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◆第1481号(2001年1月25日付)◆

財界の横暴許すな

2001年春闘スタート

 「大企業はリストラ競争をやめろ」―全労連などでつくる国民春闘共闘委員会と東京春闘共闘会議は1月12日、日経連総会への抗議行動を行いました。
 この日経連総会で出された労問研報告(春闘での経営側方針)は、「もはや横並び対応の時代は終わった」として、成果主義に基づく賃金管理の徹底を強調するとともに、「わが国の賃金水準は世界のトップレベル」と実質的なベアゼロを断言。さらなるリストラへの積極的な協力さえ求めました。
 集会参加者は、「賃上げ・雇用確保などの要求実現へすべての労働者・労組と共同し国民春闘を前進させる」との「闘争宣言」を確認。2001年春闘がスタートしました。


賃金職員雇い止めやめよ

業務センター支部が宣伝行動

社会保険業務センター
賃金職員雇い止め問題
 社会保険業務センターは、常勤職員600人に対して、100人を超える日々雇用の賃金職員が働き、多様な恒常的業務を常勤職員と一体となって行っている。昨年3月上旬、当局は、15年以上勤務の賃金職員は昨年8月末で、10年以上勤務の賃金職員は今年3月末で、雇い止めをするとの一方的な雇い止め通告を行った。全厚生業務センター支部は、雇い止めの白紙撤回を要求するとともに、賃金職員へ全厚生加入を呼びかけ、42人を迎え入れた。支部の粘り強いたたかいで、昨年8月末の雇い止めは撤回させたが、今年3月の雇い止めについて当局は「基本方針は変わらない」としており、今後のたたかいが重要になってきている。
 業務センター支部は昨年末の12月25日、超過勤務規制、昇格問題などの要求で所長交渉を行いました。「賃金職員の2001年3月の雇い止めを中止し、雇い止めに関し労働組合と協議すること」の要求に対し、当局は「常勤防止の閣議決定の主旨に沿ってやっていきたい。基本方針はかわらない。前回(の交渉でも)約束しているとおり、個々のケースについて話し合いは継続してやっていきたい。できるならば前向きないいルールができればいい」と回答。話し合いの結果3月の雇い止めがなくなることもあり得るのか、の質問に対し、「現時点では言えない」と明言を避けました。今こそ業務センターの最高責任者として所長の決断が求められています。
 業務センター支部では、11月29日に2000年度の定期大会を開催し、賃金職員組合員から2名の執行委員を迎えました。交渉に先立ち、賃金職員部会を設置し、賃金職員による自主的運営を確立。職場集会、宣伝活動を旺盛に行いました。玄関前の朝ビラ行動では常時30人を超える賃金職員の組合員が集まり、近年まれに見る活気ある行動となりました。ほとんどの人がはじめての経験でしたが、「支部任せにはできない。雇い止めは私たちの問題」「どきどきしたけど自分自身で動いて組合のことがわかってきた」などの声が寄せられています。
(書記長)

使い捨ての人権無視は許せない

 社会保険業務でパートといっても独立した仕事を受け持っており、とても「簡単な事務補助」というわけにはいきません。覚えなければならないことも多く、長年勤めていればこそできる仕事ではないかと思います。まして今後、仕事量の増大が明らかな中、ベテラン賃金職員を解雇し新規に補充するというのでは新人教育費用もかかり全く非効率です。長期化防止といいますが、低賃金で働く賃金職員の安定雇用の何がデメリットなのでしょうか。臨時といえども常勤職員と何らかわらない熱意と責任感で国民の大切な業務を遂行しているという自負があります。
 パートでも能力を適正に評価され、そして保護・履行すべき法整備も当然なことです。雇う側の自由という論理が大前提では単なる使い捨ての人権無視であり、パートとしての義務でもある質的向上も望めません。
 当局は解雇を白紙撤回し、将来を見据えた模範となる解決を求めます。
(賃金職員組合員)


