みを進めたい」。
 前青年対策部事務局長の玉木代議員(神奈川県)は、「青年交流集会が福祉・研究機関からの参加も得て、全厚生らしい取り組みとなった。神奈川では交流集会を通じて、青年部が活性化した。みんなで頑張れば元気に成功させることができる」。
 前青年対策部長の石原代議員(愛知県)は、「青年交流集会を神奈川の力と全国の力で大成功させることができた。次回は2003年に愛知で開催したい。実行委員会を組んで準備を始めたい。企画についてどんどん提案もして欲しい」と発言。
 工藤代議員(京都)は、「最近の日本の様子がおかしい。自己中心的な面が強く出ているが、仕事では『優しい気持ち』ですることが大切。このことが働きやすい職場環境をつくることにつながる。職場の雰囲気が良くなると要求も出てくる。基本は組合の団結しやすい状況をつくること。交流会はこれが目的である。複雑化した業務上の問題点や改善要求が声として上がる。不満は1人で言えるが改善して行くには力を合わせることが大切。そのため、まず仲良くしていくことが大切。京都支部、青年部、力を合わせて頑張りたい」と決意を表明しました。

多彩な活動で要求実現 ―女性部が権利守って奮闘

 女性部の活動についても発言がありました。
 松本代議員(京都)は、「支部女性部の定期大会後20世紀から21世紀へと記念レセプションを開催した。30年の歴史を振り返ったら、京都にも2つの組合があり、当局の不当な弾圧によって、逮捕されたこともあることがわかった。歴史を振り返るために記念誌を作ることになり、古い資料探しや歴代役員の名簿づくりに苦労した。その中で、昭和55年作成された『私の戦争体験』という文集がでてきた。平和の願いを込めて、復刻版をつくった」と収録された手記の1つを紹介しました。
 坂田代議員(感染研)は、「女性の活動が活発になっている。昇格でも女性組合員が中心になっている。学習会で組合員拡大も生理休暇の取得についても当局が『症状を記入せよ』とせまってきたが、はねかえすなど女性ががんばっている」。 
 女性部長の清水代議員(業務センター)は、「7月に人事課と懇談した。要求書を提出し、事前折衝も丁寧に行ってきた。人事院勧告の育休や介護休暇の延長など実効あるものにしていきたい。2月には女性交流集会を開催した。たくさんの支部から参加者があり、参加者も開催した方も元気になった。10月20日の総会を成功させたい」と述べました。
 木立代議員(業務センター)が、「女性部活動費の増額に感謝している。しかし、活動は物資販売によって行われており、基本的な活動については、本部予算で保障してほしい」と要請しました。
 大会開会の前々日11日に発生した「同時多発テロ」に対して、テロ糾弾と報復戦争はやめよとの発言がありました。
 尾崎代議員(京都)は、「『同時多発テロ』に対してブッシュ政権は戦争を起こすような体制づくりを始めた。日本国内での有事立法の策動もある。大会として、決議か声明を発して反対の表明をして欲しい」。 
 香川県支部の香川代議員は、「同時多発テロ」報道について、「アメリカが過去に犯してきたことについても考えた見方をする必要もあるのではないか。目先の報道に惑わされることなく、冷静な判断をしていきたい」。
 ハ病研支部の儀同代議員は、「『同時多発テロ』事件を口実に、来年の国会で有事法制を提案するという情勢になっている。ぜひ今大会で平和への決議をしてほしい」。
 これらの発言を受け大会では特別決議を採択しました。



