◆第1450号(1999年12月15・25日付)◆

●全厚生大阪支部を結成
 全国の仲間の期待にこたえたい
 12月11日結成支部大会開く

 全厚生職員労働組合大阪支部の結成大会が12月11日、大阪市内の国労会館で行われ、結成宣言(2面)、当面の運動のすすめ方などを採択しました。
 結成大会は、同日午前に開いた大阪府職員労働組合社会保険支部2000年度定期大会で、全厚生への結集を組合員の総意で確認した後、午後3時から開催されたものです。
 結成大会では、加納忠支部長があいさつに立ち「全国の仲間のみなさんの期待にそむかない新たな運動を展開したい」と表明し、「いま、労働組合の存在意義が問われており、まともな労働運動が求められている。現在の自治労の運動でいいのか。まともな要求が前進するよう大阪支部の発展のなかで追求していきたい」と決意を述べました。
 つづいて、大手前分会の大内典子さんが全厚生大阪支部結成宣言を提案し、全員の大きな拍手で採択されました。時に午後3時16分。その余韻が残るなかで「全厚生大阪支部」の支部旗が、全厚生本部杉下中央執行委員長から加納支部長に手渡されました。支部旗が早速掲げられたもとで、杉下委員長が来賓あいさつに立ちました。
 杉下委員長はまず「大阪の社会保険のみなさんの勇気ある決断に両手を広げて歓迎したい。全厚生の仲間と手をとりあって社会保険と日本の労働運動の民主的改革にむけてともに奮闘しよう」とよびかけました。そして杉下委員長は大阪のみなさんが全厚生の支部を結成したことは大きな意義があることを指摘し、(1)みなさんの組織が大阪のすべての社会保険労働者を視野に入れて奮闘すること(2)自自公の悪政と対決し国公産別の労働運動、全労連運動に結集し、民主的な改革にむけて奮闘することを強調し、「大阪のみなさんの支部結成により、全厚生は10府県12組織になった。この力をバネに各県に広げていくことを展望しながら奮闘したい。全厚生本部もみなさんの決意に応えて奮闘したい」と決意を表明しました。
 つづいて、大阪国公の前野委員長、全厚生各支部の代表があいさつした後、勝井正書記長が運動のすすめ方について提案し、(1)6月に大阪国公に加盟し今日全厚生の支部を結成したことにより名実ともに国公労働運動を職場・地域から推進していくことになる(2)当面、府職労との二重加盟だが別々の運動をすすめるのではなく、両者の運動・提起を固く結合してすすめていくことを指摘し、「府職労、全厚生本部に結集し、社会保険に働くすべての仲間と団結を強めて奮闘していきたい」と強調しました。
 大阪支部4役は次の方々です。
▽支部長 加納忠▽副支部長 竹本光代、川畑周市▽書記長 勝井正▽書記次長 若木弘子

  結成記念レセプション開く

 結成大会後、同会場で記念レセプションが和やかに開かれ、全厚生大阪支部結成を祝いました。 レセプションでは、加納支部長が主催者あいさつをした後、全厚生本部の加藤副委員長、全厚生各支部代表はじめ、大阪国公、大阪府職労、府職労社会保険支部退職者、大阪府福祉部当局の代表らが祝意を述べました。
 なお、結成大会とレセプションに駆けつけた全厚生本部役員、支部の代表は次の方々です。
 本部=杉下委員長、飯塚・加藤・杉崎副委員長、藤田・寺井中執、秋田=茂内副支部長、業務セ=根津支部長、本省=市川書記長、神奈川=梅田支部長、永井執行委員、静岡=飯塚支部長、愛知=磯貝支部長、岐阜=沢村支部長、滋賀=樋田支部長、中沢事務局長、京都=北久保支部長、香川=森支部長、愛媛=鳥越支部長


リレーずいそう=野党の結束と国民世論

 1900年代もあと10日余り、2000年をむかえる。1999年は、9が3つそろったことから「三重苦」とかいわれた。年の瀬に出された世相漢字は「末」。警察の不祥事や原子力事故を反映して「世も末」か。それだけに来年を「末広がり」にしたいとの願いがこめられたのかも。
 暮らしむきを改善してほしい。リストラ「首切り」をやめろ。仕事をよこせ。切実な声がますます「末広がり」に広がっている。この声を知りながらも、自自公連立政権は労働者・国民、中小業者等の願いをかなえようと大企業本位の政策を転換しようとはしていない。だからといって「ああ、世も末だ」とあきらめるわけにわいかない。私たちは、学びあい、たたかいのなかで、日々賢くなり政治性・戦闘性を高めているのである。
 その点、先の臨時国会での野党三党の奮闘と国民世論の高揚は、多くの教訓を残した。年金改悪法案、衆議院比例定数削減法案の成立を阻んだのだから。野党の結束が国民世論と固く結びついたとき、「自自公の数の横暴」をくいとめることが出来るのだ。
 年が明けて2000年は新たな世紀を準備する結節点と捉えたい。千年紀にあたる新しい年は、自自公の横暴な政治を克服し、新世紀に向かって平和、国民主権、人権など様々な課題での前進をめざしたい。仲間たちとともに学び、たたかい、展望をもち、歴史を創造していきたいものである。(加藤重徳中央執行副委員長)


