◆第1454号(2000年2月15日付)◆

  国民の中へ 国民とともに2000年春闘動き始める
 1月21日の第41回中央委員会で、「いま、国民とともに、厚生行政の拡充を」と決意を固めあった2000年春闘の課題について、取り組みが始まっています。試験研究機関、岐阜県支部、秋田県支部を紹介します。

  組織再編は機敏に対処 試験研究機関支部代で確認
 全厚生は2月10日午後、国立健康・栄養研究所内で試験研究機関支部代表者会議を開催。2000年春闘方針の具体化について、各支部の現状を出し合いながら討議しました。会議には、感染研支部、国立衛研支部及び大阪分会、衛生院支部、人口研支部、栄研支部、ハ病研支部の6支部1分会の代表が出席。本部からは杉下委員長、杉浦書記長が出席しました。
 試験研究機関は、各機関の組織再編が進められています。また、健康・栄養研究所の独立行政法人化など、厚生科学研究のあり方をめぐり、重要な時期を迎えています。これらは、職員の労働条件、研究環境の変更につながる重大な問題です。
 あらためて、職場段階から、要求を積み上げて本部・支部が一体となって運動することを意志統一しました。

  全分会で実施 春闘期オルグで説明 岐阜県
 岐阜県支部は全厚生中央委員会終了後、1月24、25日の2日間にわたり本部加藤副委員長、杉浦書記長とともに県下7分会の春闘期オルグを開催しました。
 各分会から強い要望もあるため、オルグでは全分会を訪問できるよう早い時期から支部4役会議で議論を重ねてきました。また社会保険の組織改編など多くの問題も抱えており、少しでも早い取り組みが必要であると考え、例年よりも早い一月中の開催となりました。
 オルグ団は県庁、高山、美濃加茂分会を回るコースと岐阜南、多治見、大垣、岐阜北分会を回る2コースにわかれ、昼休みと退庁後の一時間足らずの短い時間を有意義に活用しての実施となりました。
 内容としては本部からは情勢、春闘方針等の報告を行い、支部からは支部春闘方針に基づき、岐阜県国公への結集、「国家公務員25%削減反対」の団体署名への取り組み、四月からの事務局設置に関連しての説明を行いました。
 オルグにおける今後の課題として、組合員の質問や意見を十分聞くための時間配分などを配慮する必要性を感じました。
 課題山積で忙しい中ですが、だからこそ行動することが重要と考え、この春闘をがんばっていきたいと考えています。

(国枝英樹書記長)

  顔の見える行政を団体署名に奮闘したい 秋田県
 1月21日の中央委員会で示された春闘方針に対して、秋田県支部は2月4日の執行委員会で議論しました。
 支部がこれから取り組まなければならない課題は多い。
 公務員減らしの不合理を地域住民に問う「団体署名」については、署名に弱い当県支部にとつてとても高いハードルである。しかし、これまでより問題点を明確にしていることから、かえって賛同を得やすいのではないかとも考えられる。
 誰のための行政を誰がしているのか、顔の見える血の通った行政を目指して春闘に取り組んでいきたい。

(小畑浩支部長)

  曇りのち晴れ
 暮れの12月29日から風邪で寝込んでしまいました。1月3日を過ぎても復調しません。
 症状は、咳がひどいものの発熱は微熱。特別休暇中でもあり静養にひたすら努め、毎年恒例の初詣の運転手も免除してもらいました。
 しかし、症状は一進一退で、なかなか好転しません。まさに寝正月となってしまいました。
 そうこうしているうちに「ご用始め」となり、出勤はしましたが、体調は最悪。休日は静養に努め、アルコールも控えるといった品行方正な日々を過ごさざるをえませんでした。
 2年越しの風邪という前途多難な新年の幕開けとなりましたが、「これも毎年、歳を重ねているのだから仕方がない」 と観念し、薬を切らすことなく、マスクで防御を心がけました。
 1月20日とうとう新年初めての中央執行委員会が来てしまいました。
 ここで、なんとなく風邪も治りかけてきたと感じ、他支部の旗開きへのお誘いも断り、翌日の中央委員会へ備えました。
 中央委員会当日は、大雪の影響で日程がずれ込み、大会運営に苦労をしましたが滞りなく終えられ、その後の旗開き、部門の交流、翌日の部門別会議を終えて夜は宿直とハードなスジュールを過ごした割には、風邪も治り、元気もでてきました。中央委員会に出席された皆さんにお会いすることが薬よりも効いたということでしょうか!

(鈴木徹中央執行副委員長)

  自自公の暴挙許すな 2.3緊急集会に4000人参加
 2月3日、東京・日比谷野外音楽堂で、「史上前例なき自自公の暴挙抗議・議会制民主主義を守れ!国民の願いとどく国会を!小渕・自自公政権打倒、国会は早期に解散せよ!2.3緊急集会」が開かれ、4000人が参加。(写真上)今国会の冒頭に定数削減法案を何が何でも成立させようとする自自公三党は2月2日、野党3党が欠席のまま、参議院本会議を開き、審議抜きで採決を強行。自自公の乱暴なやり方に「黙って入られない」と緊急集会に参加した人々は集会後、国会向けて、デモ行進しました。全厚生は、本省・統計・業務センター・神奈川・リハの各支部と本部から13人 が参加しました。

