◆第1434号(1999年6月5日付)◆


●社会保険は国の責任で=各支部のがんばりが情勢変える  

 衆議院・行革特別委員会では、5月25日から行革関連法案と地方分権一括法案の本格的な審議が始まりました。
 議論は始まったばかりですが、6月7日に中央公聴会、8日に地方公聴会を設定し、9日以降はいつでも採決できる条件をつくり、またもや日程ありきの国会運営がすすめられています。
 この審議の中で、民主党、公明党、社民党は、「地方事務官を地方公務員にせよ」との主張を再三繰り返し、「自自公」路線の模索ともあいまって、緊迫した情勢が続いています。

厚生事務官ではなく地方公務員にと策動
 地方事務官とは、地方自治法附則8条に規定されている国家公務員のことで、全厚生では、社会保険の仲間が該当します。社会保険関係の事務の一部は、都道府県知事の機関委任事務となっており、この事務を地方事務官が担当しています。
 全厚生は、社会保険は国が責任を持って実施すべきであり、地方事務官制度を廃止して厚生事務官とするよう要求しています。地方分権一括法案も地方事務官については廃止し、厚生事務官とするとの内容になっています。
 ところが、連合傘下の自治労は地方事務官を地方公務員にするよう要求し、衆議院行革特別委員会では民主党、社民党、公明党が自治労と同様の主張をしています。
 全厚生は、こうした国会の動きを重視し、社会保険関係支部を中心に地元議員事務所や各党の県本部などへ「社会保険は国の責任で行うべき」との要請を強めています。

各支部が奮闘し地元議員へ要請
 社会保険関係各支部は、5月24日、25日の両日に一斉に会議を開催し、県管理者への申し入れをはじめ、議員、政党、関係団体等への要請行動などについての意思統一を行い、積極的に行動を展開しています。
 各支部の経験談を紹介します。
◆公明党県本部に要請したところ、「公明新聞を見て初めて党本部が何を考えているかを知るという状況であり、詳いことは分からないし議論をしていない」との答が返ってきた。
◆自民党議員の地元事務所に要請したところ、「社会保険は国がやるべき」とする私たちの主張を「まともな要請だ」として議員本人が直接受理してくれた。
◆社民党の国会議員の自宅に電話したところ、議員本人が対応、「国の責任でやるべきだ」と話すと、「そんな意見は聞いたことがない。資料を議員会館に持ってきてほしい」との返事だった。
◆公明党の県本部の紹介で面談をした国会議員は、「制度はどうあるべきか、制度的な議論をして決めるべきであり、団体の思惑で決めるべきでない」と回答した。
◆自民党議員の地元事務所では、「参議院での勢力もあり、野党の修正、とりわけ公明党の動向は、選挙制度、連立問題等でかけひきがあるものと思う」と、まさに党利党略で動いている実態なども明らかになった。
◆県の社会保険労務士会に、中央への働きかけを要請したところ、了承を得た。
◆要請の中での意見交換を通じて、公明党が正式に立場を決定したわけではないこともわかった。

展望は広がっている 確信を持ってがんばろう
 各支部は、「支部情報」「支部FAX速報」の発行や通常の支部ニュースの増刊、職場集会の開催などで、情報をいち早く正しく全組合員に伝えることを重視し、機敏な行動を展開しています。
 情勢は、一見厳しそうに見えますが、この間の要請行動の経験から、展望が広がってきていることは明らかです。力いっぱい奮闘しましょう。


