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◆第1487号(2001年3月25日付)◆

2001年春闘

3年連続年収切り下げ許せない

政府、人事院は従来回答に固執

 3月22日、政府、人事院は、国公労連の統一要求に対する回答をおこないました。
 今春闘で国公労連・全厚生は、平均2万2千円(5.8%)の大幅賃上げと初任給改善や非常勤職員の「時給1000円」要求などの賃金「底上げ」、超過勤務規制強化をはじめとする労働時間短縮、男女共同参画基本法の公務での具体化、さらには行革大綱にもとづく公務員制度「改革」反対などの重点的な要求を明らかにし、実現を求めてきました。
 それらに対する政府、人事院の国公労連に対する回答は、「人事院勧告制度をふまえ国政全般との関わりで検討」(総務省)、「労働条件決定にあたっての民間準拠を維持」(人事院)などとするもの。
 今春闘での、JC(金属労協)など連合・大手組合に対する回答・妥結状況は、トヨタ自動車での「7600円(純ベア600円・対前年比100円増)」をはじめとして「2000年春闘並相場」にとどまっています。また、昨年の一時金が、一昨年水準を若干下回る状況にあり、それらの点をふまえれば、従来回答に固執する政府、人事院の姿勢では、人事院勧告によるベアゼロや3年連続の年収切り下げの危険性を払拭することはできません。また、回答は、過酷な定員削減や業務効率化の押しつけがもたらしている長時間過密労働の是正をはじめ、「働くルール」の確立をもとめる国公労働者の要求にも背をむけています。
 3月22日、政府、人事院を職場から包囲し、春闘回答を求める職場からの意志表示として国公労連が提起した早朝時間外職場集会に全厚生は、各支部で取り組みました。
 この日、全厚生全体では、早朝・昼休み・退庁後など19支部78職場で集会を開催、1515人(3月26日集約時点)が結集しています。
 国公労働者と家族の生活を守り、働きがいと誇りをもって日夜奮闘している仲間の要求を前進させるため、引き続き全力でたたかいましょう。 


労働条件改善へ奮闘

独法化に対応する支部へ規約改正

全厚生労働組合 独立行政法人国立健康・栄養研究所 支部

 栄研支部は、3月22日、臨時支部大会を開き、国立健康・栄養研究所の独立行政法人移行に伴う支部規約の改正を行うとともに、新たな労使関係のもとでの研究・労働条件の改善に取り組む決意を固め合いました。
 栄研が4月1日で独立行政法人になることによって、労使関係が大きく変わります。労働組合法や新国労法(国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律)が適用され、国家公務員にはない労働協約締結権をもつ労使関係になります。労働基準法も適用され、労働者代表の就業規則に対する意見表明、時間外勤務を行うための36(サブロク)協定の締結など、労働条件の決定について、労使自治にもとづく協議が重要な意味をもってきます。まさに、労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」(労働基準法第2条)の立場で「自らの労働条件を自らで作り上げる」ことが重要になっています。
 議案提案した山田支部長は、@支部規約の労組法第5条第2項の要件を満たすよう改正するA労働基準法36条等の労使協定締結のための労働者代表の民主的な選出の取り組みをすすめ、必要な協定を結ぶB組合活動と労働条件にかかわる基本的な労働協約の締結をめざすB中央労働委員会労働者委員の公正任命を求め、熊谷金道全労連副議長の選出を迫るC職場の団結を強め、組合員の加入の取り組みを進めることを提案しました。
 討論では、独法に対応した規約改正のポイントや、全厚生との関係、労働者代表選出のための支持署名の進め方について意見が出されました。今後、労働者代表を早急に選出し、労働条件の維持・改善のために奮闘することを意思統一しました。大会では、全厚生本部の杉浦書記長があいさつしました。
 尚、4月1日から全厚生独立行政法人国立健康・栄養研究所支部を含めた組織は、全厚生労働組合になります(昨年9月の全厚生第64回定期大会で決定)。全厚生職員労働組合は人事院登録団体として従来通りです。