  年金改悪反対 全労連が国会前座り込み行動
 2月3日、自自公3党が参議院国民福祉委員会を一方的に開催し、年金改悪法案の審議入り強行に抗議し、全労連は、国会前座り込みを行い、全厚生も参加しました。(写真上)審議強行に対して共産党・民主党・社会党の野党3党は、(1)基礎年金の国庫負担2分の1への引き上げを2000年4月から実施(2)賃金スライド凍結と報酬比例部分の5%カットは撤回(3)報酬比例部分の支給開始年齢65歳繰り延べはやめよ(4)支給開始年齢を早めた時の減額率の改訂(5)保険料積立金の運用に失敗した厚生省、年金福祉事業団の責任を明らかにするとの「共同見解」を発表し「結束してすすめる」ことを表明。同日、連合も国会前に座り込みました。

  生活苦しく3万円以上の賃上げ望む 2000年春闘要求アンケート全厚生分の結果
 昨年秋に取り組んだ、「私の要求アンケート」は、20支部1、666名分を集約しました。(約45%)
 アンケートは、誰でも参加できるとともに、一人一人の要求や意見を運動に直接反映させる上でも大変重要な取り組みです。全厚生本部は、全員の参加で、「これこそ、みんなの要求」といえる取り組みとなるよう引き続き努力する決意です。
 集約数が過半数に満たないとはいうものの、暮らしむき、賃金要求、残業実態や健康状態など、現状を把握することができましたので報告します。 このアンケート集約結果を参考に、各職場実態や要求をみんなで討議しましょう。

表3 暮らし向き 表4 生活で充実したいもの 表5 賃上げ要求
表6 生計費 表7 専門的な能力 表8 仕事で身体が疲れる

 現在の暮らし向きをどう見るか、という問題ですが(表3)、生活実態の問では、「かなり苦しい」「やや苦しい」をあわせて、6割を超え、この傾向はすべての年代に共通しています。
 生活で充実したいものの問では(表4)、「文化・教養・レジャー」が最も多く、次いで「老後にむけたそなえ」「車や家電製品、家具」と続いています。「文化・教養・レジャー」を充実したいという回答は、すべての年代に共通しており、「健康で文化的」とはいいがたい生活実態にあることを示しています。また、40代後半以降の年齢層は、「老後にむけたそなえ」が最も多く、40代前半も「文化・教養」に次いで多くなっています。これは、職場で重責を担う一方で、将来の生活に大きな不安を抱えていることを示しています。
 賃上げ要求は(表5)、3万円の賃上げ要求が最も多く、次いで2万円、5万円となっています。単純に平均すると3万6千円程度になります。
 また、賃金決定に当たって重視すべき要素では、次のような傾向が現れています。
 生計費(表6)を「重視すべき」が66%、「やや重視すべき」を加えると8割を超え、生計費は軽視されていることへの不満が現れています。
 年齢・勤続と勤務実績でも重視すべきとする回答が多く、年功賃金を修正する動きを必ずしも受け入れていないことを示しています。
 専門的な能力(表7)も同様に重視すべきが8割を超え、専門的な能力が正しく評価されていない実態を示しています。
 このようにみると、経験が専門的な能力を高める公務職場においては、民間大企業が行っているような労務管理が、適正な手法でないこともわかってきます。
 行革による雇用や労働条件悪化については、7割のも仲間が不安を感じ、9割近い仲間が「仕事で身体が疲れる」(表8)と答えています。公務員いじめの行革と定員削減が公務職場にやりどころない不安を生み、健康悪化を拡大している実態が現れています。
 春闘期の賃金上げ要求の討論では、「こんなご時世に賃上げなんていえるのか」「公務員が賃上げをいうと文句を言われるのではないか」などの意見もよく出されます。
 しかし、アンケート結果に見られる賃上げ要求、将来不安や健康悪化の実態は、すべての労働者・国民に共通するのではないでしょうか。
 私たちの要求が「わがまま勝手」ではなく「当然の要求」であることに確信を持って、一人でも多く対話を広げ、正々堂々と大幅賃上げと「行革」・25%定員削減反対を掲げ、2000年春闘を大いに闘いましょう。

  再任用問題など学習 中高年のレク&学習会開催 秋田
 秋田県支部は、2月4・5日に、中高年学習会を開催しました。会場となった横手市は秋田県内でも豪雪で知られ、「かまくら」の里として全国的にも有名ですが、今年は暖冬で雪も少なく、学習会当日の2月4日は「東京より暖かいねぇ」と本部の杉下委員長に言われるほどの陽気でした。 
 各分会から30代以上の組合員36名が参加して1泊2日の学習会を開催しました。内容は、第1コースに「ガーデニング入門」、第2コースに「麻雀分会対抗戦」。
 ガーデニング入門には「趣味の園芸」に執筆されたこともある奈良一也先生をお願いし、受講生も真剣にメモを取りながら講義を楽しみました。麻雀では杉下委員長が大活躍し第3位、本荘分会の団体優勝で決着しました。夜の部についてはご想像に任せるとし、2日日はぐっと堅く、杉下委員長が「国会・春闘情勢」そして中高年に最も関心のある「再任用問題」について講義しました。
 今回の学習会では、楽しめることを第一に考え、日頃高い組合費を負担している中高年の組合員に少しは還元できたかなと思います。

(小畑浩支部長)


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