◆第1464号(2000年6月15日付)◆
2000年夏季闘争 調整額の適用拡大を
   国立施設管理室長と交渉
 全厚生は、6月4日に厚社運(全厚生社会福祉支部連絡協議会)支部代表者会議を、翌五日に国立施設管理室長交渉を実施しました。交渉には支部代表十人と本部七人が参加しました。
 会議では杉下委員長の挨拶の後、翌日の交渉準備、支部の現状報告を出し合い、本部から情勢報告、行動提起を受け意思統一をしました。
 翌日の管理室交渉では組合側の自己紹介後、6月1日付で新管理室長に着任した佐藤孝一氏が新任挨拶・基本的姿勢を表明し、杉下委員長から冒頭に要求の基本的姿勢を述べ交渉に入りました。主な結果は次のとおり。 平成13年度概算要求については、入所者の社会復帰の促進、処遇の向上をはかるため働きやすい環境を整えるために努力する。視力センターの体育教官増員要求は、必要性を理解したと回答。重度センター要求には、必要性は理解するが困難。伊東から、10年間変わらず、所長交代時の申し送りが不十分と指摘。リハセンターの国際協力、情報部門は前向きに対処して来ていると回答。秩父学園は調理師増員、外来療育、外来診療の新規業務と他業務とのバランスを配慮することを要求。さらに、調整手当改悪反対、調整額の適用拡大を要求。管理室側は、赴任旅費、単身赴任手当は人事院に改善要望するが、旅費制度論は厳しいと回答しました。
 宿日直制度に関する要求については、4月21日に三枝前管理室長・有馬補佐と鈴木・加藤・今井の本部役員で話し合った結果に沿って@宿舎における入所者の管理・指導は指導課の専任業務であり、宿日直勤務はその協力業務体制であるA更生援護施設は入療が原則となっており365日施設である。訓練が休みでも帰省先に困る者まで帰省させるわけにはいかない、と確認しました。
 昇格についてはリハから、厚生省の訓令に基づき実施してほしい。福祉職では4、5級が足りないのではないかと指摘。神戸から、調理師行二の2級昇格を要求。福祉職では伊東から主任介護員と副看護婦長の格付けについて均衡を図るよう要求。人事、人事異動については再確認し、調理師研修会は平成13年3月に栄養士と共に開催予定。母性保護等については各センターで配慮するように指示したと回答しました。

2000年夏季闘争 マイナス勧告許さない
   課題と行動について杉浦書記長に聞く
 2000年夏季闘争はいよいよ本番。人事院勧告にむけた賃金引き上げや定員削減計画反対のたたかいについて、杉浦書記長に聞きました。

◆ 平均5千円の賃上げを

 全厚生は、統一賃金要求として「賃金水準を平均5、000円引き上げること。賃金配分もふくめて、賃金の抑制、切り下げは断じて行わないこと」をかかげ、「政府による一方的な賃下げ勧告の実施決定」を許さないため、多様な大衆行動を中心に、地域、職場、中央段階の行動の有機的な展開をはかります。具体的には次のとおりです。

◆ 署名と連判状で訴える

 今年の人勧にむけて、人事院総裁宛の「公務員賃金の抑制反対、改善を求める署名」に取り組みます。
 また、98年に成立した「行革基本法」に盛り込まれた「10年間10%」とする新たな定員削減計画に反対するたたかいは、8月の概算要求にむけて、政府・各省当局における策定がすすむことから、この夏季闘争が重要な段階をむかえることになります。全厚生は組合員の直筆の署名が入った職場連判状を、直接、総務庁長官に送付する職場連判状行動に取り組みます。

◆ 総選挙で政治の風を

 6月2日に衆議院が解散し、6月13日公示、25日投票で総選挙がおこなわれます。今回の総選挙は、21世紀の日本の進路や労働者・国民の暮らしや雇用を守るために、私たち全厚生にとっては、国民のための厚生行政を実現させるための絶好の機会です。組合員とその家族の一人ひとりが、主権者として確かな審判を下すよう、職場でも地域でも家庭でも、政治の風を吹かすための宣伝や学習を強めます。
 機関紙やチラシなどを活用して職場での対話をすすめ、総選挙に無関心の組合員をなくします。

