◆第1422号(1999年1月5・15日付)◆
●あけましておめでとうございます
心から一杯のお茶を=中央執行委員長・杉下茂雄


 全国の仲間の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
 年頭にあたり、いつも元気でがんばる決意であることをまずもって申し上げます。
 さて、昨秋には中央執行委員の山本潔さんが運転する車で副委員長の加藤さんとともに、栃木県那須郡の創設50周年を迎えた塩原視力障害センターの組合主催の1泊2日のキャンプに参加する機会がありました。
 キャンプではセンターの仲間のみなさんのみごとな包丁さばきによる本物の料理、とりわけ5キロの那須牛の炭火焼きに舌鼓をうち、絶品の日本酒鷹天「心」を心から堪能しました。
 最近は、50歳の大台をまたいで、少量の美味しい酒と心尽くしの少量の肴、それも肴はできれば海の幸がよいと、いつも口にだけはしているが、ついつい度量が過ぎてしまい、温泉に入る楽しみも忘れ眠ってしまったのは不覚でした。
 しかし当日は、心して予定の時間より早めに着いたこともあり、午前中にセンター真向かいの箒川の岸辺にある混浴の露天風呂、岩の湯と不動の湯に浴することができたことは記しておきます。
 人とひとのふれあい、労働組合の存在は、まさにこのことにつきます。
 大変きびしい昨今ですが、どんなときでもそのことを大切にして乗り越えていきたいものだと考えています。そういう意味で、本部においでの際は心からのおいしい一杯のお茶と笑顔でお迎えしたいと思っています。お気軽にお立ち寄りください。
 政治は主権者国民が中心でなければなりません。不況はなお一層深刻であり、社会保障制度の相次ぐ改悪、国民、公務員犠牲の「行政改革」は許すことはできません。国民不在の逆立ちしている政治を改めさせるために、出足早く、ともに力を合わせて悔いなく、新しい年1999年をがんばりましょう。


●国立健康・栄養研究所を守れ
独立行政法人化は反対です


 国立健康・栄養研究所が独立行政法人化の対象機関として、行政改革会議最終報告の別表1に載ってから、1年あまりが経過しました。中央省庁等改革基本法の具体化作業を進めている中央省庁等改革推進本部は、昨年11月20日には「中央省庁等改革に係る大綱事務局原案」を取りまとめ、各省庁と協議を重ね、今月には、独立行政法人化の対象機関を含め、「法案大綱」を決定します。国民の健康に関する行政施策の遂行のために調査研究を行っている国立健康・栄養研究所を国の直接事業から切り離し、独立行政法人化するのは、国が国民の健康に直接責任をもつという世界の健康政策の流れにも逆行します。国立健康・栄養研究所が果たしている役割、なぜ独立行政法人化に反対なのかをリポートします。(文・写真 近藤浩美)

健康について気をつけていることがありますか
 「健康について、気をつけていることがありますか?」と聞かれたら、あなたは、「栄養のことを考えてバランスよく食べてます」、「適度な運動をしています」、「疲れたらちゃんと休みます」などと答えるでしょうか。それとも「気になってはいるけれど、何もしていません」と答えるでしょうか。病気になった時、「健康が一番」と思ったことは誰にも経験あることでしょう。その健康について調査研究をしているのが、国立健康・栄養研究所(以下、栄研)です。
 栄研は、1920年の創立以来、一環して国民の健康に関する行政施策の遂行のために調査研究を行い、その役割を果たしてきました。特に戦後の国民栄養調査、栄養所要量の策定など、国民の栄養状態の改善、健康の維持増進のために、厚生行政施策に密着した調査研究を行ってきましたし、現在も続けています。

国民栄養調査と栄養所要量を知っていますか
 通勤電車の中で、こんな広告を目にしました。「1本で1日分のカルシウム、成人の1日に必要なカルシウム量(600ミリグラム)がこの1本に含まれています」。説得力ある広告でしょう。私なら、普通の牛乳と並んでいたら、こちらを選ぶと思います。ここで「必要な」というのが、5年に1回改定される「栄養所要量」のことです。
 「国民栄養調査」というのは国民の栄養状態を知るために毎年行われている栄養素摂取量の調査のことです。
 「国民栄養調査」「栄養所要量」、あまりに身近すぎて気が付かないかも知れませんが、保育園や学校の給食などで毎日、お世話になっているのです。栄研は、この「国民栄養調査」と「栄養所要量」策定に深く関わっています。
 「栄養所要量」は、「栄養改善法」に基づき、1969年に厚生省が策定し、その後5年ごとに改定され、94年に第5次改定(95年から5年間使用)が行われ、現在第6次改定作業が大詰めの段階を迎えています。
 「栄養所要量」の策定は、厚生省が公衆衛生審議会に諮問し、公衆衛生審議会が厚生大臣に答申し、策定するというプロセスがありますが、その策定委員会の委員長はじめワーキンググループに栄研の研究者が入り、企画・立案・最終調整含めてかかわっています。
 この「栄養所要量」の策定にも関わっている栄研支部の斎藤支部長は、「栄養所要量の数値が変われば、必然的に、日本中の給食の献立が変わると言っても言い過ぎではないでしょう。この栄養所要量は私達の食生活をおおいに左右するもの」と言います。
 それだけではありません。斎藤支部長は、「この数値は、日本の食糧政策を左右し、さらに、食糧自給率の低い日本にとっては、外交政策にまで影響を及ぼします」。
 話を聞いていて、もし、「栄養所要量」について、公正な策定ができなかったら…との不安がよぎりました。