「同時多発テロ」を口実にした集団的自衛権の行使、有事法制に反対する特別決議
―いまこそ憲法第9条を守る国民の力を―


 9月11日、米国ニューヨークの世界貿易センタービル等に、ハイジャックされた米旅客機が激突するという同時多発テロが発生した。いかなる理由があろうともこうしたテロ行為は断じて許すことができない。日本人を含む数千人もの尊い人命を奪ったこのテロ行為に対し、万感の怒りを持って糾弾するとともに、犠牲となった人々と家族のみなさん方に心から哀悼の意を表するものである。
 米国政府は、国際テロ組織と戦争状態に入ったとの認識を示し、報復軍事行動に向けて、具体的な準備を本格化させている。NATOも集団的自衛権を行使し、武力報復に参加することを決めた。こうした軍事行動が行われれば、長期にわたって悲惨な戦争の泥沼化はさけられず、市民をまきこみ、尊い人命が犠牲になることは明瞭である。軍事力による報復・制裁ではなく、法と理性にもとづいて問題を解決することが求められる。
 一方、小泉首相と日本政府は、米国の同盟国として全面協力の約束を表明している。そして政府は、米国の報復軍事行動を口実に集団的自衛権の行使、有事法制の立法化など、憲法第9条を形骸化しようとしている。戦後の日本が外国と戦火を交えず、平和を守ることができたのは、憲法第9条を守る国民の力が、政府の手を縛ってきたからである。ガイドライン法(戦争法)のもとで日本が攻撃されなくとも、米国の戦争に参戦する危険が現実のものになるおそれが強まろうとしている。
 米国はこれまで湾岸戦争やユーゴ内戦などに対し、国連憲章を無視した一方的な戦争を展開するとともに、ミサイル防衛への固執、地球温暖化防止の京都議定書つぶしなど自国の利益のためのルール破りで国際社会から厳しく批判されている。
 全厚生は民主主義と人命を奪うテロ行為を絶対に容認することができない。戦争回避をめざすために、平和への国際的な世論を大きく盛り上げることが重要である。私たちは憲法違反の集団的自衛権の行使、有事法制に反対し、憲法第9条を守ることこそ、日本政府のとるべき道であると確信するものである。
 社会保障と戦争は、絶対に相容れない。社会保障の充実を願う全厚生は、人命と人権を奪うテロを絶対に許さず、日本の平和と民主主義、憲法第9条を守るために広範な国民とともに全力を尽くすものである。
 以上、決議する。

2001年9月15日
全厚生労働組合第65回定期大会



討論その3

研究環境守り抜こう ―栄研の闘いを教訓に

 今年4月1日に独立行政法人となった国立健康・栄養研究所のたたかいについて、山田代議員(栄研)は、「新たな労使関係のもとで各種労働協約などかなりすすんだ内容で締結することができた。『部長代理』の管理職指定問題では、『むやみに管理職の範囲を拡大しないこと』を申し入れた。就業規則はねばり強い修正の申し入で、就業時間、昼休み、フレックスタイムなどは現状維持もしくは前進した。所内での集会制限、ビラ配布制限などの条項は削除。セクハラ、生理休暇、再任用、国家公務員としての身分条項など抜けていたが、明記させた。勤務実績がよくないとき、組織運営上必要な場合、退職させることができるという条項があったが削除させた。生き甲斐を持って働ける職場づくりを続けたい」。
 同じく梅垣代議員(栄研)は、「独立行政法人は交付金で運営されている。人件費の財源も交付金に含まれているので、小泉改革で交付金10%カットとなれば、賃金カットという話も出てこないとも限らない。本部と全国の仲間の引き続く支援をお願いしたい」と発言しました。
 研究機関の課題として、儀同代議員(ハ病研)が、「組織再編がすすんでいるが、ますます理念なき再編であることが明白となった。適切な時期の厚生科学課長交渉や継続的な議論のための政策委員会の設置、試験研究機機関の交流集会の開催を」と本部への要望も含めて発言しました。
 杉山代議員(感染研)は、「国立の研究所は、国の行政に科学的根拠を与えるのが責務であるが、現在、独立行政法人化が進められ、研究国家公務員は厚生労働省のみになってしまった。新再任用制度について任命権者からの説明が8月になってようやくあったが、運営方針の具体化はなにもない。今後大いに学習し、当局へ要請を強めていきたい」。
 辻代議員(国衛研支部)は「『医薬基盤技術研究施設(仮)』設置にかかわる国立医薬品食品衛生研究所大阪支所の廃止問題で、東京の本所への異動の道もあるが、子どもの教育や親の介護などで大阪に残りたい人もたくさんいる。基盤研への編入を進めて欲しい」と訴えました。
 徳山代議員(衛生院)は、「国立公衆衛生院は、移転と組織再編の嵐の中にある。埼玉県和光市に来年半分が移転する。新しい土地で新たな活動の芽を育てていくよう頑張りたい。現在の建物は歴史的にも優れたものであり保存運動が望まれる」と発言しました。
 福祉部門からは支部活動や施設のあり方などについての発言がありました。
 江黒代議員(福岡)は、「視覚障害者の組合員が10名。情報交換に工夫し、本部の文書などは音声・点字・FD変換を行って提供している」と紹介。
 柴原代議員(函館)は、「調理師の補充問題で正規職員採用でと迫ったが当局は人材派遣で対応した。厚社連職場では、運転士・営繕士等少人数職種の退職が続くが、施設を支える業種の補充は重要。奮闘していきたい」。 永吉代議員(秩父学園)は、「施設のあり方が時代の流れに追いついている状況にない。今年度は、自閉症発達支援センター設置に向けて秩父学園をもっと全面に打ち出す努力をしたい。世代間のズレもみんなで克服していきたい。『国立施設のあるべき姿』を追求していきたい」と発言。
 岩井代議員(伊東)は、「組合員は18名。所長交渉もできない活動状況にあったが、辞めろと言われるまで委員長をやる覚悟。できることからやっていきたい。伊東支部10年計画を立てている。10年で40名をめざして頑張っていきたい」と決意を表明しました。
 利光代議員(別府)は、「重度の身体障害者を抱える施設で、重度の方が多く、人員不足でサービスが低下してきている。サービス向上のため職員の増員要求に取り組んでいる。支部の良いところは、60名中40人が組合員で、年1回の旅行などで交流もはかれている」。
 小坂代議員(神戸)は、「定削の実施で職場は恐々としている。今のところ被害はないが、独法化の大きな流れの中で国の施設のあり方が問われている。定員増がない中で、サービス向上のみが求められている。『一体どうすればよいのか』の職場の声を引き出す必要がある」。
 同じく逢坂代議員(神戸)は、「宿日直制廃止や、教育職3級への昇格問題など、身近な課題を着実に前進させていくことも大切にしていきたい」と発言しました。



