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◆第1477号(2000年11月25日付)◆

枠外者の早期解消を

人事院と昇格課題で交渉

 全厚生は11月7日、昇格改善をめざし人事院と交渉しました。交渉には杉下委員長をはじめ高橋、鈴木、藤巻副委員長ら本部役員10名が参加、本省庁、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険4部門のそれぞれの課題を職場実態もしめしながら改善をせまりました。人事院からは給与局・給与2課の宮本企画調整官が対応しました。

誇りの持てる職場に

 冒頭、杉下委員長は「働きがい・誇りの持てる職場に」「厚生省は職種のるつぼ。課題は山積している」「一定の前進については評価しているが、人事院はまだ私たちと同じ認識にたっていない」と指摘。「要求は一貫している。実現が困難でも重要な問題ばかり」と人事院の誠意ある対応を求めました。また具体的に福祉職俸給表について「行政職からの切り替えについては、専門職としての職務の評価から基本的に賛成の立場だった。しかし運用してみると上位級のハードルの高さなど矛盾がある。改善に向けて努力してもらいたい」と強調しました。

男女格差の是正を

 個別の要求課題では、本省庁が本省係長7級の定数拡大を要求しました。これに対し人事院は「7級は課長補佐クラス。係長の7級は標準職務表から困難」と回答。
 また4級以上では圧倒的に男性の割合が多く、男女格差が本省庁に限らず実態として存在することを指摘、実態の把握と指導を要望しました。人事院は「定数配付では女性にと色分けできるものでない。各省庁の運用の範囲。それぞれ内部の問題」だとしました。
 試験研究機関では、研究職の3級昇格に関して仕事内容・研究内容の不利で昇格に格差がある点、また行(二)職では現実に民間委託等の勤務者を指導監督しているにもかかわらず、部下数制限により昇格できない点を指摘。人事院は、「論文の数だけでないというのがスタンス。特筆するような研究は個別に協議」「部下数制限はかけざるを得ないが、業務委託が増え、それらの人をカウントしたりする方法など検討の余地がある」と回答しました。

介護員長3級格付けを

 社会福祉施設では、介護員長の3級格付けを要求。福祉職俸給表の適用にあたり、専門職としての評価自体は喜ばしいことだがそれに見合った給与とはいえない、また行(二)職では欠員不補充の方針から部下数制限にそもそも影響があると強調しました。人事院は福祉職俸給表を作った前提にふれ「要望として受けるが、標準職務表上困難。給料としては、調整額で手当てしている部分もある」と回答。
 社会保険では国公全体の7級枠外者のうち社会保険関係で600人・15%を占めている。構造上の問題ではないかと7級枠外の解消を強く求めました。人事院は「枠外者の存在は認識している。職員の士気にかかる問題でもあり、俸給体系見直しも検討する必要がある」と回答しました。 全厚生からは再度研究職の論文以外の評価の検討要求、福祉職については現実に6級者がいないのに上位級の壁が高くなったという矛盾、国立病院・療養所との差について言及。最後に委員長は取り上げなかった事項についても努力を要請し、交渉を終えました。


全厚生本部書記局移転のお知らせ
 全厚生本部書記局は、10月30日から厚生省(中央合同庁舎5号館)低層棟3階に移転しました。


組合員のみなさんへ
「あなたのお隣さんは組合員ですか」
一緒に仕事をがんばっている職場の身近な仲間、あなたの係・課の人は組合員ですか。
誇りの持てる仕事、働きがいのある職場、人間らしい生活。
誰もが望んでいるあたりまえのこと、ほんとにあたりまえにしたい。
一人ひとりの小さな力を集めて大きな力に。
だから、ちょっと勇気をだして、声をかけてみましょう。
明日の自分のために、家族のために、みんなのために。
「一緒にがんばろう!」って。
前に声をかけたときには断られていても、何年かして労働組合の必要性を感じていたり、
「だって声をかけられたことないよ」、なんて人もいるようです。
仲間づくりには、職場に身近なあなた、組合員のみなさんの力が必要です。
あなたと一緒にがんばる仲間をみつけるために。
10月〜12月は組合員加入促進強化期間です



