◆第1437号(1999年7月5日付)◆
●’99夏季闘争のポイント−岡野書記長に聞く−

行革関連法案廃案めざして
Q.中央省庁再編をはじめとする行革関連法案、地方分権一括法案が衆議院で可決されましたが、今後のたたかいはどうなりますか。

A.行革関連法案、地方分権一括法案は、衆議院段階の審議を通してより多くの問題点、疑問点が明らかになっています。両法案では、内閣総理大臣に行政権限を集中させるばかりか、「戦争法(新ガイドライン法)」を行政機関が全面的に支える構図になっています。同時に憲法に明記されている「地方自治」に逆行する地方自治体への締め付けなど「中央統制」が強化されています。
 したがって、参議院段階での徹底した審議を求め、廃案をめざした運動を展開します。

独法導入反対・組合員を守る
Q.独立行政法人導入に対する運動はどうなりますか。

A.全厚生関係では、国立健康・栄養研究所が独立行政法人導入の対象とされています。
 全厚生ではこれまで、一つの機関・事務の独立行政法化も許さない立場で運動を進めてきました。この立場は今後も引き続き堅持しつつ、対象とされている国立健康・栄養研究所の組合員の身分・労働条件等を守る立場から具体的な課題について取り組みます。

世論に訴えて25%削減阻止
Q.公務員の25%削減問題はどうですか。

A.法案審議で、公務員の削減が焦点になり、公明党などからは政府案より厳しい削減を求める質問も繰り返されました。公務員の削減は、労働条件の後退はもとより、国民サービスの一層の低下を招くことは必至です。引き続き国民世論に訴えます。

地方事務官廃止後のあり方
Q.地方事務官制度の問題は。

A.地方分権一括法案に含まれる地方事務官制度廃止等の問題は、衆議院段階で法案が一部修正されました。参議院段階では、行政事務のブロック機関への引き上げ等に反対する立場で運動を進めます。また、法案の行方をみつつ、来年4月の地方事務官制度廃止後の行政組織のあり方、労働条件問題等、具体的要求事項を取りまとめます。

人事院勧告に向けての運動
Q.人事院勧告に向けてのたたかいはどうですか。

A.99春闘が史上最低の水準にあることや、政府が財政悪化を理由に総人件費抑制攻撃を一段と強めていることから、極めて厳しい状況にあります。しかし、賃金改善は、労働者の最も基本的な要求であり、賃金改善勧告見送りはもちろん、凍結・値切りを絶対に許さない運動をすすめます。

調整手当見直し改悪許さず
Q.調整手当問題はどうですか。

Q.調整手当問題は、人事院が4月16日に「見直し」の提案を行ってきましたが、(1)実質賃金の維持さえ困難なこの時期に「見直し」は大幅な賃下げにつながる(2)予盾だらけのデータを用いる(3)前回の経過措置も終わっていないことなどから、「見直し」断念を求めてきました。しかし人事院は、一貫して「見直し」を強行する姿勢を崩しておらず、勧告時期に向けてより一層、運動を強化していきます。

戦争法の発動許さぬ運動を
Q.戦争法(新ガイドライン関連法)の課題は。

Q.日本を戦争に巻き込む「戦争法」が成立しましたが、この戦争法に基づく戦争協力を拒否する運動、法律の発動を許さない運動に取り組みます。また、既に提起している職場からの平和宣言を全職場で取り組みます。



●リレーずいそう=最近の政治は焦ってる?

