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◆第1493号(2001年6月5日付)◆

国立施設管理室長と増員などの要求で交渉

福祉職場になじまない 公務員制度改悪に反対を

 全厚生は5月21日、社会援護局国立施設管理室交渉を行いました。これには函館、塩原、リハ、秩父、伊東、神戸、福岡、別府のすべての福祉支部の代表他、杉下委員長、鈴木・加藤両副委員長、杉浦書記長、今井中執ら本部役員が参加し、管理室からは佐藤室長、森重補佐らが対応しました。
 今回の交渉は切実な要求である増員・退職後補充、調整額・諸手当、新再任用制度、准看2級昇格等を重点要求に行われました。
 冒頭、杉下委員長が@平成13年度予算・14年度概算要求の重点A「施設のあり方についての検討」結果B公務員制度改悪の3点について回答を求めました。特に公務員制度改悪については経過を説明するとともに、福祉や公務の職場にはなじまない制度改悪であるとの立場に立った努力をするよう要求しました。
 これに対し佐藤管理室長は、新年度にあたっての考えを述べつつ、平成13年度予算・14年度概算要求について説明。「施設のあり方についての検討」結果については、経過を説明し、「13年度においても、必要により所長会議等で議論を積み重ね取り組んでいきたい。すでに取り組んでいるものもあるが、14年度予算要求にも可能な限り反映させたい」と回答しました。公務員制度改悪については、「具体的な中身、スケジュールが示されていない。最大の関心をもって今後の動き、情報を入手したい。施設の存在感を強めていきたい」と回答しました。
 施設機能の拡充・強化、増員要求については、「効率化を図っていかなければならないが、サービスの質の低下はあってはならない。事務・事業の改善を図っていく中で増員要求も努力していく」。行(二)については、「国の方針に従わざるを得ない」。後補充は、「定員削減とのからみがあり、ケースバイケースで対応する」と回答しました。
 定員削減については、向こう10年間は10%だが、前期5カ年(平成13〜17年度)は28人で、平成13年度6人(リハ2・光明寮2・保養所2)、平成14、15年度もほぼ同数になることを明らかにしました。塩原の給食事務、来年度の運転手の後補充については所長と相談する。別府の泌尿器科医師の常勤についても所長と相談すると回答。調理師を調整額要求からはずすなどの要求には、「検討する」と回答しました。新再任用について、室長からの「行(二)不補充が優先する」旨の回答に対し「総務省でも結論が出ていない。再任用制度が形骸化する」と追及、管理室が再調査することになりました。
 交渉を終えて、「厳しさが強調されたその上に、行(二)はさらに厳しい」と感じました。

組織拡大などで意思統一 ―福祉支部代を開催

 全厚生は5月20日東京・赤坂の茜荘で、社会福祉支部代表者会議を開きました。会議では、翌日の管理室長交渉に臨むにあたって意思統一するとともに、公務員制度改悪反対闘争の課題の確認、組織拡大運動、秋の当会議・管理室長交渉予定を9月下旬から10月上旬とし、支部の現状・課題・大会予定などを交流しあいました。
 会議には、函館、塩原、リハ、秩父、神戸、福岡、別府の支部代表のほか、杉下委員長、加藤副委員長、鈴木副委員長ら本部役員が参加。(伊東支部は業務の都合で欠席しました。)
 支部報告で注目されたのは、「組織拡大で行政職の人が加入し過半数を組織できた」(函館)「バーベキュー大会を開催」(塩原)「各職場の小規模の集まりを重ねながらみんなの意見を聞き問題点を把握」(リハ)「組合旅行を開催」(秩父)「新組合員歓迎昼食会を開催」(神戸)「拡大重視、組合員間のコミュニケーションを深め、横のつながりを強めたい」(福岡)「新規採用者は全員組合加入してもらった。転入者にも引き続き加入を呼びかけている」(別府)などでした。
 会議では、組織拡大・公務員制度改悪反対闘争関係・宿日直関係その他について、苦労話や工夫点が報告され、支部活動をなお一層強化する事を確認し、支部代表者会議に初参加の函館・執行委員、福岡・副支部長、別府・執行委員を交えて和やかに懇親しました。
(鈴木徹副委員長)


リレーずいそう
● 明日があるさ
 ♪ある日 突然考えた
  どうして俺は
  頑張ってるんだろう
  家族の為 自分の為
  答えは風の中 ♪

 この頃、何となく、口ずさむ「明日があるさ」(ジョージアのCMソング)である。
 私を知っている人からは「お前は何を頑張っているんだ」と苦情の便りが届きそうですが、何かあった時は私はお城である体育館で大きな声で歌っている。私の幾つもあるストレス解消法の1つである。しかし、この歌詞は非常に心をうたれてしまう。また、うたれてしまう方も多いだろうと思う。
 現在、カラオケソングナンバーワンである。カラオケに行くと知らない者どうしでも何となくみんなで歌って盛り上がってしまう。また同じ歌がリクエストされても同様である。共感できる者同士が、

