◆第1447号(1999年11月15日付)◆

●職務を正当に評価せよ
人事院と昇格課題で交渉

 全厚生は11月4日午後、昇格改善をめざし、人事院と交渉しました。交渉には、杉下委員長を先頭に、本部役員8人と神奈川県支部の代表が出席。本省庁、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険の4部門ごとの重点課題を中心に、職場実態を示しながら改善を迫り、人事院からは、給与局・給与2課の是谷企画調整官が対応しました。
 本省庁では、本省係長を本定数で大幅に拡大すること、昇格における男女格差の是正を要求。これに対し人事院は、「7級ポストは、本省の課長補佐であり、係長の7級定数は非常に難しい。融通するために、専門職をつくっている」、「男女差別は、あってはならない。定数に男女の色分けはしていない」と回答。
 試験研究機関では、研究職の3級昇格にかかわって、技術・検定・検査・教育・指導等の業務について適正に評価し、昇格改善を図ることを強く要求。人事院は、「業績のものさしとして、論文は資料として拝見する。要は、各省の研究評価委員会をクリアーしてもらうことだ。論文がかけないところなら、その者の功績があれば評価する」と回答しました。
 社会福祉施設では、福祉職俸給表への切り替えにあたって、職務の専門性にふさわしい格付けを要求。さらに、言語聴覚士の医療職(二)表の切り替えでも、同様に要求。これに対し人事院は、福祉職俸給表では、「切り替えや張りつけは、慎重に検討している。要望は伝える」、言語聴覚士の切り替えでは、「適正な格付けを考えている」と回答しました。
 社会保険では、地方社会保険事務局の設置にともない、地方庁の職務と機関の評価の引き上げ、7級枠外の解消や8級以上の上位級定数の拡大を要求。これに対し人事院は、「地方社会保険事務局の設置では、組織の建て方、立ち上がり方を見ている。7級以上を見ると他省庁を見て、悪くはない。8級の当選率を高めたい。要望をうけたまわる」と回答しました。


●戦争法の発動許すな
99日本平和大会IN岩国開く


草の根から運動を広げよう
 99年日本平和大会は10月29日から31日まで、山口県岩国市でひらかれ、米軍基地拡大・強化を監視・告発し、戦争法の発動をゆるさない共同のたたかいをひろげることを確認し合いました。平和大会には、全国各地の平和・市民団体、労働組合の代表、約1500人が結集。全厚生からは神奈川・永井さん、香川・渡辺さん、藤沢さんと本部・加藤副委員長が参加しました。
 大会には、28、29の両日開催された国際シンポジウムに参加した、アメリカ、イタリア、韓国、中国の4か国6氏も参加し、それぞれの国での米軍基地反対、平和運動について発言、交流をふかめました。
 29日の開会集会では、北海道、京都、長崎、広島、兵庫、そして開催地の地元、岩国の代表が戦争法の具体化をゆるさず、低空飛行訓練など米軍の横暴さとLCAC(=エルキャック、エアクッション型揚陸艇)新基地建設や日米合同演習に反対するたたかいについて発言しまた。 そのなかで、北海道・函館の代表は、戦争法の発動をゆるさないたたかいを紹介し、10月初旬、「地域から平和をつくる・非核平和条例全国集会」をひらき成功させたこと、「この力で、函館市議会での平和条例可決をめざしている」と報告し、「戦争法の実働をゆるしてはならない。憲法九条をまもることができるのは私たち日本人だ」と決意を表明し、大きな拍手が送られました。
 大会二日目の午前中には、岩国基地と呉基地に分かれて基地監視行動、午後からは分科会、入門講座、公開シンポジウムなどが行われました。 
 31日午前、閉会集会がひらかれ、日本平和委員会の佐藤代表理事がまとめの発言をしました。佐藤氏は、アメリカの新戦略に反対する共通の課題のもとに国際連帯の場としてこの大会は成功した、地域の草の根から戦争協力拒否の運動をつよめ、安保条約発効40周年の来年6月23日に全国各地で行動することをよびかけました。
 「平和運動はたのしくやりましょう。それは人間の尊厳と連帯の輪をひろげることだからです」(沖縄・大西さん)
 「アメリカの覇権主義反対、米軍基地を撤去せよ。日本と韓国政府は憲法をまもれ」(韓国・キムさん)
 「平和運動は普段見えないものを見えるものにするもの。平和をまもることはとても人間らしく美しいもの」(岩国の代表)
 これらの発言がとくに印象に残りました。


リレーずいそう=思い出はいろいろ
 私が全厚生に加入してから16年が過ぎました。その中で印象深いものを二つ程紹介します。
▼「調理師さんの洗濯が始まった」
 86年当時、給食の調理師さんは、自分達で白衣を洗濯していたんです。給食室に古い洗濯機が1台置いてあって、仕事が終わってから毎日洗濯していました。貸与される白衣の枚数も少なく、汗まみれの白衣を洗っては着ていました。そのことについて組合で取り上げたら、白衣のクリーニングが業者委託で始まったんです。何かとてもうれしかったことを覚えています。また、同時に長靴が貸与されるようになり、二重の喜びとなりました。