 「リレーずいそう」にまさか私が寄稿するなんて誰が予想していたでしょう。急遽新聞を読み返し、ますます気持ちが落ち込んでます。後に続く人に勇気を与えるためキーをたたきます。支部での活動は長年楽しみながら参加してきましたが、中央へ首を突っ込むとは夢にも思ってませんでした。抱えてる問題が多種多様で、それに取り組んでいる役員の苦労は大変なものです。
 ところで最近の政治はどこか焦ってると思いませんか?2000年を目前に私の一夜漬けと次元が同じでは困るんですが…。
 なぜ小渕内閣の支持率が高いのでしょう?矢継ぎ早に訳の分からない法案が可決してます。しかし、現実は年月と共に社会や生活に不安が募ってくるのは私だけ?十分に議論して納得できるなら、「ま・いいっか」の気分になれるのに。
 国立衛研の場合、移転話で一時は振り回され、今は話が断切れたのか続いているのか曖昧で(本当は活きてます)本気で考えているのは何人?独法化問題も首根っこを刃がかすめたが一応セーフ。省庁再編後はどのように変わるとか、再燃するのは確実である独法化に対してどこでどのように議論されているのか闇の中。当事者の意見が反映される機会があるのかな?突然話が飛び込んであれよあれよと言う間に、冗談が現実になる仕組みってどこかヘン。
 そんな動向を素早くキャッチし的確な行動をとるために日夜情報集めにとパイプ役に徹してる(つもりの)私です。(小野寺博志中央執行委員)



●News−各地のたより−

調整手当改悪許さん=6.30中央行動に終日参加
 国公労連は、6月30日、公務共闘・公務労組連絡会に結集し中央行動を取り組みました。この行動は、公務員賃金のトリプル改悪反対とあわせて、悪法阻止などの国民的な課題を掲げ、人事院前要求行動、国会議面集会、国会議員要請行動、総決起集会、国会請願デモなど、全体で1,000人が参加しました。全厚生からは、本省・統計・人口研の各支部を中心に人事院前要求行動に20人が参加。また、ブロック・県国公の上京団として愛知県支部2人、京都支部1人が参加しました。愛知県支部では、こうした行動に積極的に参加することを執行委員会で確認し、役員と若手組合員の複数参加に取り組んでいます。

町の人と声かけ合って=国民平和行進岐阜県を歩く
 6月11日、愛知県から引継を受けた国民平和大行進は6月16日までの6日間、岐阜県内を元気に行進し、滋賀県へと引き継ぎました。
 岐阜市内の行進では、長良川をわたる市内縦断コースとなり、また、ここ何年か行われていた自治体訪問は行われず、代わりに郡上の八幡町内を平和行進しました。私はこの八幡町の行進に参加しましたが、ちいさな町だから行進者と沿道の人たちが知り合いで声を掛け合いながら行進していくのがとても印象的でした。こうした人とのふれあいがとても大切なんだなと感じる今年の平和行進でした。(岐阜県支部・国枝英樹副書記長)


●許すな盗聴法
 世論広げ廃案に−6.24大集会に8000人参加−

 6月24日、「許すな盗聴法!6・24大集会」が開催され、会場の東京・日比谷野外音楽堂は8000人の参加者で溢れました。
 盗聴法案は、憲法21条で保障された「通信の秘密」や、プライバシーなど基本的人権を侵害する「盗聴」という捜査手段を警察に与えようという憲法違反の法案です。今国会ですでに衆議院を通過し、現在、参議院で審議が行われています。
 6・24の集会は、盗聴法を許すなの世論の広がりの中で、「盗聴法反対」の一点で一致する広範な共同行動として開催されました。
 全厚生は、神奈川県支部の八人をはじめ在京支部から20人の仲間が参加。民主主義と基本的人権を踏みにじる盗聴法に反対する熱気につつまれ、降りかけた雨をも吹き飛ばしました。
 この集会には、民主党・菅直人代表、共産党・不破哲三委員長、社民党・土井たか子党首、さきがけ・武村正義代表、二院クラブ・佐藤道夫代表、国民会議・中村敦夫代表が出席し、あいさつをしました。また、全労連・坂内三夫事務局長、東京全労協・酒田充議長が、連帯のあいさつをし、連合・笹森清事務局長からメッセージが寄せられました。
 集会終了後、国会コースと銀座コースに分かれてデモ行進。全厚生は、感染研支部OBの山本実さんも合流し、銀座コースに「全厚生」「全厚生神奈川県支部」ののぼりを掲げて行進。盗聴法反対、民主主義を守ろう、国民の権利を守ろう、と道行く人やドライバーに訴えました。