●リレーずいそう=秘境奥会津

 7年半にわたって本紙に連載された大倉修二前委員長の随想録をまとめた「修ちゃんのエッセー集」をじっくり拝見し、氏の文才に敬服するとともに、少年時代の生活環境に相通ずるものがあり、改めて親近感を抱いたところである。
 大倉さんは、岡山県の田舎出身であるが、私は福島県南会津郡只見町という日本の豪雪地帯の出身である。
 観光のキャッチフレーズが「秘境奥会津」というような山村で、今でこそ少なくなったが、昔は大雪のためラッセル車(除雪車)さえが立ち往生したようなところでもある。田圃にはトンボやどじょう、ホタルやいなごなどが生息していたが今は極端に少なくなってしまった。除草剤の影響と言われているが残念である。
 昨年定年により引退された大倉さんが、最近那須で田舎暮らしを始められたとのこと。私の帰省道路から少し外れたところのようなので近いうちに訪ねてみたいと思っている。
 さて、大倉さんがエッセー集のなかで公明党という政党の危険性を度々指摘されていたが、今の情勢がその極限ではないだろうか。
 昨日まで「平和」を叫んでいながら戦争法案である「ガイドライン法案」には賛成する。「オウム以上に不気味で警戒しなければならないのは創価学会である」と愛読する日刊ゲンダイがふれていたが、的を得た分析と読むのは私だけだろうか。(飯塚勇中央執行副委員長)


●News−各地のたより−

8日に地方公聴会=地方分権一括法案と行革法案
 衆議院行政改革特別委員会で審議されている地方分権一括法案と中央省庁再編法案の中央公聴会を7日に、地方公聴会を8日に行うことが決定。政府は、9日にも締め括り質疑をし、採決を強行する構え。

調整手当「見直し」やめよ=5.21人事院前要求行動
 国公労連をはじめとした公務労組連絡会は、5月21日、調整手当の「見直し」改悪反対、一時金カット反対などを掲げて、人事院前要求行動を行いました。この行動に全厚生は、本省・統計・人口研の各在霞ヶ関支部はじめ、上京団行動に参加した各支部の代表、25人が参加しました。
 人事院は、99年人事院勧告に向けて、調整手当の「支給地域及び支給区分等の見直し」を行うとして作業を進めています。

庁舎の新配置を発表=統計と人口研はまた引っ越し
 政府は、5月27日、2001年から1府12省庁に改める中央省庁がそれぞれ使う庁舎の新配置を発表しました。
 厚生労働省は、環境省とともに現在と同じ合同庁舎5号館に入り、現在別館に入っている統計情報部と国立社会保障・人口問題研究所は、5号館に引っ越すことになります。この別館には、人事院が入り、人事院が入っていた庁舎(現在立て替え中)には、総務省・国家公安委員会が入るなど、大がかりな引っ越しが行われます。政府は今後、庁舎ごとに各階の利用計画を策定した上で、具体的な段取りを詰め、部屋割りの変更や模様替えの工事は、ぎりぎりの2000年秋から年末に集中させ、予算編成を終えた2000年末の1週間前後に、省庁ぐるみで、庁舎間移動をするとしています。


●憲法違反の戦争法強行成立

自・自・公が暴挙=発動許さぬたたかいを
 日本がアメリカとともに海外での戦争にのりだすガイドライン法=戦争法が、5月24日、参議院ガイドライン特別委員会と参議院本会議で、自民、自由、公明三党の賛成で強行採決、可決成立しました。
 共産党、社民党はすべてに反対、民主党は、ガイドライン三法のうち、周辺事態法について、「船舶検査活動」が削除されたのは「欠陥法案」だとして反対し、自衛隊法改悪と改定ACSA(日米物品役務相互提供協定)には賛成しました。
 自民、自由、公明三党の、日本を「戦争しない国」から「戦争する国」に変質させるこの暴挙にたいし、国民の怒りが広がっています。
 今後は、この戦争法にもとづく戦争協力を拒否するたたかい、法律の発動許さないたたかいを広げることが重要です。