▼「特別昇給は難しい」
  その年、当局が特昇の基準日を変更したんです。そしたら、Aさんの特昇が、次年度になったんです。たまたま私も特昇の年で、組合役員もやっていたので「私の分を回しなさい」と迫ったら、私も含めてAさんもその年に特昇したんです。おもしろいものです。
 普通はこれで良かった良かったと終わるのですが、施設の場合は違います。その後、庶務の組合員が「私の仕事に組合がケチをつけた。仕車を増やした」と言って組合辞めちやったんです。とても切ない話です。この話はまだ落ちがあって、Aさん翌年に転勤したら組合辞めちやったんです。 組織が小さくて、色々な人がいるから面白いのだけど、難しいことも結構あるんですよ、福祉施設には・・。(今井進中央執行委員)


●News

賃下げ「給与法」案審議入り=一時金の切り下げ反対
 政府は11月5日、国家公務員の給与について、人事院勧告どおり0.28%、1,054円(指定職・本省庁課長級職員を除く)の俸給月額の引き上げと一時金0.3月切り下げなどを内容とした給与法「改正」法案を閣議決定し、8日に国会に提出しました。期末手当の切り下げは、本年度12月期の現行1.9月分が1.65月分に、3月期の0.55月分が0.5月分に、来年度6月期の1.6月分が1.45月分にとの内容になっています。政府はこの給与法「改正」法案をまともに審議しないまま強行しようとしています。全厚生は一時金切り下げ反対と法案の徹底審議を求めて国会議員に要請しました。

独立行政法人個別法案審議入り=徹底審議求め国会行動を強化しよう
 政府は11月5日、「独立行政法人国立健康・栄養研究所法」案などの独立行政法人個別法案(86機関・事務、59法人分)、独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律整備法案(特定独立行政法人職員への公務員倫理法の適用など)、中央省庁改革関連法施行法案(2001年1月からの新省庁への移行日や、省庁再編にともなう作用法の整備など)を閣議決定し、8日に国会に提出しました。
 この独立行政法人個別法案は、2001年4月に設立を予定しているものなど86機関・事務の独立行政法人化を確定させようとするもので、政府・与党は、個別の審議なしに行革特別委員会で、一括審議・成立をねらっています。同じく中央省庁改革関連法施行法案についても、約1400の法律を一括して「改正」しようとしています。
 国公労連・全厚生は、これら法案の徹底審議を求めるとともに、個別の機関ごとの独立行政法人化の「妥当性」を追及し、「25%定員削減」の数値目標にそって進められる行政減量化の問題点を追及し、国会闘争を強化します。


●国民的な運動で憲法守れ
第3分科会の運営委員として参加して=中央執行副委員長  加藤重徳

 山口県岩国市で開催された99年日本平和大会の2日目、10月30日午後からは、9つの分科会、公開シンポジウム、入門講座がもたれました。私は、「許すな! 戦争法の具体化・発動 憲法を守り、監視・告発の国民運動を」テーマにした第3分科会の記録・報告を任務とした運営委員として参加しました。実は、全厚生としての「憲法遵守・職場平和宣言」運動について発言を用意してのぞんだのですが、運営委員として記録におわれ発言の機会を得られなかったのが残念でした。
 この分科会では、55人が参加し、21人が発言・討論に参加したのにみられるように、たいへん活発な討論がつづきました。発言は、県・地域、職場での戦争法成立以後の現状と矛盾の広がり、基地強化・拡大と基地撤去、戦争法の発動を許さないたたかいに基づいた報告と決意にあふれ、地道に粘り強くすすめている情熱と使命感にたいへん感動し、平和運動への大きな確信を深めることができました。
 長崎・佐世保の代表がLCAC(エルキャック)新基地建設反対のたたかいを報告し、「米海兵隊=殴り込み部隊は佐世保、岩国、沖縄を三位一体で殴り込みをかけようとしている。日本政府は建設予定地の西海町で農民・漁民など住民ぐるみで反対している声を知りながら、アメリカのいいなりになってごり押しをしようとしている。横暴な米軍と政府の態度に憤りを感ずる。最後の最後までたたかいぬく」と発言。昨年、佐世保でひらかれた平和大会でお会いし、佐世保軍港を案内してもらった人だったこともあり、その奮闘ぶりの発言に改めて拍手を送ったのでした。
 全日赤の代表は「再び白衣を血で汚さない」をスローガンにたたかってきたことにふれ、「たとえ戦争法が発動されても組合としては戦争に協力しない、と当局に申し入れた。戦前の従軍看護婦の犠牲について日赤本社の社長らは何の反省もしていない」ときびしく批判しました。
 また、静岡の代表で戦争体験者(海軍将校)が、「日の丸・君が代」は侵略戦争の象徴であり、「国旗・国歌」法を断じて容認できない、と強調し「侵略戦争の実態を若い人たちに伝えていきたい」との発言が胸にずしりとひびきました。