 ♪明日がある
  明日がある
  明日があるさ♪ 

と、マイクなしで合唱。本当に明日、仕事ができるのか?と思うほど飲んでいるが貴重なストレス解消時間である。
 人それぞれ多くのストレスを抱え、それぞれが解消方法を持っている。今までもそうであったように今後も余暇時間を有意義に過ごし、楽しい人生をおくっていきたいと思う。

 ♪家族の為、自分の為
  答えは自分で決める♪

 これからも家族5人が幸せに過ごせるように。
(福岡支部 書記長)


News
● 女性の採用・登用の拡大を ―人事院が各省庁に指針示す―
 5月21日、人事院は各府省に対し、「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」を通知しました。
 この指針に基づき、人事院は各省に対し、2005年度までの目標設定と、目標達成に向けた具体的取組等を定めるなど「女性職員の採用・登用拡大計画」を年内に策定することを要請しています。
 指針は、「男女共同参画社会の実現は人権尊重という普遍的な基本理念」とし「『実質的な男女平等』の実現は、公務員人事管理の改革を促進するものである」「すべての職員が働きやすく、持てる能力を最大限に発揮できる活力ある職場づくりにつながるものである」としています。そのための方策として、「各府省が『積極的改善措置』により、採用・登用の男女格差を計画的に解消していくこと、各府省に現状の把握と分析とあわせて、職業生活と家庭生活の両立支援の推進に向けた勤務環境の整備を求めています。
 また、各府省での「女性職員の採用・登用拡大担当者」の設置、人事院による苦情相談、計画と計画の進捗状況等についての定期的な把握と公表等が十分とはいえないまでも明記されています。
 人事院は、この指針の策定にあたって、各省庁や国公労連に指針案を示し意見を求めていました。全厚生は感染研・別府・静岡県・香川県はじめ各支部から寄せられた意見をもって、5月10日に国公労連とともに人事院へ申し入れを行いました。
 「人事院として女性の採用・登用の具体的数値目標を示して欲しい」「『有為な女性』『能力と意欲のある女性』ではなく『女性』と表現して」「環境整備は家族的責任とともに母性保護の諸権利の拡充も入れて」などの要請に、人事院の回答は「具体的数値は各省庁が持つもので人事院が一律にかぶせるものではない」「『意欲と能力のある女性もいることをちゃんと見て下さい』とあえてそう表現した」との回答でした。職場実態や要求からすれば、人事院指針の内容は十分といえるものではありませんが、公務職場における男女格差の是正と女性国家公務員の地位向上に向けた大きな第一歩であり、その理念を踏まえた厚生労働省の計画策定と、具体的な施策の実施を求める取り組みが重要となっています。


第31回国公女性交流集会に参加

守ろう平和 職場と暮らしに憲法を

 「つくろう豊かな21世紀 働く私たちの手で=守ろう平和 職場に暮らしに憲法を=」をテーマに、「第31回国公女性交流集会」が5月25日〜26日、若葉薫る信州・長野県・上山田温泉で開催されました。全体で495名が参加し、全厚生からは、社会保険の支部と統計支部、感染研支部の9支部17名が参加しました。
 記念講演は、日本女子大学教授であり、ILO総会に1980年から12回オブザーバー参加して、ILOの国際労働基準を中心に女性労働法制の国際比較研究を続けている木村愛子さんでした。木村さんの講演は、男女の平等保護、女性の労働権の保障と母性の保護を基本的立場に、世界の最低限の労働条件を定めた条約を提示する役割を担ってきた、ILO=国際労働機関の歴史からはじまりました。「世界から見た日本の課題として、法制上の平等の強化・拡充、事実上の平等達成の課題がある。日本政府の女性労働政策の課題としては、@ILO諸条約の批准、A批准済みILO諸条約の遵守。特に、100号条約『同一労働同一賃金』、156号条約『家族的責任』(=国内法として『育児・介護休業法』)がある。これを解決していくことに、労働組合の課題もあるのではないか。首相や厚生労働大臣に、条約の批准と、批准している条約を守るよう求めていこう」と呼びかけました。
 ILO条約を活用した労働運動の方向や、批准されたILO条約に照らした国内法の点検をしていくことの大切さを、再認識させられた講演でした。
 全体会では、基調報告の他、4月に独立行政法人になった全経済の職場からの報告、地元長野県・丸子警報機パート労働者のたたかいの報告等がありました。
 全厚生の仲間は、夕食を一緒にとり、引き続き「夜の交流会」をもちました。参加者は、今年の1月と4月採用という20代から、50代まで各年代が集まり、自己紹介から、各々の職場の状況が出され、社会保険の職場のレイアウトにまで話がはずんだり、今最も大きな課題である「公務員制度改革」は何を目指し、私たちの職場や仕事がどうなってしまうのか、国民に話していくことの大切さを確認し合いました。
 2日目は、今年初めて取り組まれたフィールドワーク「松代大本営跡地下壕見学」を含め、9つの分科会に分かれて討論、交流を深め、あっという間の2日間の日程を終えました。
(女性部長)


