◆第1471号(2000年9月5日付)◆
憲法がいきる行政の確立を

国公労連第46回定期大会開く

 国公労連第46回定期大会が8月28日から3日間、都内で開催され、2000年度運動方針が満場一致で採択されました。
 代議員として参加した杉浦書記長に大会の内容について聞きました。

国民の中へ国民とともに新たな前進を

 大会で決定した方針の基本はズバリなんですか。
 今回の大会は、20世紀と21世紀をつなぐ1年間、歴史の節目の出発点で、国公労働運動の基本方向を決めました。その方向は、メインスローガン、「憲法がいきる行政・司法の確立へ いま、国民の中へ、国民とともに」に集約されています。  国公労連の藤田委員長は、冒頭あいさつで「4年前、行政改革に反対する者は非国民といわんばかりの風潮が支配的な中で、全国の仲間たちは、足のすくむような思いの中で地域に足をふみだし、ねばり強く世論に訴えてきた」と述べ、その結果、「決して劇的な変化などとはいえませんが、無視できない世論の変化がはじまっている」と指摘しました。その中身は、いろいろありますが、私たちが行政の現場から真実を伝えることで、本当の意味での行政改革とは何かについて考える国民がふえていることだと思います。この点を確信にして、新たな前進をめざすことを決意しあいました。

職場から行政点検・公開の取り組みを

 行革闘争の具体的な方針は、どんな内容ですか。
 年が明ければ1府12省庁体制や独立行政法人化がスタートします。行革闘争は、新しい段階に入ります。  その点で、国民と対話し、共同をつくる運動を職場を基礎に本格的に取り組むことが提起されました。具体的には、職場からの「行政点検・公開」の取り組みを重視すること、地域での行政相談活動や、様々な団体と懇談する取り組みをさらに強めることを確認しました。
 「行政点検・公開」という点では、行政研究活動の一環として、「行政レポート」の作成を各職場から追求することにしました。さらに、今年12月に、「どうなる新省庁体制〜今後の行政を考えるシンポジウム」(仮称)を開催することを決めました。各単組、地域でも、それぞれの行政課題や地域の要求課題を前面にした「シンポジウム」を今後、具体化していく方針を確立しました。
 国民との対話という点では、相手の話もじっくり聞く、一方通行でない「双方向」の取り組みとなるよう意思統一をしました。この点では、行革・団体署名の取り組みの経験を生かし、さらに前進させていくことが重要です。

国民のための厚生行政と労働条件改善の課題を統一して

 労働条件や生活改善のたたかいでは、どんな点が強調されましたか。
 各省当局は「10年間・10%」の定員削減計画に従って、その具体化をすすめてきます。行政サービス切り捨て、行政の「減量化」に反対し、行政需要の増大に対応した要員確保のたたかいに力を入れることを決めました。特に職場の労働条件の低下を許さないたたかいとも、しっかり結合させていくことを意思統一しました。
 生活改善のたたかいでは、今年の人事院勧告が2年連続の年収マイナスを勧告したことが議論になりました。
 人勧制度は、労働基本権制約の「代償措置」です。この制度は、労働条件を決定する際、労使対等で決定すべき基本原則の否定の上になりたっています。だとするなら、労働条件の一方的改悪の権限まで委任していないこと、あくまで、公務員の福祉、利益を保護するための機能として作用すべきなのです。こうした立場から、今年の人勧が過去最悪ともいえる内容であり、人勧がもつ賃金抑制機能の本質をさらけだしたことなどを掘り下げました。
 公務員の賃金は、国民の理解と納得が前提にすわらなくてはなりません。 私たち公務員労働者が真に国民本位の行政の実現に努力している姿がみえてこそ、信頼を獲得することができます。
 全厚生で言えば、国民のための厚生行政をめざす立場と労働条件を改善させる課題とを統一させてたたかう視点が重要であるということです。

リレーずいそう
メソポタミア文明展

 今、東京と横浜で開催中の四大文明展の一つ「メソポタミア文明展」に行きました。一番目玉の展示物であるハンムラビ法典は部屋の中央に無造作に展示され、手で触れることも可能なくらいでした。ルーブル博物館の展示室が改装中のため初めて館外に貸し出されたとか。直径約60センチ、高さ22メートル余りの円筒形の石の周囲にびっしりと楔形文字が刻み込まれています。法典は約3800年前に制定され、玄武岩に緻密に刻まれたものですから、その時代の文化と技術の高さに驚きを感じました。旧約聖書に「目には目を」と記された一節が有名ですが、282条の法典は現代社会にも通ずる人間の営みを反映しており、人間のしていること、考えることの本質は3800年の長い年月を経ても何ら変わっていないことを思い知らされました。
 その他の展示物では、土器に描かれた鳥、犬、羊などの意匠の斬新さ、なぜか古代にも卍模様があるのが不思議です。また、花押のように個性的な自分のしるしとして取引などに使用されていたという円筒印章の精巧な彫り、小さな粘土板に押されて浮き出た印章の細かな絵模様はそれぞれかわいらしく、見飽きませんでした。
 貴重な展示物を間近に見て遠い古代が非常に身近なものに感じられました。世田谷美術館は衛研の近くにあります。宣伝するわけではありませんが、皆さんも是非ご覧下さい。

