◆第1423号(1999年1月25日付)◆
●行革闘争みんなで−全国支部長会議ひらく−
 全厚生は1月8日、東京・「みやこ莊」で全国支部委員長会議を開催しました。会議には、24支部の委員長(代表者)と本部役員が出席し行革闘争などについて討論しました。

みんなで決めた事やりきった感動を
 あいさつにたった杉下委員長は、「今年の初詣は過去最高といわれ、不況を反映している。これをどう打開するか。たたかってこそ明日がある。この1年、しっかりと職場に根を張った運動をすすめたい。出足早く本部・支部が一体となってとりくもう」と厳しい幕明けになった99年の新年に当たっての決意を表明しました。
 続いて杉下委員長は、政治、経済、行革、99春闘、平和などの情勢の特徴についてふれ、大銀行への60兆円の投入、労働法制の改悪、財政の危機ラインをこえた赤字国債の発行、大企業本位の公共投資優先などむちゃくちゃな政治がまかり通っており、政治の根本が問われていると指摘しました。
 行革のたたかいについては、「本部は一定の努力はしてきたが、まだ十分とはいえず、4部門が一体となってたたかいを強化していきたい」と強調。99春闘では、「すべての組合員の参加で両輪の署名を持って地域に出て、大胆に取り組んでいただきたい」と訴えました。平和問題については、自自連立のもとで、憲法調査委員会の設置などの画策も進んでおり、憲法九条の見直しにとどまらず、基本的人権、国民主権にかかわる見直しであり、「常任委員会の設置に反対である」と強調しました。
 最後に、今すすめられている行革をはじめとする政治は、一見着々と進んでいるように見えるが政府・与党にも矛盾が生まれてきていることを強調し、全支部が一丸となってたたかい、全組合員参加の運動を全力ですすめ、職場に今までにない変化をつくる努力と決意を持って、次期大会では、みんなで決めたことを「やりきった感動」をお互いに味わえるようにがんばろうと呼びかけました。

99春闘は職場地域で両輪署名に全力
 続いて岡野書記長が、99春闘方針案を中心に提案しました。大会以降の運動では、(1)橋本6大改革に反対する闘い、(2)組合員の生活と権利を守る闘いの2つを柱にたたかってきたことを振り返り、11.18中央行動を上京団と在京の仲間の参加で成功させたことやシンポジウムや講師活動を積極的に展開し、共同を広げてきたこと、さらに試験研究機関支部を中心に独立行政法人に反対する取り組みを強めてきたことなどを強調しました。
 99春闘では、(1)職場を基礎にした運動をすすめること、(2)地域での活動を強化すること、(3)「行革大規模署名」と「年金改悪反対署名」を「両輪の署名」として積極的に取り組むことを強調し、職場を基礎にした積極的な運動を通じて、組織を強化・拡大し、過去最高の峰を築こうと訴えました。

どうたたかい頑張るか全支部が発言
組織強化は運動の基本
 組織強化・拡大を重視した運動の経験が多く語られました。
 昨年4月から4名の組合員を新たに迎えた伊東支部では、対話→組合加入の訴え→国公共済会の紹介を、個人の対応ではなく組織的に対応している経験が生き生きと、報告され、「イカロウかわら版」の定期発行を続けている函館支部からは、職場に過半数の組合をつくる必要性と、支部機関紙が組織拡大にも大きな力を発揮していることが語られました。
 国立衛研での、未組合員の参加も得ながらスプリングフェスティバルを開催し、組織拡大に結びつける経験、国立リハ支部で1月で1名を目標に組合員を増やそうと工夫していること、神戸支部、塩原支部からは、組織拡大で職場に組合の風を吹かそうと決意が表明されました。

