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◆第1489号(2001年4月15日付)◆

許すな!もの言わぬ公務員づくり

政治主導の公務員制度改革を断念させよう

 公務員の仕事や働き方の根本を規定する公務員制度を改革する動きが急を告げています。
 3月27日、政府の行政改革推進本部は、「公務員制度改革の大枠」(以下「大枠」)を決定し、公表しました。(概要は「目次」参照)この改革は、昨年12月に決定した「行革大綱」の中心課題。6月には新たな公務員制度の基本設計をとりまとめるとし、短期間で進める構えです。

能力・業績主義の人事評価システム導入

 「大枠」の冒頭は、「新たな政府の組織で働くのは新たな公務員でなければならない」と述べています。ここに、公務員制度改革のねらいが端的に示されています。新たな政府とは、中央省庁再編でかたちづくられた行政体制のことです。だとするなら、「大枠」でいう公務員制度改革は、首相の権限や内閣機能を強化しつつ、国民犠牲の行政を推進する行政の枠組みの中で、職務を忠実に遂行する公務員づくりにほかなりません。
 続いて「大枠」は、改革を急ぐ理由と目指すべき基本について、簡潔に述べています。「新しい行政システムの実現に当たっては、新しい政策を切り拓く力強い政治のリーダーシップが発揮されることが重要である」と指摘。さらに「このような政治主導の下で、行政として十分な役割を果たすことが必要である」と政治主導をことさら強調しています。その上で、公務員制度改革を「行政改革の中核」と位置づけ、「公務員の行動様式を根本から改め」ようとしているのです。
 この行動様式を改める中味こそ、注意しなければなりません。公務員1人1人の意識・行動原理を改革する中心に据えているのが信賞必罰(賞罰を正確・厳重にするという意味)です。その先にある目指すべき公務員像は、「互いに能力を競い合い、職務を遂行する」姿を描いています。こうした環境を実現するために、それぞれの能力や業績を評価する新たな人事評価システムの整備を不可欠の課題にあげています。現行の給与制度は廃止し、「能力向上や業務達成に対するインセンティブ(=刺激・動機)を高める新たな給与制度を構築する」としています。現在の国民犠牲の行革推進という情勢を読みとれば、信賞必罰による人事管理を持ち込むことは、憲法にもとづく全体の奉仕者の立場ではなく、時の政治に奉仕する「物言わぬ公務員」にされてしまう危険性をもっています。
 現行公務員制度の基本理念は、国家公務員法第1条に端的に述べられています。行財政総合研究所理事で国公労働運動の先輩でもある川村祐三さんは、その基本理念を「民主的な人事行政が保障されてこそ、民主的かつ能率的な公務の運営もできる」ことと説明しています。この根本を変えようとするものです。

闘争本部を設置したたかう

 こうした事態に対し、国公労連は、4月4日に国公労連本部役員と各単組書記長による公務員制度改悪反対闘争本部(闘争本部長=堀口委員長、事務局長=小田川書記長)をたちあげました。闘争本部は、政府が6月に公務員制度改革の「基本設計」を決定させようとしている下で、「政治主導による公務員制度改革を断念させる」ことを闘争目標にしています。6月までに緊急・集中的に取り組みを展開します。 具体的な活動では、職場での学習活動の強化、国民に訴える宣伝ビラの配布や署名の取り組み、行政懇談会やシンポジウムの開催などを集中して取り組みます。
 さらに、このたたかいは行政サービスに直接かかわる国民的な課題であることから、全労連も闘争本部の設置を決定しています。
 なお、全厚生は4月20日の第7回中央執行委員会をふまえ、翌21日の全国支部委員長会議で公務員制度改革反対の取り組みについて意思統一をはかります。