健康を大企業の利潤追求の場にするのか
 斉藤支部長は、そのことについて、「たとえば成人男子がビタミンEを10ミリグラム摂取するのか15ミリグラム摂取するのか、意見が分かれた場合、企業にとってみれば15ミリグラムの方がありがたい。たとえば、自然な食事から取れる量が10ミリグラムとしたら、後の5ミリグラムは強化された製品からしかとれないということになると、企業は、そういう製品を作って売り出せばもうかります。もちろん、そこで数字の操作をしたとなると犯罪ですから。栄研が独立行政法人化されたら、果たして、そのフェアなジャッジができるのか…不安ですね。たよりは研究者のモラルだけでしょうから」とその危険性を指摘します。
 たとえばタンパク質の所要量が変わったら、全国の学校給食に影響が出ます。少なくなれば、食材として肉や卵などの業者は大打撃になるということも考えられます。
 そもそも行政改革は、大企業のもうけになるものは、どんどん民営化していこうというのが基本です。栄研は一見、地道で、陰で厚生行政を支えるような研究をしているかのように見えるかもしれませんが、どっこい大企業にとっては、大いに利潤追求ができるおいしい研究所なのではないでしょうか。

生活習慣病を予防する積極的施策が必要です
 世界一の長寿国となった日本で、脳血管疾患、心臓病、ガンという3大「生活習慣病」で亡くなる方は年間55万人にものぼります。これは、死亡者全体約90万人の6割を越える数です。
 「生活習慣病」とは、不適切な生活習慣を背景とする一連の慢性疾患の呼び方として、2年前に「成人病」にかわり使われるようになったものです。これは、単なる呼称変更ではなく、「早期発見・早期治療で病気を直す」という従来の「成人病(二次予防)」の考え方から大きく前進して、「病気にならないよう生活習慣を改善し、健康を維持する」という積極的な一次予防の考え方にもとづいたものです。
 現在、政府は、国民の医療費の増大に苦慮し、自立自助の考え方のもとに、医療保険の改悪をはじめ度重なる医療制度の改悪をすすめようとしています。医療費の増大をおさえるためにも、なぜ、積極的に健康増進施策をとらないのか…、これは、栄研の誰もが抱いている疑問です。
 今後ますます、少子高齢化を考慮した国民の健康増進、生活習慣病の予防の施策が必要な時に、その調査研究の要である国立健康・栄養研究所を切り捨てようとするなど、言語同断です。
 今、ちまたでは、「健康食品」があふれ、テレビでは、「健康番組」が花盛りで、さまざまな情報が飛び交っています。たとえば「お茶は万病の良薬」とテレビで放映されれば、「ほんとうですか」と栄研に電話がかかってきます。さまざまな食品の効用がメディアを通じて流される度に栄研に問い合わせが殺到します。ダイエットの低年齢化も社会問題となりつつあります。正確な健康・栄養情報を積極的に伝えていくのも、厚生省の役割です。そのためにも国立健康・栄養研究所はなくてはならない存在です。

国立健康・栄養研究所は国民の幸せのために
 「研究は3年や5年で評価できるものではない。せめて10年は必要。研究者はみんな同じ意見です」と話すのは、皮膚ガンについての研究をしている山田晃一さん。「国民にとっての研究所の評価は、3年や5年では出ません。研究所の評価はもうけが出るかどうかではないのです」。痛風や肥満・糖尿病について研究している岡さんはきっぱり言います。
 独立行政法人化されると研究テーマをトップダウンでおしつけられるのではないか。研究予算がカットされないだろうか。研究環境が変われば、実験も中断する…など、研究者の不安の声は尽きません。
 全厚生行革闘争本部委員の樋口さんは、「もし、独立行政法人化されれば、インパクトファクターの高い論文をいかにたくさん書くかが優先されて、基礎的な研究はできなくなるでしょう。生活習慣病を予防する食生活や運動について、先を見て手を打つのが行政の役割。社会問題になってから取り上げたのでは遅い。国立健康・栄養研究所をさらに発展させていかなければ、国民の期待と要求に応えられない」と指摘します。廣田書記長は「国民の健康を維持、増進し、生き甲斐と希望をもって一生を送るために役立つ、真に国民の幸福を後ろから支えるような研究こそがあえて我々が望む研究です」。
 斎藤支部長が断言するように国立健康・栄養研究所は国民にとって発展させるべき研究所であって、切り捨てられる理由はどこにもないのです。