職場基礎にした運動を
 職場を基礎にした運動についても様々な経験が語られました。
 国立リハ支部では、「よろず相談室」をつくって意見を集約したり、職場をこまめにまわって職場の声を聞いている経験、本省支部で組合員を集めて話をする機会を数多くつくろうと工夫していること、京都支部では職場要求づくりにむけて、独自アンケート・全員学習会・小集会を準備し一人一人の思いを引き出して大きな運動にしたいと決意を表明。
 統計支部からは、労働省との統合についての不安が職場にあること、99春闘では賃上げで努力する決意と年金学習会の要望に応える取り組みなどが報告されました。
 業務センター支部では、男女の昇格格差の解消、セクハラ問題などを積極的に取り組み、人口研支部では図書の行政職(一)の処遇改善、感染研支部では研究職2級の高位号俸の解消、衛生院支部では所長交渉で10年以上図書の仕事をしている人の3級から4級への昇格を約束させたなどの成果が報告されました。また、秩父学園支部ではしばらくぶりに交渉を行い、新しい財産と経験を生み、広く要求を集めることの重要性を再確認しました。

国民と共同の追求を
 広く国民に訴え共同を広げることについても積極的な取り組みの報告がありました。
 愛知県支部では、昨年7月に年金をテーマにしたシンポジウムを開催、全医労や全労働の仲間と懇談会を発足させ交流からスタートし2月にシンポジウムを開催するまで発展したこと、神奈川県支部からも県社会保障推進協議会の集会に主体的に取り組み年金シンポジウムとして成功させたこと、香川県支部では県社会保障推進協議会と年金学習会を準備していること、ハ病研支部では東村山の連絡会に結集して地域での共同をすすめていること、岐阜県支部からは全医労の仲間と共同して地方での厚生共闘の取り組みを追求したいという熱い思いが語られました。

両輪署名に全力挙げて
 両輪の署名については、岐阜県支部ですでに組合員1人15名分の署名を集約したこと、愛知県支部で全分会で職場集会を開催し署名の目標とすすめ方を意思統一し、名古屋を中心に宣伝行動を展開していること、香川県支部では組合員と家族分をすべて集約したこと、愛媛県支部からは職場の退職者にも積極的に協力を要請すること、ハ病研支部は東村山の共闘組織にも持ち込むなど目標を上回る署名を集約する決意を表明、京都支部からも街頭宣伝でのビラの受け取りも良く聞かせる宣伝も重要など、様々な経験が報告されました。

自ら目標決め対話して
 すでに73名分の署名を集約した藤田茂中執は、提起しても十分に取り組めていないのが実態で、提起した側も責任が果たせていないことを強調。目標達成に力を緩めず、目的を持って常に意識的に追求していくことが重要だ、年金署名でも誤解している人も多く、対話して集めることが重要だと、経験とともに決意を表明しました。ちなみに、藤田中執の自己目標は200名です。

独立行政法人許せない
 独立行政法人の問題では、栄研支部から栄養調査・栄養所要量など行政に密着した分野になっており世界的にも誇れるデータを蓄積していることや、国が予防を政策として打ち出しているもとで、生活習慣病はまさに習慣の改善であり、国の行政そのものであることを強調し、職場に怒りと不安が募っている実態、新聞投書など様々な工夫と努力をしていることが報告されました。
 業務センター支部では、独立行政法人の検討対象にあげられた直後に職場集会を開催しました。このほか、社会保険職員の都道府県への身分移管を求めて、自治労が行っている都道府県議会への請願行動に関わって、請願書が出された秋田県支部、静岡県支部、岐阜県支部、滋賀県支部、香川県支部から取り組みの報告がありました。
 滋賀県支部からは、青年交流集会に参加した青年が「勇気づけられた」との報告があり、青年を対象にした積極的な取り組みの重要性が明らかになりました。

全体をみて運動を前進させていこう
 全国支部委員長会議の閉会にあたって、杉下委員長は、各支部の話に元気かつ勇気づけられたことを強調し、それぞれの職場だけを見るのではなく、全体をみて運動をすすめることが重要。社会福祉支部の組織拡大の成果も報告されたが、元気を出すのはこれから。課題は大きいが、たたかうに不足なしという情勢。元気を出してがんばろうと、しめくくりました。