公務員制度改革の大枠 ポイント
1 公務員制度改革の意義
2 公務員制度改革の基本的方向
(1)公務員1人1人の意識・行動原理の改革
 @信賞必罰の人事制度の確立
 ・能力、業績等が的確に反映される新たな給与体系の構築
 ・能力本位で適材適所の任用の実現
 ・公正で納得性の高い新たな人事評価システムの整備
 A多様な人材の確保・育成・活用
 ・採用試験制度の見直し等による多様な人材の確保
 ・個々人の育成計画の作成等による多様な人材の育成・活用
 ・女性の採用・登用の拡大
 ・超過勤務の縮減などによる勤務環境の改善等
 B適正な再就職ルールの確立(「天下り」問題への対応)
(2)行政の組織・活動原理の改革
 @国家的見地からの戦略的な政策立案機能の向上
 A企画・実施両機能の強化
 ・民間企業等との人材交流の促進
 ・業務遂行規範の作成等
 B責任ある人事管理体制の確立
 ・責任ある人事管理体制の確立と自由度の拡大
 ・府省の枠を超えた人員の再配置
 ・中央人事行政機関等の役割の転換
3 公務員制度改革への今後の取組み
 〜新たな制度の基本設計に向けて〜


リレーずいそう
● エーワックスよりも
 空飛ぶ司令塔ともいわれるエーワックスが、航空自衛隊浜松基地に配備されました。日本で初めてです。2年越しで4機も配備されました。
 今晩のおかずは何にしようかな?自転車でスーパーへ行くところ、音もなくすぐ頭の上を飛んでいました。いぶし銀のおおきな機体を見たとき、「あれがエーワックスか!」と思わず息を飲みました。
 大空に、音もなく浮かぶ、まるで空から私たちを偵察しているようでした。機体に載っているレーダーは驚くほど大きくはっきりと見えます。
 アメリカ軍ともこのレーダーはつながっているといいます。配備されたとき、1機550億円もしたそうです。
 何のためにこんなものが、空を飛んでいるのだろう?私たちの生活に必要なのだろうか?
 この4月から年金が60歳から支給されません。40年も働いて「これだけ!」とがっかりする人が多くいます。
 「夫の死後、一生懸命働いたのに自分の年金はどうなるのですか?」「ほとんど支給されません」帰る力もなくなってしまう女性もいます。
 庶民の生活は厳しいのです。「エーワックスはいらない。生活を保障してほしい」私も数年後におとずれる自分の老後を考えると暗い気持ちになってしまいます。
 今日も「年金が少ない」とがっかりしているお客さんに何人も対応しました。国民生活を優先した政治を望みます。
(静岡県支部 執行委員)


News
● メーデーに積極的に参加を ―中央メーデーは代々木公園―
 組合員のみなさん!5月1日はいよいよ「メーデー」です。参加の呼びかけ、プラカードなどの準備は進んでいますか。
 在京8支部では4月10日、12年ぶりに代々木公園開催となる中央メーデーにむけて全厚生メーデー実行委員会を開催し、昨年を上回る積極的な参加を意思統一しています。
 8時間労働制を求めて始まった1890年の国際メーデーから111年目。今年のメーデーは、3つの世紀にわたる新たな歴史の跳躍点です。21世紀最初のメーデーを労働者を中心にすべての国民が合流する総結集の場としましょう。
● 21世紀を核兵器のない世紀に ―平和行進いよいよスタート―
 5月6日、8月の原水爆禁止世界大会に向け3カ月におよぶ「国民平和大行進」が東京・夢の島をスタートします。
 いま、「21世紀を核兵器のない希望ある世界に」とする核兵器廃絶の願いは、世界的に大きく広がっています。平和行進は平和を願う人、誰もが参加できる草の根の運動です。全厚生も全国各地で積極的に国民平和大行進実行委員会に結集して、行進に多くの仲間で参加しましょう。