栄研を独法化するな
行革推進本部に申し入れ

 全厚生は12月24日、行革推進本部事務局に対し研究機関の独立行政法人化に関し、申し入れを行いました。
 全厚生からは、杉下委員長はじめ栄研支部の代表ら8人が出席、事務局側は担当参事官以下6人が対応しました。
 全厚生ははじめに、「栄研、感染研、国立衛研については厚生省当局も国立で存置という立場だ。どのような基準で独立行政法人化の対象を決めるのか。諸外国の例からも栄養関連の研究所は国の機関である」と独立行政法人化に反対を表明。
 事務局は、「行革会議で示された別表とその他の機関についても検討している。方針としては、出来るだけスリム化、効率化の観点。行革会議の最終報告や行革基本法を基に、直接国でやる必要があるのか。独立行政法人は国でやるということ。独立採算ではない。国がやることのメルクマールは、公権力の行使や危機管理など。栄研の業務が国でやるものであるという整理はされている。どこがなるかは、すべてが合意されているわけではない、ギリギリの調整をしている」と回答。
 栄研支部の代表は、「日本の国民栄養調査は世界的にも評価されている。栄研は生活習慣病の危機管理や行政密着型の研究をしている。米国でも国立でやっている」。「小さな研究所をどうするのか、職場では不安がいっぱい。栄研は再編の中で大きくなる予定だった」と訴えました。
 事務局は、「民間でやると言うことではない。どこで線を引くのかというのは議論がある。国の責任として直接やるのかどうかが問題。歴史的な経過や再編計画も承知している。再編も含めて答えを出したい」と回答。
 全厚生は、重ねて独立行政法人にしないよう強く申し入れました。
 なお、これまで全厚生で取り組んだ「厚生省の試験研究機関等の独立行政法人化に反対する署名」2319名分を事務局に手渡しました。

●99年新春全厚生組合員のひろば

−私が総理大臣だったら−
軍事費を抑制して社会保障に充てる=愛媛県支部・稲葉巌仁
 この不景気の中、トップのすることに納得いかない。何を根拠に政策を打ち立てているのだろう。
 私が総理大臣なら、まず「軍事費」を抑制し、社会保障に充てたいと思います。米国にどれだけの弱みを握られてるのかは知らないが、国際平和を目指す日本としては力が入りすぎている感がある。医療・年金を充実させ、国民生活に不安をもたらすことの無いよう、民意の反映する政策を選ぶことを第一としたい。

基礎年金国庫負担を3分の2にする=岐阜県支部・早川覚
 (1)全国の議員を1/2に削減し、子供を育てやすい環境をつくる。(余った費用で託児所および保育所等を増設し、料金も安くする)(2)基礎年金の国庫負担を2/3(増の1/3は目的消費税で)に引き上げ、1号被保険者の保険料をその分引き下げる。また、割り増し保険料を納付すれば、子の無い妻に遺族基礎年金、3級障害者に障害基礎年金が支給されるようにする。(3)介護保険料も目的消費税で。(4)銀行に公的資金援助は行わない。(貸し渋りも行わない優良金融機関が現に存在するから)公的資金援助は貸し渋りで困っている中小企業に回すべき。(5)他にもたくさん有りますが、字数の制限がありますので…

国会を解散し国民の判断を仰ぐ=香川県支部・海田佳秀
 私が総理大臣なら、八百屋の店先で蕪を両手で掲げるパフォーマンスよりも先に、衆議院を解散し、国民の判断を仰ぐことが先だと思う。個々の政党が、政策を打ち出し、議論を闘わせることで、政治に対する真摯な姿勢を示すことが、今の日本にとって、最も有効な「癒し」となるように思われる。やはり、一国の宰相が「凡人」と評されるような人物では、淋しい気がする。

高速道路の無料化で個人消費は回復=愛媛県支部・岡田圭
 日本全土は不況、不況の大合唱。これでは景気よりも気が滅入る。このような時には気分が明るくなるような政策で、国民の気分を一転したいところ。例えば高速道路の無料化などをすると、レジャーに出かける人はかなり増え、気分一転。人が動けばマネーも動く。無論私も動く。行く先々でお金が落ちれば低迷する個人消費の回復に一役買うかもよ総理。検討ください。

年収250万円で楽しむ方法を身につける=函館支部・佐藤浩輔
 テレビの全国放送で「これ以上政治に良いことを期待しても無駄だから年収250万円で人生を楽しむ方法を身につけてください」と国民にお願いする。やがて家計は慎ましく健全な消費態度を取り戻し、大量生産・大量販売・大量消費の構造も改まることでしょう(?)