●32人全員の雇用確保−国立大田病院問題で成果−


 本紙1月5・15日付で報道した島根県の国立大田病院の不採用者問題は、看護婦10人の採用決定につづき、残りの22人についても雇用がきまりました。国立大田病院から大田市立病院への移譲にともなって不採用の烙印をおされた32人全員の雇用が勝ち取られたのです。
 全医労大田支部の組合員は、「安心してかかれる市立病院をつくりたい」「一緒に市立病院ではたらきたい」「一方的な不採用は理不尽すぎる」と、全国の仲間たちの支援もうけて、10万枚のビラを配布し、地域宣伝行動や大田市長あての「大田市立病院の医療充実と希望者全員の採用を求める請願署名」行動などをつづけ、多くの市民の支持と共感をひろげ、大きな成果をあげることができました。
 この大田病院の全医労の仲間たちのたたかいは、これまで国立病院で働き、地域医療を担い、職場医療研究でつちかってきた看護観の否定にたいするたたかいでした。また、国立病院・療養所の再編成とそれにつづく独立行政法人化を視野にいれた厚生省の攻撃に真正面からのぞんだたたかいでした。
 いったん不採用になった32人全員の雇用がたたかってまもられたことは、私たちに大きな勇気と確信をあたえるものとなりました。
 大田病院の仲間たちはいま、「安心してかかれる市立病院になるよう充実させていこう」「よりよい市立病院をつくり、地域医療をまもり発展させた」と、決意を新たにしています。

●職場からセクハラなくそう
業務センター支部の取り組みから


 セクハラ防止に関する人事院規則(10−10)が今年4月1日から施行になりますが、それに先がけてセクハラ対策に取り組んでいる業務センター支部の清水美穂さんにレポートを寄せていただきました。

意識教育の徹底を当局に要求して
 2年ほど前から、セクハラに関する声が寄せられており、当局に対して、「意識教育に積極的に取り組むよう」要求してきたところです。先日行われた支部所長交渉において、「人事院規則が改正されたことに伴い、今後のセクハラ対策を考えているのか」と質したのに対し、具体的な対策は何も示されませんでした。
 支部としても、さらに理解を深めるため書籍を購入して貸し出しをしたり、女性部が中心となって、「セクハラビデオ上映会」2回開催しました。また、広報紙で見つけた「労政事務所主催のセクハラセミナー」への参加を呼びかけ3名が受講しました。参加者からの感想を紹介します。

セクハラセミナーに参加して
 東京都労政事務所主催の「会社員のためのセクシャルハラスメントセミナー」に参加しました。セクハラとはどのようなものか、何故問題になるのか、セクハラに関する法律と防止策・対応策はどんなものがあるか等のテーマで、大学教授や弁護士から講義がありました。その講義の中で印象に残ったことが2点ありました。一つは、アメリカにおけるセクハラ加害者は、同僚と部下のものが86%、上司が14%。日本とは随分違うなあ。日本は逆で、上司、先輩からが70%。また、アメリカの男性は、セクハラをされた人がダメージを受けることを知っていて行っているそうです。女性にダメージを与え、女性の仕事や出世のじゃまをし、自分が出世していくことが目的なのだそうです。日本の場合は、セクハラを受けた者が、嫌がっていることさえ知らないでやっている状況です。
 もう一つ印象に残ったことがあります。セミナーの参加者の半数が男性でした。そして、職場内でどうしたら良いか真剣に考えているのには驚きました。後で聞いてみると、企業の人事担当者が多数参加していたそうです。さすがに、企業は違うなあ。職場でセクハラ問題を真剣に取り組むことが企業の発展にとって必要なのだということを認識していると思いました。

●第23回全厚生女性交流集会in京都


テーマ:一歩ずつ前進 あざやかに輝け

と き:2月27日(土)14:00 〜 28日(日)12:00

ところ:ホテルニュー京都 京都市上京区堀川丸太町角(二条城北)

記念講演:野田淳子さん(シンガーソングライター)
     子育ても演奏活動もと前向きに生きてきた野田淳子さんにお話していただきます。
     もちろん、歌も歌っていただきます。

内 容 夕食交流会、部門別交流会、分科会ともりだくさんです。
行革、独立行政法人化問題、定員削減…仕事と子育て・介護…日々忙しいけれどけれど、みんなで交流し、語り合い、元気になれる集会にしようと現地実行委員会と女性部幹事会で準備をしています。
今年は分科会に、京都のフィールドワークも加えました。冬の京都に、ぜひお越し下さい。
保育もありますので、子どもさん連れでどうぞ。
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