◆第1465号(2000年6月25日付)◆
夜間特殊業務手当など改善を
   人事院と調整額・諸手当で交渉
 全厚生は6月15日、人事院と調整額・諸手当に関する要求で交渉しました。
 交渉には、全厚生から杉下委員長ら本部役員7人が出席、人事院は、給与局3課の山田課長補佐が対応しました。
 冒頭、杉下委員長は「調整額・諸手当等に関する要求書」を山田課長補佐に手渡した上で、「要求の内容は一貫している。これは、職場に立脚した要求として重視しているからである。真摯に受けとめ、道を開くための決断をしてほしい」と述べ、誠意ある回答を求めました。
 要求事項は、社会福祉施設に勤務する全職員への調整額の適用、介護業務手当(仮称)の支給、夜間特殊業務手当を夜間介護業務手当に改め、増額すること。社会保険職場の全職員に調整額の新規適用、保険料徴収業務及び不正受給調査等の業務に従事する職員に「特別滞納処分手当(仮称)」及び「特別調査手当(仮称)」の支給。社会保険俸給表(仮称)の新設。本省庁職場での恒常的な超過勤務実態の改善。当面、超過勤務手当を全額支給すること。
 これらの要求に対し、山田課長補佐は一括して回答。調整額の適用に関する要求では、「1987年(昭和62年)に現在の枠組みになったが、その後の情勢の大きな変化はない。見直しの機会があれば、全省庁的に見直すことになる」と回答。手当要求では、他の職種、勤務との比較や均衡などから、「現行の枠組みや仕切りは変えない」と回答しました。夜間特殊業務手当については、増額の必要があれば、人事院も努力したいと述べました。社会保険俸給表の新設については、「従来からの要求ですが、行(一)の範ちゅうで措置できていないという評価はしていない」と回答しました。

薬剤師の調整額適用を迫る

 今回の交渉では、職場実態を示し、要求の正当性を強く訴えました。
 鈴木副委員長は、福祉施設は専門職、事務、調理などあらゆる職種が入所者と関わり、まさに一体で仕事をしていることを説明。調整額の適用拡大を強く要求。さらに、視覚障害の患者さんに対する薬剤師の業務を具体的に紹介。薬袋に処方箋を点字で記すなど、きめ細かい配慮や工夫が常になされていることを指摘。複雑かつ困難な職務であることを評価し、要求の実現を迫りました。続いて加藤副委員長は、夜間特殊業務手当について、出発点では看護婦と同額だったことや、福祉職俸給表の適用で婦長、介護員長が同格と位置づけられたことを指摘。改善を訴えました。さらに重度施設の運転手の業務を紹介。調整額の適用を要求しました。
 飯塚副委員長は、「特別滞納処分手当(仮称)」及び「特別調査手当(仮称)」をつける要求に対し、実際の業務体験を紹介。深刻な不況が続く中で、保険料を滞納する事業所が増加。危険に身を置く困難な業務であることを説明。国税庁との体制の比較なども根拠にして困難が伴う職務であることを指摘。要求実現を迫りました。
 また、市川中央執行委員(本省支部書記長)は、霞国公とタイアップして行った残業実態アンケート結果から、残業が月に100時間以上と回答した人が3割にも達していること。超過勤務手当の支給率を見ると、4割以下の人が半数を超えていることを指摘。放置できない事態の改善を強く訴えました。
これに対し、山田課長補佐は、「福祉施設も実際に調査したり、施設を見て精一杯把握しているつもり。状況の変化があれば、おろそかにしない」と回答。社会保険の要求に対して、「業務が難しくなっていることは承知している」と述べる一方、「措置するまでの特殊性はないと考える」と回答。さらに、組織が変わり、「どう変化していくかを見たい」と述べました。
 本省職場の残業改善では「実効があがるように、要望の趣旨を担当者に伝えたい」と述べました。