−あなたは舞踏派?それとも武闘派?−
天然物極上ウニと一緒にサーフィン=伊東支部・樋口幸治
 サーフィンは、自然と人間が一体になれる遊びである。この夏、台風の接近でいつも見る海は、山のような波が次々に押し寄せている。ここは一発、力試しだと思い岩場に飛び込んだ。すると左足の親指が何やらチクチクする。よく見ると天然物の極上ウニが刺さっていた。このウニとは、1ヵ月程度親密な関係を続けた。でも、こんなに楽しい遊びは他では味わえない。

ウルトラマンの父怪獣役でがんばる=静岡県支部・高橋一夫
 毎週土曜日の夜、ウルトラマンのテレビを見た後に、私が怪獣で子ども2人がウルトラマンになり、壮絶なたたかいが始まります。おかげでたいへん良い運動になり食欲が増します。2人とも足蹴りが上手になりました。

イカ?踊り……函館市民の舞踏=函館支部・佐取幸枝
 私だけでなく、これは函館市民の舞踏?なんですけど。  初めて見た時は「なんだこれ?」2回目には「なかなかいいかも?」3回目には「とまらない!」踊れば踊るほど、イカになったような、なっていないような・・・。

Muy bien!フラメンコ爆進中=福岡支部・上田寿美
 フラメンコの良さを説明する事はとても難しすぎます。でも、踊る側の個性とフラメンコの伝統的な形の絶妙な重ね合いから生まれる空気を感じとった瞬間。その緊張感がたまらなくいいのです。今年、スペイン人の先生にレッスンを受ける事になり、ただ今、爆進中です。先生の!Muybien!(スペイン語でよくできましたの意)を励みにがんばるのみです!

音楽にあわせて楽しくエアロビクス=香川県支部・角田千恵
 ひょんなきっかけで週に一度エアロビクスをやっています。まずストレッチ体操で体をほぐします。体がやわらかくなったところでノリのいい音楽にあわせてダンス。そして軽いトレーニング後、リラクゼーションで終わります。この静と動が体にとても良いのです。体は多少疲れますが精神的には楽な気分になれます。ダンスは今一つ上達しませんが楽しくやっています。

−愛車でGO!−
いえーい!私の愛車はミッキー号=統計支部・梅澤いづみ(2)
 いえ〜い!あたしの愛車はミッキー号。公園に行くときはいつもコレに乗っていくの。買ってもらった時は足が届きにくくてサドルじゃなくてパイプに座っていたけど、今はぴったりフィット。
 お母さんより早く走れるんだから。(母・明子)

ランドクルーザーで釣りにGO!=函館支部・高橋精一郎
 Land Cruiser 70 ZX 4door tipe 毎週毎週、山と海とをかけ廻り、ついに前の車60tipeが10万キロを越え乗り換えたばかり。いまどき珍しい板バネだが悪路には強く、甥っ子、姪っ子はトラックだバスだと言うけれど無くてはならぬ相棒です。新車もあっという間に魚臭くなってしまったけれど、厳寒の北海道でも月間1500キロを走り廻っています。今週末も釣りにGO!

チョロQの気分で車種は何でしょう=香川県支部・池田明弘
 僕は夏に初めて車を買いました。本当は春に買う予定でしたが、家の前が下水道工事で道路が使用できなくなり、買うのを延期せざるを得なくなりました。車はチョロQの気分で運転していますが、よく走るので快適です。10年は乗るで!!