生きるのが楽しくなるような社会保障の充実を
―「聖域なき社会保障構造改革」は国の責任を放棄するもの―


 国民への「痛み」押しつけを当然視する小泉内閣の初の予算編成―2002年度一般会計予算に対する各省庁の概算要求がでそろいました。一般会計の総額は、今年度予算より3兆円余(3.6%)上回る85兆6978億円。社会保障や公共事業など国の政策的経費である一般歳出は、医療制度の改悪などによる削減で、今年度より1.7%減の47兆8300億円としました。
 厚生労働省が提出した来年度予算の概算要求では、医療費に対する国庫負担について高齢者人口の増加にともなう予算の当然増を2800億円削減しました。医療分野では本来、約5500億円の予算の伸びが見込まれていますが、それが半分以下に抑えこまれることになります。政府は、当然増分の予算削減を来年に実施をめざす「医療制度改革」によって行うことにしています。
 「医療制度改革」では、新たな高齢者医療制度の創設や中小企業の労働者が加入する政府管掌健康保険の保険料値上げや健康保険本人3割負担も検討されます。高齢者医療制度ではお年寄りの患者負担の2割への引き上げ、介護保険のようにすべてのお年寄りから保険料を取りたてることなどが狙われています。今回の2800億円の国庫負担の削減は、小泉首相が厚生大臣をしていた97年に行った医療改悪と同じ規模です。
 こんなひどい「痛み」を国民に押しつける、社会保障後退の原因ははっきりしています。その根本的原因は、国が社会保障にだしてきたカネをしぼりこんで減額してきたからです。社会保障の財源に対する国の負担は、20年前の1980年には29.2%でした。ところが1997年には19.0%、負担の割合でみて、実に3分の1以上も切り捨てられてしまいました。この状況をさらに加速しようとしているのが、小泉内閣の「聖域なき社会保障構造改革」です。
 医療や年金などの社会保障は、生きていく上での根幹の制度です。だからこそ、憲法第25条が国の責任を明確にさせているのです。年を重ねて生きていく上でなんの不安も抱かなくてすむ社会保障、ほんとうに生きるのが楽しくなるような社会保障の充実を国民は切望しています。いざという時に、お金がなくとも医療・年金や介護などを安心して受けられる、そんな社会こそ、「安心して暮らせる豊かな社会」といえるのではないでしょうか。 私たち全厚生は、小泉首相の「聖域なき社会保障構造改革」に反対し、広範な国民のみなさんとともに、社会保障拡充にむけ粘り強くたたかいます。