リレーずいそう
● ふるさとの思い
 両親の待つ田舎に帰る時、なにかしら心弾むものがあった 。
 田植えの時期は、休暇を取って出来るだけ手伝いに帰った。
 狭い谷あいの段々畑(今風に言えば棚田)で効率の悪いことこの上なし、たとえば、耕耘機で田んぼを耕すより、田んぼに入れるのに鉄の梯子を使って入れたりするとその時間の方が多くかかったりした。
 しかし、田植えが終わり谷をわたる初夏の風に吹かれて、きれいに刈られた棚田の石垣を観る時何ともいえず安心した気持ちになった。
 夜は、蛙の鳴き声に抱かれて眠るとよくねむれた。
 それが、いつの頃からか田舎に帰るのがあまり楽しくなくなった。いやだんだん苦痛になるような気がした。
 減反や農家の後継者がなかったりで、荒れた田んぼが目立つようになった。田植が終わっても棚田は、以前のようにきれいにはならない。
 そんな風景を見ると、なにかしら悲しくなった。
 10年程前に母が逝ってしまうと、ますます「ふるさと」が遠くになったような気がする。
 いま、その「ふるさと」は高齢者のみの世帯が多く集落そのものが消滅の危機にある。
 冬の時期だけ「ふるさと」で1人暮らす父と一緒に生活をするが、少し暖かくなる今頃父を、また「そこ」に送っていく。
(大分県支部支部長)


News
● がんばれ日産の仲間たち ―3・20連帯集会開く―
 「がんばれ日産の仲間たち 働くものの明日をひらく3・20連帯集会」が3月20日、東京・武蔵村山市の日産村山工場近くの公園で開かれ、600人が参加。全厚生は、杉下委員長はじめ4人が参加しました。
 一昨年10月に発表された「日産リバイバルプラン」は、日産村山工場はじめ、5工場閉鎖、2万1千人の人員削減、関連取引企業のコスト20%削減という大規模なリストラ「合理化」計画でした。この理不尽なリバイバルプランに反対してJMIU(全日本金属情報機器労働組合)日産自動車支部はじめ全労連がたたかいを進めてきましたが、この3月末で村山工場の生産ラインは全面閉鎖されます。
 集会では、この「日産リバイバルプラン」とのたたかいの中で、「リストラ・人減らしでは企業も日本経済もよくならない」という世論が大きく広がったことなどたたかいの教訓が紹介され、40名余りのJMIU日産支部の組合員のうち村山工場に残る人、栃木工場、追浜(神奈川)工場に異動する人がそれぞれ決意表明し、職場に労働組合をつくり引き続きたたかう決意を表明しました。
 集会後、日産村山工場前を「日産は工場閉鎖をやめろ」「下請関連企業切り捨てやめろ」とシュプレヒコールを響かせながらデモ行進しました。


3・22早朝時間外職場集会

霞が関●多くの仲間を実感 ―昼休み野音集会に1300人

 3月22日の昼休み、東京・日比谷野外音楽堂において東京国公・霞国公主催の「国公労働者総決起集会」が開催され、全厚生からは本省支部、統計支部、人口研支部から約60人が参加しました。
 これは、国公労連が春闘の山場に提起している「早朝時間外職場集会」が霞ヶ関では時差通勤などにより開催することが困難なため、これに代わるものとして毎年開催されています。
 当日は、春の盛りを思わせるポカポカ陽気の中、全体で約1300人、厚生労働省関係労組全体では約110人の参加者で気勢を上げました。厚生労働省の組合の代表として本省共闘の原事務局次長(全労働本省)が代表して決意表明、職場の酷い残業実態の改善をめざし、本省共闘の結成を契機に頑張っていくことを表明しました。最後に、霞国公の菊池事務局長の団結ガンバローで閉会しました。
 昼休みの短時間の集会でしたが、霞が関地区にある本省庁を中心とした国公の組合が結集するということは大きな意味があります。賃金から残業問題、そして公務員制度の改革など霞が関の共通する課題への取り組みについて、たくさんの仲間がいることが改めて確認できた集会でした。
(本省支部書記長)