●News

独法化個別法の成立を強行
衆・参合わせわずか32時間の審議

 12月2日から参議院行財政・税制特別委員会で審議されていた独立行政法人個別法など行革関連法案は、14日午後の参議院本会議で採択され、共産党の反対を押し切って、自民・自由・公明の与党三党と社民党などの賛成多数で可決・成立しました。なお、民主党は、いっそうのスリム化・民営化の推進を主張する立場から法案に反対しました。
 11月17日に審議入り以来、わずか16時間の審議で衆議院を通過し、参議院でも同じく16時間のきわめて短い審議時間でした。「独立行政法人国立健康・栄養研究所法」はじめ独立行政法人法は成立したものの、国会審議では一つ一つの機関をなぜ独立行政法人とすると判断したのかをはじめ、中期目標にもとづく業績評価の具体的方法、廃止や民営化の危険性などはいっさい明らかにされていません。この間、全体で「25%定員削減反対署名」30万人分、「研究所の独立行政法人化に反対する署名」7万名分を集めましたが、この世論をいっそう広げるよう奮闘しましょう。

年金改悪法案が継続審議
法案阻止へ奮闘しよう

 12月14日の参議院国民福祉委員会に年金改悪法案(関連三法案)と共済年金関連四法案が一括して提案され、政府側からの趣旨説明のあと与野党一致で時期国会への継続審議が決まりました。
 この年金改悪法案は、2025年度(女性は2030年度)までに、厚生年金・報酬比例部分の60歳支給開始を65歳に遅らせ、60代前半5年分の年金をゼロにするものです。全厚生はこの間、年金改悪法反対の署名6259人分を集約し、たたかいを広げてきました。この運動は、年金改悪法案の今国会での成立阻止へ大きな力になりました。通常国会での成立阻止へ奮闘しましょう。(写真は国会前座り込みで決意表明する山本中執=12月8日)


●2000年&2000円問題

●福祉職俸給表へ適正に切り替えよ
国立施設管理室と昇格課題などで交渉

 全厚生は11月28日、厚社連(全厚生社会福祉支部連絡協議会)支部代表者会議を、翌29日に管理室交渉を実施。厚社運の全支部代表10人と本部7人が参加しました。
 会議では杉下委員長のあいさつの後、翌日の交渉準備と支部の現状を報告し合い、本部から情勢報告と行動提起を行い意思統一しました。
 翌日の管理室交渉では福祉職俸給表などの課題と各支部の緊急課題について交渉しました。
 福祉職俸給表への切り替えにあたっては附則別表第一の「福祉職俸給表の適用を受けることとなる職員の職務の級の切り替え表」に基づいて行い、不利益が生じないようにするとの回答を得ました。福祉職俸給表では昇格のハードルが高く、昇格が遅れているものは切り替え前に昇格していなければ不利になるとの追及に、管理室は、遅れているもの全てについて要求していないことを明らかにし、組合としては大変不満な回答となりました。
 伊東支部が長年懸案としていた看護と介護の問題では、伊東視力センターに検討委員会が設置され、近々開会予定で早期の結論を期待している。調理師研修会については12年度に開催を予定していると回答。
 その他、リハ支部は、医師の担当科と専門性との整合性を、退職者の後補充を、センター内保育所の設置を訴えました。
 神戸支部は、人事院規則10ー7母性保護の扱いについての徹底(各センターにマニュアルで示すこと)、函館支部は教官の3級昇格要求、別府支部は、職員宿舎希望者5人全員の入居を要求しました。いずれも、管理室側は、検討していくとの回答でした。
 また、フォローアップ委員会の動向や、言語聴覚士の医(二)表への切り替えで高号俸者が厳しいが要求していく等の回答を得ました。