☆ ★ ☆ ピカピカの小学1年生  〔2〕 ☆ ★ ☆
 全厚生組合員の「ピカピカの小学1年生」全員集合。数回に分けて掲載します。
〈コメント説明〉
@子どもの氏名(ふりがな)
A大きくなったら何になりたい?
Bお父さん、お母さんからのメッセージ。
高橋 由衣 ちゃん
@たかはしゆい
Aお花やさん
Bいつまでも、幼いと思っていた由衣も、この春小学1年生です。たくさん友達作ろうね。
野崎 楓 ちゃん 仲原 真実 ちゃん
@のざきかえで
Aケーキやさん
Bたくさんのお兄さんお姉さんと過ごす小学校、楽しみだね。これからも周りの人達をホッとなごませてくれるやさしい女の子でいてね。
@なかはらまみ
Aケーキ屋さん
Bしっかり者だけど人一倍はずかしがりや。小学校に入ったら、はずかしがらずに友達をたくさん作ろうね!
岩本 愛梨 ちゃん 岩本 啓 くん
@いわもとあいり
Aセーラームーン
Bおませでしっかり者のお姉ちゃん。小学校へ行っても、いろんな事いっぱい話してね。あなたの笑顔が大好きです!
@いわもとさとし
A消防士
Bあまえんぼうでやさしいお兄ちゃん。小学校でもマイペース、元気が1番!いろんな話楽しみにしています。あなたの笑顔が大好きです!
山田 海人 くん 古谷 瑞希 くん
@やまだかいと
Aパイロット
Bおめでとう。1年生ですね。たくさんのお友達と、いっぱい遊んで元気に楽しく毎日をすごそうね。
@ふるやみずき
Aサッカー選手
Bいろんなことに挑戦して可能性を広げて下さい。応援してますよ。
仙葉 優佳 ちゃん
@せんばゆか
Aペットショップ屋さん
Bはやく友達100人できたらいいナ(母)
日新小は秋田県で1番児童数の多い学校だそうです。友達100人以上めざし頑張ってネ(父)


新企画★紙上討論 4


◎公務員制度改革への私の意見

◆国民の視点に立っているか  ―本省支部支部長
 「能力・業績を評価する」というのは、本来そうあるべきで正しいことであるが、評価を正しくできるのか甚だ疑問であり、現実には、いたずらな競争の導入であり、全体の賃金を抑制するためのものであり、反対せざるを得ない。
 現に、勤務評価を口実に組合差別が行われ、恣意的な人事が行われているところがある。
 「業績」といっても誰にとっての「業績」なのか。国民の視点に立った業績なのか、国民のために税金を使わず国民負担を増やすシステムをつくることが業績なのか。例えば、不正受給を防止することは業績になるが、そのために本来給付が必要な人を多くが排除されてもそのことは見過ごされることになりかねない。これでは、明らかに国民は不在だ。
 「業績」をどの期間で評価するのかも問題である。その時は成果があったように見えてもその後大変な失策だった場合どう評価するのだろうか。
 多くの企業で採り入れられているから公務員にも導入するというが、はたして導入した企業がいかほど成功しているのだろうか疑問であり、公務の特性を無視し利潤追求のシステムと公務のシステムを殆ど同列に扱うことは間違いである。
 行革の流れから言うと、政策立案に携わる人のみ視野に入れたもので、業務を遂行する多くの職員は評価の対象にしていない、というのが読みとれる。現場の能力がいくら高くても評価されないという矛盾がある。
 競争原理の導入は、評価者にとりいろうとするような競争が起きるものであり、これは国民の為の競争ではなく、これでは真の公務員制度改革とは言えない。

◆透明性のない評価は反対だ  ―感染研支部 組合員
 国立感染症研究所は、政府が進めた行政改革でも独立行政法人化の対象機関とはならず、今も国研として存続している。感染研の業務は公的性が極めて強く、競争原理などが導入されれば成立しなくなるものであると判断されたからである。
 今回の公務員制度改革において政府・行政改革推進本部は、業績評価を給与体系に反映させる形で競争原理を持ち込もうとしている。競争原理が導入されれば成立しなくなると判断された国立感染症研究所に、無理に競争原理を持ち込めば、職員は業績を上げることに偏重し、検定・検査をはじめとする感染研本来の、国民の健康を預かるための業務が疎かになることも危惧される。
 感染研ではすでに外部の委員による研究評価システムを導入し、研究業務について問題点の指摘・提言を受けてきた。この評価は感染研の内外の人が見ることができ、業務の遂行にも反映されている。しかしながら今回の評価システムでは、誰が、どこで、何を基準にして、どのように評価するのか極めて不透明である。このような一方向的な評価システムの導入は問題であり反対である。

