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◆第1482号(2001年2月5日付)◆

すべての労働者の賃金底上げを

職場・地域で対話と共同を広げて ―全厚生第42回中央委員会開催

 全厚生は、1月26日、第42回中央委員会を都内で開催し、2001年春闘方針案・補正予算案を全会一致で採択、また、厚生労働行政の拡充を求める特別決議、中央委員会アピールを採択しました。
 討論では、中央委員21人が発言し、国民の理解を得る春闘の重要性や、定員外職員などの賃金の底上げ、公務員制度「見直し」反対へ、春闘での学習・議論を巻き起こそうと春闘勝利の決意を固めあいました。
 来賓として、日本共産党の木島日出夫衆議院議員、国公労連の遠山副委員長、全医労の東山副委員長、全労働の新宮委員長があいさつしました。


変革の立場で奮闘しよう ―杉下委員長あいさつ

 あいさつした杉下委員長は、はじめに春闘の意義と役割についてふれ、春の時期に経済要求と政治要求とを結合させて資本や悪政に対して団結したたかう春闘は労働組合の歴史の中で編み出された高等な戦術だ。春闘の意義と役割は、新世紀においてもかわりない、と述べました。
 日経連の労問研報告については、「市場経済万能論」の立場から成績主義の強化、賃上げゼロ、リストラの推進を表明しており、NTT、日立など上位30社だけで、22万5千人を超える人減らしをしておいて、「雇用の安定を最重視」とは、盗人の論理でしかない、と厳しく批判しました。また、大幅賃上げの客観的条件について、主要大企業427社の内部留保102兆円を吐き出させれば、大幅賃上げは可能と強調しました。
 1月31日からの通常国会では、KSD事件、外務省国家機密費横領疑惑の徹底解明を求め、変革の立場で奮闘しようと呼びかけました。
 厚生労働省の発足にあたって委員長は、我々は国民サービス切り捨ての「行革」中央省庁再編に反対してきたが、新体制において、真に労働者・国民の立場に立った厚生労働行政充実のために全厚生としても積極的な提言を行っていくと表明。4月の独立行政法人移行については、就業規則、給与規定など仲間の利益擁護のため全力をあげる。成果主義・能力主義導入などの危険な内容をもつ公務員制度「見直し」は、今春闘の重要課題の1つとしてたたかう、と述べました。
 最後に委員長は、「今春闘、すべての仲間と力を合わせて、仲間を増やし、職場に組合のさわやかな風を吹かそう」と呼びかけました。

職場・地域から春闘の流れを ―杉浦書記長が提案

 2001年春闘方針案を提案した杉浦書記長は、働くものの雇用や賃金・労働条件が、弱肉強食の競争社会をめざす政府・財界の攻撃の下で深刻さを増している一方で、パートや臨時労働者などのたたかいが力づよく前進していることを報告。今年の春闘は、地域の中で対話と共同を大きく広げ、リストラ「合理化」攻撃をやめさせ、人間らしく働くルールを1歩1歩実現させていく重要なたたかいであることを強調しました。
 たたかいの基本となる賃金改善要求は、国公労働者は平均2万2千円(5・8%)引き上げ、定員外職員など国公職場に働く労働者の最低賃金を月額相当15万円以上(時給1千円、日額7、500円)以上の要求をかかげる。
 全労連は、最低賃金の改善、解雇規制法の制定、不払い・サービス残業根絶の3つの要求課題を実現するための「働くルール確立」署名を提起しています。全厚生も職場のすべての労働者、地域の労働者・労働組合に支持や賛同を求め、対話を広げるために全力で取り組むことを呼びかけました。
 さらに、行政民主化をめざすたたかいを強化することを強調。昨年の定期大会方針である行政研究活動を開始し、各部門ごとに研究テーマ、進め方等について討議を深めることを提起しました。
 最後に、2月の昼休み職場集会や3月下旬の早朝職場集会などを成功させ、職場・地域からたたかいの流れを作っていこうと呼びかけしまた。

長い間お疲れ様でした ―高野書記が退職

 中央委員会では、書記の高野昭子さんの退職(1月31日付)報告と新書記の西田志緒さんの紹介がありました。高野さんは1968年1月に本省支部書記として採用され82年に本部書記に、通算して33年1カ月の間、総務財政担当書記として一貫して全厚生の台所を切り盛りしてきました。中央委員会では、高野さんに記念品と花束を贈呈しました。
多くの方に支えられしあわせ
高野書記が退職の挨拶
 多くの組合員の皆様、一緒に書記局で仕事をさせていただいた本部役員経験者の皆様の励ましで、ここまでがんばってこられました。厚生省の講堂に400人が集まった職場集会など、思い出は数え切れないほど。やめるにあたって、皆様からあたたかい言葉をかけていただき、これほど多くの方たちに支えられていた自分はしあわせだと感じています。33年間大変お世話になりました。ありがとうございました。