リレーずいそう
● 横田基地の爆音
 暑い夏がやってきた。朝夕はあちこちの窓を開け放っておけば、自然の風も心地よい。が、我が家周辺はそうはいかない特別な事情がある。米軍横田基地の爆音直下にあるのだ。輸送機や戦闘機が離発着する際は、テレビも電話も家族の会話も聞こえない。体調が悪いときなど心臓がバコバコするほど耐えられない。だから、横田基地周辺のほとんどの家が、防衛施設庁による防音工事を行っている。
 先日、私たちが住んでいる賃貸コーポも防音工事の対象になったとかで、測量の方が来た。窓を閉めても爆音は容赦なく入ってくるので、防音工事はありがたい。窓は二重サッシに、換気扇とクーラーを取り付け、天井も二重にして防音する。もちろん自己負担はいっさい無し。この秋に、住んだ状態で一カ月かけて工事をするという。
 防音はうれしいが一部屋ずつ順番に引っ越しをするというのもなんだか気が重い。そこで、はたと考えた。そもそも米軍基地がなかったならば、こんな工事はしなくて済むのに……。もう、まったく迷惑な話だ。だいたいこの工事費、私たちの血税でまかなわれるというのだから腹も立つ。米軍基地に対する防音工事をなぜ日本政府が負担するのか。「うるさくてごめんね」とアメリカが払えばいいじゃない。税金の無駄遣いもいいところ。これが掲載される頃には総選挙の結果も出ているが、米軍基地を無くす方向で日本を動かしていきたいと心から思う。

(近藤浩美)


News
● 一斉定時退庁行動へ協力を −人事課・社会保険庁へ要請−
 6月16日、全厚生本部は本省・統計両支部とともに、人事課に対して、東京国公・霞国公が行う「6月21日霞ヶ関一斉定時退庁行動」へ協力するよう要請しました。要請には、本部の杉下委員長、加藤副委員長、杉浦書記長、山本書記次長と、本省の田口支部長、統計の菅沼支部長が出席。人事課は、松浪人事調査官と中山課長補佐が対応しました。
 人事課へは、(1)全職員が一斉定時退庁できるよう各課室へ周知徹底すること(2)当日、業務上やむを得ず超過勤務をしなければならない不測の事態が生じた職員に対して、超過勤務命令を出すこと(3)当日の超過勤務者を把握すること、の3点を要請。人事課は、協力を約束しました。
 また、同日、全厚生本部と本省支部・市川書記長は、社会保険庁に対し、同様の要請を行い、社会保険庁も協力の約束をしました。(次号に21日の一斉定時退庁行動の詳細記事を掲載します。)
● 2000年人勧期要求を提出 −国公労連が人事院に−
 国公労連は6月20日、人事院に対し2000年人勧期要求書を提出。中橋職員局長、尾木管理局長、大村給与局長と交渉し、要求討議の経過を踏まえながら人勧に向けた重点課題について主張しました。この交渉には藤田委員長を責任者に、遠山副委員長、福田書記長、小田川書記次長以下8名が参加。交渉では、近年のルールがないとまでいわれる民間の労働条件への単純な準拠には問題意識があるとして、公務部門の果たすべき役割や民間への積極的な影響力を踏まえた勧告作業をすすめるよう求めました。
 国公労連は、7月3日から5日までを全国一斉定時退庁行動日として取り組む他、7月5日は、調整手当問題の最終局面の行動として2000年夏季闘争最初の中央行動(第一次)を行います。

賃金職員の雇い止めは許さない
   社会保険業務センターで国公労連調査団行動

雇い止めに正当性無し 支部職場集会で調査団が激励

 社会保険業務センターの賃金職員雇い止め問題で、6月14日、国公労連・全厚生・全医労・全労働は、業務センターの実態調査や当局への要請などの調査団行動を実施しました。
 調査団は国公労連、全厚生、全医労、全労働で構成。全厚生からは杉浦書記長、山本書記次長、国公労連から萱森組織部長、服部中執、全医労から渡辺副委員長、東山・細谷両中執、全労働から宮川中執が参加しました。
 調査団は、昼休みに60人が参加して開かれた業務センター支部の職場集会に出席しました。
 集会では、全厚生本部を代表して杉下委員長が「賃金職員の雇用ルールをあいまいにしたまま、一方的な雇い止めは許すことはできない。3月の提案を白紙に戻し、納得のいく話し合いを持つよう業務センター当局に求めよう」とあいさつ。
 国公労連の萱森組織部長は、国で働く定員外職員は23万人、その中で常勤的な仕事をしている人は7万人いることを紹介。9次の定員削減で政府は、国家公務員を20年で5万人減らし、さらに今後10年間で13万7千人も減らそうとしている。仕事は増えており、身分の不安定な定員外の職員を増やして乗り切ろうといている。定員外職員の問題は、国家公務員全体の問題であり、国公労連はみなさんとともにたたかうと激励。
 全医労の渡辺副委員長は、業務センター当局が昭和36年の閣議決定を雇い止めの理由に持ち出していることについて「あの閣議決定は、恒常的仕事をしている非常勤職員12万人を定員化した時の取り決めであって、すでに効力を失っている」と述べ、全医労の賃金職員問題ではILOが日本政府に是正を勧告していると、そのたたかいを紹介。
 全労働の宮川中執は、「雇い止めは、通常の解雇の手続きと同じで、民間では、経営が傾いているなどの4つの理由がなければ、解雇できないことになっている。不安定雇用労働者が増えるのは社会全体にとってもマイナスであり、労働行政としても無視できない問題だ」と述べ、激励。
 参加した組合員からは、採用時には期限などをいっさい示さず、急にあと5カ月でやめろというのは納得できない、などの発言がありました。また、「賃金職員の雇い止め白紙撤回を求める署名」が職場内で535人、職場外で219人分集まっていることも紹介されました。
 これを受けて、調査団は、宮澤副所長へ要請しました。