つり目のセレスまだ2万キロです=統計支部・和佐田裕子
 私の愛車はトヨタセレス。マリノの方が有名なのでよく間違われますが、見分けるポイントはライトがつり目なところ。マリノはたれ目なのです。
 来年初車検だというのにまだ走行距離が2万キロに満たない。もっと走らせないとサビそうです。

カローラ2に乗って屋島をドライブ=香川県支部・小笠原和弘
 私の愛車はトヨタのカローラ2です。白色の2ドアで、買い物や家の用事でよく利用しています。楽しかった思い出は、屋島のまわりをドライブしたことです。これからもこの車を愛用していこうと思っています。

トラブル続出エンジンだけは…=岐阜県支部・匿名希望
 7月購入の我が愛車。走りの5速!サーキット走行に持ち込んだが、スピンのうえ土手に乗り上げダメージ。その他にもトラブル続出。何度も修理に出かけているが、次はどこが壊れるのか心配である。どうかエンジンだけは…と祈る毎日。

愛車の名はポチどこに行くのも一緒=愛媛県支部・亀元由美
 私の愛車の名前はポチといいます。買(飼)いはじめてまだ1ヵ月です。最初はなかなかなつかず、あまり私の思うとおりに動いてくれませんでした。先代のポチも実はまわりとケンカをして家出したまま帰ってきません…。でも、今ではどこに行くのもいつも私と一緒です。なんてかわいいやつなんだ!これからもよろしくポチ!


●地域医療を守り、希望者全員の雇用確保へ
ルポ・がんばる国立太田病院の仲間を訪ねて−中央執行副委員長 加藤重徳


太田市、看護婦10人採用へ前進
 「がんばってきて本当によかった」。いちど不採用の通知を受けた10人の看護婦さんたちは、師走の寒気のなかで、そっと胸に手をやりました。
 「一緒に市立病院で働きたい」「採用枠があるのに10人の看護婦を不採用にするのは理不尽だ」と、島根県大田市にある国立大田病院の大田市への経営移譲にともなう職員32人の不採用撤回、希望者全員雇用のたたかいは、全国の仲間たちの心をゆさぶり、大きく燃え広がりました。
 こうしたたたかいの高揚のなかで、厚生省は昨年12月11日、10月13日の不採用者通知者(32人)のうち、看護婦10人にたいして、島根県大田市の熊谷國彦市長からの大田市立病院(仮称)の採用内定を通知しました。この日、病院長から、通知が一人ひとりに手渡されました。

国から大田市に移譲の際32人を不採用に
 大田市は、島根県のほぼ中央に位置し日本海の海岸線を表玄関に平坦部から山間部にかけた地域です。人口は約3万5000人。出雲大社、石見銀山という古代から近代までの由緒ある文化と歴史が息づいた地域です。
 そんな静かな地域で、国立大田病院は地域住民の国立病院としての役割をはたしてきました。ところが厚生省の国立病院・療養所の統廃合計画のなかで、昨年7月、厚生省、島根県、大田市の三者が99年2月1日を目途に経営移譲することで合意したのです。その日以降、7月下旬から病院の改修工事が始まり、8月下旬には職員説明会・意向調査、そして10月上旬には市の採用試験が行われました。10月13日、市立病院への職員として希望していた32人に対して、大田市は不採用を通知したのです。このなかには、市の採用枠があるにもかかわらず、10人の看護婦の不採用がふくまれていました。

全医労大田支部のたたかいは急速に拡大
 国立大田病院移譲にともなう職員不採用者問題はこうした理不尽な結果を受けて始まりました。全医労大田支部(新林支部長、組合員162人)は直ちに不採用撤回・希望者全員の採用を求めてたたかいにたちあがりました。
 「こんなに真面目に患者さんの看護をつづけてきた私がなぜ不採用にならなければならないのか。もう目の前が真っ暗で、心が凍りつく思いでした」と、副支部長で看護婦の高平多恵子さん(51)は話します。
 それは、高平さんが25年間の看護婦として一生懸命つづけてきた看護の仕事そのものを否定されたことを意味していたのです。
 高平さんは「国立から市立に移行するにあたってあなたは戦力外と宣告を受けたも同然でした。こんなせまい地域だからよけい深刻でした。でもこんな理不尽なことに負けたくない。全医労大田支部で議論し希望者全員の採用までたたかうとの意思統一をかためたのです」と力強く話します。
 こうしてたたかいは厚生省前行動、地域での宣伝・署名活動、厚生省交渉、地元での決起集会、市議会傍聴行動がとりくまれ、急速にもりあがっていきました。
 こうしたたたかいの高揚のなかで、いちど不採用のハンコを押した市長の決断をくつがえさせたのです。  12月5日、10人の看護婦について再度の面接採用試験が行われ、市長はこの間の不採用通知について謝罪しました。
 翌6日に、「より良い市立病院をつくる市民集会」が開催され、全医労大田支部の組合員、国公労連、医労連の仲間たち450人が集まり、会場を埋めつくしましたた。そこには車で5時間かけてかけつけた香川県支部の森支部長と藤田中央執行委員の姿もありました。