2001年9月15日
全厚生労働組合第65回定期大会



討論その4

本省共闘の力発揮して ―働くルールの確立へ奮闘

 本省庁の代議員からも発言がありました。
 統計支部の梅澤代議員は、「統計職場は省庁再編で旧労働省と一緒の職場になり、全厚生統計支部と全労働本省支部の組合員が一緒に仕事をしている。職場実態が違うということで当局の窓口が別々になり、要求づくりもなかなか一緒にできず別々に提出した。交渉ルールの確立で苦慮している。本部から人事課への働きかけをお願いするとともに、支部としてもがんばりたい」と発言。
 田口代議員(本省)は、「厚生労働省のスタートで、厚生労働本省労働組合共闘会議を結成し、月1回幹事会を開催している。この春、要求書をまとめ、官房長に提出したが、いまだに交渉には至っていない。官房長が無理でも人事課長交渉をと詰めているが、当局は1時間の交渉時間を30分に削ってきたりで難航している。共闘会議としてぜひ交渉を実現させたいのでがんばる」と決意表明しました。
 業務センターの賃金職員雇い止め撤回問題で、峰代議員は、「『組合に入ったら“クビ”は撤回できるのか』の問いに、『あなたが主人公として闘うしかない』と訴え、賃金職員44人が組合員に入り、自らたたかって雇い止めを撤回させた。今後ルール作りに全力をあげたい」。
 同じく業務センター支部の山本さんは、「昨年の大会で訴えてから1年。みなさんの支援に感謝している。民間のリストラは激しく、もはや個人の努力ではどうにもならない。正社員になれずパートや非常勤になり長期雇用もない。自分の雇用期限も迫っており継続を希望している。正当な要求は、あきらめず堂々と要求していきたい」。
 根津代議員(業務センター)は、壮年部活動について発言。「執行委員は20〜30代が中心なので、自分たちの要求前進のため壮年部を結成して1年。賃金職員の問題でも力を発揮し、組合全体の力となっている。庶務課長との懇談会では、相談業務の改善要求を具体的に出し、実現させることで、実際に業務改善が図られた。今後も国民の立場に立った改善を迫っていきたい」と発言しました。