ストップ戦争法=5.21全国大集会に5万人
 「新ガイドラインに反対する人 みんな集まれ!ストップ戦争法5・21全国大集会」が、5月21日夜、東京・明治公園で開催され、5万人が参加しました。全厚生も、本部はじめ本省・感染研・ハ病研・神奈川県の支部から33人が駆けつけました。
 この集会は、宗教者や陸・海・空・港湾労組20団体(連合も含む)が呼びかけ人となり、「ガイドライン反対」の一点で共闘して開かれました。 集会では、共産党の不破委員長、社民党の土井委員長がそろってあいさつしました。
 集会に参加した本省支部の伊藤支部長は、「自自公の暴挙は許せない。立場の違いを超えて、ガイドライン法反対の一点でこれだけの人が集まったのはすばらしい。今後の運動につなげたい」。
 感染研支部OBの山本実さんは、「この法案に反対する行動をしたかと歴史に問われたとき、恥じない生き方をしたかった」と集会参加の決意を語りました。

反対の世論広がる=国公労連が新宿で署名行動
 「憲法違反のガイドライン法案は廃案に」と5月22日、国公労連は新宿で宣伝行動を行い、全厚生からは五人が参加しました。
 土曜日午後の新宿駅周辺は人でごったがえしていましたが、21日の明治公園での反対集会の様子が、各テレビ局のニュースで放映された直後ということもあって、ビラの受け取りも良く、中学生や若い母親、お年寄りまで、署名に応じる人が相次ぎました。「戦争法反対」の国民世論は着実に広がっていると実感できる行動でした。


●国立援護機関は存置すべき
国立施設管理室長交渉で回答

 全厚生の社会福祉支部は5月24日、国立施設管理室長と当面の課題で交渉しました。これには、鈴木・加藤両副委員長・岡野書記長ら本部役員、6支部代表が参加し、管理室側は三枝室長、有馬補佐らが対応しました。
 交渉は、行革関連、国立施設のあり方、施設機能の拡充・強化、昇格改善、調整額・諸手当、増員、福祉職俸給表の新設、宿日直、人事異動などの要求と課題について室長の回答を求めました。
 行革について室長は、行政組織の減量化・効率化の議論が残っており、業務委託の方向の話がある。国立施設のあり方をめぐって室長は、企画課長を座長とした検討会の報告書がまとまり、前向きのものは組織定員等予算要求をしていく。基本は、障害者のリハビリを推進するということを前提に置けばナショナルセンターは必要不可欠、国立援護機関は存置すべきものだとの前提にたっている。施設運営全般をみれば、職員が働きやすい、入所者が利用しやすい環境整備に向けて、「あり方」の議論を進めて行かなければならないとの見解を表明しました。
 施設機能の拡充・強化では、(1)視力センターの実習助手を配置するための賃金を全施設一名分付けた(2)伊東センターに内科医の配置についてリハに話していく(3)リハ、「ラン、光ファイバーで結ぶ」が去年の補正で入った。別府、伊東、塩原にホームページ・インターネットを入れる。
 福祉職俸給表では今年勧告が出されるだろう。昇格では、冒頭「3月の発令が遅れて申し訳ない」との表明があり、困難だが人事院協議、定数要求をしていく。調整額・諸手当では、例がなくきついものもあるが要求していく。昨年は自動車運転手、医事課職員が人事院で駄目だった。増員は厳しいが要求していくとそれぞれの項目にわたって回答しました。


●交渉に向けて意思統一会議=厚社連支部代開く

 全厚生は5月23日厚社連(全厚生社会福祉支部連絡協議会)支部代表者会議を開催しました。
 会議には函館、秩父、伊東、神戸、福岡の五支部と本部のあわせて10人が出席。杉下委員長のあいさつの後、翌日の管理室長との交渉の準備、支部の現状報告を行いました。最後に両輪署名のあとひと押しの提起があり、意思統一後、閉会しました。


●ピカピカの小学1年生(4)

全厚生組合員の「ピカピカの小学1年生」全員集合。数回に分けて掲載します。
(コメント説明)
(1)こどもの氏名(ふりがな)
(2)大きくなったら何になりたい?
(3)お父さん、お母さんからのメッセージ

伊庭宏樹くん
 (1)いばひろき(2)サッカー選手(3)とても元気で、やさしい宏樹。お兄ちゃんとそしてお友達と仲良く遊んでね。


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