◆重度障害者は置き去りに  ―国立リハ支部 組合員
 これまでわれわれ現場の人事は、特定の人事権者が「適材適所」という名の下できわめて恣意的に行ってきた。われわれは従来から能力や業績に基づく公平で客観的な人事評価を主張してきたが、今回、政府から示された「大枠」はこの意味では一定の評価はできる。しかし、障害者のような社会的弱者に対するサービスの提供を使命とする福祉の職場は、およそ能率とか業績などで一律に職員の評価ができるわけではない。
 もし職員の評価が、例えば一年間に何人訓練したとか、何人社会復帰させたかといったような数値で判断されるとしたら、福祉サービスの質はなおざりにされるばかりでなく、とりわけリハビリテーションに時間のかかる重度障害者は、ますます置き去りにされることになってしまうのではないかという懸念をもつ。
 我々の仕事は地味で、そしてなかなか結果が出ないような、それでいて工夫と忍耐を要するものである。そのような努力が報われるような人事評価が実現することを切に願ってやまない。

◆組合差別・女性差別が蔓延  ―大阪支部 組合員/FONT>
 私たち青年層にとって一人でも生活するのに少なすぎる収入は、とても頭の痛い問題です。しかし、成績主義導入によって賃金が増えるから良かったという話を聞いたことはありません。人事の非民主的なこの大阪の社会保険で成績主義が導入されるとどのようなことになるか考えてみました。
 まず人事差別がこれまで以上にひどくなるということです。組合差別・男女差別は不公平な評価制度のもと合法的に行われるという予想です。大阪の社会保険の人事差別は、人事院担当者でさえ認めざるを得ないもので、これ以上ひどくなることは絶対許せません。
 また、住民の立場での仕事が出来なくなります。1件でも多く書類を処理したり、滞納処分をすることが求められれば、必然的にサービスは低下するでしょう。仕事のミスも許されないとはいえ、あまりややこしい請求を出さないようにしむけたりする人も出てきて、本当にいい仕事をしたい、という要求とはほど遠くなると思います。
 皆様はどう思いますか。


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あなたのご意見をお寄せ下さい
Eメール:ZENKOSEI@zks.dp.u-netsurf.ne.jp
FAX:03−3502−4706


― 再募集! ― 組合員と家族の「ささえ愛」で、充実した保障制度を発展させてきた国公共済会は10周年を迎えます。
組合員のみなさん。10周年記念キャンペーンのロゴ・マークおよびキャッチフレーズを多数応募してください。
おかげさまで10周年
10周年記念ロゴ・マーク

応募内容 国公共済会10周年記念キャンペーン用の
  1 ロゴ
  2 マーク
  3 キャッチフレーズ
応募資格 原則として組合員とします。
作品の基準 ロゴ・マーク・キャッチフレーズともに形式は自由ですが、国公共済会の助け合いにふさわしく、今後の発展をめざしたものとします。
なお、1人、各3点までとします。
募集締切日 2001年5月31日(当日消印有効)
発 表 2001年8月  10周年記念祝賀会
賞状および賞金を授与します。
ロゴ・マーク・キャッチフレーズとも、入選1点・賞金5万円、佳作3点・賞金3万円とします。
なお、入選作については、10周年キャンペーンに使用します。
応募要領 @作品の裏側か余白には必ず、「氏名」「所属組合・支部・分会名」「電話番号」および簡単なコメントを記載してください。
A応募された作品は返却しません。必要な方は、ご自身でコピーなどを残されるようお願いします。
B応募された方は以下の条件を承諾したものとみなします。
・応募作品の著作権・使用権は、国公共済会に帰属します。
・入選作品の使用にあたっては、作者にことわりなく色彩、意匠などの細部を変更する場合があります。
C前回応募された作品は今回の応募作品として取り扱います。
●送り先●
〒105−0003 東京都港区西新橋1−17−14 リバティ14 4F
国公共済会10周年キャンペーン 係

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