◆ 中央行動等でたたかう

 支部での所属長交渉を追求し、統一賃金要求の実現と定員削減計画の策定反対、必要な要員確保のための上申を全支部でめざします。
 7月3日の週(3〜7日)に国公労連第2波全国統一行動として「定時退庁行動」を実施。7月3日から5日までの3日間を統一行動期間とし、5日を全国一斉の「定時退庁行動日」に位置づけ取り組みます。
 7月5日の国公労連第1次中央行動に取り組みます。調整手当問題では、最終局面でのたたかいです。全厚生は、在京および近県支部、調整手当の切り下げ該当支部を中心に参加します。
 7月28日の国公労連第2次中央行動を、勧告にむけた最終局面での最大規模のたたかいとして公務労組連絡会に結集して取り組みます。全厚生は、上京団行動とします。
 7月31〜8月4日の1週間、人事院勧告期の国公労連の最終交渉にむけた人事院前座り込み行動に参加します。
 また、勧告をめぐる状況の推移によっては、さらに行動を強化します。当面、勧告翌日に全国一斉職場集会の開催準備をすすめます。

リレーずいそう
● 防波堤で仲間と
 夜も明けきらない、まさに「夜明け前」の薄暗がりの中、家族を起こすまいと静かに冷凍庫から氷を取り出し、クーラーボックスの中へ、顔を洗っていざ出陣。まずは、コンビニで人間様の餌を仕入れて釣具屋へ。可愛い「虫餌」を買い求め、高松港へ急行。いつもの仲間は、今日も出船ぎりぎりにやってくる。渡船の中で、どこに渡してもらうか相談するが、いつも場所は大体きまっている。Fさんはいつもまんなかあたりに陣取っている。Y君は白灯台のあたり、私とUさんは、通称「小屋」と勝手に呼んでいるところで降りる。360度、海に囲まれたこの場所は、私たちのホームグラウンド。高松港の沖に浮かぶ(本当は浮かんでないけど)防波堤「一文字」。
 ここのファンは結構いて、日曜日には、渡船が3回、4回と往復する。私の狙いは平べったい魚、「鰈(かれい)」である。シーズンは晩秋から梅雨入り前までである。ここは、潮の流れが速くて、潮止りが鰈の時合いである。遠中近と投げわけ、短い時合いの中でいかに釣るかが、腕のみせどころだ。今シーズン後半は、刺身に煮付け・から揚げと食卓をにぎわしてくれた。いつも自らすすんで波止の中央に陣取るFさんいわく、「ええ場所を譲ってやっとんや」と負け惜しみを言っていた。
 日常の忙しさから開放されて過ごす至福のとき。仲間とのこんな時間も大切にしたい。

(香川県支部 森芳清支部長)


News
● 参議院で28議員が紹介議員に −25%定員削減反対請願署名−

 全厚生がこの間取り組んできた「25%定員削減反対団体請願署名」は、国公労連全体で12,000を越え、4月25日の参院総務委員への要請に引き続き、5月24日の中央行動で、残る衆参両院全議員への要請が行われました。衆議院解散・総選挙となった関係で、請願紹介を約束した衆議院議員については、秋に予定される臨時国会での提出になりました。
 一方、参議院議員については、6月1日付までの参議院公報を当たった結果、28議員からの請願紹介が受理されています。請願紹介を約束している議員はさらに増えており、受理される署名も増える見通しです。
 全厚生の各支部からも引き続き、署名が集約されてきており、6月12日現在、406団体となっています。

もっともっと 主張して自分らしく輝きたいね
   第30回国公女性交流集会in山形に参加して
 戦争の世紀から変えよう平和な世界へ=2000年いま 自分らしく輝くとき=をテーマに、「第30回国公女性交流集会」が6月2〜3日、山形県・天童温泉で開催されました。全体で632人が参加し、全厚生は11支部24人が参加しました。
 記念講演は、雑誌・新聞・テレビなどで活躍されている人材育成コンサルタントの辛淑玉さん。「結婚20年の妻が夫に求めるもの同率トップの2つとは?」「夫の平均1日家事時間、専業主婦の夫は26分。共働きの夫は何分?」など、会場にマイクを向けながら、男社会における差別・セクハラ・暴力など矛盾の数々を具体的事例を示しながら、すぱっと断罪。なぜこういう矛盾が起こるのかということを分かりやすく解説しました。幼い頃から「強くあれ」と育てられた男性は変化の時代にはもろくキレやすい。女性が生かされる社会こそ発展方向。そのためにも、女性ははっきり意思表示し、男性の意識を変えていこうと呼びかけました。ボーイッシュで長身の辛さんの辛口批評に参加者はすっかり引き込まれました。最後に辛さんは、東京都知事の三国人発言にふれ「差別は戦争を生む。差別は絶対許さない」ときっぱり。
 全体会では、基調報告の他、全医労から国立湯田川病院の移譲問題、全建労の昇格闘争の報告などがあり、翌日は、9つの分科会に分かれて討論。全厚生の参加者は、2日の夜に交流会をもちました。