リレーずいそう
● 犬派から猫派に?
 私の家族は猫が2匹と妻です。もともと犬派の私が猫を飼い始めたのは、今から6年程前です。
 公団住宅の2階に住んでいたときに傍若無人な野良猫が入ってきて押入で出産をしてしまったのがきっかけです。朝起きて確認すると5匹の子猫が生まれていました。
 ヘソの緒を切ってあげたりしてかわいい子猫を見てしまうと追い出すことが出来ず、親猫と5匹の子猫との同居生活が始まったのです。
 さすがに大きくなり始めると手におえず4匹の子猫は色々な人に貰ってもらいました。
 ブサイクな子猫(銀ちゃん♂)と図々しい親猫(菊ちゃん♀)が残りました。
 猫を飼っていることがばれて公団をでるように言われてバブルで高いマンションを猫のために購入したり、病院での手術代(3回)がかかったりと大変なことも多かったですが、今では子どものいない私たち夫婦にとってかけがえのない存在となっています。
コウノトリが子どもじゃなくて猫を運んできてくれたのかもしれません。
 猫は愛想がないからあまりすきになれないと思っていましたが、家に帰った時と朝起きた時にミャーミャーと鳴きながら擦り寄ってくると、思わず心が和みます。散歩も必要ない…だんだん犬派から猫派になりそう。
 忙しさにギスギスしがちな職場も心が和む場所になればいいと思っている今日このごろです。
(神奈川県支部 支部長)


News
● 熊谷さんを中労委労働者委員に ―選任を求め推薦書類を提出―
 1月31日、国公労連は全労連とともに、独立行政法人化にともない増員される中央労働委員会労働者委員に熊谷金道・全労連副議長(国公労連中執)の選任を求め、全厚生はじめ国公労連傘下単組・友誼組合23団体分の熊谷さん推薦書類を厚生労働省労政担当参事官室に提出し、選任実現を申し入れました。また、中労委労働者委員の公正任命を求める団体署名5041団体分もあわせて提出しました。
● 東京高裁で勝利判決 ―東京税関賃金差別裁判―
 全税関東京支部と組合員104名が、組合所属による昇任・昇格の差別を受けたとして、国を相手取り74年に提訴した全税関賃金差別裁判で、東京高裁は1月26日、1審に続いて原告組合の請求を認める勝利の判決を出しました。判決は、明確に組合差別があったことを認め、全税関東京支部に慰謝料など250万円の支払いを命じましたが、原告個人に対する損害請求は退けました。
 全厚生は「国は上告するな」の要請電を打ちました。


全厚生第42回中央委員会の討論から

すべての労働者の生活改善をめざし 国民に理解を広げるたたかいを

 中央委員会の討論では、21人の中央委員が発言しました。
 神奈川県支部中央委員は、「青年は基地のない平和な日本のために奮闘する決意」と、青年交流集会の成功を報告。
 春闘については、統計支部中央委員が、国民に理解される賃金闘争を行いたい。岐阜県支部中央委員は、22歳で妻子を養っていけない現実を紹介、春闘のたたかうエネルギーになっていると発言しました。神奈川県中央委員は、春闘をわかりやすいことばで表現して、若い人にも理解を広げたい。京都支部中央委員は、国民の理解が得られる春闘へ先頭の真ん中でたたかう。愛知県支部中央委員は、月10万6400円で標準生計費体験をし、「こんな賃金では生活できない」ということを実証したい。滋賀県支部中央委員は、職場での対話を重視するとの決意を表明しました。

賃金職員の雇用と生活守れ

 業務センター支部中央委員は、賃金職員の雇い止め問題で、自らたたかおうと執行委員に賃金職員2名を迎え、朝ビラの配布も行ってきた。3月雇い止めを阻止したい。京都支部中央委員は、賃金職員の身分保障の為に奮闘する。国立リハ支部中央委員は、薬剤師は定員不足で賃金職員を入れて仕事をこなしているが、賃金職員の賃金は安すぎて、補充できない現実を訴えました。