リレーずいそう
● プラモデル雑感
 この頃プラモデルに熱中してます。
 プラモデルというと、おたくな趣味と思う方も多いでしょう。昔プラモデルを作られた方でも今プラモデルを楽しんでいる方は少ないと思います。
 最近、多少の小金は何とかなるようになり、中学生の頃にあこがれた高価なモデルに手が届くようになり、本体より金のかかる塗装もできるようになりました。
 模型屋に通いだしてある日ふと気づくと、本来の主役であるべき子供たちが店にいません。模型屋の主人に聞いても、「今の子はゲームばかりでプラモデルを作らないよ」
 ゲームも楽しいのですが、プラモデルの楽しみは「作ること」そのものにあります。部品を組み合わせ、形を整え塗装して仕上げるという過程でのワクワクが楽しいのです。
 子供たちはこの楽しさをRPGゲームなどに求め、手間暇のかかるプラモデルは敬遠されています。 
 メーカーのカタログなどを見ても、高めの年齢層に向けてのラインナップを組んでいます。このままだと、少子高齢化により業界自体の先細りが懸念されます。
 モノを作ることの楽しさを知る一つのきっかけとしてプラモデルが見直されることを期待します。
 今の子供たちの間で、将来なりたい職業の上位に大工さんが挙げられているので、少しは希望がもてるのかなと考える今日この頃です。
(秋田県支部 小畑浩支部長)


News
● 2年連続年収切り下げ強行 −給与法「改正」法が成立−
 11月14日の参議院本会議で、「平均0.12%、447円」のベースアップ、一時金0.2月の切り下げなどを内容とする2000年勧告にもとづく給与法「改正」法が、可決・成立しました。2年連続となる賃金の引き下げは、公務員労働者と家族の生活を直撃するだけでなく、人事院勧告制度の影響下にある少なくとも約750万人の労働者にも重大な悪影響を与えるもので、批判の声が上がっています。
● 国民のくらし守る行政を −11.17秋年闘争第3次中央行動−
 11月17日、国公労連は秋季年末闘争第三次中央行動を行いました。朝から冷たい雨が降る天気でしたが、全厚生からは本省・統計・業務センター・秋田県・神奈川県・愛知県・大阪・香川県・愛媛県・大分県など各支部の仲間が参加。雨や寒さに負けず終日野外で奮闘しました。(2面に参加者の声)この日、「雇用確保、不況打開、増税反対、社会保障の充実を求める署名(全労連の3大要求署名)」の全厚生集約の1874名分を提出しました。
● 許すな!大企業の横暴 −11.18国民大集会に5万人−
 11月18日、「11・18国民大集会」が東京・江東区の亀戸中央公園で行われました。前日の中央行動から引き続いての参加者、各県・地域に結集した参加者を含め、本省、統計、業務センター、感染研、国立リハ、秋田県、神奈川県、愛知県、岐阜県、滋賀県、大阪、香川県、愛媛県の各支部から45名が参加。(写真上)熱気あふれる集会となりました。集会のあとは「ただ働き・不払い残業をなくせ」「消費税増税反対」「社会保障を拡充せよ」「平和と民主主義を守ろう」などのシュプレヒコールで3キロの道のりをデモ行進。参加者から「たたかってる実感がもてた」との感想が寄せられました。