(衛研支部 佐々木久美子支部長)


各支部分会の機関紙から
◆人事院勧告に一言
 ▽減額された分の仕事はやらないことにする。▽これ以上給料が減らされると、ローンが払えません!▽フザケルナ!!役所に入って何年目。昇級等もありました。けれど、最近の勧告のせいで年収は一年目とほぼ一緒。すごい不愉快です。こんな給料じゃーとても結婚なんて考えられません。・・・なんて同じ様なことを考えている人も多いのではないでしょうか。ってことは子供が生まれないためにますます少子化が・・・。って、他にも色々ありますけど、今の世の中には不満足ですね!!ちなみにカットした分のお金はどの様に使われるのでしょうか?(本省支部社会援護分会「日刊SHAEN」8月17日付号より)
◆お茶くみについて
 皆さんは、事務所でのお茶くみについて、どのような意見を持っていますか?現在お茶くみが続いている所は、宇和島事務所と松山西事務所の1Fです。4月の異動で事務所でのお茶の対応が違い、戸惑った方もいると思います。今まで、宇和島ではお茶くみについての問題意識がなかったような気がしますが、一度考えてみてはどうでしょうか。(愛媛県支部宇和島分会「よあけ」7月31日付号より)
◆原水爆禁止世界大会団結式
 核兵器廃絶を求めて行われる「原水爆禁止2000年世界大会」に今年も支部として代表2名を送ることになり、その団結式が8月2日にレセセンター資料室にて行われました。各分会から16名が参加し、折り鶴とカンパがそれぞれ持ち寄られ、成功させることができました。団結式には「神奈川県原爆被災者の会」の中村さん、杉岡さん、佐藤さんを招いて、被爆体験と青年へのメッセージを語っていただきました。被爆者の平均年齢が70歳になり健康を害している方も多い中「私たち比較的健康で恵まれています。当時13歳から15歳で被爆し、当時の記憶を覚えていて語り継げるのは私たちまででしょう。被爆体験を語るのはとても辛いことですが、『戦争の悲惨さや原爆の恐ろしさを知らせられるのは私たち』と思いこうしてがんばっています。」と被爆者の現状や活動について語られました。(神奈川県支部「週刊保険」8月8日付号より)
◆青年部定期大会
 7月15日、秋田市桂浜海水浴場海の家「そよかぜ」にて、第25回支部青年部定期大会が開催されました。39人という多数の組合員の参加があり、斉藤博貴議長進行の下、たくさんの意見を話し合い、活発な討論が行われました。当日は、晴天で定期大会終了後も各分会ごとでバーベキューを楽しんだり、夏のひとときを満喫しました。(秋田県支部青年部「とらい」7月26日付号より)


核兵器のない世界へたたかいつづける
   原水爆禁止2000年世界大会に参加して 中央執行副委員長 加藤重徳

世界に広がる核兵器廃絶の声  日本とアメリカの核密約を批判

 広島・長崎の惨禍を原点とした原水爆禁止運動、「ヒロシマ・ナガサキからのアピール」署名などの長年にわたる取り組みは、核兵器廃絶を世界の声とし、核兵器固執勢力を追いつめる新しい変化を生み出す力になっていることはまちがいありません。
 こうした世界の反核世論が、核保有国を包囲しはじめています。今年の4月から5月にかけて開かれた核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議では、「核兵器の完全廃絶を達成するという核兵器国の明確な約束」をうたった最終文書に、すべての核保有国もふくめ一致して賛成したのです。
 核保有国側は核兵器廃絶を「究極の課題」と主張してきました。しかし、核兵器廃絶への「明確な約束」は、核保有の正当化や「究極廃絶論」が成り立たなくなったことを示しています。
 国際会議・大会に参加した国連NGO軍縮委員会会長のバーノン・C・ニコルズさんは「核兵器保有国が核兵器廃絶をはっきりと約束した。私たちは、核兵器保有国でない自国の政府にも、核兵器保有国に同じような圧力をかけるよう求めていかなければならない。核兵器廃絶、核実験や核兵器開発の禁止、核兵器先制使用の放棄などの目標にむけて活動しよう」とよびかけました。
 そうした反核世論の盛り上がりにもかかわらず、いまなお核保有国は3万発以上の核兵器を持ち、地球と人類に重大な脅威をあたえています。とりわけアメリカは、核兵器先制使用の政策をとりつづけ、危険な全米ミサイル防衛(NMD)や戦域ミサイル防衛(TMD)などの計画をすすめ、核戦力のいっそうの強化をはかっています。
 また、世界の圧倒的多数の国が核兵器廃絶に努力しているなかで、被爆国の日本政府は、アメリカのお先棒を担いで「究極的核廃絶論」を主張してきましたが、これはもはや国際社会では通用しなくなりました。しかも政府は40年にわたり国民をだまして核兵器持ちこみを許してきたのです。非核三原則を国是にかかげながら、アメリカとの間で核密約を交わしてきたのです。
 核兵器廃絶の強力なイニシアチブが求められている被爆国・日本の政府のとるべき政策ではありません。「被爆国・日本の外交を核兵器廃絶の方向に転換させることは、世界の人びとにたいする日本国民の責務です」(6日閉会総会で採択された広島からのよびかけ)。