行政民主化へ全力 ―職場要求を粘り強く闘って

 支部を結成して1年が経過した大分県支部から秦代議員が発言。「自治労国費は、徹底した全厚生対策をしてきた。組合が二つあることの問題はあるが、結成後に要求した高位号俸者の解消(5↓6級)を実現した。当事者は『退職まで6級になれるとは思わなかった。本当にうれしい』と率直な声を寄せてくれた。また、所長や次長の管理職にも全厚生組合員が登用された。女性の副長への登用、賃金職員のCクラスからBクラスへの引き上げも実現した。初心を忘れず頑張りたい」と決意を語りました。 
 飯塚代議員(静岡県)は、「支部を結成して10年になった。いま、組織発展の転機にある。若い世代が柔軟に対応できるような組織、体制づくりが組織強化や拡大へつながるのではないか。伊東支部の岩井支部長とあいさつできてうれしかった。一緒に頑張っていきたい」と決意を表明。
 西村代議員(滋賀県)は、「自治労と競合する職場で当局の対応は、自治労中心になっている。しかし、大阪や大分と違い露骨な攻撃はない。全厚生の存在意義を見いだせるような活動をがんばりたい」。 
 行政民主化の課題について加納代議員(大阪)は、「労働組合とは何かという原点に返った対話が求められている。職場の中で、具体的問題を指摘しながら行政の民主化・職場の民主化が大切である。まともな労働組合として行政研究活動を積極的に行っていきたい。みんなが納得できる政策をどれだけ語れるかが課題。全国税の運動に学んで『社会保険を変えるネットワーク』の組織化に取り組んでいる。情勢は全厚生の出番。『国民の中に国民とともに」年金講師団活動を通じて大いに奮闘していきたい」。
 また、廣部代議員(神奈川県)は、「法律が改正されても、行政の側が国民本位の立場で仕事をしないと役に立たない。国民を味方に、マスコミを味方にする運動をしながら、社会保険行政の改善、行政研究活動を大いに進めていこう。全厚生の真髄を示す運動をしよう」と呼びかけました。
 京都支部の西田代議員は、「年金制度の改悪で業務量が増加している。失業保険と年金の併給がなくなり、支給開始年齢の繰り延べで、生活に係わる問題として相談に大変苦慮している。健保3割負担導入になればさらに増えると予測される。職員1人ひとりが自覚して労働運動を展開していきたい。」と決意を表明。
 福士代議員(神奈川県)は、「全国一定員の少ない中、窓口年金相談は大変な状況。1日300件という日もある。この間要求の前進がある。電話相談体制の充実、社会保険労務士の活用、相談コーナーの分割、職員宿舎の新築など。討議資料を作成しての徹底した職場討論の実施、幾度もの交渉の実施、長官交渉での追求が、要求前進をさせてきた。支部・分会と本部との連絡した活動で前進を切り開いてきた」。
 また、神奈川県支部の石塚代議員は、父親の介護体験から「父親の介護を通して、定員削減は命に関わると実体験で知った。職場に働く人を減らしてはけない。今後とも、地道な運動を続けていきたい」と発言しました。  組合員の要求実現へ職場活動についても発言がありました。
 蒲代議員(岐阜県)は、「職場要求の掘り起こしのため総対話を進めた。話し合いの場も工夫し、各分会で世代別に実施している。少人数で意見も良く出る。分会でまとめて支部に結集、交渉にのせるという取り組みを引き続き強めていきたい」。
 佐藤代議員(愛知県)は、「春闘、3月22日の早朝職場集会は、本部オルグを受けて奮起。短期間の準備だったが、各分会でパンを準備するなど工夫し、7割の組合員が結集、団結を確認できた。総対話集会では、討議資料を作成、オルグと班別の討論会を実施した。そのほか、標準生計費生活にチャレンジしたり、人事院中部事務局前での座り込みに参加した」。
 籠尾代議員(神奈川県)は、「機関紙フェスティバルでクリスタル賞を受賞した週刊『保険』は今年中に2000号をむかえる。特集記事を組んでいきたい。機関紙のもつ本来の役割を学習し、取材にもっと力を入れたい」。
 「再雇用」問題での取り組みについて、遠田代議員(秋田県支部)が発言。「『再雇用』希望者に対して、当局は、定年退職者は再雇用しないという態度であった。省庁間配転者は再雇用しているのに、差別的取り扱いがある。差別を許さないと言うことで要求署名を実施、庁へも独自の申し入れを準備、団体交渉などで粘り強く闘い、再雇用を勝ち取った。再任用・再雇用は全ての組合員の課題であるので、学習を強めがんばる」と決意を述べました。



大倉・松渕両氏があいさつ

 顧問の大倉さんは、大会最終日に、全厚生出身で国公共済会常務理事の松渕さんは、大会2日目にあいさつ。
 大倉顧問は、「地域に労働組合の姿がよく見えるように1歩を踏みだして欲しい。その1歩だけで世の中は大きく変わる」と激励。松渕さんは、国公共済会が10周年を迎え最高の峰を築いていることを強調し、国公共済会の優位性をかたり助け合いを広げようと呼びかけました。 


メッセージに感謝
 第65回定期大会にメッセージをいただいた労働組合、団体は次のとおりです。
 全国労働組合総連合、公務労組連絡会、全税関労働組合、全情報通信労働組合、全運輸省港湾建設労働組合、全建設省労働組合、全気象労働組合、全法務省労働組合、全国税労働組合、全司法労働組合、全経済産業労働組合、国公共済会
 新日本婦人の会中央本部、全日本民主医療機関連合会、全国保険医団体連合会、原水爆禁止日本協議会、非核の政府を求める会、日本国民救援会中央本部、中央社会保障推進協議会、国民医療研究所、中央労働金庫霞ヶ関支店、鰍ォかんし、行財政総合研究所