横のつながり生かし前進を

全厚生近畿ブロック協議会を結成

 11月18日、大阪市内の新大阪シティプラザで、全厚生近畿ブロック結成総会を開催しました。総会は、神戸視力支部、衛研支部大阪分会、滋賀県支部、京都支部、大阪支部から42名の仲間が集い、2部構成で行いました。
 1部では、大阪国公元議長の志形さんに、組織拡大の経験談などを講演していただき、近畿の仲間で学習しました。
 2部の総会では、加納大阪支部長が、全厚生近畿ブロックの結成にいたるまでの経過報告と、結成に先立っておこなった人事院近畿事務局交渉の報告を行いました。また、杉下委員長をはじめ全厚生東海ブロック、国公近畿ブロックの代表のみなさんから激励の言葉を受け、申し合わせ事項を満場の拍手で承認し、全厚生近畿ブロックとして横のつながりを大切にし要求前進にむけ奮闘することを確認しました。
 全厚生近畿ブロック協議会の役員の皆さんは、次の方々です。
▽議長 加納忠(大阪支部支部長)、▽副議長 樋田嘉己(滋賀県支部幹事)・北久保和夫(京都支部支部長)・村井利美(衛研支部大阪分会分会長)・今井進(神戸視力支部執行委員)、▽事務局長  中本邦彦(京都支部副支部長)、▽事務局次長 勝井正(大阪支部書記長)▽幹事 西村伊知朗(滋賀県支部支部長)・前川京子(衛研支部大阪分会分書記長)・渕上正寛(神戸視力支部副支部長)、▽会計監事 細川建一郎(神戸視力支部副支部長)


近畿ブロック
 差別人事の改善を

人事院近畿事務局と交渉

 11月6日、全厚生近畿ブロック協議会(準備会)は昇格問題で初の人事院近畿事務局交渉を行い、大阪・京都・滋賀の各県支部から21名が参加しました。
 全厚生は近畿に5支部・分会(衛研支部大阪分会、神戸視力支部、大阪支部、京都支部、滋賀県支部)があり、これまで県国公や国公近畿ブロックを通じて人事院交渉に参加してきました。昨年12月に全厚生大阪支部を結成したことで、一気にブロック連絡会結成の機運が高まり、11月18日の近畿ブロック協議会の結成総会を前に、交渉が実現したものです。
 交渉では、「6級高位号俸と7級枠外問題」「業務の困難性に見合った格付けの改善」「研究所・福祉施設の業務の特殊性」などを強調して訴えました。また、自治労と競合する大阪の社会保険職場の差別人事の実態について詳しく説明したところ、人事院は「他府県と比べて歴然と差がある」という感想を述べました。
 参加者は、地方事務官から国の事務として明確になった今、職員の処遇改善は急務で当局・人事院交渉を強化する必要性を確認しました。
(大阪支部 勝井正書記長)


四国ブロック
 7級枠外の解消を

人事院四国事務局と交渉

 11月13日、全厚生四国ブロック協議会(全厚生香川県支部・全厚生愛媛県支部)は、人事院四国事務局に「賃金・休暇等に関する要求書」を提出し、労働条件の改善をめざす交渉を行いました。
 四国ブロック協議会からは香川県支部から6名、愛媛県支部からの2名、人事院側は総務課長以下4名が出席しました。
 級別標準職務表の抜本的改善、なかでも問題視されている7級枠外の該当者が国家公務員全体のうち、15%を社会保険の職場で働いている職員が占めているという異常な状態であることや、保険料徴収業務および事業所調査業務が大変困難な業務であることから、その業務に携わる職員に対する手当の新設等を要望しました。
 人事院側からは、現在級別標準職務表の改定の準備を行っている。しかしながら、諸手当を新設することは困難であるけれども、改善をもとめる要求があったことを本院のほうに報告したいとの回答を得ました。
 これからも改善要求があることをブロック協議会として、訴えていきたいと思います。
(香川県支部 岡村和典)