松谷原爆症認定訴訟に勝利  原爆被害への国家賠償を

 さらに、大会前に大きなニュースがもたらされました。7月18日、最高裁は「原爆症認定」をめぐって国を相手にたたかってきた長崎の松谷英子さんの完全勝利の審判を下したのです。長崎原爆松谷訴訟の全面勝訴は、日本政府の冷酷な被爆者行政の見直しを迫るものとなるにちがいありません。
 松谷さんは、「ほんとうにうれしいです。原爆病認定を認めさせるまでに実に23年間もかかりました。地裁、高裁、最高裁と12年間の歳月が経過しました。しかしたたかいは終わったわけではありません。地球上から核兵器がなくなるまで微力ながらがんばります」と、閉会総会であいさつ。
 これほどまでに晴々とした松谷さんを私はみたことがない。たたかいつづけてきた確信と、勝訴の喜び。そこには天空を眺めるがごとく清らかに澄み切った松谷さんがありました。
 2日の国際会議で田中熙巳さん(日本原水爆被害者団体協議会事務局長)は、国・厚生省の被爆者対策を批判したうえで、こう発言しました。
 「日本の被爆者は原爆被害への国家補償を求めながら、同時に『ふたたび同じ苦しみを誰にも味合わせてはならない』と願い核兵器の即時廃絶を求めてきました。被爆者は多くの人々に原爆被害の実相を知ってもらうことこそが、核兵器廃絶への人々の力を引き出すことになるのだと信じている。20世紀が生んだ人類最大の汚点というべき核兵器の開発と使用。人類との共存を認めるわけにはゆかないという核兵器廃絶の願いは実現されないまま、21世紀をむかえようとしている。被爆者は絶望していません。絶望することは人類の破滅につながることをあの日の広島と長崎が私たちに教えているからです」。

沖縄に米軍基地はいらない
   上里和美さんを招いて平和を考える学習会開く 京 都
 7月28日、全厚生京都支部では、沖縄の米軍基地問題で活動されている上里和美さんを招いて、支部平和学習会を開催しました。学習会は、全厚生女性交流集会in京都で結成された「上がる下がるの合唱団」が平和の歌や、沖縄の歌を会場の仲間とともに合唱しオープニングを盛り上げました。チャイナドレスに星条旗を腰に巻いてランドセル姿で登場した上里さんは、ランドセルは天皇の象徴で、アメリカ軍に支配されている沖縄を表現したとのことでした。上里さんの講演では、7月に開催された沖縄サミットでの沖縄の状況やその中で開かれた米軍嘉手納基地包囲行動の報告があり、この行動に沖縄サミット取材にきている外国のマスコミや米軍の若い海兵隊員もが一緒に参加したことなどが報告されました。普天間基地の移転問題で名護市のヘノコの住民が自然と海、そして沖縄を守るために受け入れ反対に立ち上がっていることが紹介され、沖縄の現状を詳しく知ることができました。最後に、原水禁世界大会に参加する支部代表団の決意を述べて学習会を終了しました。
(中本邦彦書記長)  

若さと行動力で前進を
   支部が定期大会開く  秋田県
 7月28日、秋田市の青少年会館において支部定期大会が開かれ、本部、県国公、全医労からあいさつをいただき、とりわけ本部の加藤中央執行副委員長には「この国のかたち」ということで、熱弁をふるっていただきました。
 大会では、各職場から8級問題、業務の見直しや宿舎問題に対する意見や好評だった中高年学習会の充実を求める声が届けられ、国公労働者を取り巻く情勢が厳しい中、21世紀に向けた支部運動方針を確認しあいました。
 新役員は次のとおりです。

支部長 小畑  浩
副支部長 佐藤 一浩
高橋 直彦
     
仙葉 拓史
石塚 繁之
書記長 伊藤 俊治
書記次長 菅原 裕宏
     


日 時  2000年12月9日(土)13:00〜11日(月)12:00
会 場  ナビオス横浜(みなと未来21ワールドポーターズ前)
青年のみなさ〜ん、予定にいれておいて下さいね

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