みんな夢中で……心をこめて訴えた
 筆者はこの日午前、全厚生の杉下委員長と一緒に大田病院を訪ね、組合事務所でたたかいの先頭にたっている看護婦さんたちと会うことができました。杉下委員長は大田支部の組合員を激励し、「全厚生はみなさん方のたたかいに連帯し、最後の勝利にむけてがんばる」と決意を語りました。
 全医労中国地方協議会の富田久夫議長は、「みんなほんとうに夢中でやってきた。政治を、世論を動かした。マスコミも最初はひややかだったが、だんだんわたしたちの主張を支持してくれるように変化していった。まさに世論の力でした」と話します。事実この間、組合員や支援の人たちは1万2000世帯の家々に10万枚のビラをくばり、一軒一軒署名にはいり、不採用通知がいかに理不尽なものかを心をこめて訴えていったのです。

悔し涙流し、団結あったからがんばれた
 不採用通知をうけた日はみんな悔し涙を流し、看護婦さんたちは組合事務所を離れようとはしませんでした。「気持ちの整理がつかなかったのでしょう」と富田さんは、看護婦さんたちのやり場のない気持ちを代弁します。
 いちどは不採用通知をうけた高平さんは、「ほっとはしました。しかし複雑な気持ちなんです。素直に両手をあげてうれしいとはとうてい言えないのです」とうつむきます。「だってそうでしょ。不採用通知をうけたの32人いるんです。採用枠があった看護婦10人は採用のメドがたちましたけれど、希望して採用されない職員が残されているのです。一緒に市立病院にいこうねとともにたたかってきた仲間がいるんです」と高平さんは、まだ採用のメドがたたない仲間たちを気づかいます。
 その言葉は、大田支部の団結の固さを象徴しています。この短い期間のたたかいで、ひとりの脱落者もだしていないのです。
 「内部の団結があったからこそ、ここまでやれた。心が凍りつくおもいでここまできた。みんなで協力していく、団結をいっそうかためる、そのことがみんなの気持ちになっています。採用枠がないといわれて不採用になっている仲間の雇用を確保するまでがんばていきたい」と高平さんはいいます。
 その思いは、大田病院のOBの岸秀司さんも同じです。岸さんは大田地域の医療を考える会の事務局長をつとめています。岸さんは、「大きく一歩扉を開くことができた。全員の採用がなければ地域の医療が守れないと、みんなが思っているからなんですね。これまできびしい職場実態のなかで、職場医療研究集会を開いてきた。こうした活動のなかで、みんなの団結がぐいぐいと強まっていくのが目に見えた。OBとしてこんなにうれしいことはなかったですよ。わたしも地域医療を守るためにこれからもがんばっていきたい。それにしても、たたかう労働組合でなければ要求は前進しないことがみんなの胸にずしりと落ちたことだと思う。このことを肝にめいじて最後までたたかえるでしょう」と岸さんは後輩たちのたたかいを温かく包み込みます。そして、自らも地域医療をまもる先頭に立つ決意を語ってくれました。

全員の採用なければ地域医療守れない
 希望者全員の採用にむけてのたたかいは、経営移譲予定の2月1日までぎりぎりまでつづきます。看護婦の仲間たちとともに昼夜たたかいをともにしてきた組合員の気持ちは、言いようのないものがあります。
 厚生省前行動や日比谷野外音楽堂での行動に高平さんと一緒に上京し、がんばっている看護助手の桧尾喜世子さん(49)は「いまの気持ちは正直にいってすごくショックです。ひとり取り残されたような気持ち。くやしいです。わたしがよほどだめなのか、と自分を責めたことがありました。でもわたしは17年間看護助手としていい加減な仕事はしてこなかった。それは自分が一番わかっつているはずだ、といいきかせて、初めからたたかってきました。くやしいけど、最後まで徹底して、納得がいくまでがんばります。これからこそ団結の底力をみせるときなんですから」と、唇をきっと結びました。
 その桧尾さんの決意は、12月6日の市民集会で不採用になっている仲間たちが壇上にあがり、決意を述べたとき、桧尾さんの手は隣に並んだ仲間の手をぎゅっとつかんで一生懸命涙をこらえていた姿に現れていました。


●視力障害者の方に全厚生と国公労新聞をFDにして送付

 従来、視力障害者が新聞などを読むには、誰か他の人に読んでもらうか、点字に翻訳する方法しかありませんでしたが、近年の電算機の進歩によりデジタルデータをコンピュータに声を出して読ませる技術が開発され、障害者の社会参加の一助となっています。
 全厚生は今まで、「声の全厚生」として神戸支部の淵上さんが中心となり、ボランティアグループ「燈台」の方たちが朗読してテープを作成し、各視力支部に送付していました。
 しかし、前の全厚生定期大会の福祉支部の議論の中で、「全厚生新聞と国公労新聞をフロッピーにして送付してほしい」との希望が出され、実施することになりました。
 両方のすべての記事をフロッピーに入れることで、より多くの人に読んでいただくことができるようになりました。