大会に参加して
基盤研問題は中心課題
衛研支部(大阪分会)
 国立衛研支部代議員ではあるが大阪分会は独自活動であるので、大阪分会の基盤研問題を中心に発言させてもらった。基盤研問題は2001年度の中心課題の1つとして取り上げるという全厚生本部の回答を分会のおみやげとし、今後頑張りたい。
再編の渦中で奮闘中
衛生院支部
 衛生院支部は、来年とその2年後に分けて埼玉県和光市へ移転することになっています。他機関に移る仲間もいます。再編成の渦中にありますが、組合の継続に向けて奮闘中です。大会報告ですが、全ての発言要旨が翌朝活字となって配られます。全厚生中央執行委員会はすごい!
参加してみるといいよ
神奈川県支
 一組合員として参加し沢山の討論を聞き運動の大切さを改めて感じました。職場の中では、組合役員だけが運動をしていればいいと錯覚している方もいるかもしれません。そのような方は1度、何の時でもいいから参加してみるといいと思いますよ。
青年の夜の交流は有意義
愛媛県支部
 今回初めて代議員として参加させていただきました。予想していたよりも活発で熱心な発言が間断なく繰り出されたことに驚かされました。2日続けての青年の夜の集まりも大変勉強になりました。今後に生かし伝えていく必要を感じました。
研究所と本省の発展こそ
本省支部
 度重なる組織再編等により試験研究機関や本省の支部は困難な状況にあることが報告され、研究所や本省は厚生労働行政のみならず全厚生にとっても根幹をなすものであり、ここを守り発展させてこその全厚生の発展であると痛感した。
青年が元気だ
香川県支部
 感想を一言でいえば、「よかった」。理由は、青年が元気だ。公務員制度改革や日本の経済状態などの暗い話を打破するぐらい元気やった。各支部のいろんな話を聞き話し元気な気分になりました。今年1年ガンバロウ。
組織を固め団結して
静岡県支部
 経済不況、聖域なき構造改革の断行を叫んでいる小泉内閣のもとで行われた今大会は、今まで以上に重要な大会です。職場環境が変わりつつある今こそ、組織を固め国民のため、労働者のために団結し、たたかわなければなりません。
組合は大切と感じた
愛知県支部
 初めて参加させていただきました。今まで愛知の社保の現状しか知りませんでしたので、討論や資料から他県・他機関の深刻な問題を知り勉強になりました。国民生活に深くかかわる職場で改悪に反対し私たちの意見を伝える組合活動は大切だと思いました。
初心忘れずに!
大分県支部
 定期大会お疲れ様でした。組合結成後2回目の参加。組合員のみなさんにあえることを楽しみにしていました。私たち組合も少しですが要求闘争も前進成果をみています。でも前途多難です。しかし仲間に会えていろいろ意見・アドバイス・思いやりを受け勇気がわきました。明日から頑張ります。初心忘れずに!
みなさんの支援に感謝
栄研支部
 社会情勢を含め多くの問題があることを再認識しました。独立行政法人化した栄研支部では、今後も予期せぬ問題が出ると思われます。これまでの皆さんのご支援に感謝し、今後のご協力をお願いします。
労働文化の確立を
京都支部
 日本では労働は美徳、欧米では労働は神に与えられた罰。日本にも立派な労働法がある。その中には「最低限」の労働者の人権が書いてあるが、『美徳』が邪魔して、あらゆる迫害に対して怒らない。そんな世論を変え、労働者にとって当然の「働くルール」と労働文化の確立に向け奮闘しましょう。
機関紙の苦労報われた