リレーずいそう
● 房総の海が見たい
 「房総の海が見たい」〜ロマンティクな物言いが似合わなかったので、聞いているほうが照れくさかった。父が「最後」となるであろう家族旅行の提案をしたのは暮れも押し詰まってからだ。早速、父の入院先に許しを頂き、正月の一時帰宅を温かい房総の温泉で迎えることになった。
 〜一昨年の春、母の体に異変が起き、相次いで父も同じ病で倒れた。母の余命を知り、早く気付いてあげられなかったことを悔やみ、父の病名を聞いて、同じ轍を踏んだ愚かさを責めた。私たち子供は結集して両親の病魔に立ち向かう……、そう約束した。
 最初の危機を乗り越え落ち着きを取り戻すと、病名告知の是非から治療方法、退院後の生活、経済的な負担を誰が持つかと兄弟間で意見の食い違いが生まれた。「親と離れて暮す私」は、毎週末の帰省が精一杯であり、「長男」としての当然の努めを果たせないでいた。入退院を繰り返す父と母の闘病生活の現実は生易しいものではなく、何とか交代で看護を続けたが、次第に疲れを感じていた。自分たちの親の面倒なのに、家族の関係がぎくしゃくしたものになった。
 父が房総の海が見たいと言い出したのはそんな折だった。家族旅行は父が看護疲れの周りの苦労を思ってのことだろう。兄弟間の亀裂も察していたのだろう。最後まで子を思う親の愛情を知って心で泣いた。
 〜「温泉に入りたい」という母の希望もかなえられ、家族の皆が至福の時を過ごした。「房総の海」をきっかけに、新たな気持ちで両親に接することができた。最期までのひとときを充実した時間にしてあげられそうな気がしてきた。
(塩原視力支部 支部長)


News
● 信頼される厚生労働行政を ―1・10早朝昼休み大宣伝行動―
 1月10日、国公労連は「国民本位の行財政と司法の実現をめざす1・10大宣伝行動」を霞ヶ関を中心に実施しました。この行動は21世紀初の春闘幕開けと新省庁発足にあたって、国民本位の行財政と司法の実現をめざす要求やたたかいの決意を内外に大きくアピールしようと行ったもので、毎月第一水曜日の「定時退庁強化」の課題とあわせての取り組みとなりました。
 早朝宣伝行動では、雨の上がった厚生労働省門前(合同庁舎5号館前)に全労働の宣伝カーを配置、門前と地下鉄連絡通路との2カ所で全労働と全医労・全厚生の3単組が共同してビラを配布、総勢40名を越える仲間が参加。全厚生は本省・統計両支部はじめ本部含め12人が結集しました。
 宣伝カーから本部・藤巻副委員長は出勤途上の職員に「信頼される行政をめざそう」と熱く語りかけ、統計情報支部・菅沼支部長は時間に追われる忙しい職場の状況の打開を強く訴えました。
 昼休み宣伝行動で全厚生は、全労働・全運輸・全司法とともに、内幸町・日比谷シティ付近でビラ配付を実施。人口研・統計支部、本部から8人が参加して、道行く人に訴えました。


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2001年春闘「私の要求アンケート」全厚生分の結果

要求は切実、すべての労働者・国民の生活改善をめざしてたたかおう

 昨年秋に取り組んだ「私の要求アンケート」は、24支部・分会2199名分(約58・6%)を集約しました。全厚生は、アンケートは誰でも参加できるとともに、1人ひとりの切実な要求を運動に反映させるため、全員参加を重視して取り組んできました。(昨年同時期1666名)決して十分な集約状況とはいえませんが、暮らし、賃金要求、残業実態、健康状態など、職場の現状を知ることができます。このアンケート集約結果をもとに職場で大いに議論し私たちの要求を「みんなの要求」として確立しましょう。
 全体の構成は、男性約7割、女性約3割、収入構造では1人(独身)が36%、1人(扶養者有り)が21%、共働きが39%(パート及びフルタイム)となっています。

暮らし苦しく 文化に乏しい

 暮らし向きについては、「かなり苦しい」「やや苦しい」をあわせて63%となっており昨年とほぼ同じです。生活で充実させたい項目では、「文化・教養・レジャー」が最も多く、次いで「老後のそなえの充実」「車・家電・家具」と続いています。

賃上げ要求 より切実に

 賃金要求では、3万円要求が最も多く、次いで5万円、2万円、1万円となっており、単純に平均すると約34800円で、昨年と比べて1万円程度低い結果となっています。5万円の要求の比率が増す一方で、1万円未満と1万円の要求の比率は減少しており、賃上げの切実度が増していることがうかがえます。賃金要求を年代別で見ると、20歳代は3万円までの要求に集中し、30歳代以降は3万円と5万円の要求に集中しています。