組合情報のバリアフリー=リハ支部・加藤則夫
 私が組合の情報を得るため従来は対面朗読で「全厚生」「国公労新聞」を読んでいただくのに4〜5時間を要していました。
 今回、本部の市川・近藤両氏のご努力でフロッピー配信が実現しました。誠に喜ばしく思います。これならば、人手を煩わすこともなく、パソコン(音声装置)で好きな時に、好きな所から聞くことが出来、組合活動が身近に感じられるようになり満足しています。
 本部のご配慮に感謝申し上げます。
 これからも組合情報のバリアフリーに一層のご配慮をお願い致します。

●やせ願望への警鐘
全厚生栄研支部 石見佳子(国立健康・栄養研究所食品科学部)


 昨今の健康ブームにのって、ちまたには健康食品が溢れています。その主流を占めるのがダイエット食品で、ギムネマ、ガルシニア、カプサイシンなどなど、種類も豊富です。やせたいと思うのは女性の永遠の願望で、小さいときからバービー人形の体型にあこがれて(ちょっと古いかも)、木村くん(?)の発言を気にして食べたい物も我慢するという経験はありませんか?しかし皆さん、いたずらなダイエットには危険がいっぱいなのをご存じですか?

やせるお茶やハーブのダイエット効果は
 ダイエットを科学してみると・・。まずダイエットには二種類あります。
 一つは、食事に特別の配慮をすることなしに、特定の食品や成分をとるだけで痩せるというものです。特定の成分が脂肪の吸収を抑制したり、熱産生を促すというわけです。
 しかし、これらは動物実験などで、多少の効果が実証されているものもあるようですが、実際ヒトに対してはどれだけの効果があるのかは不明のものが数多くあるようです。とくに痩身をうたったお茶などには、脂肪を分解するリパーゼは含まれていませんし、さらには食欲減退、下痢、眠気などの副作用をもたらす食欲抑制剤フェンフルラミンが添加された中国茶が輸入販売された形跡もあり、危険をはらんでいます。また、ハーブテイーは、ものによっては健康に悪影響を及ぼします。もともとハーブには生薬として薬効のあるものが多く含まれますが、発がん性や変異原性をもつ成分を高濃度含むものや、有毒物質を含む植物の葉が混入していて中毒死をおこした例もあります。
 このような健康食品を摂取しはじめて、食事制限も運動もせずに痩せるときは医師に相談したほうがよいと思われます。

ダイエットはカルシウム不足をまねく
 二つ目は摂取する総カロリーを下げて減量するというダイエット法ですが、この方法も栄養のバランスを考えずに行うと特定の栄養素が欠乏する可能性があります。特にカルシウムは、日本人はただでさえ摂取量が少ない上、ダイエットにより一層摂取量が低下します。実際、平成8年度の国民栄養調査の結果をみると、15歳から30歳の女性のカルシウム摂取量は所要量(600ミリグラム)の75〜78%にしか達しておらず、骨量を高めておかなければならないこの時期にこの摂取量では骨粗鬆症予備群といわざるを得ないでしょう。骨粗鬆症は閉経または老化により、骨にすがあいた状態になってもろくなる病態ですが、最近では若い女性の18%がその予備群であるという報告もあります。

ダイエットは骨粗鬆症への片道切符
 ダイエットにより骨粗鬆症になる理由として三つ挙げられます。
 一つはカルシウムの摂取量が減り、十分な骨量を保てないことです。二つめはダイエットによりホルモンのバランスがくずれ、女性ホルモンの分泌が低下して、閉経と同じ状態になってしまうことです。女性ホルモンには小腸からのカルシウム吸収を促進したり、骨からのカルシウムの溶出を抑制する作用があるため、欠乏すると骨量が一気に減少します。三つめは、体重が少ないと骨にかかる重力が少ないため骨の強度が低下します。実際、太っているほうが骨粗鬆症になりにくいし、骨折の危険率も低い。また、皮下脂肪では女性ホルモンが産生されます。これらのことから、減量は骨粗鬆症への片道切符といえるでしょう。