●分権法で攻勢的に=静岡・支部定期大会開き確認

 (静岡県支部発)6月5日、静岡労政会館において、第8回支部定期大会を開催しました。今回の大会は、私たちの身分問題である地方事務官制度廃止をもりこんだ地方分権一括法案の国会審議の山場と時期が重なりました。
 飯塚支部長のあいさつに続いて、杉下本部委員長が、前日までの地方分権一括法案における取り扱いについてや緊迫する情勢について報告。続いて内藤愛知県支部長、沢村岐阜県支部長が、この間のたたかいを報告し、あいさつしました。
 議案については、執行部案がすべて承認されました。
 新役員は次のとおりです。
 支部長  飯塚 豊
 副支部長 山口孝夫
 同    田中雅己
 同    杉山智昭
 書記長  高橋一夫
 書記次長 望月昭吾


●第29回国公女性交流会開く
 生きる元気がわいてきた

 6月25・26日第29回国公女性交流集会が兵庫県宝塚市で開催され、「21世紀、ほんものの豊かさを私たちの手で」のメインテーマと「いきいきと働く・安心して暮らす・人間らしく生きる」のサブテーマのもと、22単組延べ1159人が元気に集いました。全厚生からは、7支部22人が参加し交流を深めました。
 来賓挨拶に続き、愛知労働問題研究所の駒田富枝さんから、保健婦として組合役員として職場・地域に根ざした活動体験を通しての記念講演がありました。
 基調報告に立った国公女性協の伍議長は4月からの女子保護撤廃、今国会で審議されている重要法案、いまの社会情勢にふれ、労働者をとりまく環境が厳しいいまこそ、知ること・学ぶこと・行動することが大事だと呼びかけ、平和を願う多くの女性の声で社会を揺り動かしていこうとの決意を新たにしました。
 続いて地元兵庫県国公の方から、震災から4年半経ったいまでも仮設住宅に住んでいる方々がおられ、自立へ向けての援助が必要であるとの訴えがあり、また、職場、地域からの取り組みの報告は、正しいと信じたことを一歩も引かずに力を合わせて頑張れば要求は前進するとの確信を与えてくれました。
 アトラクションの神戸市役所センター合唱団による「阪神大震災鎮魂組曲」は臨場感溢れる詩とすばらしい歌声に思わず涙がこぼれました。
 2日目は、十の分科会毎に活発な発言で盛り上がり、「行政改革関連法案」の廃案を求める決議と集会アピールを採択して閉会しました。
 午後はオプショナルフィールドワーク「被災地を歩く」に参加し、ポートアイランドそばの高層県営・市営・公団住宅建設地で神戸市全体の住宅復興状況の説明を受けた後、焼け野原からポツポツとプレハブが建ち始めた長田区の菅原市場(区画整理地域)や六町まとめた再開発地域、市民球場に建った仮設住宅(十軒長屋約30棟、住人まばら)を見学しました。多くの自力復興された方々に拍手を送りたい。また、今なお復興に向かって努力を続けている方々に、自分ができることは何だろうか。案内をしてくださった復興県民会議の方の「大規模災害の復興のよき前例になるように」との声が残っています。(八木晴美・女性部長)

燃えた女は後へ絶対引き下がらない!=交流集会に参加して
 国公女性交流集会参加者の感想を紹介します。
*    *
 記念講演は長い間第一線で働いてきた方のお話で、とても興味深い内容で、面白かったです。女性が働きやすい職場環境を作るために、先輩方が尽力して下さったために今があるのだから私たちも、より良い環境にして後輩たちにいつか伝えられたらと思います。(秋田県支部・中村紘子)
 参加して良かった。先輩達が勝ち取ってきた女性の権利も行使しなければ、権利にならないという大先輩からの忠言に、当支部でも啓蒙していきたい。(ハ病研支部・與儀ヤス子)
 国公の交流集会は初めてで、参加者の多さに驚いた。別の単組の方の取り組み等を聞かせてもらって、自分の中で視野が広がったし、勉強になった。これからの活動に生かしていきたい。(秋田県支部・藤塚真奈美)
 阪神大震災鎮魂組曲は感動しました。いろいろな思いが込められており、一言では言い表せませんが、災害を乗り越えてきた力強さを感じました。(統計支部・佐藤美津枝)



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