函館支部
 機関紙フェスティバルにおいて、クリスタル賞なる新しい賞をいただき、執筆に携わった1人としてこの1年間の苦労が報われた思いです。また支部代表者会議を含め、4日間にわたる他支部との交流で、「厚社連は1つ」を改めて体感できました。
このパワー伝えたい
福岡支部
 あわただしい中で、全日程参加することはできなかったが、他支部の発言等を聞くことによりパワーを充分感じることができた。最近組織率が落ちており危機感がある。このパワーを他の組合員にも与え活性化したい。
たいへん参考に
秋田県支部
 本部定期大会に初めて参加しました。各県支部状況や取組等、聴かせていただき、大変参考になりました。それにしても皆さん、こなれているせいか、話がお上手で感心しました。(そうでない人もいましたが)これからもともにがんばりましょう。
楽しかった
秩父学園
 久しぶりに参加し、熱気のある大会で、楽しかったです。自分自身の活動に対し、少々迷いがあったのですが、色々な方達の話を聞き、勇気づけられました。いつも元気をもらうだけでなく、元気を分けられるように、また頑張ります。
全厚生しかない
神戸支部
 人事・予算の両面からの福祉政策低下の流れは徐々にではあるが着実に進められている。国立施設としての役割を再構築し福祉サービス後退に、歯止めをかけるのは全厚生しかない。組合員1人1人の力を結集していきましょう。
やさしい気持ちから
業務センター支部
 心を動かす発言が多く出て、この閉塞感に満ちた世の中、職場環境を打ち破る勇気が出ました。基本は国民本位の視点とやさしい気持ちから生まれる団結・連帯だと思いました。この大会で得たエネルギーで支部活動を盛り上げる決意です。
速報で討議に継続参加
統計情報支部
 今年は不覚にも、大会初日までに仕事を処理することができず遅れての参加となってしまいました。最初から議論に参加できず大変残念に思っていたところ、大会書記局の奮闘で大会3日目の朝には大会速報発言特集が発行され、2日目までの発言者の発言内容まで読め、大会の活発な討議に継続して参加することができました。大会書記局のみなさんのご努力に感謝します。
職場の多様さを認識
大阪支部
 定期大会、私は初めての参加でしたが、全厚生の職場の多様さをあらためて認識できました。特に栄研支部の独法化に向けて就業規則制定の闘いや、業務センター支部のパート労働者の組織化など、これからの活動に大いに参考になりました。
有意義でした
感染研支部
 行政に科学的根拠を与えることが研究所の役割です。我々は、そこで研究者として働き、労働組合運動に取り組んでいます。活動の一端として、研究職2級高位号俸者の3級昇格での成果や女性部の運動を紹介することができ、有意義でした。
今後の活動に役立てたい
別府支部
 今回、初めて定期大会に参加しまして、皆さんの組合に対する熱意に圧倒されっぱなしの大会でした。今回の大会で皆さんが出された討論等参考にしながら今後の活動に役立てていこうと思っています。
勇気が湧いた
伊東支部
 初めて参加して、大変勉強になりました。いろいろな支部の状況を知り、これからの活動に当たり勇気がわきました。
関東の青年の活発化めざし
神奈川県支部
 今回で2回目の参加をしましたが話が難しかった所もあってわからない部分もありました。これから青年の方で業務センターや関東の青年を活発化させ、全国の青年達と頑張ってよりよい職場づくりや交流を深めていきたいと思いました。