低カロリー甘味料にたよりすぎると
 一方、最近では低カロリー食品が店頭を賑わせています。低カロリー化のための手段として砂糖を減らす方法と脂肪を減らす方法があります。日本では前者が先行しており、低カロリー甘味量が多く利用されています。
 マルチトール、エリスリトール、ラクチトールなどの糖アルコールが主ですが、これらは腸管から吸収されないため、多量に摂取すると下痢をおこします。また、低カロリー油脂ではサラトリムが使用の許可を受けており、クッキーやスナックなどの菓子類に利用されていますが、生体への影響は不明な点も多く、大量摂取の影響など今後の検討が必要です。

やせ願望は永遠…でも外見より中味
 1997年に国民生活センターが行った調査によると(16〜65歳の男女)、ダイエットを実行中あるいはかつて実行したことがあると回答した人が女性では65.1%、男性でも41.9%にのぼっています。男性では「肥満」がダイエットの第一の理由として挙げられましたが、女性では「容姿を整えたい」が第一の理由となっています。
 女性のこの願望は永遠ですが、皆さん外見よりも中味を充実させましょう!

●健康と栄養の明るい悩み相談室


 うちの母(75歳、高血圧と胃潰瘍の薬服用中)が、みのもんた氏の番組で「納豆は夜食べるのが良い」とか「里芋はヌルヌルに栄養があるのだから、ヌメリを取らないで料理して」(そんなの吹きこぼれて、煮るの大変だよ!)とか「ワカメは朝食べるのがいい」とか聞いてきては、主婦の私を振り回し、困っています。あれってホントなんですか?

 里芋、山芋などの粘り(ヌルヌル)は主にガラクトースやマンノースなどが多数結合した多糖類です。私たちの消化酵素では消化されないので、食物繊維の一つです。里芋の調理の時ヌメリを水洗いしても大きく減少しないので心配ないと思います。山芋にはデンプン分解酵素のアミラーゼが多く含まれているので、生で食べても消化は比較的良いです。
 水もどしワカメにもミネラルの他、100グラム中5.6グラムの食物繊維が含まれています。
 糸引き納豆の粘りの中には血栓溶解酵素のナットーキナーゼが含まれているので狭心症や脳梗塞などの血栓症予防に期待されています。心筋梗塞は午前10時から11時にかけて発生することが多く、また寒冷前線や温暖前線の通過時にも発生のピークが見られることが知られています。科学的にみて納豆は夜、ワカメは朝と言えるほどにはいたっていないと思います。
 私たちの体は朝夕、晴れや雨、季節の変化に対応します。溢れる多様な情報に惑わされずに、三日坊主にならないその人にとって長く実行可能な習慣を食生活に取り入れることが大切だと思います。 (回答者 食品科学部 山田和彦)


 労働運動はしていますが、運動はしていません。朝夕、地下鉄の階段の上り下りくらいかなー。運動ってしたほうがいいんだろうけど、めやすを知りたいです。

 まず、運動の強さですが、スポーツ選手がやっているようなきつい運動でなく、“ややきつい”あるいは“楽である”という程度の歩行のような運動を行いましょう。このような運動は、高脂血症や高血圧、糖代謝能を改善することが分かっています。つまり、スポーツ選手がやっているような特別きつい運動をする必要はありません。次に時間ですが、はじめは1日10分程度から始め、約30分程度まで行うようにしましょう。週当たり2回以上、できれば3回ほど行いましょう。3カ月程度で、効果が現れます。 (回答者 健康増進部 田畑泉)


 35歳男性、脂ギトギト肉、特に豚の三枚肉が大好きです。その年になったら食べない方がいいよといわれるのですが…ホントですか? 根拠ある話ですか?私、愛煙家でお酒も好きです。

 35歳にもなると安静時に消費されるエネルギー(カロリー)、すなわち、基礎代謝量が10代や20代の若い頃よりも低下してきます。またこの年代になると体を動かしてエネルギーを使う機会も減ってきます。すなわち、体は、余分な使われないエネルギーを脂肪として皮下や内臓周囲にため込む十分な準備体制ができています。
 肉は脂肪含量が高く、高エネルギー食品です。また、コレステロールも比較的多く含みます。食べ過ぎと運動不足が長く続くと血液中の中性脂肪やコレスロールが高くなり、高脂血症になります。高脂血症は動脈硬化ひいては虚血性心臓病や脳梗塞の原因となります。これにたばこ、酒の飲み過ぎが加わると相乗的に危険度が高まります。高血圧者はさらに注意が必要です。従って、肉の量は若い時の七割程度に控えるようにした方が良いでしょう。どうしても肉が食べたいなら、減らした分を魚肉にしてください。一緒に野菜も十分に摂れば、食べ過ぎも抑えられ一石二鳥です。要は腹八分目とバランスの良い食べ方が大切です。これが実に簡単なようで難しい事なのです。 (回答者 食品科学部 斎藤衛郎)

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