業務センター●切実な要求が集まって ―早朝時間外集会に70人

 業務センター支部は、3月22日、3年連続の年収ダウンは許さない! 賃金職員の働くルールの確立! などを掲げ、早朝時間外職場集会を開催。70人の組合員が結集しました。これに先立ち、支部執行委員会では、春闘とはなにか、早朝に行うことの意義などを議論し、2回の声出し早朝ビラ宣伝、3回の机上ビラと参加決意要求署名を行い、集会参加を呼びかけました。また、公務員制度改革の学習会(講師:全厚生本部山本書記次長)を設定するなど集会成功への雰囲気づくりをしました。
 業務センター支部では、早朝集会を開催するのは久しく、その当時は、参加者にパンと牛乳を配っていました。今回はどうする? と当然のように話がでてきましたが、パンと牛乳は生物ですので、何個発注するかが、難しいのです。そこで、発案されたのが、腐らずに参加者みんなに喜んでもらえる、パンと牛乳の値段相当の「売店券330円」でした。当日の参加者には「売店券」がもらえる、をビラに刷り込み、宣伝の目玉に使いました。売店券めあてに集会に参加した人はいないと思いますが、賃金や残業などの労働条件を変えたい、どうにかしたいという切実な要求が70人の参加につながったものと考えます。
(書記長)

愛知県●年収切り下げはごめん ―早朝時間外集会に7割が参加

 支部は公務員賃金闘争最大の山場の3月22日「3年連続の年収切り下げはもうごめん!」「能力・成果主義強化の俸給体系見直し反対!」の私たちの強い決意を政府・人事院に示そうと、新たな分会体制が確立した事務局分会を始めとする全分会で午前8時15分からの早朝時間外職場集会を実施しました。
 愛知県では昨年4月から交代制の時差通勤を行っていること、また、執行部の取り組みが遅かったことから19日に開いた分会長会議では例年のように実施できるかどうか不安だという声もありましたが、各分会で独自のビラを配布したり、当日の朝食を用意するなど、各分会役員、組合員の努力により70%近い組合員の参加を得て成功させることが出来ました。
 集会では、春闘情勢報告とともに「国家公務員制度改革に反対する決議文」を全分会で採択し、私たちの諸要求実現のために、これからも粘り強くたたかっていくことを確認しました。
(書記長)

愛媛県●要求の声を地域から ―早朝時間外集会に154人

 愛媛県支部も春闘統一行動に取り組み、県内5分会でそれぞれの職場集会に154人が参加しました。
 松山西分会では、早朝での集会を行っています。この集会での分会長挨拶、分会書記長の情勢報告により、多くの組合員に「能力・実績を重視した給与体系」、あるいは「信賞必罰の考えを盛り込んだ公務員制度の改悪」といった、私たちの身分保障に関する問題について、より一層奮闘していかなければならないとの思いが強まりました。もちろん、2本の決議も満場一致で採択され、集会は無事終了しました。
 今後も、社会保険の職場で働く者としての立場を生かし、「要求の声を地域から」、また、国公労連の掲げる「国民の中へ・国民とともに」のテーマのもと、地域と連帯した活動を行うべく頑張っていきたいと思います。
(書記次長)


4月から新入職員が職場に来ますね
◎ 全厚生加入を勧めましょう ◎
「春の組織拡大運動」実施中
 桜の開花とともにいよいよ春の人事異動の季節です。新入職員を迎えた職場も多いことでしょう。全厚生の魅力を、労働組合のロマンを語り、ぜひ私たちの仲間に迎えましょう。仲間が増えることで組合員・役員も元気になり、組織が活性化します。新しい組合員を迎え、新鮮な気持ちで要求前進にむけ労働運動に取り組んでいきましょう。
 今回の組織拡大にあたり、全厚生は新入職員加入促進リーフを作りました。ぜひ活用してください。また国公労連の新入職員歓迎パンフレット「BEGIN」も新しくなっています。あわせて活用してください。そのほかこの機会に国公共済会への加入も勧めましょう(国公共済会のリーフを活用してください)。 
 新入職員にはリーフをきっかけに必ず声をかけましょう。新社会人としてのスタートを切ったばかりの職員は期待と不安でいっぱいです。そんな時に、声をかけられるとうれしいのではないでしょうか。


☆ ★ ☆ ピカピカの小学1年生 原稿募集 ☆ ★ ☆
 今年もピカピカの1年生の原稿を募集します。今年小学校に入学する組合員の子どもさん全員が対象です。みなさんの応募をよろしくお願いします。
 子どもの氏名(漢字)@氏名のふりがな A入学する小学校名(〇〇市立〇〇小学校) B大きくなったら何になりたい? Cお父さん、お母さんからのメッセージ(支部・組合員名)を100字以内で。顔がはっきり写っている写真を送って下さい。写真はお返しします。
 締め切りは、第2次4月13日です。
 お礼に図書券(1000円分)をさしあげます。
 くわしくは、支部の教宣担当者、または全厚生本部教宣部まで。

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