◆ 参加者の感想から

  じっとしているだけじゃなくNOと言える自分になりたい

 辛さんの講演が聞けてとても良かった。ただ我慢してじっとしているだけでなく、「NO」と言える自分になりたい。(秋田・20代)
 辛口の女性という風に聞いていましたが、まったく当然の権利を自分なりのセンスでもって、お話になる方だと思いました。私はまだ若く、社会人が体験するつらい経験というものがあまりありません。ですが、講演を聞いて、私たちはまだまだ主張することができる、主張すべきだというふうに思いました。(京都・10代)
 辛さんはテレビ等で何度か見たことがあったので、はじめから興味があった。予想以上に話に引きつけられ、時間が短く感じた。(香川・20代)
 基調報告の中で、「悪い法律が通ったら、私達はそれに基づいて仕事をしなければいけない。国会を変えなければ、私たちが働きがいを感じる仕事はできない」との伍女性協議長の言葉が心に残った。(東京・30代)。
 「身近な環境と食を考える〜ゆたかな地球を残すために」の分科会に参加しました。農民連の女性部の方々と県国公婦人部と交流していくと良いのではと思われ、そのきっかけをつくってくれた。改めてこの集会に参加して良かったと思った。食べる事と仕事の関係がはっきりして大変良かった。(静岡・50代)

◆ 質問の答です

 結婚20年目の妻が夫に望むもの同率トップの2つとは、「愛」と「お金」。共働きの夫の平均1日の家事労働時間は21分で、専業主婦の夫より短い。辛さんは「おしおきの5分」と分析する。あなたはこの調査の結果をどう思われますか?

平和大行進 主体的にがんばる若者に励まされて
   愛知県支部 國枝孝幸
 6月2日、平和大行進に初めて参加しました。東京からずうっと歩いて何の役に立つのだろうか。労働条件を改善するのが労働組合の目的であるが、それと平和大行進とは、どんな関係にあるのだろうか。そんな疑問をもちつつ、ただ仕事場だけでは、視野が狭いので、仕事から離れ、実際に参加して、職場以外の人と触れてみることで、何か見いだすことができるのではと思い参加しました。
 まず参加して、感じたことは、若い人が主体的に平和大行進を引っ張っていることです。募金隊・交通整理、そしてスピーカーでシュプレヒコールを先導したりと、ものすごいパワーでした。また、現役を退いた人たちも多数参加していました。中には、東京から参加している人もおり、驚きです。また、平和に関して言えば、現実の生活の中では、平和だなと感じることは少ないが、一歩引いて考えてみれば、憲法9条改正問題・新ガイドライン関連法の制定といったように、いつ平和が脅かされてもいい状況になっています。さらに、平和だから、安心して、働くことができ、生活できるんだということも、今回の参加を通じて思いました。労働条件の改善といっても、その前提として、安心して働ける・生活できるということがなければ何にもなりません。
 いろいろなことを感じた平和大行進でしたが、結構楽しかったです。ぜひ、皆さんも一度参加して、平和について考えてみてはどうでしょうか。

7月29日(土)
12:00〜16:30


記念講演
黒柳徹子さん
女優・ユニセフ親善大使
「私の会った世界の子どもたち」
有明コロシアム
7月30日(日)
10:00〜15:30


分科会
明治大学・カルザスホール他

参加費
 1日につき2,500円

参加費補助

全厚生女性部から各支部2人まで、参加費のみ補助。
主催 第46回日本母親大会実行委員会
○詳しくは支部女性部または本部女性部にお問い合わせ下さい。

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