前提とせず協議する 調査団の要請に副所長が回答

 要請には、全厚生杉浦書記長・山本書記次長はじめ、国公労連・全医労の代表、業務センター支部から、根津支部長・峰書記長が出席。杉浦書記長が「一方的な雇い止めと言わざるを得ない、白紙に戻し、前向きな検討を」と切り出し、国公労連の萱森組織部長は「賃金職員の雇用ルールがはっきりしていないのが問題であり、ルールを見直すというのであれば、それ以前の人たちへの経過措置をどうするかという問題。最初に3月の提案ありきではなく、いったん取り下げ、基本から協議するのが筋。労使双方で自主解決に向けて努力してほしい」。全医労の渡辺副委員長は、36年の閣議決定問題を解き明かし、「閣議決定のつまみ食いは許されない。賃金職員を半年ごとにすべて新しく入れ替えるとなったら、仕事が滞り、困るのは当局」と3月の通告の取り下げを申し入れました。
 調査団とのやりとりの中で宮澤副所長から「労働組合は白紙撤回しろと要求し、我々はそれはできないと言っているが、これでは解決できない。こういうやりとりを前提とせず協議したい」と事実上、3月時点での話を棚上げにする回答を引き出しました。また、賃金職員の雇用については「新たなルールを作る必要があると思う」と回答しました。
 全厚生は、引き続き、センター当局と支部との話し合いで解決していくことを基本にしつつ、必要に応じて、さらに支援の輪を広げる構えで、この問題にとりくんでいくことにしています。
 緊急の取り組みとして当面、「賃金職員の雇い止め白紙撤回を求める署名」を全支部で取り組むことにし、支援の輪を広げ、たたかう決意です。職場の仲間のご協力をお願いします。

社会保険業務センター賃金職員雇い止め問題

 社会保険業務センターは、常勤職員600人に対して、100人を超える日々雇用の賃金職員が働き、多様な恒常的業務を常勤職員と一体となって行っている。3月上旬、当局は、15年以上勤務の賃金職員は今年の8月末で、10年以上勤務の賃金職員は来年の3月末で、雇い止めをするとの一方的な雇い止め通告を行った。全厚生業務センター支部は、雇い止めの白紙撤回を要求するとともに、賃金職員へ全厚生加入を呼びかけ、42人を迎え入れた。支部では、職場集会や署名、当局交渉を重ね、粘り強くたたかっている。

女性部母性保護アンケートの結果(1)
   生理休暇取得率わずか6・8%
 全厚生女性部は昨年10、11、12月の生理休暇取得を調査しました。アンケート回収は680人分で、昨年12月の取得率はわずか6・8%でした。(図1)取得しなかった主な理由は図2のとおりで、必要はあったが取らなかった人が43・4%にのぼります。その理由の内訳は図3のとおりです。
 生理休暇が取りやすい職場環境への改善が求められています。

7月29日(土)
12:00〜16:30


記念講演
黒柳徹子さん
女優・ユニセフ親善大使
「私の会った世界の子どもたち」
有明コロシアム
7月30日(日)
10:00〜15:30


分科会
明治大学・カルザスホール他

参加費
 1日につき2,500円

参加費補助

全厚生女性部から各支部2人まで、参加費のみ補助。
主催 第46回日本母親大会実行委員会
○詳しくは支部女性部または本部女性部にお問い合わせ下さい。

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