賃金決定は生計費重視を

 賃金決定の要素については、生計費では「重視すべき」が62%、「やや重視すべき」を含めると8割を超えています。年齢・勤続年数では重視する意見が53%、勤務実績では69%、専門能力では79%となっています。ここからも生活実態に即した賃上げ要求の強さがあらわれています。また、職務評価が適正に行われていないことへの不満が強いことも示しています。
 超過勤務の実態では、直近1カ月で30時間未満に集中し、不払い残業は36%にものぼっています。また、仕事による疲れについては、疲れを感じる答えは85%にも達しています。

職場は総じて不健康

 こうしたアンケート結果から、全体的に生活が苦しく、「文化・教養・レジャー」などの最も人間らしさを感じる分野が満たされず、不払いまである残業に追われ、日々、疲労を感じている、まさに不健康そのものの職場実態が浮かび上がってきます。
 賃金決定の要素の問からは、生計費を重視する要求が強く、経験や職務が正しく評価されていない実態が明らかになっており、行革大綱に示されたような「公務員制度改革」は、到底受け入れられないことを示しています。

要求に確信を持って

 賃金要求では、賃上げ要求がより切実度が増していることを如実に物語っており、2年連続年収切り下げに対する怒りの大きさもうかがうことが出来ます。また、年代別での賃金要求の違いは、この間の私たちの「賃金闘争の弱さ」を率直に反省する必要があります。賃金についての討論が不足し、同時に、厳しい情勢下で賃金要求そのものに確信を深めることが出来なかった結果でもあります。
 賃金に関しては、「意見欄」にも「公務員ばかり賃上げを要求するべきでない」「民間が厳しいから仕方がない」「景気がよくなってから要求すべき」などの意見も寄せられています。
 2001年春闘で全労連は、「すべての労働者の賃上げ」を重点に掲げています。私たちは、生活の中から出てきた要求をしっかりと掲げ、「公務労働者」のみにとらわれることなく、すべての労働者・国民の生活改善をめざして闘うことが重要です。
 私たちの要求を「わがままな要求」ではなく「当然の要求」とし確信を持って、1人でも多くの対話と共同を広げ、2001年春闘を大いにたたかいましょう。


新執行委員紹介

「北の砦」秋田の勢い伝える伝道師
中央執行委員 仙葉 拓史さん

 秋田の仙ちゃんを紹介しましょう。
 仙葉拓史、今年3月で35歳になる魚座のO型。
 若い頃から徴収課を渡り歩き、あと1つでグランドスラム(県内全徴収課勤務)達成。
 現在の所属は秋田社会保険事務所の国民年金第1課で、国民年金事務の行方と検認率向上に日夜頭を抱えているはずだが、実は趣味のパチンコの換金率やパチンコ業界の規制緩和の行方が日夜最大の関心事だったりして?
 朝1番の「昨日よー」から始まる会話や月曜の休み明けの「おはよう」のあいさつも出玉によって千変万化する。ゴルフもやるが、練習は一切しない。一生懸命になるのではなく、楽しくラウンド出来ればいいらしく、スコアは100を切れば満足?。
 特技は学生時代ならしたテニス。数年前まで行われていた課所対抗テニス大会ではいつもチームを引っ張るエース的存在。
 大恋愛の末結婚したカミさんとの間には2人の娘がおり、新年号の似た者自慢に出て欲しかったくらいのそっくり親子である。(マジ本当ッス)
 91、92年度と支部の書記長を20代の若さでこなし、現在は支部の副支部長も務め、その存在感は熟練を感じさせる。
 これからも若い世代のよき理解者、アドバイザーとしての活躍、また、社会保険の「北の砦」秋田(特に青年層)の勢いを中央に伝える伝導士としての役割に期待がかかります。
(秋田県支部書記長)


20世紀をふり返り、女性が輝ける21世紀に
第25回全厚生女性交流集会
日 時 2000年2月24日(土)午後2時から
     2月25日(日)正午まで
会 場 「川崎グランドホテル」
神奈川県川崎市川崎区宮本町6−2
(JR川崎駅・京浜川崎駅より徒歩7分)
記念講演 笹沼煕子さん
(婦団連副議長 前国公労連女性協議長)
楽しく語り合い、学び合い、交流しましょう。
保育室あります。お子さま連れでどうぞ。


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