対話広げ学習を重視

 大分県支部中央委員は、「瀬戸内ブロック」の学習会を大分で開き、大分県支部組合員ほぼ全員が参加した。懸案の女性の高位号俸問題については、交渉の中で、解消するとの回答を勝ち取ったと喜びの報告がありました。
 神奈川県支部中央委員は、能力主義・成績主義だとどうなるか、職場討議をおこす。大阪支部中央委員は、成績主義について若い人と考え方にギャップがあり今春闘は学習を重視すると決意を述べました。 
 神奈川県支部中央委員は、1日200人の来庁者のある藤沢社会保険事務所の現状を紹介し、全国の定員再配分を望んでいる。同じく神奈川県支部中央委員は、再任用問題は大きな問題なので対応をと発言しました。

組織再編から職員を守れ

 本省支部中央委員は、厚生労働本省共闘の結成準備を報告し、本省庁の要求実現へがんばる。また、地方厚生局も職場環境の改善が急がれる。感染研支部中央委員は、大阪の「基盤研(仮称)」に感染研からも10数人行くとの話がある。早急に対応を。国衛研支部中央委員は、「基盤研」が急に動きはじめ、大阪支所の職員をそのまま受け入れるものではなく、26人の組合員の今後が大問題。異動できるのか、国衛研で受け入れられるかなど、緊急な対応が求められる。
 また、中央執行委員が、国立健康・栄養研究所の独立行政法人問題について報告し、3年の任期制の研究者が増えている。労働者の利益守る労働協約を結ぶために、過半数の組合にしていきたいとの決意を表明しました。
 愛知県支部中央委員は、行政研究活動には、支部からの代表も入れ、4部門で議論を。

組合員の要求実現へ奮闘

 函館支部中央委員は、教官の採用時の格付けに問題有りと管理室交渉で要求し、格付けを採用時にさかのぼって改善させた。
 リハ支部中央委員は、宿舎の改修問題が急にもちあがり、問題が起きた時のルートの確立や作業員の増員などを約束させた。愛知県支部中央委員は、産前休暇8週の制度要求は切実。また、中央執行委員は、2月24日25日の第25回全厚生女性交流集会成功へ、参加を呼びかけました。

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旗開きで癒しの尺八

 中央委員会終了後、同じ会場で2001年全厚生旗開きを開催しました。旗開きでは、感染研支部の岸本寿男さんが尺八を演奏。岸本さんは、郡山流師範で、音楽で患者さんの精神的負担軽減などを行う音楽療法を行っており、演奏家仲間と各地の福祉施設や病院でボランティアで演奏会を開いています。96年にはアメリカの地域エミー賞も受賞。CDも出しています。旗開きでは、自作の曲やイエスタディなど癒しの音色を披露し、参加者を魅了しました。


新執行委員紹介

仕事に組合に遊びに家庭に全力投球の人
中央執行委員  浜田 亮さん

 愛媛の浜田亮さんを紹介します。
 浜田さんは、1955年7月生まれの45歳。現在は片道約60kmの道程を、自慢の4駆で毎日駆け抜け、松山東社会保険事務所の年金相談窓口で、多忙な日々を送っています。
 ここ数年では国民年金保険料課、業務第2課、年金相談と携わり、職員はもとより、市町村や適用事業所の事務担当者、被保険者、年金受給者にいたるまで、頼りになる存在であり続けています。
 組合活動でも、97年10月からの3年間、愛媛県国公事務局長を務め、吹き荒れる臨調行革の嵐の中、その攻撃を跳ね返すべく奮闘されました。
 こんな浜田さんも、5時からは、うって変わって遊び人?(とは本人日く若かりし頃のことだそうですが)
 酒を飲ませりゃ人一倍飲み、マイク握れば、サザンにひろみにと人一倍歌いまくる。
 それでも土日の休みには、どんなに飲んだ翌日でも、子どものサッカーに出かけて行く、良きお父さんでもあります。
 とにかく、仕事に組合に遊びに家庭にと、全てに全力投球の人です。
 全厚生本部中執としても、きっと何かを残してくれる人だと信じています。
(愛媛県支部松山東分会)


20世紀をふり返り、女性が輝ける21世紀に
第25回全厚生女性交流集会
日 時 2000年2月24日(土)午後2時から
     2月25日(日)正午まで
会 場 「川崎グランドホテル」
神奈川県川崎市川崎区宮本町6−2
(JR川崎駅・京浜川崎駅より徒歩7分)
記念講演 笹沼煕子さん
(婦団連副議長 前国公労連女性協議長)
楽しく語り合い、学び合い、交流しましょう。
保育室あります。お子さま連れでどうぞ。

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