感染研

女性部の存在輝く ―笹沼さんの講演会を開催

 5月14日に感染研支部女性部は元国公女性恊議長の笹沼熈子さんをお招きして、久々に講演会「20世紀を振り返ると、地道な組合活動の成果が女性が働きやすい環境を作り、女性蔑視の歴史をも変えた」を開催しました。
 現在政府は、男女共同参画基本法に基づき、男女共同参画推進本部を設置し、積極的に推進体制を強化する方向で動いています。しかし、まだ女性が働きやすい環境作りは進んでおらず、保育園が足りない、学童保育所がない、子供が病気になったら預かってくれるところがない等、女性は仕事と家庭を両立するため解決しなければいけない問題をいっぱい抱えています。
 感染研支部では、女性組合員は定年退職で減るばかり。これではいけない。まず、組合員を増やすことから始めましょうと始めたのが講演会を開催する目的でした。
 講演内容は、国際婦人年から4半世紀の間に平等を目指す女性の歩みは大きく前進したが、それは労働組合・女性部があったからこそ、まさに女性の権利は先輩の遺した財産であることを、笹沼さんは国公女性恊議長として第一線で活躍した体験を踏まえて、楽しく、分かり易すく、説得力のある話し方で話してくださったので、男性組合員も含めて皆さんに大きな感銘を与えました。
 講演会は成功し、組合員を1人増やすことが出来ました。
(感染研支部)


連載
社会保障構造改革を斬る
中央執行副委員長 加藤重徳
財政赤字のしわ寄せを社会保障に

 前回みたように、医療、年金、介護の連続改悪は国民生活を直撃しています。にもかかわらず、自公保政府はさらにいっそう社会保障を改悪しようとしています。
 厚生労働省は現行の老人保健制度(70歳以上)にかわる新制度を検討しています。それは2002年度に実施しようとしている高齢者医療制度の創設です。70歳以上のすべてのお年寄りに対して、保険料徴収と医療費負担増をねらう老人医療制度を抜本的に改悪しようとしています。また、健保本人の3割負担の改悪も検討されています。
 年金については、坂口力厚生労働大臣は基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げる2002年度中の「改革」とセットで、年金保険料を引き上げることを明かにしています。 さらに介護保険では、2003年度に保険料見直しが計画されています。現行の1人平均月2900円という保険料基準額(65歳以上)そのものの引き上げが検討されています。旧厚生省の当初試算では12%もの引き上げとなります。
 政府・与党は財政赤字のしわよせをこうした社会保障の給付削減・負担増に求めています。政府・与党社会保障改革協議会(主宰・森喜朗首相)は3月30日、年金・医療などで負担増・給付減を国民に求める社会保障改革大綱を決めました。首相の諮問機関である「社会保障構造の在り方について考える有識者会議」の昨年10月の提言「21世紀に向けての社会保障(案)」を受けて、経済・財政と均衡の取れた「持続可能な制度を再構築する」とうたっています。「安心が伝わってこない」「具体性に乏しい」などとマスコミは論評しましたが、要するに自民党政治が招いた経済危機、財政赤字のしわよせを社会保障におしつけるための「改革」、制度見直しをねらったものにほかなりません。次回で中身についてみていきましょう。
(つづく)


国民平和大行進が行く

平和の歌をうたって元気に行進 ―静岡県支部

 平和大行進は、5月19日、神奈川の湯河原千歳橋での引き継ぎで静岡県入りしました。今年は本部から県内の進行に参加したいという要望があり、5月26日の島田市内の行進に杉山副支部長が参加できるようになったため、本部の近藤さんが、子連れで一緒に参加しました。
 5月31日は、県内最終日の愛知県への引き継ぎの日でした。この日は、朝から小雨で、しかも平日でもありましたので、参加人数は少ないのではないかと心配されましたが、引き継ぎの日であるため、各労組は雨にも負けず頭張って参加して、ほぼ昨年並みの参加人数でした。出発時間には、雨もほとんど止み、沿道では、手を振ってくれる人達、募金を差し出してくれる方もたくさんいらっしやいました。生協と医療協の青年たちが、ハンドマイクで平和の歌を歌ったり、募金を呼び掛けたり、たいへん元気よく活動しており、感動するものがありました。愛知県への引き継ぎの公園に到着した頃には、ようやく天気もよくなり公園では多くの方達が出迎えてくれ、無事に愛知県へ引き継ぎが出来ました。
(静岡県支部書記長)

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