●視覚障害者に配慮を
2000円札問題で議員要請

 全厚生は11月29日午後、政府が来年7月の沖縄サミットにあわせ、2千円札の発行を計画していることを受け、「2千円札発行に対する要請」を衆院大蔵委員会の理事を中心にした各党委員に対して行いました。
 この行動は、11月5日の第2回中央執行委員会で取り組みを確認して実施したもので、当日は、鈴木副委員長(厚社連会長)、今井中執(同事務局長)、杉浦書記長、国立リハ支部の前野支部長と片平副支部長の5人が参加。お札を直接示しながら、12人の委員に対して要請したうち、日本共産党の佐々木憲昭議員、矢島恒夫議員、民主党の上田清司議員は直接応対し、要請趣旨を受けとめてくれました。また、各委員の秘書も、要請趣旨を踏まえ、議員に伝えると約束しました。
 各委員に対する具体的な要請では、既存の紙幣でさえ触覚による識別がかなり困難な中、新たな紙幣を発行することは、視覚障害者が日々の買い物や、あん摩・鍼灸治療院開業にあたって、さらなる不便と不利益を被る恐れがあることを踏まえ、更生援護施設の入所者をはじめ卒業者を含む視覚障害者を支援する立場を尊重し、2千円札の発行を取りやめるべきであるとの基本的な考えを示しました。その上で、やむをえず発行する場合、視覚障害者が確実に識別できるよう配慮することや、既存の紙幣についても、触覚により確実に識別できるよう改善を図るよう、国会の場でも取り上げ、視覚障害者の願いを実現するため、尽力するよう訴えました。

●対応する職員に配慮を
2000年問題で申し入れ

 12月9日全厚生は、2000年問題での特別体制について人事課と社会保険庁に対して申し入れを行いました。申し入れ文は次の通りです。

*   *   *

 コンピュータが誤作動を起こす恐れがあるとされる西暦2000年の元旦まで、あと3週間に迫っています。中央省庁をはじめ都道府県、民間、各業界が主要システムの点検や、年末年始の要員配置をなど、危機管理体制の徹底をはかるための作業が急ピッチで進められています。厚生省においても、「厚生省コンピュータ西暦2000年問題対策本部」を設置し、厳重警戒期間(12月31日正午から1月1日午後5時予定)では24時間体制を組むなど、越年体制での対応が図られようとしています。
 全厚生は、この2000年問題について、国内はもとより世界的にも緊急かつ重要な事項であり、とりわけ国民のいのちと健康を司る厚生省において、万全を期した体制で臨むことが必要だと考えます。
 以上の点を踏まえ、年末年始という特別の期間での勤務、さらに越年勤務となる職員にかかわって、下記の事項を申し入れ十分な対応を要請いたします。

  1. 対応する職員の健康に十分配慮し、労働環境、労働衛生の確保に努めること。
  2. 特別体制での勤務実態に基づく手当、代休等の処遇を確保すること。
  3. 危機管理体制において、特定の個人に勤務が著しく集中することがないように配慮すること。

●全厚生大阪支部  結成宣言

 社会保険行政と社会保険で働く労働者をめぐる状況は、大きく変わろうとしてい る。
 機関委任事務、地方事務官制度の廃止とともに2000年4月以降、大阪府との労使関係は消滅し、国、厚生省、社会保険庁と労使関係において直接対峙する状況をむかえる。
 私たちは、国民の信頼に応えうる社会保険行政の確立と社会保険職場に働く全ての労働者の労働条件改善、働きがいのある職場の実現をめざしている。この課題を追求するためには、国家公務員労働運動に結集しなければならないと確信する。
 私たちは、厚生省、社会保険庁関係における唯一の国家公務員労働組合、全厚生職員労働組合に加入し、ここに全厚生大阪支部を結成し、国家公務員の産別組織・日本国家公務員労働組合連合会に結集して闘うことを宣言する。
 今改めて労働組合の存在意義が、労働組合とは何かが鋭く問われている。同時にまともな労働組合運動の発展が切実に求められている。
 財界、政府は、多国籍企業の「国際競争力強化」のために、「規制緩和」「産業競争力強化」を旗印として、過酷なリストラ首切り、賃下げ合理化を強行している。国民の生活、福祉部門を切り捨て、財界奉仕、軍拡・国家権力強化の行政機構づくりをめざすニセ「行革」、省庁再編、25%定員削減、独立行政法人化などが強行されようとしている。さらに「戦争法」「盗聴法」「日の丸・君が代法」などを制定し、憲法改悪、「戦争できる国」づくりをめざしている。
 私たちは、社会保険の枠内にとらわれた事実上の「企業内労働組合」では要求実現の前進はないと考えている。人間らしい生活を支える基盤となる平和、民主主義、生活安定の確立のためにも、社会保険の行政、組織、人事のあり方を問い、人権無視を許さない働きがいのある職場を実現するためにも、全労連、国公労連、全厚生に結集し、全ての労働者、勤労国民と連帯する運動の一翼を担ってたたかう。
 私たちは、「こんな社会保険職場でいいのか」との思いに応え、全ての社会保険に働く労働者とともに、要求で団結する労働組合運動の原点を堅持した全厚生大阪支部の発展に全力を尽くす。
 右、宣言する。


1999年12月11日    
全厚生職員労働組合 
大阪支部結成大会  


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