新執行委員紹介

常にチャレンジ!! 社会の矛盾は許さない
中央執行委員  川名 健さん

 期待に胸弾ませ社会人としての第一歩をしるした職場には、元支部長や組合役員経験者が・・・そんなあたたかい環境のなかで育った川名君。青年部活動を皮切りに現在は、支部書記長として運動の要を担っています。 高校時代の恩師から社会の矛盾や変革について熱っぽい講義を受けたこと。その影響もあってか面接試験では好きな政党を誇らしげに述べたこと。こんなことを聞くと、面接官も粋なはからいをしたもんだと思うのは考え過ぎでしょうか。
 労働学校で自分も学ぶと共に仲間達にも輪を広げ、労金の仲間だった“マブちゃん”とは、スタッフとしての苦労と愛の苦労が実り、二人三脚の家庭生活。
 神奈川県支部の全厚生単独加盟を機に本部からの要請もあり、中央執行委員のゲタも履くことになりました。
 大阪や大分の加盟など、全厚生の発展とともに、神奈川だけでなく全国的な運動も視野に入れて活動して欲しいと思います。
 全国一厳しい定員事情の中で、職場の目線で、また、相手の立場にも配慮しながら、新たな飛躍を期待したいと思います。全国の皆さんよろしくお願いします。
(全厚生副委員長 飯塚勇)


怒りと寒さで体が震えた
雨の11・17中央行動参加者の声
やっぱり労組は闘わないとね!  大分県支部 伊賀ひとみ(47)
 今の国会はおかしい。議員の身分を守る法案は与党の数の力でゴリ押しし、すぐ成立させるのに国民のためになるものはどんどん先送り。おかげで行政の現場は大忙しなのに、人も賃金もカットとは……。やっぱり労働組合は闘わないとね!
怒りのこぶしで雨も弱まる  愛媛県支部 芝 修
 冷たい雨の降る中での中央行動。国会前デモ・総務庁前での行動で一層強くなった雨も、「定員削減」「一時金カット」等に対する怒りのシュプレヒコールで徐々に弱まっていった。そう思わせる程のパワーが確かにあった。でも、みんなが一番声を大にして言いたかったのは、「寒い!!」だったのでは…。
政治にたれこめた雲吹き飛ばせ  香川県支部 香川博(31)
 雨がしとしとふっていた。まるで現在の日本のようだ。いつ雨が上がり、みんなが笑顔で会える日が来るのだろうかと思いつつ、総務庁・大蔵省を取り囲んでいた。こいつらが変わらんと日本が晴れない。嵐を起こし、たれこめた雲を吹き飛ばすように、がんばろう。
森内閣に最後のとどめを  大阪支部 川畑周市(52)
 「やめよ!!」の国民世論に追いつめられた自公保と森内閣・最後のとどめをさすのにふさわしい行動になったと確信します。
若者がたくさんいて心強い  大阪支部 阿南正直(44)
 賃金カット、福祉カットに怒りを込め、国公労連・自治労連・福祉保育労組それぞれがそれぞれの省庁前で抗議集会。
 デモ集会は、雨で足の先まで冷えてしまいました。若者もたくさんいて心強い思いです。
今以上の奮闘を決意  滋賀県支部 饗庭隆(28)
 雨の中、参加させていただきましたが、同じ想いを抱いている人が、こんなにも多くいるのかと勇気づけられ、より一層の団結を感じました。
 今の社会保障を取り巻く情勢は自分の職場だけでなく、どこもひどい状況で、今以上の奮闘を決意しました。
私達は必死に生きているのに  愛知県支部 堀田きみ子(51)
 不況にあえぎながらも私たちは必死に生きているのに、民主主義を踏みにじってどんどん悪法を強行し、私たちの現在の生活も未来への展望も奪い取ってしまう。そんな人たちが今日本の国の指導者として存在しているなんて絶対に許せません。
厳しい情勢を身をもって体験  秋田県支部 戸沢吉徳(23)
 組合員となって初めての中央行動でしたが、雨の寒い中、皆さんとデモ行進などをして、身をもって現在の厳しい情勢を体験することができました。厳しい情勢を少しでも良くできるようにこれからの組合員活動に力を入れていきたいです。



交流集会

日時 12月9日(土)pm1時 〜11日(月)正午
会場 ナビオス横浜 (みなと未来21ワールドポーターズ前)


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