杉下委員長が総括答弁

全厚生に結集する仲間の力を信じて奮闘

 大会最終日、2日間で54人の討論を受け、中央執行委員会を代表して杉下委員長が総括答弁を行いました。
 杉下委員長は、「大会成功は代議員の発言によるといったが、それぞれに職場で実践し、確信を得た内容であり、発言内容からも大会は大きく成功した」と有意義な大会となったことを確認しました。
 討論のトップを飾った青年の発言に触れ、「頼もしく受け止めた。青年は未来への道を歩む。その道を自ら切り開くため職場でいっそう奮闘しよう」と青年の活躍への期待をのべ、討論の特徴として、自ら実践する立場、運動を発展させる決意が語られたことを強調しました。また、困難な職場の実態と運動の成果に触れた発言から、「いかなる困難も必ず道が開けること。困難の原因は必ず克服できること」を確信しあおうと述べました。
 社会保障闘争について委員長は、「厚生労働省の労働組合の役割から秋年闘争の中で目に見える共同闘争をしたい」と役割の発揮についての思いを語り、「政策づくりに関わって、職場の仲間の力を結集できる仕組みをつくりたい」と職場の仲間の力の集中を強調しました。賃金闘争に関わって、3年連続の賃下げは深刻な問題であり、新たな状況のもとで、どのようなたたかいが勝利の展望を切り開くか真剣に討議しようと呼びかけました。
 独立行政法人の問題について、栄研支部の奮闘をたたえ、同時にこのたたかいの教訓をしっかり学び今後のたたかいに生かしたいと述べ、国立衛研大阪支所の基盤研構想についても、全厚生全体の課題として位置付けてたたかうことを強調しました。
 公務員制度改悪の課題について、「業績評価について、評価・成果という言葉の上の意味とその本質の違いを鋭く捉える必要がある」と学習と討論の必要性を強調しました。さらに、「賃金を使った競争と分断は、支配側の論理であり、より一層の反動行政の推進を狙うもの。たたかい抜く決意をもつことが重要」と強調しました。
 最後に委員長は、「全厚生に結集する全ての仲間の力に依拠して、その先頭に立って頑張りたい」と決意を述べ、「情勢は有利には見えないが、かつて1年だって有利な年はなかった。たたかい続けてきたからこそ要求を前進させることができた」ことを強調し、全厚生55年の歴史に学び奮闘しようと締めくくりました。


第14回全厚生機関紙フェスティバル
全厚生運動を支える原動力
心つなぐ機関紙活動を


 
<クリスタル賞>
函館支部  「イカロウかわら版」
神奈川県支部  「週刊保険」
愛媛県支部  「支部情報」
業務センター支部女性部  「女性部にゅーす」
秋田県支部青年部  「とらい」
愛媛県支部松山西分会  「ひびき」
国立衛研支部  「衛研支部ニュース」
<金賞>
本省支部  「夜明け」「YOAKEパート2」
統計支部  「執行委員会ニュース」
業務センター支部  「支部ニュース」
国立リハ支部  「かるがもメール版」
秋田県支部  「こだま」
神奈川県支部  「書記長情報」
愛知県支部  「支部だより」
岐阜県支部  「岐阜県支部FAX速報」
京都支部  「社保ニュース」
大阪支部  「全厚生大阪支部ニュース」「支部情報」
香川県支部  「支部ニュース」
愛媛県支部  「焦点」
大阪支部青年部  「青年部ニュース」
愛媛県支部青年部  「青年部情報」
統計支部婦対部  「婦対ニュース」
愛知県支部女性部  「レディース・エコー」
京都支部女性部  「たんぽぽ」
大阪支部女性部  「かざぐるま」
本省支部社会・援護分会  「日刊SHAEN」
愛媛県支部宇和島分会  「よあけ」
<銀賞>
滋賀県支部  「滋賀県支部ニュース」
愛知県支部  「こぶし」
愛知県支部鶴舞分会  「鶴舞分会ニュース」
香川県支部女性部  「なかま」
愛媛県支部松山東分会  「輪」


 今年の機関紙フェスティバルには昨年を上回る力作揃いの15支部34機関紙の参加がありました。 大会初日、加藤副委員長が講評と結果を発表し、クリスタル賞7紙、金賞22紙、銀賞5紙のそれぞれに表彰状と記念品を贈りました。
 加藤副委員長は、「いずれもが全厚生運動を支え発展させる原動力になっているもので甲乙付けがたい。編集者はよき組織者。来年はさらに多くの参加を期待するとともに、内容面では取材記事を取り入れ、自分の言葉で語りかけて欲しい」とのべ機関紙活動の発展を訴えました。今年も各紙の講評を載せた冊子を作成し大会参加者に配布しました。

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夕食交流会

ザ・ニュースペーパーで政治をわらう

 大会1日目に行われた交流集会には、「ザ・ニュースペーパー」が参加。亀井元政調会長、塩川財務大臣、ある高貴な婦人などが交流集会であいさつ、会場に笑いがあふれました。 同時多発テロのニュースの影で、狂牛病も小泉不況も「ちっちゃい」出来事として葬り去られようとしていることなどを皮肉たっぷりの笑いに。また、交流集会では、全ての支部が舞台でそれぞれ紹介を行いました。交流集会後、それぞれの部屋でも交流を深め合いました。

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