●学習会と蕎麦打ち
支部青年部恒例の学習&レク=秋田
 10月30、31の両日、秋田県支部青年部の恒例行事である秋の学習会が開催された。好天にも恵まれ、38人という多数の参加(青年部員は全部で62人)があつまり、執行部としてこの上ない喜びであった。
 学習会の内容はというと支部から講師を招き、地方事務官制度問題についての講話とその討論会。各人の意見交換、また昨年度より組合に加入している人を対象とし、新人学習会を開いて組合の概要などを説明し、理解を図った。 そして夜の懇親会へ。学習会という名前で企画しているものの、メインはこの懇親会であると言っても過言ではない。ここでは、夕食を自分たちの手で作るという伝統があり、頼りない部長をよそに、女性を中心に協力して食事を作る姿を見ると、仲間というのは本当に素晴らしい存在だと感じることが出来た。
 翌日はレクリエーションの場を設け、ソバ打ちを体験した。出来上がりを試食することになりその味はと言うと・・・。 しかし参加者の心には楽しかったという味付けが出来たのではないかと思う。(秋田県支部青年部長・高橋由博)


●米軍は日本から出て行け
青年部長会議で横須賀基地監視&抗議行動
 皆さんは神奈川県にどのくらい基地があるかご存じですか? なんと、沖縄に次ぐ第2の基地県なのです。現在、県内に存在する米軍基地は19か所、面積は2100万u、県土の約1%を占めています。
 これらの基地は米戦略上の重要な拠点として活発な活動をおこなっており、かつ、その多くは市街地に隣接しています。まさに「都市の中の基地」となっています。
 米軍基地の存在は日米安保条約とこれに基づく米軍地位協定に基礎を置くもので、いわば国策として、地方自治体や地域住民の意思とは無関係に持ち込まれたものです。このため、これら米軍基地の存在そのものが県民の生活と権利、地方自治体の行政との間にさまざまな矛盾を生み、いわゆる基地問題を発生させています。
 例をあげると米軍機墜落事故や、飛行訓練による爆音被害、基地施設の爆発事故などがあげられます。また、米軍人、軍属による犯罪行為や公務外の交通事故も多発しています。基地の存在は、地方自治体の都市計画の阻害要因となり、また清掃、給水、消防などの具体的な行政上の問題や財政、課税上の問題など、自治体の行財政権との矛盾も深まっています。
 そんな問題を少しでも知ってもらいたいと青年部長会議の二日目、10月17日に横須賀ベイクルージング(横須賀基地監視行動)を行いました。当日はあいにくと波高く、船は揺れに揺れ若干1名が最初からグロッキーでしたが、基地が見えてくるとみんな真剣な顔で基地を観察していました。今回見たのは、横須賀海軍施設、吾妻倉庫地区、清郷倉庫地区と自衝隊の施設です。東倉庫地区には貯油施設で37基の貯油タンクで39万7千キロリットルの貯油能力があり、タンカーで運ばれた燃料はここで貯蔵し、JRのタンク車両で横田基地や厚木基地に運ばれています。 こうやって民間企業も軍隊を手伝っているのです。自衛隊の弾薬庫も一緒にあります。浦郷倉庫地区は弾薬庫です。ここは何度か対潜核ロケット魚雷のコンテナが搬出入されているのが確認され、核持ち込み疑惑の強い基地です。また、ベトナム戦争の時には毒ガスに過敏なヤギの放し飼いが確認されています。またこの基地には米国防総省の「弾薬・爆発物類安全基準」で大爆発の危険を示す標識や暴動鎮圧用ガスを示す看板がたてられていました。
 そして、横須賀海軍施設。ここは「米海軍の海外基地のなかの最大で最良の基地のひとつ」といわれるだけに住宅、学校、病院や娯楽施設などなんでもそろっています。艦船や潜水艦の修理や補給もでき、修理能力もきわめて優れています。ここは第7艦隊の本拠地でもあり、たんなる休養や補給でなく第7艦隊の作戦海域に展開するすべての原潜の作戦行動を調整・管理する指揮連絡中枢なのです。
 みんなは戦艦や潜水艦のおびただしい数に、驚きをかくせませんでした。なぜか自衛隊の基地もすぐ近くにあり、自衛隊とはいっても人殺しの道具をもった軍隊なんだなと再確認しました。基地が途中でとぎれているところがあり、そこにはベイスターズの2軍練習場が。「いいぞ!べイスターズ。これからも平和のために頑張れ!」と阪神ファンの私ですが思わずエールを送りました。
 参加者から、「軍艦や潜水艦があたり前のようにあって恐かった」「こんなにでかい基地があるなんて」「米軍むかつく」など感想が飛び交いました。
 その勢いで米軍基地前抗議行動をしました。みんなは、デッカイ大木のような米兵がこちらを見ているにのに気が付くと、さっきの威勢はどこへやら、ビビリまくって前に出てこようとしませんでしたが、私は元気に大きな声で要請文を読み上げました。最後に米軍基地に向かい「来年の青年交流集会までに出ていけ」と叫びましたが、まだ居座ってるようなら、青年交流集会で「米軍は日本から出てけ!」とみんなで叫びましょう。(玉木健二青対部事務局長)


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